バスクに恋をした女 作:スミ
0話
宇宙に偏在するコロニー群、サイド3《ジオン公国》が地球に対し複数基のコロニーを落下させ、地球へ甚大な被害を及ぼした。防衛に当たったはずの艦隊は、ジオンの新型兵器であるモビルスーツ・ザクによる直援部隊と正面衝突し、核兵器による壊滅的な被害を被った。
そしてジオン公国と地球連邦は本格的な戦争状態に突入し、一年という長いようで短い交戦期間の後、ある一隻の強襲揚陸艦とたった数機の連邦製モビルスーツによるジオン軍要塞主力の撃滅に成功。
またジオン主導者たるザビ家の、内部政争に起因すると思われる死により指揮系統は瓦解。ほぼ全ての残存戦力が降伏したことにより、連邦の勝利に終わる。
U.C.0080。
戦争が終結したものの、戦闘による被害が大きく復興まで相応の時間がかかるとした地球連邦政府は、旧ジオンの技術者を吸収することで、戦時中に生まれていたMS技術的格差の解消とモビルスーツ技術の解析を並行して行う。
またその一方で軍縮すべきという世論に圧され、水面下ではMS開発に勤しみつつも、多くの軍人を復興作業に従事させた。
U.C.0082。
復興が進みつつあった地球だったが、連邦は二つの問題に直面する。
ひとつは旧ジオン公国軍残党が、放棄されていたジオン公国小惑星基地アクシズにて合流しつつある点。
もうひとつは、地球上に取り残された公国軍残党組織によるゲリラ的抵抗運動である。
地球連邦軍に従軍する軍人たちは、散発的に発生する公国軍残党との戦闘に精神をすり減らしながら対応することとなる。
抵抗運動を続ける残党軍に配備されていたモビルスーツはどれもザクのような宙陸両用MS、ドム・グフといった陸戦用MSばかりであり、その何れも旧式に過ぎなかったが、バイロットの練度が高いために即応部隊はどれも苦戦を強いられていた。
市街内に建設された基地では物資搬入が盛んであり、その殆どは軍備品ではなく、民間人の生活物資となる。
そうした生活物資を狙うゲリラもおり、輸送トラックには旧型ではあるものの、ザクの正面装甲を突破可能な砲を搭載した61式主力戦車などが護衛にあたるほか、4機の連邦製モビルスーツ・ジム、2機の鹵獲ザクが随伴していた。
これはジムを預かっていた一人のパイロットの、その短い生涯の話である。
・・・
アブソーバーでも吸収しきれない揺れに身を任せながら、フランシス・アーツ少尉はどこから来るか分からない奇襲に目を光らせていた。そうした仕事を、もう一年以上続けている。
戦争が終わったにも関わらず、そうした警戒を続ける理由があった。ジオン公国軍残党の存在である。
敵も味方も旧式のモビルスーツを用いた戦闘ばかりだ。元来であれば、兵器というのは遅くても開発・生産に数年単位がかかるものだが、ジオンは優秀なメカニックが、連邦は高い国力が、それぞれモビルスーツの短期間での開発を可能にしていた。
ジムもまた、多数のバリエーションが作り出された名機だが、高い拡張性と同時に突出した強みを持たなかった。
更に、戦争に勝った連邦軍はほとんどの新規モビルスーツの開発をやめたという噂で持ち切りで、実際に新型が配備されない理由付けにもなっていたし、それがあってか現場では、一年戦争時に大量に製造され生き残ったジムを、隊員の間でタライ回しにしているのが現状だった。
『あー、暇ったらねえぜ』
ビーム・スプレーガンを携える前方のジムのパイロット、バウム・フェン少尉が呟いた。しかし言葉は無線に乗って隊に届いている。同じくジム、特に改良型とするジム改を預かる、オデロ隊の隊長であるオデロ・オニール大尉の耳に留まり、叱責を食らっていた。
『腑抜けるな。我々の使命は崇高なものだぞ。市民の方々の生活苦を助けなければならないからな』
大尉は一年戦争当時の生き残りで、ジオンの宇宙要塞ア・バオア・クー攻略戦に従事しており、一度の出撃で6機ものザクとリック・ドムを落としたと語っている。
それが嘘か本当かは、一年戦争後に軍に入った部下たちには知る由もないが、模擬戦闘訓練の強さからはその言葉に対する信憑性を感じさせた。
「また来ますでしょうか?」
『ゲリラ屋のやり方は知らん。来るか来ないか話すより、来ることを想定して動けよ』
フランシスの投げかける問に、オデロ大尉は現実的な答えを返した。
小規模な襲撃部隊が来た時は、MSに1機の損害を出した。ザク・バズーカの直撃を受けて鹵獲ザク1機が大破したのだ。
鹵獲機そのものは数が多いため、いくらでも補充が利くが、肝心のザクの操縦に慣熟したパイロットの補充には時間がかかる。
