僕のヒーローアカデミア:紅き月の狂宴   作:Dr.Sin

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アンケートへのご協力、ありがとうございました。
その結果、職場体験先は『大剣振るう炎の二輪騎手』に決定いたしました。
今話からは独自展開・設定が続きますが、是非お楽しみ頂ければと思います。



第4章:目指すべき姿
第1幕:紅き月、北の地へ


 

職場体験。プロヒーローの事務所に赴き、仕事の内容を教えてもらったり、パトロール等に同行して実際にヒーローの仕事を体験するというのが目的のカリキュラム。

 

体育祭を経て事前に指名された事務所か、指名がされていなければ学校側がオファーした事務所から選んで自分が向かう場所を決める。

 

私にはかなりの数の指名が届いており、その中から選んだ事務所に向かうべく、今は全体の集合場所にいた。

 

「全員コスチューム持ったな?本来なら公共の場じゃ着用禁止の身だ、落としたりするなよ」

「はーい!」

「伸ばすな!はいだ、芦戸。くれぐれも体験先のヒーローに失礼の無いように。じゃあ行け」

 

「「「はい!」」」

 

相澤先生の号令で、それぞれの体験先に向かうクラスメイトたち。私は飯田殿に一言声を掛けようかと彼の方を見ると、既に緑谷殿と麗日殿が彼に話しかけに行っていた。

 

(……彼らは仲がいい、私が行って邪魔をすることもなかろう)

 

そして、私は彼らと反対方向に向かう。その先は北海道。あの広い地域を一手にまとめるヒーローから、お呼びが掛かったのだ。

 

 

「ようやく青森……ここからはフェリーか」

 

とてつもなく長い電車の旅から解放され、事前に調べていたコースから次に乗り継ぐフェリーのチケット列に並んでいた。

 

(向こうの事務所から貰った書類には、青森の駅までしか指定されていなかったが……まあ、先方の事務所の位置は調べているし、取り敢えずフェリーのチケットを……)

 

「ん?」

 

列に並んでいると、上の……空の方から、私に近付いてくる影が1つ。

 

「フゥゥゥーーー!!」

「なっ……!?」

 

現れたのは、黒いライダースーツに身を包んだ女性と、赤い装飾が施されたバイク……バイクが、天から降ってきた。

 

「待たせたな、ペルヴェーレ!いや、今はアルレッキーノと呼ぶべきかな!」

 

「あな、たは……」

 

「炎神ヒーロー、『マーヴィカ』!北海道全域の治安を一手に担うマーヴィカヒーロー事務所の総大将が、なんでここに!?」

「空を飛ぶバイク、生で見るとやっぱすげぇな!」

 

私の職場体験先のヒーロー……炎神ヒーロー、マーヴィカ。

 

「マーヴィカ殿……まさか、迎えに来て頂けるとは」

「ははっ、殿は辞めてくれ、マーヴィカでいい。さ、これを」

 

そう言ったマーヴィカ殿に、ヘルメットとライダースーツを手渡される。

 

「向こうでそれに着替えたら、早速出発だ!」

「……?」

 

 

 

「―――――――――!?!?」

「ハハッ!バイクで海の上を走るのは、流石に初めてかな?」

 

渡された服に着替えてヘルメットを被ると、バイクに乗るように促され……気づけば、私は彼女の後ろに乗り水上をバイクで走っていた。

 

「ま、マーヴィカ殿……!このバイクは一体……!?」

「ん?ああ、これは私のサポートアイテムで、名を双駆輪と言う。うちの事務所お抱えの技術者が作った、渾身の一機だ。まあ私の個性がなければ動かないんだがな!」

「マーヴィカ殿の個性……!?」

「ああ。時間がある時に改めて私の個性を話そうか」

「分かりました……ッ!」

 

そして非常にスリリングな水上滑走から暫く経ち、陸地に辿り着いてからしばらく道路を走ると、バイクから降りた私は巨大なビルに通される。入口に太陽のようなエンブレムが掲げられたその建物こそ、マーヴィカ殿が自ら代表を務めるヒーロー事務所、マーヴィカヒーロー事務所の本部だ。

 

