機動戦士ガンダムSEED FREEDOM REVERSE 作:meitoken
シュラはアスランのMSがあのジャスティスの外装であることを知り、唇を上げた。
「面白い!」
ジャスティスのビームハルバード、シールドと足のビームサーベルを受け止め、シールドで押し合う。
ユリは無事なキラとラクスの姿を見て安堵した。そして、ビームサーベルとビームソードで斬り結ぶ。
「全く、婚約者同士で無茶するんだから!」
もし、キラとカガリに出会わずに結婚していたらあの二人に輪をかけて無茶をする子どもが生まれていたのでは?そう思いながら、ユリはミトラに頭突きを喰らわせて更に蹴り飛ばす。
ブレイブとトゥルースは合流し、互いの相手と斬り合っていた。ブレイブはビームソードとシールドのサーベルでオパールの剣を受け止め、それを巴投げの容量で投げ飛ばした。すぐに体勢を立て直されるが、レナもそれを躱す。
「キラとラクスは無事よ!」
トゥルースはビームサーベルでマラカイトと斬り合い、互いに至近距離で胸部と腹部のビーム砲を発射してそのエネルギーに飛ばされる。
「なら、俺達は続けようか!」
ラクスがプラウドディフェンダーから降りて、マイティーストライクフリーダムとなったフリーダムのコクピットに入ってきた。
「ラクス、どうして…」
「私の意志は貴方と共にあります。幾久しく、よろしくお願いします。」
その言葉はラクスからの最大の愛の言葉だ。キラは、それに応える。
「行くよ…」
「はい!」
ラクスはコクピットに付属するサブシートに座った。
オルフェはラクスがフリーダムに乗り込むのが見えて、怒りが限界を超えた。
「そうまでして私を拒むか…」
ドラグーンを展開し、イングリットもジグラートのビームを撃つ。
「ならばその愚鈍な愛と共に滅びるがいい!」
オルフェの怒号と共にドラグーンとジグラートのビームがフリーダムを襲うが、背中の装備が展開するフィールドにビームを阻まれた。ならば、とミサイルを発射する。
「これは私が!」
時折、来ていたあの感覚を使いラクスはプラウドディフェンダーの機能を展開する。これは思考制御型の装備で、放出されるナノ粒子で攻撃を防ぐだけではない。この装備の真価は他にある。
ラクスはメサイアの影から発射されたミサイルだけでなく、カルラのドラグーンと周囲の敵艦隊にも照準を合わせる。
そして、プラウドディフェンダーから膨大な電撃が発せられる。電撃はミサイルを撃ち落とすだけでなく、ドラグーンと戦艦の駆動系を破壊して月面に墜落させる。
ライジングフリーダムでも運用が想定されたこの武器は、キラが敵MS及び艦船の無力化による制圧を目的に開発していたものだ。
「ディスラプターを使う!キラ・ヤマト准将、ディスラプター使用を申請!」
「総裁ラクス・クライン、ディスラプター使用を承認します。」
改修されたフリーダムの額に内蔵されたビーム砲、これが本機の最強の武器だ。だが、最強であるが故にプラウドディフェンダーの装備と総裁の承認がなければ使用できないようになっている。今回はキラとラクスが同じコクピットにいるためにその場で使用が可能になった。
「ディスラプター起動、出力80%!」
「敵はメサイアの影にいます。私の意識とリンクを。」
ラクスは自分の認識した敵をキラの頭に送る。メサイアの影に三機、大型の移動砲台か艦艇と思しき敵がいた。キラがそれを認識し、ディスラプターを発射する。
細い。余りにも細いビームが撃たれた。だが、その威力は最早MSの武器の範疇に収まるものではなく、メサイアを貫通してジグラートを三機とも一撃で両断した。
ドミニクの苛立ちは限界に達していた。いくら思考を読んでも大型クローで決める以外の思考が出てこない。
「いい加減にしやがれ!!」
もう、限界だ!どうせ、性能はこっちの方が上なんだ!正面から叩き潰してやる!!
ルドラの分身でクリエイターに接近する。クリエイターはこちらの動きに着いていけずに翻弄される。
馬鹿め!所詮はその程度だ!