更には、ジムに使用されるOSには、ガンダムという連邦MSの先駆け的存在の戦闘データが使われていて、動作が良好という最大の特長がある。それがないザクのようなジオン系MSを乗りこなすのは、それこそずっと乗っていたような人間ばかりだ。
『お、見えてきましたよ』
『復興予定地ですよね。俺達も作業にあたるんですか?』
『いや、我々が行うのは物資輸送までだ。良かったなお前たち、帰って休めるぞ』
『やりぃ!』
トラックが続々と破壊された市街地へ入っていくのを見送り、6機のMSは基地へと帰還する。
帰路に着く中でも襲撃が無かったことは幸いだった。特に基地が見えた時には全員が一息ついた。
戦争が終わっても、地上のどこかに蔓延っている残党組織の脅威は未だ拭い去ることはできていない。
連邦MS、特にガンダムの持つビーム兵器は強力だが、反対にジムが持つものは射程に難があり、かつすぐに弾切れを起こしてしまう代物だ。
そのために、この隊の主力火器は予備弾倉を携帯可能な100ミリ・マシンガンとなる。削り合いとなると、再装填による継戦能力を持つマシンガン装備やバズーカ装備のMSの多い方が有利である。こと、機動力の削がれる地上戦においては尚更だった。
多少の数の不利は、射撃戦ならビーム・スプレーが、白兵戦なら標準搭載のビーム・サーベルが、それぞれ威力的に補うだろうが、護衛に大きく戦力を割けない都合、仮に残党が大挙を成して襲いかかってきた場合、為す術も無いだろう。
統率を失った軍隊は危うげ無いが、言い換えればセオリーに則らない無作為な攻撃を仕掛けてくる輩もいるということだ。そうした、理不尽な攻撃に身構える事は、もはや日常だった。
帰還した護衛部隊の面々は、各々列を成して基地のゲートを通り、格納庫に歩を進める。モビルスーツは18メートルもの巨体だ。決められた進路の通りに歩かないと、歩哨を踏み潰してしまいかねない。この時は歩哨もMS用の通路を横切ったりはしないが、操縦には普段の倍は慎重にさせた。
格納庫にモビルスーツを安置したあと、ほぼ全ての隊員が機体から降機する。
『よし、各員休憩に入っていいぞ』
『おいグリン、食堂に行こうぜ。腹減って仕方ないよ』
『いいねえ』
それぞれがモビルスーツから降りてやりたい事に向かっていく中、フランシスだけはジムの全ての電力を落とし、遮音された静かなコックピットの中でぼんやりと座り込んでいた。その思いを馳せる先は、ふるさとだった。
政府が宇宙に移民政策を行うようになって、半世紀。宇宙は、もはやかなりの数の人々にとって第二の故郷であり、地球人口よりも各コロニー群に住まう人口が上回っていた。
フランシスは今でこそ地球に降りてきて軍人として生活を送れているものの、 幼少期をコロニーで過ごした人間だった。
彼女にとっての宇宙とは、際限なく広がっていく人類生活圏であると考えるものだった。
しかし、ジオン公国の台頭、特にザビ家が派遣を握ったあとのサイド3の様子を亡き父親から聞かされた時は、人類は未だ地球圏の近くで燻っているに過ぎないと感じた。
やがて戦争が勃発し、甚大な被害ばかりを撒き散らして潰えたジオン公国に辟易とした思いを抱えながら、終戦を迎えたばかりで人手の足りない連邦軍に入隊した。
フランシスは、まだ18歳の女性だ。本来であれば然るべき訓練期間を経て士官となるべき人間だが、空間把握能力を見込まれパイロットとしての試用段階にあった。
だが、実際に働いているのは宇宙ではなく地上だ。
ぼんやりとした頭を徐々に覚醒させながら、ホルダーの水筒を取って中身を飲み下す。
少し乾いていた喉が潤って、目が冴えてきた。コックピットから降りようと、ハッチの開閉レバーを引こうとした時だった。僅かな振動と共に、外部マイクが何かしらの低く響く音を捉えた。そしてそれがどんどんと近付いてきた時、開いたハッチからすぐに赤い警告色のランプの光が差し込み、目を直撃する。
それが意味するところはひとつだった。急いでハッチを閉じ、臨戦態勢を整えるべくエンジンを再点火する。
全てのシステムが再起動し、いつでも動けるようになった瞬間に、それは訪れた。
「キャアッ!」
かなりの衝撃。地面が揺れ、ジムが倒れる。モニターには煌々と輝く爆発、そして次々に立ち昇る黒煙。攻撃を受けたのだ。
爆発物による破壊工作かとも思ったが、こんな僻地の基地に来るような人間は兵士の家族や他方からの左遷組のような者ばかりで、身分を提示できない人間は弾くようにできているから、すぐに頭を振って考えを否定した。
なにより、襲撃して得られるものは食料品や武器弾薬にモビルスーツ程度で、その場しのぎの物資ばかりだ。
