機動戦士ガンダムSEED FREEDOM REVERSE   作:meitoken

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AFTER-PHASE 小さなこと

カルラの撃墜とグルヴェイグの撃沈、レクイエムの破壊を持ってファウンデーション軍は降伏。ザフトのクーデター軍もブルクハルトの撃沈もあり、全面降伏した。

 

モニターでそれを見ていたホールはため息をつく。

 

「終わったか……だが、問題はこの後だ。」

 

ファウンデーション軍の国際法廷、黒幕が女帝と宰相らアコードでもファウンデーションはもう独立を手放すこととなる可能性が高く、首都が核で壊滅した以上はその地域は放棄するしかない。

 

エルドア及びファウンデーション首都の生存者への支援と移住に放射能汚染治療、放射能汚染地域の封鎖、デスティニープランの導入中止、コンパスの活動再開の是非、ザフト軍クーデター派もプラント、連合、オーブによる国際法廷が待っている。

 

ホールは副官を呼び、まとめ上げた書類を出した。

 

「これを政府と連合軍司令部に。」

 

「は!」

 

この後、キラとラクスがMIAになったという報告が入る事となる。ホールも行方について尋ねられたが、彼は知らない。

 

それ以上に……

 

「彼らはまだ二十歳だ。いかに偉業をなしても二十歳の若者に全てを押しつけるのはいかがなものかと思うぞ。第一に…ファウンデーションの要求でプラントがあっさりと着いたのはクーデター軍に政府を抑えられただけでなく、総裁の名前を使ったからだ。また、同じ事を繰り返すのか?我々は二十歳の若者に頼らないと何も出来ないのか?」

 

またも、世界は頼り切っている。世界を背負うには二人は若すぎるし、それは重すぎるのだ。

 

私に世界を背負う器はない。ならばせめて、背負う大人をサポートしよう。カガリやフブキのような若者ばかりに世界の重責を背負わせるべきではない。本来背負うべきなのは、年端のいかない少年少女の彼らが行動をするまで何もしなかった大人なのだから。それが私の大人としての役目だ。

 

 

 

アグネスはギャンから出て、座り込んでいた。

 

シュラは死んだ……やっと会えたと思ったのに、私のことを、価値を分かってくれる人に。

 

なんで、誰も私の価値を分からないの?

 

塞ぎ込むアグネスの元に一機のMSが現れた。インパルスだ。

 

戻ってこい、と言わんばかりにインパルスは手を差し伸べていた。

 

 

 

ミレニアムに戻ったムウは戦闘を終えて、ブリッジクルーから拍手で出迎えられたマリューと熱いキスを交わした。帰ってきた。アークエンジェルを守った時に続いて、今度はそれ以上の無茶をしてムウは帰ってきた。

 

 

 

レイラはエクスシアにいるナタルに繋いだ。

 

「終わったわね。」

 

〈ええ…そちらは?〉

 

「生徒はみんな無事。お疲れ様。」

 

〈いえ、教官方のおかげで生き残れました。〉

 

生徒達は全員無事だ。M1の損傷は酷いが、生きているのは嬉しい。

 

「帰ったら、ゆっくり休みなさい。その後で、今回の復習の模擬戦だからね。」

 

〈は、はい…〉

 

「ところで、キラは?」

 

〈フリーダムは敵大将機と交戦を確認しましたが、その先は……〉

 

「そう…」

 

 

 

ジャスティスはキャバリアーで地上へ降りた。飛行装備を持たないアビスはセイバーとカオスに支えられる形で地上へ降り、ブレイブとトゥルースも合流する。そして、ジャスティスとルージュから離れ、残りも自ずと二機ずつになった。

 

戦いを終え、アスランはあの日カガリがくれたペンダントを、カガリはアスランがくれた指輪を首から下げており、互いにそれをモニター越しに見せ合った。

 

 

 

ファウンデーションとの決戦からしばらく経ち……アコード達の存在もコーディネイター以上の化け物、殺戮者、救世主と意見は分かれている。そんな中で、人々は最後に残ったアコードのラクスを探し求めている。だが、彼女は発見できていない。