正面から対艦刀を振り下ろそうとしたとき、クリエイターはライフルを前に突き出した。対艦刀はライフルを切り裂いただけだったが……
「何!?」
剣を振り下ろしたタイミングでクリエイターが急接近して両腕と腰のクローでルドラを捕まえた。
「この程度で…!?」
思考を読んでいるドミニクはクリエイターの動きが見えた。クリエイターの背中のクローが動いた。だが……
「くそ!放せ!」
だが、動けない。クローと両腕を捕まれて、分身も出来ない。
〈読めても、動けなければ意味がないだろう?〉
クローが頭部を殴りつけ、ルドラの装甲をひしゃげさせた。更にその隙を突いてクリエイターがランサーダートを発射し、対艦刀を持った右腕に刺さった。貫徹弾の爆発にはFT装甲も耐えられずに右腕を失い、そのまま勢いでクリエイターはクローをコクピットめがけてたたき込んだ。
「ごぶぉ!!」
ドミニクの身体はクローに押しつぶされた。確かに敵はクローで勝負を決めた。ドミニクが最後に呼んだのは、『とどめを意識しすぎたな。』という独白だった。
ハイディはビームバズーカを奪った。
「ほら、どうしたの!?自分の武器が怖いの!?」
威力ならばルドラのライフルより上だ。いくら対ビームコーティングのアサルトシュラウドでもこれは厳しい。
相手はよけ続けるが、そんな重い機体ではいずれ限界が来る。分身を使うまでもない。機動力で近づいて真っ二つにしてやる。ミサイルを撃ってきたが、バズーカの砲撃でそれを撃ち落とす。
そう思ったとき、リドレスは動きを止めてビームサーベルを抜いた。
ようやく、その気になったのね?リドレスは背中のスラスターを全開にして突っ込んできた。だが……
「遅いわね。自分の武器で死になさい。」
ビームバズーカでリドレスを撃った。リドレスはバズーカの直撃を受けて木っ端微塵になった。
「所詮はこの程度ね…」
が…爆炎から何かが飛び出してきた。
「え!?」
リドレスだ。先ほどより遙かに速いスピードで肉薄し、ルドラの対艦刀を持った右腕を切り裂き、コクピットにめがけて左手のビームサーベルをたたき込んだ。
「ぎゃあああああああああ!!!!」
なんで、私が!?私はアコードよ!?只のコーディネイターに負けるわけがない!!
思考だって、読んだのになんで負けるの!?
アリスはルドラを撃墜し、一息ついた。
「アサルトシュラウドがある時点で想定するべきだったのよ……パージして身軽になるって。」
こいつらは型にはまりすぎている。ルドラの武器もライフルと対艦刀、シールドとかつてのジンと全く同じ。高い性能のMSとパイロットが揃えばそれで充分だということなのだろうが……それだけで勝てるほどMS戦は甘くない。
アリスはサーベルに貫かれた際に手放されたビームバズーカを取り戻し、レクイエムへ向かった。アサルトシュラウドはないが、ビームバズーカが一丁にレールガンも二丁背中にある。護衛のMSや艦隊ならこれでも充分やれる。
「シンクロアタックだ!行きますよ!」
『了解!』
リューの指示で粘り続けるデスティニーに業を煮やしたアコード達は意識をリンクした。アコード達の奥の手だ。
『闇に堕ちろ!』
グリフィンがエルドアのキラと同じようにシンを暴走させようとする。しかし…アコード達はシンの心に誰かがいるのが見えた。金髪の少女だ
シンは…私が守る!
可憐な容姿だと思った少女が突然、化け物に姿を変えて口を大きく開いた。
まるで、シンの外敵を全て食い尽くすといわんばかりに。
『こいつの闇は!』
『深すぎる!!』
深い。深すぎる。余りにも深すぎる闇だ。アコード達はその余りの闇の深さに恐怖した。こんなの、今まで読んだことがない。
アウラの作った世界で生きてきた故に知らないのだ。外の世界では、誰しも経験することを……程度に差はあっても経験する挫折や失敗を……そして、シンやキラのような大事な人を戦争で失った闇を。
暴走させられないならと無人機に攻撃させようとするが、既に殆どの無人機が撃墜された上にデスティニーが速すぎて捕えられない。いや…
「奴が、消えた?あり得ない!」
先ほどまでよりもずっと速いスピードだ。ルドラでも追い切れない。
『知らないよ、こんな武器!』
ダニエルが言うとおり、こんなの知らない。
「そんな寝ぼけた分身が通用するか!」
シンはデスティニーのスピードを全開にして四機のルドラを翻弄する。今まで以上のスピードで翻弄し、シンは勝負に出る。
「分身は…こうやるんだあぁぁぁ!!」
デスティニーが何機にも分裂した。どれが本物か目視では判断が出来ない。有視界戦闘を行うMSでこれは痛恨の一撃だ。
四機はどれが本物か分からずにいたとき、一機の分身の後ろからヒルダのゲルググが現れた。
〈あいつらの…仇ぃ!!〉
ハルバードがルドラの一機、ガーネットを両断した。
〈きゃあああああああああ!!!!!〉
リデルは断末魔と共にルドラごと火の玉になった。
〈リデルーーーー!!〉
〈ああああああああああ!!!〉
〈嫌だあぁぁぁぁぁぁぁあああ!!〉
意識をリンクしていたことで残った三人はリデルの死の恐怖と敗北の絶望を共有して恐慌状態に陥って、機体の操縦さえままならない。もはやアコード達はシンの敵ではなかった。
「うおおおおおおお!!!!」
アロンダイトがスピネルを貫き、分身した三機のブーメランのどれが本物か分からないエメラルドを切り刻んで長距離ビーム砲を損傷した装甲をゼロ距離から撃ち抜き、サファイアをパルマフィオキーナで貫通した。
グルヴェイグでアウラはレクイエムの修理が終わり、準備が終わり次第オーブを撃つように命令した。しかし、それから間もなく六機のルドラが撃墜されたのを見た。
「私の子供達が!」
そんな、馬鹿な!?あの子達は私の最高傑作!人類を導く、究極のコーディネイターとして私が作った!