『エマージェンシー!エマージェンシー!当基地は外部からのミサイル飽和攻撃を受けている。発進可能なモビルスーツはすぐに発進し、特定された発射位置に反撃せよ!繰りかえ────』
ぶつり、と放送が途絶えたと思うと、さらに爆発音が響いてくる。敵襲、本当に起きるなんて──フランシスはまだすこしぼんやりする頭で考えた。
後になって知るが、この時点で内勤組のいた管理施設は吹き飛んでいた。その事をフランシスはまだ知らないまま、ジムを立ち上がらせて敵への応戦に向かった。
安置されているジムからエネルギーを抜いている最中だったビーム・スプレーガンを強引に剥ぎ取り、腰部のラックにマシンガンを仕舞うとすぐに格納庫を飛び出した。
だが、格納庫を脱した瞬間に、爆音と共に一発の投射物が飛来してくるのが僅かに見えた。
ジムのスラスター推力は高くないが、迫ってきたバズーカを咄嗟に跳躍して回避するだけの能力はあった。
「何!?」
レーダーは良好だ。ミノフスキー粒子を戦闘濃度まで散布せずの奇襲だ。そのレーダーによると、攻撃を仕掛けてきたのはザクII。この基地にも鹵獲されているような、携行火器はさして驚異ではないモビルスーツだ。
シールドを前面に構え、覗き穴から敵の姿を視認する。
ザクIIが再度バズーカを構え、今度も直撃を狙ってくる、成形炸薬弾頭を用いた兵器である都合、爆風程度ではチタン合金装甲を用いたジムを倒すには過不足であり、弾頭の直撃による内部機構への貫通を狙うしかない。
それを知っていて、敢えてフランシスはシールドを保持する左腕にビーム・スプレーガンを保持し、サーベルを引き抜いて直線的に走った。スラスターを使わない全力疾走とはいえ、18メートルの巨体の走りはそれだけで多大な速力を生んだ。
ザクのパイロットとて、近付いてくるだけの的に当てられないわけはない。さらに地球侵攻軍として三年以上を地球で過ごしたパイロットにとって、モビルスーツ同士の陸戦は慣れたものである。
当たれば死ぬ。やれるのか──頭の中で考えながらも、歩み出したジムは止まらない。
ザク・バズーカが放たれた。シールドを前に押し出せば、盾に直撃するだろう。シールドを貫通するために放たれるメタルジェットは、その後からやってくる炸薬によってすぐにシールドを破壊し、シールドからジム本体に飛んでくる頃にはただの無力なスラッグとなっているに過ぎないものだ。
しかし、バズーカは複数発を発射可能である。そのうちのたった一発を防ぐためにシールドを無駄にするわけにはいかなかった。そのため、脚部スラスターを噴射して機体を浮かせ、機体側面に対し背部のバーニアを傾け火を噴かせる。
それは空中において、まるでがくりと曲がったような挙動を見せ、バズーカを回避する。
そのままの勢いであれば、ジムが横転するのは確実だった。だか横に飛び退いたジムのオートバランサーはガンダム由来の高性能なもので、敵からの攻撃といった予想外の衝撃以外であれば、中途半端な姿勢から直立に復帰可能な代物である。
無事に着地すると同時に、まだバズーカを構えようとしていたザクに駆け寄り──
「そこだっ!」
──ビーム・サーベルを振りかぶる。
肉薄されたザクは、最後の手段と言わんばかりにヒート・ホークを取りだし、刃を発熱させた。
超高熱の使い捨て刀身は、武器よりも工具としての側面が強いとするものだが、ビーム・サーベルより威力は劣るものの、ルナ・チタニウムなる超合金で作られたガンダムの装甲を穿つほどの威力がある。
それならヒート・ホークにかかれば、シールドの程度は真っ二つに出来るだろう事がありありと頭に浮かんだ。
「サ、サーベルが!」
高熱を発するヒート・ホークは、粒子収束線に則って発振されたミノフスキー粒子によるビーム形成刃を受け止め、ないし相殺してしまう。
ビーム兵器を受け止める兵器は存在しないと思い込んでいた。高熱の粒子塊を防ぐ手立てを持つ兵器は現状、同じビーム刃を形成する物質だけという認識だった。
しかし、恐らくは、溶断工具に近い性質であろうヒート・ホークの超高熱には、I・フィールドを用いたサーベル形成膜と切り結べるに相当する理由があるのだろう。
互いに鍔迫り合いをする中、至近距離では使えないだろうと判断したかザクはバズーカをその場に捨て、フランシスのジムの頭を掴み、カメラアイを潰そうとする。
『クソ…連邦め…!』
ザクのパイロットの声が流れてくる。俗に言う『お肌の触れ合い通信』というやつで、ミノフスキー粒子濃度が非常に濃い場合に電子通信が遮断される事で遠方との通信が不可能になるのだが、その対策の為に小隊単位で連携を取るための、通信を直に行う行為だ。