「では改めて……ようこそ、マーヴィカヒーロー事務所へ。私はこの事務所の代表、マーヴィカだ。これからよろしく」

 

「私は雄英高校1年A組、ペルヴェーレ・スネージヴィナ、ヒーロー名『アルレッキーノ』です。よろしくお願いします」

 

「よし。イファ、彼女にこの事務所を案内してやってくれ。最後は私の執務室に」

 

「ああ、わかった。さ、アルレッキーノ、俺に着いてきて」

「はい」

 

イファという男に連れられ、事務所の中を案内される。どうやら上層階は社宅となっているようで、私も期間中はそこで寝泊まりすることになるそうだ。他にも食堂やトレーニングルーム、1から4までの会議室など様々な部屋があり、どの部屋も共通してかなりの広さがあった。

 

「一応俺の自己紹介もしておこうか。俺はここのサイドキックで医療を担当している『イファ』だ。ここで働いている人間は、事務員以外は俺と同じようにヒーロー業務と事務所内業務を兼任している者が多いんだ」

「例えば、シロネンはサポートアイテムの整備、イアンサは訓練指導、今支部の方に行ってるヴァレサとオロルンは菜園の管理といった感じだな」

「菜園……?ヒーロー事務所に、ですか?」

「ああ。うちの事務所の活動域は北海道全域、こんなに広い場所なんだから、土地は有効活用しないとってことさ」

「なるほど」

「っと、そうこう話している間にマーヴィカの執務室に着いたな」

 

イファ殿が扉をノックすると、中から入るよう促すマーヴィカ殿の声が聞こえてくる。私が中に入ると、いかにもな椅子に座ったマーヴィカ殿がおり、彼女の指示でイファ殿は通常の業務に戻っていった。

 

「さて、ここの事務所のことは大体わかったかな?」

「はい、おかげさまで」

「ならよし。次に、この事務所の活動内容について詳しく説明するぞ」

 

「まず1つ、全ての基本、パトロールだ。うちでは多数のサイドキックがローテーションを組んで行っている。これは支部も同様だ。この後、アルレッキーノには私と共に実際にパトロール出てもらう」

 

「次に、敵犯罪への対処。パトロールや通報で敵犯罪を発見すると、本部とその地点から最も近い支部に連絡が行き、本部の指示によってどの支部の誰を派遣するかが決められる。その割り当ては、本部の優秀な事務員達が行っているぞ」

 

「そして、地域住民とのコミュニケーション。これは業務というよりも、事務所全体の方針と言った方が正しいかな。私のヒーロー事務所に所属する者は、その立場や仕事を問わず住民と常に良好な関係を築く必要がある。これは敵犯罪の未然防止などの治安維持に繋がるほか、民に対して常に私たちヒーローが背中を守っているということを示すことにもなるんだ」

 

「そして最後に、自らの力の研鑽。常に自らの力を高め続けることは大切だからな、ヒーロー活動の他に、このトレーニングを指導する役割を持つ者もいるぞ」

 

そう言って、彼女は私にスマホよりも少し大きいくらいの端末とインカムを渡してきた。端末の背面にはビルのエンブレムと同じ模様と、『マーヴィカヒーロー事務所所属証明』という文字が刻まれている。

 

「これを渡しておく。これはうちの事務所に所属することを証明するもので、事務所内の連絡事項は基本的にその電子手帳端末とインカムで行われる。職場体験とはいえ、君も我らの仲間になるのだから渡しておく。ここにいる間は携帯し、インカムも着けておくように」

 

「分かりました、ありがとうございます」

 

端末を受け取ると、すぐに画面が光り出し、【生体認証登録、完了。あなたのヒーローネームを入力してください】という表示がされる。促されるまま『アルレッキーノ』と入力すると、【照合完了。職場体験での登録となります。本日の業務をご確認ください】という文字と共に、今日の日程と思しき表が現れる。

 

「そのような形で、割り当てられた仕事が表示される。毎朝7時に更新されるから、忘れず確認するように。では早速パトロールに出るとしようか。コスチュームに着替えて、建物の入口で集合だ」

 

「はい」

 