 

ユリは書類整理を終えて、一息ついた。

 

「はあ、終わった…」

 

「お疲れ様。」

 

シュウが紅茶を入れた。

 

「ありがとう……」

 

砂糖とミルクを入れて、一口飲む。砂糖の甘みが疲れた身体によく効く。

 

「キラとラクスは…」

 

「まあ、ね。」

 

ユリはキラとラクスの行方について、聞かれたが知らないと答えた。

 

「落ち着いたら見に行きたいわ。」

 

「そうだな……」

 

後ろからシュウが抱き締めた。

 

「もし、二人の元へ行くなら俺も行くよ。」

 

「嬉しいわ…」

 

振り向いて、二人は唇を重ねた。

 

 

 

イザーク、ディアッカ、ニコルは戦友達の墓に花を添えた。ミゲル・アイマン、ラスティ・マッケンジー、キール・フロックだ。

 

「クーデターの後始末はようやく終わった。」

 

「アスランもこの間の件で身体張ってくれたよ。」

 

「でも、まだまだ終わりそうもないです。」

 

墓の下に……遺体はない。だが、それでも彼らはここに来ている。

 

「お、来たぞ。」

 

ディアッカが見た方向にはシオン・クールズとイリア・カシム、ミサキ・グールドがいた。後ろにはレナ・クールズもいる。

 

「じゃあ、私は…」

 

「お前も来い。ちゃんと、教えたいんだ。」

 

シオンは今回の件でプラントに行くのには難色を示した。だが、イザーク達が説得してようやく一日だけ滞在という条件で首を縦に振ってくれた。

 

イリアが花を添えた。

 

「よう、久しぶり。」

 

「ちゃんと連れてくるのは初めてだけど…シオンの妹のレナ・クールズよ。私達が攻撃した、ヘリオポリスにいたの。」

 

ミサキがレナを紹介し、シオンが語りかける。

 

「因果なものだな。俺やお前達がヘリオポリスを攻撃したせいでレナはMSに乗り、お前達を殺した。そして、俺達はレナの仲間を殺した。」

 

レナは無言で頭を下げた。

 

そして、イザークが改めて仲間に語りかける。

 

「許せ、とはいわない。だが、俺達のプラントを守る戦いはこうしたことを生み出していたんだ。だから、終わらせる道を今も探す。」

 

「って訳だから、まだ暫くそっちには逝けそうもないけどよ。」

 

「そっちに逝ったら、一曲演奏します。」

 

ディアッカとニコルが仲間に決意を告げた。

 

最後にシオンが敬礼をする。

 

「今度来るときは、アスランも連れてくる。」

 

 

 

シンとルナマリア、メイリン、カイン、アリスはレイとルゥの墓に花を添えた。

 

「レイ……お前がメサイアで死んで一年くらいでまた戦争があったよ。」

 

「デスティニープランを前提に造ったコーディネイター、アコードだって。」

 

「レイとルゥは…どう思う?議長の理想の体現者だと思う?それとも、自分やキラさんと同じ人だと思う?」

 

メイリンの問いに二人はなんて答えるだろう。

 

「でも、これだけは言える。ルゥ…お前もレイも議長も、平和のためにプランを実行しようとしていた。」

 

「ファウンデーションは、それを世界征服の方便みたいにしていたけど……それなら、邪魔しても許してくれるわよね?」

 

この後、彼らはクーデター派の生き残りとして裁きを受けているアリーナとフロアに会いに行く予定だ。

 

 

 

グレンとクレムはソウジ・ナカモトが死んだクレタの海に花を投げ入れた。

 

「ねえ、ソウジ……あたし今、コーディネイターの彼氏と一緒の職場で働いてるわ。あんたなら多分、カインの同僚に可愛い子がいたら紹介してくれって、頼むんでしょうね。」

 

「もっとも、そうなってもアリスはやらないぞ。」

 