本来ならこのジムとザクIIとでは、使用する回線が違うために混線することはないのだが『お肌の触れ合い通信』は直に通信回線を接続する行為にあたり、周波数帯の合う合わないを問わず、互いの声が聞こえてくる。
「あなた達は、何のために抵抗するんです!」
『女?女がモビルスーツになんか乗るな!』
「何を!」
目の前のザクパイロットは、マシンパワーで負けていることに怒って当てつけをする。連邦もジオンも一年戦争のために人手不足は深刻で、女性兵士・女性士官というのは多い。無論パイロットも、そこには含まれている。
ヒート・ホークの出力が目に見えて落ちているのがわかる。高熱を長時間発し続ける用途には向かないのだろう。ザクのヒート・ホークは刃が使い捨て。熱に耐える素材を使っていないのか、あるいは本来なら溶断の瞬間のみ発熱する使い方なのか。
ジムのビーム・サーベルが、徐々にヒート・ホーク本体部分にめり込んでいく。このまま順調に行けば腕もろとも切りつけて無力化できる──
『フランシス少尉!』
格納庫から、まだ無事だったらしい2機のモビルスーツが駆けてくる。オデロ大尉のジムと、先程食堂に向かっていたグリン・グリーニー少尉のザクIIだ。
『こいつ!』
MMP-78、通称ザク・マシンガンの点射が、ザクの左脚関節部に命中する。装甲自体は凹む程度のダメージで貫通には至らなかったが、装甲部を逸れて関節に直撃した弾丸は駆動部を的確に穿ち、膝をつかせることに成功する。
ザクの手がジムの頭から離れ、接触回線は遮断されるが、無力化のために容赦なくサーベルを左肩口へと突き立てる。
そのまま引き抜き、動力パイプを巻き込むようにザクIIの頭部を焼き切った。動力パイプとカメラを潰されたモビルスーツは、もう暴れることも出来ないだろう。
『隊長、ミサイルがまだ来てます!』
『ええい…一旦こいつを格納庫まで連れてくぞ』
倒したザクを引き摺って格納庫まで逃げると、残るジムに一人が搭乗しようとしているのが目に入った。オデロ小隊の生き残りのようだ。目を凝らせば、同じジムのパイロットを務めるセス・ブラウナー少尉だった。
「セス!バウムは?」
『わからん、グリンと一緒じゃなかったのか!?』
『いえ…奴が寮に忘れ物があると言って別れてから、自分は見ておりません』
『そうか…』
セス少尉のビーム・スプレーガンを借りていたことを思い出し、それを格納庫に設営されているバッテリーに繋ぎ直す。さして使いもしなかったが、ザクをあっという間に倒せる火力を持つ兵器を持っているという安心感は、確かに存在した。
格納庫には数発のミサイルと、入口から直接バズーカを撃ち込まれてはいるが、保有するモビルスーツに対する損害はあまりにも少ない。格納庫が頑丈…というよりは、有効弾を受けなかったモビルスーツが瓦礫程度で目立ったダメージを受けるはずもないからだろう。
だが、整備士の姿が見えない。床には数多の瓦礫が散っていて、中には天井が抜けて山のように積もっている箇所もある。その下がどうなってるかを想像する前に、思考をシャットアウトした。どうなっているかなど、少し考えでもしただけで想像に難くないからだった。
それに、やる事はまだある。捕虜の処遇だ。連れてきたザクを格納庫の空いたスペースに倒し、瓦礫が降ってきてもいいようにジムを屋根代わりにザクの上に覆い被させた。
外側からハッチをこじ開ける。こじ開けた、と言っても外部から救出するための緊急解放レバーがあり、そこを操作して開いた形だ。
中を覗いた瞬間、拳銃の発砲音が響き、弾が頬を掠めた気がする。横に来ていたグリン准尉が咄嗟にピストルを取り出し、中に対してやたらめったらに撃ち込む。腕と銃器だけを覗かせて撃つ、いわゆるブラインドショットというものだが、運の良いことに一発がどこかに命中したようだ。金属に当たる甲高い音ではなく、くぐもった悲鳴が聞こえてくる。
「大人しくしろ!」
捕縛用のワイヤーを携えてオデロ大尉が突入する。殴られるような音から、追い打ちをかけて制圧したようだ。
パイロットは一人だけで、もう危険はない。中を覗けば、苦しそうに呻いているのは、まだ若い青年のように見える。青年と言ってもフランシスと同い年か、少し上くらいだ。欧州…特にドイツ系のような出自を思わせる整った顔と金髪で、しかし風体はボロの軍服に擦り切れそうな手袋と、ゲリラ屋のそれだ。
「よォし…貴様を捕虜収容室にぶち込んでおく暇は無いが、逃げ出されても困るからな。ここの柱に縛り付けておいてやろう」
「クソ…やめろ!薄汚い連邦軍が、触るな!」
「暴れるな!大人しくしてりゃ危害は加えんというのが分からないか!……おっと。今のは捕虜虐待にはならないからな」
