成り代わりギルガメッシュは星核ハンター   作:──

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第二話

栄華の惑星と呼ばれた星、ウルク。

その二代目の王となる運命を持って(オレ)は生まれた。

ただ一つ問題があるとすればそれは……

 

(……カンパニー、存護…いやめちゃくちゃスタレだ!?)

 

我には前世の記憶があり、この世界がスタレの世界であると知っていること、そして自分の姿がFate/シリーズのギルガメッシュであると自覚していることだった。

そこからの半生はおおよそ原典のギルガメッシュと変わらない。

我はできる限り完璧なギルガメッシュを演じてきたが、二つの相違点があった。

一つ目はウルクという星が外界との繋がりを持っていたことだった。

ウルクへ訪れたスターピースカンパニーの石心や星穹列車など、様々な者たちと知り合った。

そうしてもう一つの相違点、それはティアマトが母神でありながら貪欲の使令であったことだ。

つまり、スタレ世界におけるティアマトのケイオスタイドとは彼女の使令としての能力であり、それは星そのものを喰らう貪欲の表れであったのだ。

 

「王よ、黒泥がすぐそこまで!」

「前線はなんとか維持していますが、ナピシュテムの牙がいつまで保てるか……」

 

ギリギリの戦況の中──元々期待してはいなかったが──ここはFate/世界ではないのだから、カルデアはやって来ない。

カルデアが存在しないのだから、カルデアの仲介があってこそ力を貸してくれた姉妹の女神も現れず、さらに言えばマーリンのようなサーヴァントも召喚できなかった。

エルキドゥはすでに死に、あれだけウルクという星の利益を説いていたスターピースカンパニーも増援を寄越さず、星穹列車とも連絡がつかない。

 

「王よ、あなたにはこの全てを解決できるだけの力があるのではないですか?」

「我が出来るのは、全てを更地にするのみだ。そうすればお前たちも──」

「良いのです、王よ。あなた一人が存命であればこのウルクは消えないのですから」

 

シドゥリはそう言った。

つまり、彼女は我に乖離剣を抜けと言ったのだ。

三日の間、我は悩み続けた。

そして、悩んだ末にそれ以外にないと結論を下した。

我が話した結論に、ウルクの民は皆笑顔で頷いた。

 

「それほど考えたのなら、仕方のないことです」

「あれほどの怪物を他の星に解き放つわけにはいきません」

 

口々に違う理由で我の判断を認める者たち。

だが、彼らは最後には口を揃えて言うのだ

 

「王よ、あなただけでも生きてください」

 

と。

本物の彼ならば何かしら出来たのかもしれない、しかし我に残された手段は一つだった。

 

「……原初を語る」

 

エアが回転し、赤い雷が辺りを照らす。

ティアマトは自身にとって脅威となる気配を察知して叫んだ。

 

「──Laaaaa!!」

 

「天地は別れ無は開闢を言祝ぐ。世界を裂くは我が乖離剣──!」

 

ティアマトが虚数エネルギーを凝縮させ始めるが、すでに遅い。

 

「星々を廻す渦、天上の地獄とは創世前夜の終着よ。死を以て鎮まるが良い──『 天地乖離す開闢の星 (エヌマ・エリシュ)』ッ!!」

 

赤雷と魔力が吹き荒れ、世界を破る一撃が放たれる。

ティアマトは塵となって消え、その余波が惑星中に広がってゆく。

そうして、栄華の惑星ウルクは廃墟となり、我はその後しばらくの間償いとして廃墟となったジグラットの玉座に座り続けた。

 

今になってカフカから聞いた話だが、スターピースカンパニーはウルクに人がいなくなったのを好機と見てウルクの地下資源の採掘に乗り出そうとしているらしい。──そして、()()の相手が我の星核ハンターとしての最初の仕事らしい。

 

───────────────

ウルクの某所にて

 

「おい、そこの男!ここはカンパニーの資源掘削区域だ。邪魔をするな、さっさと出て─────」

「我の赦しを得ず我が領土に侵入し、あまつさえ盗掘とは、カンパニーは随分と堕ちたものだな?」

 

ウルクでの鉱石資源の採集作業中の作業員の監督の目の前に一人の男が現れた。

男はその血のように赤い瞳を不機嫌そうに細めてカンパニーの従業員を睨みつけている。

 

「三つ数えてやる。疾くこの場から失せろ」

「はっ、誰がお前の命令を聞くと思ってる?俺たちはカンパニーの事業でここに来ているんだぞ!」

「そうか、ならいい」

 

次の瞬間、男の背後に黄金色の波紋が現れ、そこから飛び出した剣がカンパニーの従業員の一人──先ほど男と話した者──を貫いた。

静観していた他の作業員や従業員たちも突然の異常事態に動きを止めて男を見つめた。

 

「き、貴様!何者だ!」

「……ほう、我が何者であるかも知らずにここに足を踏み入れたか。…教えてやる、我はこのウルクの王にして──」

 

彼の手元に黄金の波紋が浮かび上がり、そこから短剣ほどの大きさがある鍵のような物体が彼の手に差し出された。

彼がそれを天へと向け、鍵を開けるような動作をするとそれは彼の手の中で変形し、赤い電子回路のような無数の線が──上空へ向かうにつれて数を増やしながら──空へと伸びた。

 

「……奇物か!?」

「否、これは宝具だ。お前たちのためではなく、かつてここにあった我が国のため、手向けに抜き払ってやるのだ、光栄に思えよ?雑種」

 

彼の言葉が終わると同時に、空へと立ち昇っていた赤い無数の線がその始まりである男の手元にふたたび集まり、眩い輝きを放った。

輝きが収まったその時、男の手元にあったのは一振りの剣だった。

いや、それは剣というにはあまりに丸く、剣身の部分は互い違いに動く三つの層からなる円筒であり、その表面には先ほど空へと伸びたものと同じような赤い模様が刻まれている。

 

「……ウルクの民への手向けだ。エアよ、存分に詠え」

 

次の瞬間、三つの円筒が高速で回転し凄まじい衝撃波と共に赤い光が迸る。

暴風が辺りを包み、それが止んだ頃にはそこに残る生者はギルガメッシュただ一人だった。

 

「あら、ソレを私に見せて良かったのかしら?」

「つい先程言った理由と、お前たちと同じ星核ハンターとなる身としての誠意だ。二度は見せん、しっかりと目に焼き付けよと言ったはずだ」

「凄まじい威力でした。二度目を見る機会は、無い方がいい」

「……なにあれ、チート?」

 

ギルガメッシュから貸し与えられていた戦闘機のような宝具ヴィマーナで上空から先ほどの鏖殺を見ていた星核ハンターの面々が地上に降りてその感想を口々に述べる中、黙っていた刃がギルガメッシュの肩を掴む。

 

「……お前は、殺せるのではないか?……この、俺を──!」

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