僕のヒーローアカデミア:紅き月の狂宴   作:Dr.Sin

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今回短いです。ご了承ください。



第5章:力を得たとしても
第1幕:雄英のとある日


「「アーッハッハッハ!!マジか!マジか爆豪!」」

 

「笑うなァ!クセ着いちまって洗っても治んねぇんだ……!!」

 

教室に入るやいなや、瀬呂殿と切島殿の大笑いの声が聞こえてくる。その視線の先には爆豪殿がいたのだが……その髪の毛は、先日までのトゲトゲ頭ではなく、キッチリ8:2に分けられていた。

 

「おい笑うな!ブッ殺すぞ!!」

「やってみろよ82坊や!」

「ンだとコラァ!!」

「「戻ったァ!」」

 

(怒髪天とはよく言ったものだが、怒りで髪の毛が爆発することもあるのか……)

 

くだらないことを考えながら席に着くと、クラスの女子達が各々の職場体験について話している最中だった。

 

「へぇー!敵退治までやったんだ!羨ましいなぁ〜!」

 

「避難誘導とか後方支援で、実際交戦はしなかったけどね」

 

「それでも凄いよぉ!」

 

「私もトレーニングとパトロールばかりだったわ。1度隣国からの密航者を捕らえたくらい」

 

「「それ凄くない!?」」

 

「ね、ペルヴィは何やったの?」

 

「水仙十字会という敵組織の壊滅作戦に同行した。やったことと言えば、天井を破壊して地下に日光を差し込ませたくらいだが」

 

「天井を!?」

「何があったのさ……」

 

「お茶子ちゃんはどうだったの?この一週間」

 

「コォォォ……とても、有意義だったよ……」

 

「目覚めたのね、お茶子ちゃん」

「バトルヒーローのとこ行ってたんだっけ」

「ふむ……ヒーローの拳法というものも、間近で観察してみたいものだ」

 

皆、中々に濃い職場体験を送ったようだった。

 

 

「たった1週間で変化すげぇなー」

 

「変化?違うぜ上鳴……女ってのは元々、悪魔のような本性を隠し持ってんのさ……」

「マウントレディの所で何見た!?……まあ1番変化というか大変だったのは、お前ら3人だな!」

 

上鳴殿がそう言うと、クラス全体の目線が3人……緑谷殿、飯田殿、轟殿に集中した。帰りの電車の中で初めて知ったのだが、どうやらあの3人は件のヒーロー殺しと交戦し、エンデヴァーの助けで生き延びたらしい。

 

「そうそう、ヒーロー殺し!」

「命あって何よりだぜ、マジでさ」

「心配しましたわ……」

「エンデヴァーが助けてくれたんだってな?」

「凄いねぇ、さすがNo.2ヒーロー!」

 

「……そうだな、助けられた」

「うん」

 

「俺、ニュースとか見たけどさ……ヒーロー殺し、敵連合とも繋がってたんだろ?もしあんな恐ろしいやつがUSJ来てたらと思うと、ゾッとするよ……」

 

「でもさ……確かに怖ぇけどさ、尾白動画見た?」

「動画って……ヒーロー殺しの?」

「そう!あれ見ると、一本気っつーか、執念っつーか……カッコよくね?とか思っちゃわね?」

 

「上鳴くん!」

「えっ……あっ!悪ぃ……」

 

ヒーロー殺しの言葉や信念にどう思おうが個人の勝手ではあるが……ヒーロー殺しに身内を傷つけられた飯田殿がいる前での上鳴殿の発言は、無神経であると言わざるを得まい。

 

「いや、いいさ。確かに信念の男ではあった。クールに思う人がいるのも分かる。ただ奴は、信念の果てに粛清という手段を選んだ」

 

「どんな考えを持とうとも、そこだけは間違いなんだ。俺のような者をこれ以上出さぬ為にも、改めて、ヒーローへの道を俺は歩む!」

「飯田くん……!」

 

「さあ、そろそろ始業だ!全員席につきたまえ!」

 

「煩い……」

「上鳴が変な話すっから……」

「なんか、すんませんっした」

 

 

 

「ハイ、私が来たー。ってな感じで、やっていくわけだけどもね!ハイ、ヒーロー基礎学ね!久しぶりだな少年少女!元気か?」

 

「さて!今回のヒーロー基礎学だが、職場体験直後ってことで、遊びの要素を含めた救助訓練レースを行うことにする!」

 

職場体験明け最初のヒーロー基礎学の授業。恒例となったためか口上が雑になったオールマイト先生により、今日の訓練内容……救助訓練レースとやらを行うことが宣言される。

 

「救助訓練なら、USJでやるべきでは無いのですか?」

 

「あそこは災害時の訓練になるからなぁ、私はなんて言ったかな?そう!レース!ここは運動場γ、複雑に入り組んだ迷路のような密集工業地帯!」

 

「5人4組に別れて、1組ずつ訓練を行う!私がどこかで救難信号を出したら、町外れから一斉スタート!誰が一番に私を助けに来てくれるかの競走だ!」

 