胸ぐらを掴まれて柱に叩きつけられた捕虜は、背を強かに打ち付けて咳き込み、大人しくなってしまった。犯人のオデロ大尉は、僅かに肩をすくめてどうともとれる言い訳をした。
柱にグルグルと縛り付けられて、何も出来ず項垂れる捕虜を尻目に、フランシス達は各々の乗機に乗り込む。先んじて起動していたセス機が格納庫の外へと歩を進めた。フランシス、オデロ、グリンもそれに続く。
もうミサイルは降り注いでいなかったが、その攻撃機の正体は、向こうからやってきた。現地改修を施されたガウ空爆機によるミサイル攻撃だ。
な
本来のガウの用途は
ドップが4機、ガウが1機。それだけなら対空戦闘に注力すれば撃退できなくはないだろう。
しかし、ガウから追加で2機のザクIIが降下してきたのを見ると、フランシスとグリンは顔を青ざめさせた。
『あれを俺達だけでやるんですか!?』
セスが叫んだ。
『死にたいならそのまま投降しろ。徹底抗戦しか生きる道はないがな!』
ガウに対して、オデロ大尉のジム改がハイパー・バズーカを向け放った。大型の艦船に対する対艦兵器としては僅かに威力不足のきらいがあるバズーカだが、MSに対する貫徹力としては申し分なく、弾速も良好で威力も高い。現状の化学エネルギーを用いた弾頭としては連邦MSが持ちうる最大の火力と言えた。
「ザクII来ます!」
『グリンとセスで応戦しろ!フランシスはマシンガンとバルカンで対空防御!』
『ああっ、クソッ!グリン、ついてこい!』
素早い指示が下され、グリン少尉とセス少尉が前進してバルカンやMMP-78マシンガンによる牽制を行う。
一方のフランシス少尉もまた、ドップに対して100ミリマシンガンとバルカンの同時発射による弾幕を浴びせかけて、回避旋回が間に合わなかったドップを1機撃墜する。
しかし、残ったドップはもう一度旋回してこちらに向き直り、弾幕の中を掻い潜って空対地ミサイルと連装バルカン砲を撃ち込んできた。ミサイルの方は後ろに飛び退いて至近弾が数発に抑えるが、バルカンはそうはいかなかった。着弾点を視認して射撃位置を変えられるために、バルカンの弾痕がじわじわと迫ってきていた。
それを、咄嗟にシールドを構えて凌ぐ。ルナ・チタニウムを用いた三重ハニカム構造…と謳われている、ガンダムの装甲材と同じシールドは、バルカン砲を難なく防いだ。
チタン合金装甲であれば、ある程度の衝撃には耐えられるが、それが貫通して駆動部に障害を与えるかは別問題だ。何より各所のセンサーユニットに着弾しては、戦闘能力の過半を奪われるも同義だった。
倒れ込みながらもシールドの脇から伸びる腕の先に握られたマシンガンは、まだドップを捉えていた。当たるか──そう思いながら、半ばヤケになってトリガーを引いた。
アブソーバーが仕事をして、銃器の反動はほぼ抑えられている。そのため速射をしても上方向に弾丸がブレていくことはない。直線状の弾道を描き続けるというべきだろう。そしてそれは、そこに通りがかった機を確実に落とすのと同じだった。
回避機動を取ったものの、射線が動かず、結果的に翼に掠ってしまったドップ。全長5メートル弱に対し、100ミリ…優に10センチ砲というべきマシンガンの弾頭は、掠っただけのはずの翼を半ばからへし折るには十分すぎる威力だった。
「2機撃墜です!」
『いいぞ!だが、まだ半分だ。気を引き締めろ!』
オデロ大尉からの叱咤を受けて旋回して再攻撃をかけるであろうドップ小隊に、フランシスは改めて向き直った。
「撃て、撃て!」
『あいつら凄い飛んでますよ!』
バルカンによる牽制射撃と、ザクマシンガンの攻撃を、向こうのザクIIは各々左右に飛び退いて避けた。その跳躍力は、明らかにジムやザクIIの本来のそれとは比べ物にならない。
セス少尉は、ザクの脇から僅かに見えたスラスター噴射炎を見逃さなかった。
「バックパックを換装している?…胸部装甲にも差異がある。ってことは、F2型か!」
『なんですか、それ!』
「ザクIIの後期生産型だ、お前の乗ってるやつより強いってことだよ!」
『そんなぁ!神様!』
グリン少尉の叫びは、彼のザクIIの持つMMP-78の弾切れによるマガジン排出音で掻き消された。建物に隠れて急ぎ再装填をするグリンに、セスの援護が入る。
ビーム・スプレーガンは確かに強力無比で、直撃すれば一年戦争時代のどのようなモビルスーツであれ一撃で破壊可能な代物だ。
代償に、スプレーガンそのものは十数発も撃てばすぐに弾切れになってしまう。その上、ビームも武器本体に装填された過熱ミノフスキー粒子を収束・発射しているに過ぎず、ジムのジェネレータ出力ではエネルギーの再補充はできない。
セスはバルカンを敵へばら撒きながら、モニターのインターフェースに表示されるバルカンの残弾数をちらりと見て、顔を顰めた。