ソウジなら意外とコンパスにもなじみそうだとも思う。あの女好きだから、ラクスを口説こうとして相手にされずにキラに対抗意識を燃やして絡んで親しくなる。そんな光景が二人の脳裏に浮かんだ。

 

 

 

ナタルはレイラと共にオーブの公共墓地に訪れていた。フレイ・アルスターとトール・ケーニヒ……アークエンジェルに乗り込んだキラと同じヘリオポリスの学生だ。先客に、サイ・アーガイルとミリアリア・ハウ、メイ・ハーベストがいた。

 

三人が敬礼し、ナタルも敬礼で返す。

 

「アルスター曹長、君が死んでもう四年だ。相変わらず、世界はコーディネイターとナチュラルでいがみ合っている。」

 

「それと……キラは貴女が死んでずっと無茶したけど、今はどこかで休んでいるわ。ラクス・クラインが一緒だけど、それくらいは許して欲しいわ。」

 

ナタルとレイラが語りかけ、そしてレイラはトールの墓にも花を添える。チラリとミリアリアを見ると、彼女は無言で頷いた。

 

「ミリィはなんとか頑張っているわ……貴方が今も生きていたら、キラのために頑張ったかもしれないけど…今、キラはゆっくり休んでるから………ごめんなさい、まだ暫く逝けそうもないから。」

 

そこへ、ムウとマリューもやってきた。

 

 

 

フブキとリュウはオノゴロの公園で花を添えた。

 

「ファウンデーションとの戦争、やっと終わったわ。と言っても…まだ事後処理は残ってるけど…今度はここが荒らされることはなかったわ。」

 

リュウは家族に語りかける。

 

「カガリさん、凄く頑張ったの。避難を指示しながら、MSに乗って。」

 

そして、いくつか語りかけて……

 

「私、ウズミ様のご子息と今付き合ってるの。いつになるか分からないけど、将来結婚したいわ。その時は祝福してくれるわよね。」

 

あの日以来、首から肌身離さず持っているロケットを手に家族に語りかけ、フブキも敬礼する。

 

「貴方達の息子さんは、一度はこの国を滅ぼそうとした。ですが、今度はその過ちを償うべく、戦いました。今は…それを褒めてあげてください。」

 

そして、二人もまた慰霊碑に背を向けた。

 

 

 

愛の反対は憎しみではない。愛の反対は無関心。

 

私の中に貴方がいます。貴方の中に、私はいますか?私の中に貴方がいるという喜び。貴方の中に私がいるという力。

 

明るいか、暗いかも分からない。未来は何も見えぬもの。だけど、繋げる手があれば…支え合っていける心があれば……見えぬ二人も進めるでしょう。繋ぐ二人の手のために、その手を強くするために。互いのことを知りましょう。

 

話します。私の心にある沢山のこと、小さなことを。だから、貴方も私に話してください。貴方の心の中にある沢山の小さなことを…

 

 

 

 

 

 




かなり駆け足でしたが、ガンダムSEED終わりました。

FREEDOM ZEROもやりますが、それは当分先。まだ20年後は嫌です。



最後なんですが、やはりというか大半が死んだ仲間の墓参りしか浮かびませんでした。

後、アスランとカガリは小説版まんまになるので省いて、キラとラクスもカットです。

ただ、小説版と去年のリバイバル上映によれば二人がいるのはオーブ領内のどこかでしょうね。監督も完全に引退する気ないと言ってたそうですし。



実は自由上映前に原案止まりだった奴では、シオンは『二度の戦争が自分達を利用するための地球とプラントの茶番』と決めつけるまでに人間不信に陥り、ファウンデーションとはまた違う敵が出てきたときも茶番と決めつけ、『なんで俺が人間共のために骨を折らないといけない?』となるほどでした。

私的にシオンは一番力を入れており、ある意味でキラやアスランが辿っていた結末の一つを意識してました。つまり、滅ぼそうという意欲すら出ないほどに人間に愛想が尽きたキラとアスラン…
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