初投稿 姫 晴紀(ひめ はるき)です
バーダックの生存IF ご都合展開ですけど早速いきますか
惑星ベジータ――
戦いを終えたサイヤ人たちの怒号と笑い声が、赤く染まる空に響く。
だが、その喧騒の中でバーダックは、ひとり眉間をしかめていた。
「また……だ」
目の奥に、焼きつくような映像が蘇る。
死、炎、爆光、絶叫、崩壊……そしてフリーザの冷笑。
未来の断片。それも、ただの幻じゃない。
あまりに“リアルすぎる”。
「……サイヤ人が、全滅……? クソ……なんなんだこれは……」
額ににじむ汗を拭う。
胸がざわついて仕方がない。いつものようにケガを癒す間も、落ち着かない。
気づけばバーダックは、ギネとカカロットがいる病室を見つめていた。
ポッドの中で眠る、まだ赤ん坊のカカロット――
(あいつだけ……生き残る未来も、見えた……)
その姿が、やけに静かに思えた。
(……誰も助けちゃくれねぇ……だったら――)
バーダックは、決意する。
「未来を……変える。変えてやる……この俺が!!」
深夜――
小型宇宙艇を一機、奪い取るように発進させる。
目指すは、フリーザ艦。――無謀だ。
だが、サイヤ人は「無謀」に賭けて生きてきた種族だ。
未来を知って、なお黙っているような性格じゃない。
(俺が見たのが本当の未来なら、あの野郎は近いうちに動く。星ごと、まとめて消す気だ……!)
バーダックの目に、憤りと恐怖と……そしてわずかな焦りが宿る。
数分前バーダックはギネに嫌な予感がすると伝え、赤子のカカロットを遠い辺境の星へと飛ばすべくポットを担ぎ戻ってくる。
「絶対に生き延びるんだぞ」
カカロットは幸せそうに眠ったまま宇宙の彼方へとばされた
(カカロット、お前だけでも……生き延びろ……)
そう呟いた時、彼の脳裏にふと別の“映像”がよぎった。
成長したカカロットが、恐ろしい気を持つ敵と戦っている……その姿。
(あれは……あいつが戦士になった未来か……)
(……なら……)
「邪魔なんだよ、フリーザ……てめぇが……!」
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気づけば、宇宙艇はすでにフリーザの艦へと迫っていた。
着艦などしない。
バーダックは勢いそのまま、艦のハッチを破壊して突入する。
一気にフリーザの目前まで突っ込んだ。
艦橋には、ザーボンとドドリアが立っている。
その中央で、フリーザが椅子に座ったままバーダックを見下ろしていた。
「……これは、これは。どうしたことでしょう、下級戦士のあなたが、わざわざここまで?」
笑みは優雅。
だが、確かな殺意が潜んでいるのを、バーダックは感じ取っていた。
「未来が見えたんだ……てめぇが、この星を消し飛ばす最悪の未来が……!」
ザーボンが身構えるが、フリーザは手を軽く上げ、静止させる。
「……ほぉ、それは面白い。で、その未来とやらに、何が見えたのですか?」
バーダックは歯を食いしばる。
「俺たちの死、サイヤ人の絶滅……そして、てめぇの満足げなツラだ」
「ふふ……」
フリーザが小さく笑った。
「なるほど、なるほど……それで、あなたは未来を変えに来たのですね?」
「そうだ。変えるのは……この俺だ!!」
言い放つと同時に、気を一気に高めるバーダック。
(……いける!今のうちに、全力で――)
ドドリアが吠えた。
「黙れ下級戦士がァッ!!」
ズドンッ!!!
ドドリアの拳が、脇から飛び込むように突き刺さる!
(――がッ……!)
一撃で、意識が暗転する。
フリーザが席を立ち、そっとつぶやく。
「見上げた根性です……が、死なせてしまうのは惜しい」
「さきほど宇宙で、サイヤ人のポッドとすれ違いました。あれはあなたの仲間……? 家族でしょうか……」
「少しだけ、話を聞かせてください――医療カプセルへ」
冷たい液体に包まれた医療カプセルの中、バーダックの指がピクリと動いた。
(……まだ……生きてる……?)
機械が停止し、カプセルが開く。
「よう、目が覚めたか?」
ドドリアの声が響く。
「よく寝てたなァ、下級戦士。これからたっぷり喋ってもらうぜ……!」
バーダックは黙ったまま、ゆっくりと降り立つ。
ドドリアは嘲笑する。
「フリーザ様の前で吠えたその口……今度は開けねぇようにしてやる!」
(……気力が戻ってる。いや……回復したことで、前より力が増してやがる)
「なにニヤついてやがるッ!」
――その瞬間。
「黙れよ、クソブタが!!」
ドガッ!!!!
気を込めた回し蹴りが、ドドリアの顔面に炸裂した。
巨体が吹き飛び、壁に激突する。
そのまま動かなくなった。
「……これで、仲間の仇一人分……返したぜ」
深く、息をつく。
「フリーザ……次は、てめぇだ……!」
バーダックの瞳には、もはや恐れも迷いもなかった。
彼の戦いは、ここから始まる――
未来を変えるために
つづく
皆さんもバーダックがこの先どうなるかを想像しながら楽しんでくださいね