「もう半分切ってやがる」
トリガーを引く時間を短時間に留め、バースト射撃を行うことで弾帯の節約を行ってはいるものの、元が両端に50発ずつ、計100発のものであるため、常用ではなく緊急用のものとしての設計であろう。60ミリという大口径砲を用いているので、ザクの装甲は入射角が直角ないし数度程度の誤差なら貫通を狙えるが、そうでなければセンサー類を狙うのがセオリーである。
『なんか飛んできた!』
グレネードには複数の種類がある。破片によってセンサー類の破壊を狙う破砕性・防御型手榴弾。爆風と衝撃による小範囲の破壊を目的とした攻撃手榴弾。ザクに用いられるハンドグレネードにもそうした違いがあり、前者の防御型手榴弾がクラッカーと呼ばれる手榴弾なのだが、今ザクIIが投げてきたのは後者の攻撃型手榴弾である。
「グリン、退避しろ!」
『ひいいっ!』
横倒しになりそうになりながらも、グリン少尉のザクIIがスラスターの全力噴射でどうにか爆発範囲から逃げようとする。そしてすぐ後に爆発が響き、遮蔽物としていた壊れかけの宿舎の壁が崩れる。
「おい、無事か!?」
セスの視線からでは、爆発によって生じた土埃によって安否が確認できない。無事だった場合はすぐに復帰するだろうが、そうでなければ要救助状態かもしれない。ガウやドップも怖いが、目の前のザクIIF2型2機は、マシンガンの速射やグレネード、ヒート・ホークのどれでも、こちらを撃破できる火力を有している。
息を吐いて、遮蔽物から飛び出し、ビーム・スプレーガンを構えた。シールドの覗き穴からアイ・センサーだけが光って見え、建物の影から銃を撃ってくるザクIIF2の姿を捉える。
「当たれ!」
祈るように叫びながら、トリガーを数度引いた。銃口から発射されたビーム弾は、4発ほどが放たれていき、そのうちの1、2発目、4発目は僅かにずれて遠方の山岳に当たって霧散するが、3発目は狙い通りに真っ直ぐとコックピット部に命中した。
すると装甲内で飛び散ったビームの拡散が、動力通路か何かを焼いたようだ。そのまま1機は沈黙し、倒れ込む。ジェネレータへの誘爆は無かった。
「よしっ!」
索敵と撃滅。攻撃側がやるべき仕事はその単純なふたつだけだが、敵の姿が見えない時点で奇襲のリスクがある。踏み込めば不意を討たれる事を考えると、土壇場になって足踏みをしそうだった。
別の宿舎の影に隠れ、顔だけを覗かせる。そこで、セスはモニターに映ったザクIIの姿を眼前に見る。ヒート・ホークを振りかぶっていた。
「うわっ!」
咄嗟に頭を引っ込めるが、追いかけてきたザクIIF2のヒート・ホークにシールド諸共左腕を両断される。戦闘続行は可能だが、 盾が無くなった不安は大きかった。
ビーム・スプレーガンを牽制のように2発撃ち、そのうちの1発がザクが腰部のウェポンラッチに提げたマシンガンの銃口に命中する。それを受けてザクが怯んでいる隙に、スプレーガンを捨てサーベルを引き抜いた。
ジリジリと間合いを詰め、隙があれば切りかかるつもりだった。かと言って白兵戦でジムがザクIIに勝てるかというと半々が正直なところだった。
だが、やらなければ殺されるだけだ。覚悟を決めて振りかぶった。
「おおおおっ!」
ヒート・ホークとビーム・サーベルが激しい火花と光を散らしながら激突した。
局所的な磁場の形成による鍔迫り合いだ。ビームの刃と実体刃が触れ合えば、普通は実体刃が一方的に融解するだろう。しかし、ジオンの高熱発振刃は、Iフィールドとの干渉を生んでしまう。これによる白兵戦への移行は、ベテラン兵が少なかった連邦において、旧式であったザクが新型機であるジムに肩を並べられる戦い方だったはずだ。
だが、内蔵兵装が多いジムなら、この状況を打開できる。
ジムの頭がザクを捉え、バルカンポッドが火を噴いた。残弾の全てがザクの胸部上方から腰へ向かって、突き進む。
過貫通となった数発の弾が、地面へめり込む。そんなことはどうでもいい。セスはザクを撃破した事で頭がいっぱいだった。
だから、脚元に頭部バルカンのものではない着弾跡が見えたときには、既にセスのジムは操縦系に深刻な損傷を受けて倒れ込んでしまっていた。コックピットに煩わしいノイズ音が響き渡っている。
『うわぁぁあっ!?』
「セス少尉!?」
悲鳴がグリン少尉のコックピットに響き、僅かな間に何かがあったのだろうと悟った。グリンはザクを放棄しようとしていた。咄嗟に飛び退いたはいいものの、グレネードの衝撃で脚部の動力パイプと足底部バーニア、両脚の関節部を破壊されており、移動しての戦闘が困難であったからと判断したためだ。