なのに、キラ・ヤマトですらない只のコーディネイターに負けるなんて!?
「あああああ……オーブもプラントも焼き払ってやる!!」
ハルバードとサーベルでゲルググとミントは斬り合っていた。
〈あんたみたいなナチュラルが私のカインにくっついてるんじゃないわよ!!〉
「カインと付き合うのに、あんたの許可がいるの?」
〈ナチュラルのあんたなんかが相応しくないって言ってるのよ!〉
クレムは本気で頭にきた。こいつはさっきのラクスもだが、結局カインの気持ちなんてこれっぽっちも考えていない。大体、アリーナの言っていることはさっきからコーディネイターがナチュラルに負けるわけない。根本はそればかりだ。
「つまり、あんたはカインが他のコーディネイターの女と付き合っても文句つけるわけだ!」
〈何よ!私が相応しいんだから、当然でしょ!?〉
ライフルでゲルググを攻撃するが、シールドを失ってもゲルググは躱し続けてハルバードで接近する。
「あんたはそう言って自分に自信がないくせに努力してない!努力しないだけアグネスより質が悪いわ!」
〈ナチュラルのあんたにコーディネイターの私が負けるなんてあり得ないのよ!〉
「それが自分に自信がないって言ってるのよ!」
ハルバードの一撃をシールドで受け流して後ろに回り、ライフルで右腕と足を破壊して月面に向けてゲルググをたたきつけた。
〈私が…負けた?〉
「そうよ、負けたのよ。プラントの牢屋で反省しなさい。」
ギャンのビームサーベルをグレンはビームサーベル二本で受け止めていた。
〈アリスをそそのかして、今度は誰を口説くつもりだ!?〉
「あいにく、そうしたことに無縁だったからな。口説き方なんて分からないよ!」
アリスを口説いたつもりなどない。只、彼女は初めて生身で出会ったコーディネイターだった。聞いていたイメージと違ったから印象に残っていた。
〈嘘つけ!そうやって、コーディネイターの女を口説いてナチュラルが正当な人間だって言いたいだけだろう!?〉
「そういう発想しか出来ないんじゃ、お前はいつまで経ってもアリスに振り向いてもらえないぞ!」
ビームサーベルを持って二機は接近した。
〈俺がアリスに振られるなんてあるはずない!〉
「現実を見たらどうだ!」
ギャンの右腕と頭部を切り落とし、月面に殴り飛ばしてやった。
〈ま、負けるわけがない。俺がナチュラルに…!〉
「負けているよ、もう。」
ルナマリアとアグネスはまだ斬り合っていた。
「いつもいつも…私ばっかりなんでうまく行かないの!?」
アカデミーで見つけた良さそうな男はみんな外れ。一番良さそうなレイは落ちこぼれのシンの特訓に付き合うし、ミネルバに配属されると思ったらシンやルナマリアにその椅子はとられる。ならばと、世界トップクラスの組織のコンパスでキラ・ヤマトという最高の男を見つけたのに彼は自分を見てくれない。
インパルスとギャンはサーベルとシールドを互いにぶつけて押し合う。
〈それ、本気で言ってる?〉
「あんたなんか、好きでもないあんなチンクシャと付き合って結構いい目見てるじゃない!」
デュランダルに良いように使われ、煽てられてFAITHになったシンで妥協したルナマリアに言われたくない!どうせ同じFAITHならレイだろう!
〈はあ?好きだけど?悪い!?〉
「うっそ!好きなの、あんな山猿!?」
FAITHじゃなくても、シンが好きだというのか?あんな落ちこぼれの山猿が!!
〈大きなお世話!好きじゃなくて、なんで付き合うのよ!?〉
好きだから…付き合う?
「…私には愛される価値があるのよ!」
〈だから何!?〉
インパルスとギャンは交差し、ルナマリアが勝った。インパルスは振り向きざまにギャンの背中のバックパックに向けてバルカンを撃ち、推力を失ったギャンは月面へ落ちていった。
「私だって…好きで…!」
シュラが、私の価値を分かってくれたシュラのことが…!
マイティーストライクフリーダムの出番にミネルバ、ファントムペインはそれぞれアコードとクーデター派に勝ちました。
カインとアリスは正に最初に読まれたとおりに決めた。カインは最初から六本の腕で動きを止めるのを狙い、その上でクローで留め。アリスはアサルトシュラウドを捨てることも想定してました。
とどめの一撃ばかり読んでいたから、それを意識しすぎた結果負けてしまいました。
そして、オリジナルのフロアとアリーナ……二人共『自分がコーディネイターだからナチュラルに恋愛で負けるわけない』とわめき続けた結果、コーディネイターだからナチュラルだからではなく、『初めて生身で出会った良いコーディネイター』というきっかけはあっても今では「その人が好きだから付き合っている」グレンとクレムに負けました。
根拠のない優生論と純然たる愛の差、のつもりです。