彼女の指示に従い、実にUSJでの一件以来となるコスチュームに袖を通す。あの時の戦闘でボロボロになっていたものが、一昨日ようやく修理から戻ってきたのだ。コスチュームに着替え指定された場所に向かうと、既にマーヴィカ殿が待っている。

 

「すみません、お待たせ致しました」

「いや、気にする事はない。私は元々コスチュームを着ていたしな。それに……いいコスチュームじゃないか。動きやすそうで、デザインも悪くない。唯一気になるのは、その片手だけの赤い手袋だが……」

「これはサポートアイテムです。私は血を固めたり飛ばすのがメインなので、様々な武器や技に合わせて最適な量の血を抜くために作ってもらいました」

「成程。では、パトロール開始といこう!」

 

事務所を出ると、インカムから『パトロール開始。右に曲がり、1km直進してください』という音声が聞こえてくる。

 

「パトロールの順路は毎日変わる。端末でも確認できるが、慣れないうちはインカムの指示に従った方がいいぞ」

「はい」

 

 

「あ、マーヴィカさん!こんにちは、パトロールですか?」

「ああ、今日は私の番だからな。君も、いつもと変わりないようで何よりだ」

「ありがとうございます!パトロール、頑張ってください!」

 

 

「あれ、マーヴィカじゃん!今日はマーヴィカがここの巡回?」

「こら沙富瑠!マーヴィカさんに失礼な言い方を!……ごめんなさい、マーヴィカさん」

「はは、構わないさ。子供は少々生意気なくらいがちょうどいい」

「だってさ、来明姉ちゃん!」

「まったくこの子は……」

 

 

「あら、マーヴィカさん。先日はお世話になりました。お兄様が、今度直接お礼をと……」

「ヒーローとして当然のことをしたまでだ。その後はどうだ?」

「ええ、何も無かったみたいに元気よ。飛んでいってしまった時はどうなるかと思ったけど……マーヴィカさんが見つけてくれたおかげで、大事にならずにすみました」

「ならよし。また話を聞かせてくれ、今度は君の兄ともじっくり話してみたい」

「ええ、是非。お兄様も喜びますわ」

 

パトロールの間、マーヴィカ殿は周囲の人々から絶えず声を掛けられていた。その大半は感謝と応援。改めて、この地域における彼女の影響力というものを実感する。そして驚きだったのは、私も何度か声を掛けられたということだ。

 

「あ、この前テレビに映ってた人だ!」

「ん?……私のことか?」

「スタジアムの上で、なんかこう……赤いのが、バーッて!」

「体育祭か……見てくれてありがとう、私の事を応援してくれるか?」

「うん!お姉ちゃん、名前は?」

「名前か……私は『アルレッキーノ』だ。覚えてくれると嬉しい」

「あるれ……?んんー……うん、何となく覚えた!」

「少々難しいかな?まあ、なんとなくでも構わないよ」

 

 

「子供との接し方が上手いじゃないか」

「つい1、2ヶ月前まで孤児院にいたものですから」

「……すまない、言いづらいことを」

「気にしないでください……というより、私の経歴は知っているのではないのですか?」

「まあ、そうだが」

「大丈夫です、そこまで気を使わなくても……ん?」

 

内ポケットにしまっていた端末が震えると同時に、インカムから声が聞こえてくる。

 

『敵犯罪発生!場所、蔵谷市3丁目、かんなり銀行蔵谷支店にて、銀行強盗による立てこもりが発生した模様!現場に近いヒーローは直ちに急行し、付近の事務所で手の空いている者は出動の準備を!』

 

通信が入り、場所の情報が共有された段階で、前に立っていたマーヴィカ殿が一瞬こちらに目配せすると、すぐに凄まじいスピードで走り出した。

 

「ここから近い、向かうぞ!着いてこれるな!?」

「……っ、はい!」

 

私はすぐに焼尽体躯を発動し、なんとか追いつこうと全力で走る。ようやく彼女の背中が見えたかと思うと、そこは既に事件の起きた銀行の目の前だった。

 

