ドラゴンボール バーダック生存if   作:姫 晴紀

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ヤードラット星人の解釈がナメクジなので、独自の解釈でいかせていただきます


第5話 “戦士の誇りと揺れる心”

ヤードラット星、白い霧に包まれた山の内部――

 

淡い光が差し込む洞窟の中、バーダックは岩に腰掛け、額から汗を垂らしていた。

向かいには、穏やかな顔のセレア。いつものように静かに佇んでいる。

 

「気を整えて……心を、静かに。感じてみろ」

 

「チッ……またそれか。何日、同じこと言いやがる……!」

 

バーダックは吐き捨てるように立ち上がる。

 

結局バーダックはセレアからの修行の申し出を受けることにしていた。

 

(……あくまで強くなるため、フリーザのやろうをブッ飛ばすためだ……!)

 

バーダックはそう自分に言い聞かせヤードラット星人の技術、スピリットを学んでいた。

 

それでも修行は進まない。己の“気”は練れるが、セレアが言う「感覚」には届かない。

 

「“スピリット”だろ? どう違うってんだ。気だって感情で動くだろうが」

 

セレアは首を横に振る。

 

「言葉の違いではない。“スピリット”とは……自分を知る力だ。

 お前は、怒りと誇りで生きてきた。それは悪くない。だが今、迷っている」

 

「……!」

 

バーダックの表情が険しくなる。

あの子供を助けた時――戦士としての誇りと、訳の分からない“感情”がぶつかり合っていた。

 

(俺はサイヤ人だ。戦いが全ての種族。殺すか、殺されるか――そう生きてきた)

 

(でも……あの子供を、見殺しにはできなかった)

 

その理由は年が自信の息子の長男と同じくらいっだったからか、恩を返すためだったか。

 

どちらにしろ以前のバーダックだったら考えられないような行動だった。

 

その原因は己の気の迷いか、それとも……

 

「……オレは……弱くなったのか?」

 

ぽつりと、口から漏れる疑問。

 

セレアは静かに答える。

 

「弱くなったのではない。お前は、変わり始めている。それを受け入れるか、否定するかは……お前次第だ」

 

その言葉が、やけに胸に刺さる。

 

翌日。

村の中央広場――

 

バーダックは言われるまま、建設中の施設の資材を運んでいた。

無言で、黙々と。

 

周囲のヤードラット星人は、最初こそ警戒していたが、次第に少しずつ距離を縮めていた。

子供たちは彼の後ろをちょこちょこついてくる。

 

「おい、離れろ。危ねぇぞ……ったく」

 

言いながらも、バーダックの手が、瓦礫に足を取られた小さな子をそっと支える。

 

「……ありがと!」

 

「……っ、礼なんか言うな。気色わりぃ」

 

(……オレは何やってんだ)

 

気づけば、笑い声に囲まれていた。

 

こんなのは……惑星ベジータにはなかった。

 

 

 

その夜。再び洞窟の中――

 

バーダックは座禅を組み、目を閉じていた。

怒りでも、誇りでもない。

ただ、自分の“今”と向き合う。

 

「……俺は……強くなりたい。

 仲間の仇を討つため……いや……生き残った意味を……見せつけるために――!」

 

その瞬間、周囲の空気がふっと変わった。

 

心の深く――“静けさ”と“熱”が、同時に広がる感覚。

 

バーダックは目を開けた。

 

「……これは……」

 

立ち上がると、瞬間、バーダックの身体が空間を滑るように一瞬消え、数歩先に現れた。

 

これはヤードラット星人の持つ特有の技術。彼らにとっての基礎的な技。

 

不完全な、だが確実に実感できたーー瞬間移動。

 

「!? 今……動いた、のか?」

 

セレアが静かに頷く。

 

「やっと……心が整ったな。怒りでも、執着でもない。

 ただ――お前自身の“意思”が動かした。

 それがスピリット。お前の“気”は、もう次の段階に入っている」

 

「……フッ、あっけねえな。

 けど……ここからが、本番だろ」

 

バーダックの口元に、戦士らしい笑みが戻っていた。

 

そして――

ヤードラットの夜空の下、静かに幕が開く。

サイヤ人、バーダックの“新たな力”を得る旅が。

 

つづく

 




瞬間移動っていいですよね
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