だが、悲鳴を聞いていても立ってもいられなくなり、バックパック部のスラスターだけで移動を試みた。
「うわっ」
強い衝撃と共に、遮蔽物の影から飛び出た。土煙が晴れ、そこに見える光景が露になる。
「…!セス少尉!」
セス機が全身に機銃の弾痕を刻み込まれており、見るからに戦闘不能の様相だった。
「無事なんですか!? ──クソッ、通信系がイカれてるじゃないか!」
一方通行の受信ばかりで送信ができないオンボロ通信機は、こちらの声をノイズに変換してしまっている。諦めてセス機が何に倒されたのかを見定める。右方遠方を見れば燃え盛るザクが見えた。セス機の傍にも倒れて動かないザクがいることを見るに、ザクを倒した後に何かにやられたようだ。
犯人は───
「うっ!?」
目の前を機銃掃射が通る。狙いを外したのだろう、運が良かったと思う間も無く、セス機をやった正体がわかった。
旋回して戻ってきたドップだ。ドップのバルカンがセス機を襲ったのだ。
「クソ、お前が!」
吐き捨てながら、建物に背中を預ける形で寄りかかり、両手でマシンガンを保持してから飛んでいこうとするドップにザクマシンガンを向け、マガジン全てを撃ち切る勢いでトリガーを引き続けた。
適切な射撃姿勢でないために、火器管制システムの末端にわずかな異常が生じるが、直線上に逃げていくドップのキャノピーに、マシンガンの1発が命中し、パイロットを失って爆発する。
もうやれることは無かった。墜落していくドップに目もくれず、ザクIIを降機してセス機に駆け寄る。コックピットのあるハッチに耳を当てると、中から叫ぶような声が聞こえてきた。
『畜生、動けって!』
「少尉!? 無事ですか?」
『…グリンか?ちょうど良かった、このジムもうダメだ、動かねえ。外から解放レバーを引いてくれないか?内側のは試したんだが動かなかった』
「やってみます!」
ジムに備わる緊急解放レバーは、内部・外部共にシステムから独立しているはずだが内部のものは原因不明で動かないようだ。外側のものに手をかけ、思い切り引いてみる。
驚くほどあっけなく開いた。どうやら、内側のシステムのダウンに巻き込まれたようだ。電力に依らない動作系のはずだが、恐らく銃弾を受けて内部側のユニットが歪んだかしたのだろう。
「グリン!助かった…大尉たちはどうしてる?」
「いえ…俺にも分かりません。でもドップを1機仕留めました!多分あとはガウだけでしょう」
遠方から飛んできていたガウは、既に火を噴いている。オデロ大尉のバズーカが仕事をしたのだろう。
ガウが燃えていく。恐らく、もう間もなく墜落する。しかし墜落前にもう1機のザクIIF2型らしきモビルスーツが降下してきた。予備機だろうか。
「まずい…フランシス少尉とオデロ大尉に助けを!」
「いや…大丈夫っぽいぜ。ほら!」
宿舎の影から、1機のモビルスーツが姿を見せる。悠然と立つジム改の予備機には、誰が乗っているかは分からない。
だが余剰在庫として半ば捨て置かれていた、陸戦型ガンダム用のビーム・ライフルを構えている。
『落ちろ!』
スピーカーで高らかに宣言しながら、ビーム・ライフルが放たれた。声の主は、安否が不明だったバウム少尉だった。
バウムの放ったビーム砲は、真っ直ぐにザクを貫いた。スピーカーが再度震え、ヒュウ、というご機嫌な口笛の音が聞こえてくる。
『ヒーローは遅れて…ってやつだな。無事か?』
「無事ですが…てっきり死んだのかと…」
『バーカ、あんなのじゃ死なねえよ。なんせ瓦礫が怖くって机の下で震えてたからな』
オデロ大尉の下に小隊全員が集まる。
正確には生存している小隊全員が、だが。
「…間違いないんだな?」
「はい。ビル中尉の遺体が発見されました。これで小隊メンバーはここにいる者で全員でしょう」
ビルはグリン少尉と同じくザクのパイロットを務めていた人間だ。最後まで迎撃に出てこなかったが、格納庫に程近い廊下で瓦礫に挟まれ圧死しているのを見つけた情報士官が、グリン少尉に知らせたのだという。
小隊全員に重い空気が流れる。特にオデロには残念な知らせだろう。一年戦争を生き延びた同期の、戦場の埒外での死亡など、無念も晴らせないだろうにと、フランシスは心底から哀れんでいる。
それでも、生き残った人間の責務がある。基地を修繕しなければならないし、この付近の街の復興作業はまだまだ終わっていない。仕事はまだまだ残っていた。
「あー…その、基地司令官殿も戦死なさってたんですけど。新任の司令官はいつ来るんでしょうか?」
お調子者のバウムも、いやに静かだ。それでも指示は仰がなければならないし、与えられる仕事以外のことをするのは軍人ではなかった。