「こちらマーヴィカ、事件現場に到着。内部の敵について情報は?」

『敵の数は4人、首魁の者は何らかの異形系という情報が入っていますが、それ以外はありません』

「了解した。イクトミ衆の中で、こちらに来られる者は?」

『まもなくオロルンさんが到着します』

「よし、合流次第、突入の準備をする。」

 

程なくして黒いローブを羽織った男が現れ、銀行の壁に目を近づける。壁の向こうを見る個性を持っているようで、中の状況をメモするように指示された。

 

「壁のすぐ向こうに人質が16人。それに対して銃を構えているものが1人、個性と思われる特異な右腕を向けているものが1人。カウンターの向こうには銀行員が9人、さらに敵グループの1人が銀行員の方に銃を向けており、首魁と思われる異形型の者が金庫前で待機している。恐らく金庫の内部に銀行員がいると思われるが、壁が厚すぎて確認できない。犯人グループは誰もこちらに気付いていないようだ」

 

銀行内部の地図に、オロルン殿から言われた情報を書き足していく。はっきり言って、状況はかなり悪い。

 

まず、人質や銀行員に銃口を向けている者と金庫にいる首魁との距離がそれなりに離れていること。どちらかに異常があれば気付くだろうし、そうなった場合に敵が人質に対してどんな対応を取るかは不安要素として大きすぎる。

 

これによって、こちらの突入は手前の者たちか奥の首魁のどちらかには確実に勘づかれる。向こう側からシャッターが閉じられているため、これを破壊すれば否応なく金庫前にいる首魁はそれを察知するだろう。シャッターの破壊と同時に人質を救出できたとしても、カウンターの向こうや金庫の中にいる銀行員たちの安全が保証できない。

 

「本部、テペトル衆の中でこちらに向かえるものは?」

『現在、事件発生位置周辺で待機状態のテペトル衆はいません。ライノ衆も同様です』

「了解した。オロルン、中の監視を続けてくれ。何か動きがあれば、すぐ私に。アルレッキーノ、君にこのシャッターの向こうにいる敵を直接攻撃、無力化する手段はあるか?」

 

「あるにはありますが……」

 

「よし。雄英高校1年A組、ペルヴェーレ・スネージヴィナ、ヒーロー名アルレッキーノ。プロヒーロー、マーヴィカの名において戦闘を許可する」

 

「……!?」

 

「今ここにいる者では、金庫前に居る首魁に攻撃する手段がない。オロルンにはここで監視を続けてもらう必要があるし、首魁の個性の詳細が分からない以上、私の速力でも手遅れになる可能性がある。ならば、気付かれないうちにまず首魁を叩き、それと同時に私が一気に突入するのがいいだろう」

 

「分かりました。攻撃のタイミングはそちらにお任せします。【血装顕現】、【焼尽体躯】」

 

マーヴィカ殿によって作戦が指示される。私が先制攻撃を務め、首魁を行動不能にすると同時にマーヴィカ殿が突入、制圧するという流れだ。作戦に適した武器を使うべく薬指のボタンを押してトリガーを引き、弓と矢を作り出す。矢を番え、地図に表記した首魁のいる目標地点に狙いを定める。

 

「アルレッキーノ、照準は僕も敵の動きを見ながら補助する。もう少し右に寄せて……そう、そこ。次にほんの少し下……いい、そこだ。まだ敵に動きはない、何か行動を起こす前に仕掛けるべきだと思う」

 

「よし。これより作戦を開始する。カウント後、アルレッキーノによる首魁への攻撃の後、シャッターを破壊して残り3人を私が捕縛する。オロルンと攻撃が終わったアルレッキーノは、私がシャッターを破壊すると同時に突入し、人質たちの保護を!」

 

「「了解!」」

 

「カウント開始!5、4、3……」

 

(落ち着け、敵との戦闘は既にUSJで体験済みだろう?あの時も私は弓を使った。それと同じ、今回は相手が直接視認できていないだけ……身体強化を上乗せした一撃なら、シャッターの向こうにいる敵にもこの矢は届く……!)

