成り代わりギルガメッシュは星核ハンター 作:──
「……出来ないことはない、我の宝物庫には不死殺しの宝具などごまんとある」
「……!ならば──」
「しかし、我の財は死にたがりの阿呆を殺すために貯蓄しているわけではない」
「……いいだろう。ならば、殺さねばならんようにしてやる」
刃は剣を取り出し、ギルガメッシュへと振り下ろした。
しかし、彼はそれを半歩下がって避け、続く大振りの一撃は黄金の波紋から現れた盾によって塞がれた。
「……くだらん、道化にも劣るな。──これで満足しておけ」
ギルガメッシュがそう言うと、刃の頭上から三本の剣が刃を地面に縫い付けた。
「カフカ、そいつを落ち着かせてから声をかけろ。帰りもヴィマーナに乗せてやる」
ギルガメッシュはそう言うと、ジグラットの方面へと歩いて行った。
銀狼はその場でゲームをしており、刃は地面に伏してカフカも刃に暗示をかけるのに忙しいらしい、手持ち無沙汰なサムはギルガメッシュの後を追うことにした。
「……構わんが、面白いものはないぞ?」
『手持ち無沙汰なだけです。お構いなく』
二人は無言のまま長い階段を上り、階段の先に寂しく鎮座する玉座にギルガメッシュは腰掛けた。
ギルガメッシュの堂々とした姿は、サムにウルクの往日の王政を想像させた。
ギルガメッシュは玉座の横に手を伸ばそうとして、そこに誰も、何もいないことを思い出してその手を空中で止めて引っ込めた。
「……さて、鎧を脱ぐが良い、女」
『──!』
「我を誰だと心得る?この程度、容易く
「……そうなんだ。王様は凄いんだね」
銀色の鎧が炎に包まれ、しばらくしてそれが消える。
すると、先ほどまでサムが立っていた場所には一人の少女が立っていた。
「その通り、この程度造作もなくこなしてこそ王というものよ。見抜いたついでに、お前に王からの下賜だ。ありがたく受け取るが良い」
上機嫌に答えたギルガメッシュは少し考えるような仕草をした後、黄金の波紋を呼び出し、その中から一本の瓶を取り出した。
瓶の中は青白い液体で満たされている。
「……これは?」
「お前の
「っ!?ほ、本当に!?」
「あぁ、だがまだ使うなよ」
「え?どうして?あたしは今すぐ、少しでも時間を──」
「まぁそう言うな、お前がいずれ辿り着く星──ピノコニーまでその霊薬をとっておけ。その時、そいつがあれば唯一無二の時間を得られるだろう。……友とは無二の宝だ、出会いの機会を無駄にするなよ?」
そう言って少しだけ寂しそうな顔をして、ギルガメッシュは玉座から立ち上がった。
それと同時にホタルはもう一度鉄騎を纏いサムに戻る。
『……予定を邪魔してしまいましたか?』
「いや、そもそもがくだらん感傷だ…気にするな」
ギルガメッシュはそう言って、かつて自らの玉座の間とも言える空間であったその部屋を見回す。
その時、カフカがその場にやってきた。
「やっぱりここにいたのね?準備ができたわ」
「そうか、ならば帰るとしよう」
ギルガメッシュはそう言って玉座に、そしてジグラットに背を向けた。
ホタルにはその背中が酷く孤独なものに見えた。