「それがだな、基地を放棄して物資を持って、ある基地に駐屯しろという話だ」
「え…なんですか、それって。元から捨てることが決まってたみたいな…」
「らしいな」
ため息混じりに大尉は答えた。どうやら本当の事のようだった。唖然とする小隊の中で唯一、セスが口を開く。
「で…その基地ってのは?」
「『トリントン基地』…なんのことはない、戦略的価値が低くて使い物にならない基地で仕事をしろって話だよ」
「まんま閑職って感じっすね。給料は変わらないんですか?」
「異動扱いだからな。むしろ今回の手当も含めて相応の額は貰えるだろうよ」
「そりゃいい。給料と休みが貰えて遊べるんなら文句はねえや」
待機室のソファに深くもたれかかりながら、セスは吐き捨てるように嘯いた。結局彼らからすれば、引き渡したザクのパイロットといい襲撃の理由といい、何一つ詳細が不明瞭なまま異動指示を言い渡されるのだ。全員にとって、たまったものではなかった。
「…もう数日もせずに正式な指令が下るだろう。MSのメンテは終わらせておけ」
「了解」
ひとり、またひとりと待機室を後にする。
もう誰も、一言も口を開かなかった。
-1-
オデロ小隊
オデロ・オニール
地球連邦軍大尉。一年戦争時、MSパイロットとして従軍し、ソロモン攻略戦、ア・バオア・クー攻略戦の双方に参陣した経歴を持つ。
バウム・フェン
地球連邦軍少尉。戦後に軍に入り、パイロット志望として士官学校でテストを受け、合格した事で当初教官だったオデロの目に留まる。
グリン・グリーニー
地球連邦軍少尉。戦後軍に入った若いパイロット。民間に払い下げられた中古のザクの操縦経験から、パイロットとして起用された。
セス・ブラウナー
地球連邦軍少尉。一年戦争終結直前に軍隊入りしたパイロット。ガンダムの活躍をニュースで見た事で、ある種の強い憧れを抱く。
フランシス・アーツ
地球連邦軍少尉。一年戦争終結後に軍に入隊した。18歳と若く、入隊当時は16歳であったが、パイロット適性の高さがオデロの目に留まり、パイロットとして起用されるに至る。
連邦軍・兵器
ジム
地球連邦軍が、V作戦により得たデータを用いて製造した初の量産モビルスーツ。後期生産タイプは高い総合能力を誇るが、前期型は濫造されたと称されるほど低品質だった。
ビーム・スプレーガンまたは各種実弾兵装、頭部60ミリバルカン、ビーム・サーベルで武装しており、特にビーム兵器群は戦場のパワーバランスを一手に変えてしまうほど強力なものとなった。
ジム改
戦中開発されたジムに、小規模な規格変更と改善を施し、性能を向上させたハイエンドモデル。各動作がより洗練されており、まさに『改』の名を賜るに相応しい完成度を誇る。
ザクIIF型(連邦軍鹵獲機)
元はジオン公国軍の主力モビルスーツであったものを、戦中に連邦軍が鹵獲。技術解析を生き延びた個体が白と黒のツートンカラーに塗装され直して連邦軍機として生まれ変わったもの。
MMP-78『ザク・マシンガン』のほか、クラッカー・グレネード、ヒート・ホークを装備し、頭部アンテナ装着による通信能力・レーダー探知能力の強化を図れる。
また、開戦当初の連邦軍はこのザクの存在を予見しておらず、バズーカ装備機を織り交ぜた、対艦小隊による艦船への攻撃は非常に効果的であり、一年戦争開戦初期、初動対応に当たらせた連邦軍艦隊を大いに恐怖させた。
ジオン公国軍残党・兵器
ガウ(空対地ユニット搭載)
ジオン公国軍残党が隠し持っていた大型航空爆撃機。足りない物資を総動員して、基地を先制攻撃するための大型スプレーミサイルユニットを4基搭載しており、コンテナ内に25発、計100発が発射可能である。
ミサイルユニットにはドップのミサイルと同型のものを使用していた。
ドップ
ジオン公国軍が、陸戦をする地上モビルスーツ部隊の支援任務に当たらせるため、急遽開発する運びとなった航空攻撃機。空対地ミサイルと連装バルカンを標準装備し、攻撃能力に関しては申し分ない。
しかしながら、エンジン部と、パイロットが搭乗する操縦席とが上下に乖離した特徴的な外観をしており、空力適性の低さを多数のバーニアによる姿勢制御で強引に補う設計思想のために、戦闘可能時間は短い。総じてガウ空爆と協同する近接航空支援を主任務とした兵器と言える。
ザクIIF2型
公国軍、特に残党となった隊が戦中最後に受領した、統合整備計画によりフレーム・各部武装規格が統一された後期型ザクII。
MMP-78『ザク・マシンガン』、ハンドグレネード、ヒート・ホークで武装しており、バックパック部追加スラスターユニットの恩恵により、大型の建築物を軽々飛び越えるほどの推力・跳躍性能を得ている。