 

「2、1……撃て!」

 

「―――!ハァッ!」

 

私の放った矢がシャッターを貫き、オロルン殿が命中を告げる。すかさず【万象灰帰】と【勅令結印】を発動して行動不能にすると、その事を伝えるべく右手を挙げた。

 

「突入する!【赤炎滅葬(せきえんめっそう)】!」

 

突入の合図をしたマーヴィカ殿の髪は橙がかった白い輝きを発し、その彼女が横凪に腕を振るうと瞬く間にシャッターは引き剥がされた。

 

「なっ……シャッターがぐはぁぁっっ!!??」

「クソッ!よりにもよってマーヴィカが来るかよ!」

 

「民間人の皆さんはこちらに!オロルン殿、カウンター奥の銀行員はお任せしても?」

「ああ。アルレッキーノは人質を先導して、安全な所へ」

 

マーヴィカ殿が敵を鎮圧している間に、人質たちの避難誘導を始める。予め決められていた地点の方に腕を振り、そちらに向かうよう促すことが、今の私の仕事だ。

 

「皆さん焦らずに、マーヴィカヒーロー事務所が救援に参りました!決して振り向かず、落ち着いてこちらの誘導に従ってください!」

 

私が人質の民間人に避難を促すと、彼らは皆それなりに落ち着いた様子で避難していった。焦らず落ち着いてと声を掛けはしたものの、実際に殆どの人が慌てふためくことなく行動しているさまを見ると、少々面食らってしまう。

 

程なくしてマーヴィカ殿が内部の敵を制圧し、4人を俵持ちして戻ってくると、彼らはすぐ警察に引き渡された。

 

 

 

「さて……初日から敵犯罪に遭遇するとは、ツイてないな。まあともあれ、これで今日のアルレッキーノの業務は終わりだ。なにか質問はあるか?」

 

敵グループの引渡しなどの事後処理を終え事務所に戻ってくると、マーヴィカ殿の執務室で振り返りをするということで、気になっていたことを質問してみた。

 

「事件の際に言っていた、イクトミ衆やテペトル衆というのは一体なんなのですか?」

 

「ああ、説明がまだだったか。うちの事務所では、サイドキックの個性をその適正に応じて分けているんだ」

 

「まず、地中への潜航や壁登りなど、地面に面する移動に秀でた『テペトル衆』。次に、水上や水中での移動・戦闘を得意とする『コホラ衆』。建物の間を縦横無尽に動き回るなど、柔軟な動きが得意な『ユムカ衆』。」

 

「飛行や空中戦闘が可能な『クク衆』。索敵や状況観察に優れる『イクトミ衆』。そして最後に、直線移動の速度に特化した『ライノ衆』の6種がある」

 

「無論これに属さない者もいるぞ。これはあくまで、状況に応じた適切な人員派遣をするための仕組みだからな……他に何か聞きたいことは?」

 

「聞きたいことというわけではありませんが……マーヴィカ殿は、地域の方々に随分信頼されているのだな、と。銀行強盗の事件の際、人質となった人々が随分と落ち着いた様子だったので」

 

「ああ。それは、日々のパトロールや地域住民とのコミュニケーションによってもたらされるものだ。仮にあの事件に派遣されたのが私でなくても、人質の彼らが慌てふためくようなことは起きなかっただろう」

 

「コミュニケーションによる信頼関係……」

 

「ああ。アルレッキーノも、よく覚えておくといい。イファから聞いているだろうが、君の部屋は8階の7号室だ。ではまた明日、集合場所は端末に連絡しておく。食事は2階の食堂を使ってくれ」

 

「分かりました、ありがとうございます。失礼します」

 

 

食事を済ませ、就寝前の身支度を整えた私は、部屋に備え付けられていたベッドに横たわる。

 

(マーヴィカ殿の強さ、炎熱系最強格のエンデヴァーが現役でいる中で炎神を名乗るだけはある。この職場体験で、少しでも多くのことを彼女から得られれば……)

 





「北海道全域の〜」という部分は本作品のみの独自設定、また地名等は基本的にオリジナルとなります。

一応書きながら調べはしていましたが、もし実在の地名と被っているようであれば指摘していただけると助かります。

皆さんの評価、感想、お気に入り登録が何よりの励みです!


追記:マーヴィカの身体強化技、ほぼ同名の技が鬼〇の刃にあるというのを最近になって知り、9/16に技名を変更致しました。
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