「勿論、建物の被害は……最小限にな!」

「指差すなよ……!」

 

説明のあと、最後に加えられた注意は……まあ、ほぼ名指しだったな。それはさておき、今回の訓練……必要なのは、救出地点までの最短ルートを即座に決めるための判断力と、到達のための機動力。

 

(この広さでは知悟凶月は使えないな……地面を走るより空を飛んだ方がいいか?しかし、不慣れな能力を使うのは……いや、まずは、1組目を動きを観察するところからだな)

 

「じゃあ、最初の組は位置について!」

 

 

「飯田、まだ完治してないんだろ?見学すりゃいいのに……」

「クラスでも機動力いいやつが固まったな!」

「んー……強いて言うなら、緑谷さんが若干不利かしら」

「確かに。ぶっちゃけあいつの評価って、まだ定まんないんだよねー」

「何か成す度、大怪我してますからね」

 

「トップ予想は?俺、瀬呂が1位!」

「あぁー……でも尾白もあるぜ?」

「オイラは芦戸!あいつ運動神経スッゲーぞ!」

「デクが最下位!」

「怪我のハンデがあっても、飯田くんの気がするなー」

「ケロ」

 

「それでは行くぞ!スターートッ!!」

 

開始の合図と共に瀬呂殿が飛び上がる。芦戸殿はパイプの上を滑り、尾白殿は尻尾を地面に叩きつけて反発の勢いを体に乗せ、飯田殿はいつも通りの高速走行と言った具合に、各々個性を活かして目標地点に向かうが、リードを取ったのは瀬呂殿だ。

 

「ほら見ろ!こんなゴチャついたとこは、上行くのが定石!」

「となると、滞空性能の高い瀬呂が有利か」

 

「ん……?あれは……」

 

モニターに映っていた瀬呂殿の横を、緑色の光が通り過ぎる。光の方にカメラが移されるとそこに映っていたのは、全身から緑色の稲妻のようなものを発する緑谷殿の姿だった。

 

「「おぉ……!うおぉー緑谷ぁぁ!!」」

「なんだその動き!?」

「すごい、ピョンピョン……!なんかあの動き……」

「爆豪殿のような動きだな。爆破を推進力にする爆豪殿のように、緑谷殿は構造物を蹴ることで推進力を得ている」

 

軽快な動きで先に進んでいく緑谷殿。この調子なら1位は彼に決まったか、と思えるほどのスピードだったが……突如、彼の姿がカメラから消えた。どうやら足を踏み外したようで、地面に落下しそのまま瀬呂殿に抜き去られてしまった。

 

 

「フィニーーッシュ!!ありがとう!そしておめでとう!」

「アザーッス!」

 

結局1位は瀬呂殿に決まった。

 

「1番は瀬呂少年だったが、みんな入学時より個性の使い方に幅が出てきたぞ!この調子で、期末テストに向けて準備を始めてくれ!」

 

「「「はい!」」」

 

「1組目、退場!次の組、位置について!」

 

さて、次は私の番だな。

 

 

《訓練後 女子更衣室》

 

「めっちゃ強く頭打ってたけど……大丈夫?」

 

「ああ、問題ない……慣れない技をむやみに使うものではないな……」

 

結果から言えば、私は3位だった。練習のために紅血風翼を展開し、緑谷殿がやったように身体強化で建物を蹴りながら飛んでいたのだが、途中で翼のバランスを崩してパイプに思い切り頭をぶつけてしまったのだ。

 

「ん……?この穴は……?」

 

丁度コスチュームを脱いだあたりで、何やら壁に穴が空いているのを見つける。そこから微かに音が聞こえてきたのだが、次に聞こえてきたのは明確に声だった。

 

「峰田くんやめたまえ!覗きは立派な犯罪行為だ!」

「オイラのリトル峰田はもう立派なバンザイ行為なんだよぉ!!」

 

「ねぇ、今の声って……」

「飯田くんだよね」

「あと峰田ちゃんも」

「峰田殿がよからぬ事を……ここは私に任せろ」

 

親指を噛み、穴に向けて血を噴射すると、案の定何かに当たった手応えと凄まじい悲鳴が聞こえてきた。

 

「……このような事をする気が起きないよう、徹底的にやるべきか?」

 

「ありがとう、ペルヴィちゃん……!」

「なんて卑劣……すぐに塞いでしまいましょう!」

 

(峰田殿……曲がりなりにもヒーロー志望なら、やっていい事と悪いことのライン引きくらいはするべきだろうに)

 

峰田殿は全身を私の血液に固められ、保健室に運ばれて行った。性欲の権化のような彼でも、あそこまでやれば大人しくなってくれるだろう……なってくれる、はずだ。

 

 





前話、というか前章でお気に入り数の乱高下が激しい……オリジナル展開のウケが悪いのか、シンプルに面白くないのか、はたまた文章構成が下手なのか……わからん……

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