僕のヒーローアカデミア:紅き月の狂宴   作:Dr.Sin

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アンケートの方締め切らせていただきました。

アンケートの結果、雄英教師陣に原神・崩スタキャラを増やすのは「ナシ」という意見がかなり多く、追加は見送ることと致します。

アンケートへのご協力、ありがとうございました。では、本編をどうぞ。


第3幕:個性『凶月血炎』

「何っだよこりゃ……負けた方が無傷で、勝った方が倒れてら……」

 

「勝負に負けて、試合に勝ったという所か」

 

「訓練だけど」

 

その後、緑谷殿は担架で保健室まで運ばれて行き、他の3人を呼び戻したオールマイト先生による講評が始まった。

 

「さて、講評の時間だ!つっても……今戦のベストは飯田少年だけどな!」

 

「なっ……んなっ!?」

 

「勝った緑谷ちゃんかお茶子ちゃんじゃないの?」

 

「ンーそうだなぁ……何故だろうなぁ……わかる人!」

 

「「はい、オールマイト先生」!」

 

オールマイト先生の問いかけに対し、私ともう一人、女子生徒が手を挙げた。

 

「私は訓練中随分と喋った、そちらから先に」

 

「では失礼して……それは飯田さんが、1番状況設定に順応していたからです」

 

「爆豪さんの行動は、戦闘を見た限り私怨丸出しの独断。そして先程先生が仰っていた通り、屋内での大規模攻撃は愚策。緑谷さんも同様、受けたダメージから鑑みても、あの作戦は無謀としか言い様がありませんわ」

 

「麗日さんは、中盤の気の緩み、そして最後の攻撃が乱暴過ぎたこと。ハリボテを核として扱っていたら、あんな危険な行為は出来ませんわ。相手への対策をこなし、核の争奪をきちんと想定していたからこそ、飯田さんは最後対応に遅れた」

 

「ヒーローチームの勝利は、訓練という甘えから生じた、反則のようなものですわ」

 

((思ってたより言われた)……!)

 

「ま、まあ、飯田少年もまだ、硬すぎる節はあったりする訳だが……まあ、正解だよ!くぅ〜っ!」

 

「常に下学上達、一意専心に励まねば、トップヒーローになどなれませんので」

 

「よぅし!みんな場所を変えて、第2戦を始めよう!今の講評をよく考えて、訓練に挑むように!」

 

「「「はい!」」」

 

 

続く第2戦は、ヒーロー側の1人が一瞬で建物全体を凍結させたことで即座に決着が着いた。MVPはヒーロー側だが凍結の生徒ではなく、迅速な索敵によって敵側の位置を素早く伝達した障子殿という生徒だった。そして第3戦、第4戦と続き、最終の第5戦……私のチームの出番が来た。

 

敵側チームF vs ヒーロー側チームE

 

 

《第5ビル》

 

「では、互いの個性を確認しようか。私の個性は[凶月血炎]、私が触れた相手や私の血を浴びた相手からスタミナを奪取し、それを体内で血液に変換する。血液操作も可能だ」

 

「俺の個性は[シュガードープ]!糖分10gにつき3分間、身体能力が上がるって個性だ。その代わり、砂糖が切れると無茶苦茶疲れちまう」

 

「ふむ、わかった。個性テストの時から見るに、相手の個性は臍からのビーム照射と粘性の液体を分泌する個性……守りを固めるか、それとも打って出るか」

 

砂藤殿の個性には制限時間がある以上、序盤から彼が積極的に攻めるのは愚策。範囲索敵可能な個性でもないし、彼にはここで核を守ってもらうのが得策か。しかし、相手の個性の出力が分からない以上、2対1の状況になるのは避けたい……ならば。

 

「砂藤殿。そちらから何か提案が無ければ、我々はこの部屋で守りに徹するべきだと思う。理由は2つ、砂藤殿の個性に時間制限がありこちらから攻めて短期決戦に賭けるのはリスクが大きいこと、相手の個性がどの程度の破壊力が分からないため2対1になることが危険なこと」

 

「お、おう!じゃあそれで行くか!」

 

「よし。目標は……カウンターによる迅速な決着」

 

『屋内対人戦闘訓練、始め!!』

 

作戦会議が終わったタイミングで、オールマイト先生によるアナウンスが開始を宣言する。それと同時に、ブラディトリガーの親指、薬指のボタンを押してトリガーを抜く。

 

「【血技装填】、【知悟凶月(ちごきょうげつ)】」

 

知悟凶月。入試の際に索敵が自身の課題である事を知り開発した、自らの血を床に張り巡らせて触れたものを探知する技だ。

 

「お、おい、そりゃ何をしてんだ?」

 

「細かい説明は省くが……このフロアの床全域に少量の私の血を行き渡らせ、何かが触れれば私に伝わるようにした」

 

「すげぇな、そんな事もできんのか!」

 

「血液消費が多く血の色で気付かれるうえ、使っている間は床に触れていなければならないというデメリットはあるが……防衛戦、とりわけこの状況なら十分だろう」

 

このまま待つこと3分、階段近くに反応があった。

 

「砂藤殿、反応が。数は2つ。だがやはり索敵には気付かれたな……うち片方のスピードがかなり上がっているうえ、血液がなにかに溶けていっている」

 

「溶けっ……!?」

 

「恐らく、相手の片方……粘性のある液体の正体は酸だな。戦闘準備を」

 

部屋の周囲のものだけを残して他の索敵用血液を呼び戻し、剣に成形することで戦闘に備える。

 

「片方の接地反応が消えた?レーザーで飛び始めたか。そしてもう片方接地反応のスピード……来るぞ、カウント3、2、1!」

 

カウントダウンが終わると同時に、扉を開けて女子生徒が突っ込んできた。

 

「っ、見つけたっ!くらえっ!」

 

飛び出してくると同時に、私に向かって液体の塊を投げてくる。咄嗟に剣を盾の形に成形し直しそれを防いだが、予想通り守った箇所を中心に盾が溶解していた。

 

「やはり酸か……砂藤殿!」

 

「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」

 

「おっと!」

 

私の掛け声と同時に砂藤殿が飛びかかる。相手はそれを躱したが、彼はそのまま部屋を飛び出して行った。

 

「そのまま行け!相手の1人は廊下でダウンしている!」

 

「おう!!」

 

「それってどういう……っ!青山クン?青山クン!」

 

彼女の無線機に返答が帰ってくることは無い。私は親指から小指まで全てのボタンを順番に押していき、トリガーに指をかける。

 

「【血技装填】……折角だ、減点されない程度で派手に行こう」

 

「あんた、何したの!?」

 

「堕ちるがいい……【昇りゆく凶月】」

 

トリガーを抜くと同時に手首のリングから大量の血液が流れ出し、それは棘の形となって彼女の動きを封じた。

 

「拘束技!?でも、私の個性なら……!」

 

酸によって血の棘が溶けていく。しかし、溶けた傍からすぐに新しい棘が生え、拘束が解けることはない。

 

「抵抗はよせ、無駄な消耗はしたくあるまい」

 

 

『敵チーム、WIIIIIN!!』

 

私が確保テープを巻くと同時に、終了の合図が響く。どうやら、私よりも砂藤殿のほうが先にテープを巻いていたようだ。個性を解除し、造血で生み出した血液全てを集めて焼却すると、オールマイト先生が迎えに訪れ、そのまま講評に移った。

 

「さて、第5戦の講評だ!今戦のベストはペルヴェーレ少女!作戦立案、索敵、そして接敵時の迅速な指示!それに応えた砂藤少年も見事だったぞ!」

 

あまり言うことも無かったのか講評はすぐに終わり、我々はモニタールームから出て最初の集合場所に戻った。

 

「お疲れさん!緑谷少年以外は大きな怪我もなし!しかし真剣に取り組んだ、初めての訓練にしちゃ皆上出来だったぜ!」

 

「相澤先生の後でこんな真っ当な授業……なんか、拍子抜けというか……」

 

「真っ当な授業もまた、私たちの自由さ!それじゃあ私は、緑谷少年に講評を伝えねば!着替えて教室に……お戻りぃぃぃっっ!!」

 

振り返りを終えると、オールマイト先生は凄まじい速度で我々の前から去っていく。緑谷殿に講評を伝えると言っていたが、そこまで急ぐことなのか……?

 

「オールマイトすっげぇ!」

 

「なんであんなに急いで……」

 

「カッケェ!」

 

 

そして放課後。自己紹介も兼ねて訓練の反省会をしようということになり、ここで改めて私の個性を明かすことになった。

 

「何人かはもう知っているが……私は淵下宮中学出身、ペルヴェーレ・スネージヴィナ。好きに呼んでくれて構わない」

 

「んー……それじゃ、ペルヴィってどう?」

 

「っ……」

 

「アレ?嫌だった?」

 

「いや、そういう訳では無い。ただ……その呼ばれ方をしたのがもう随分と前で、懐かしくなっただけだ」

 

「ならいいけど……てかてか!あの個性なに!?あっという間に2人とも制圧されちゃったんだけど!?」

 

「ああ、それも話しておこうか……私の個性は凶月血炎という。私か私の血液に触れたものからスタミナを奪い、それを血液に変換して自在に操るという個性だ。副次効果として、私の血液を体内に取り込んだ者は私がスタミナ奪取を発動するまで身体中が焼けるように痛むというものと、血液操作で圧縮を行い一定以上の密度に達すると光を放つ炸裂弾に変わるというものがある」

 

「ってことは、核があるフロアの床中が真っ赤だったのは……」

 

「私の血だな。血を介して相手がどこにいるかを特定する索敵術だ」

 

「索敵、戦闘、おまけに拘束まで……とても汎用性に優れた個性ですわね」

 

「だが、当然弱点もある。スタミナ奪取には相手の体に私か血を触れさせなければならない都合上、全身を何かしらで覆われると造血は使えない。入試の時のような非生物相手でも同様だ。」

 

「あれ、でもアンタ入試の時凄い量の血使ってあの巨大ロボットぶった斬ってなかった?」

 

「ああ、あれは……」

 

話している途中で、教室のドアが空いた。そちらに目をやると、訓練中に保健室に運ばれた緑谷殿が戻ってきたようで、皆の注目がそちらに移る。

 

「おぉ、緑谷来た!お疲れ!いやー何喋ってるか分からなかったけど、アツかったぜおめェ!」

「才能マンの爆豪と互角に渡り合うなんてなぁ!」

「よく避けたよ!」

「1戦目からあんなのやられたから、俺らも力入っちまったぜ!」

 

「えっ、え、ええっ!?」

 

「俺は切島鋭児郎!今みんなで、訓練の反省会してたんだ!」

「俺、瀬呂範太」

「僕は青山ゆ「私、芦戸三奈!よく避けたよぉ!」」

「蛙吹梅雨よ、梅雨ちゃんと呼んで」

「俺、砂藤!」

 

(……緑谷殿との顔合わせは済ませてある、私が行く必要は無いな。後で私の個性の事だけ話しておこう)

 

その後、反省会に参加せず帰っていった爆豪殿を彼が追いかけるといった出来事はあったものの、その他は特筆するようなこともなく自己紹介兼反省会は終わりになった。

 

……帰ったら、何とか名前を覚えきらなければ。




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