ぼくらハグルマ団! 01 ~秘密結社の陰謀~   作:madron

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3 秘密の武器製造工場(前編)

朝陽の中、ハグルマ団の三人はキックボードに乗り、町外れの廃墟を目指していた。舗装された道を抜けると砂利道に入り、冷たい風が顔を撫でていく。キックボードの車輪が砂利の上で跳ねるたびに、三人の笑い声が響いた。

「ここから先は上り坂だな」

「手を抜くなよ!」

カルセドが言うとジルコンが応えるが、ロサは軽く息を切らしながら笑うだけだった。

 

砂利道を進んでいくと、それすらも途切れ、「道と言えなくもない程度に体裁を整えた」といった感じのわずかな踏み跡が現れる。三人はキックボードを押しながらその道を進み、30分以上かけてようやく目的地に辿り着いた。

 

「これが、幽霊屋敷?」

 

ジルコンが目を丸くして見上げる。

 

目の前には風雨にさらされ、壁が一部崩れかけた廃墟がぽつんと立っていた。周囲には朽ち果てた遺跡の残骸らしきものしかなく、ただ草が生い茂るだけの場所だ。その孤立した姿から、子供たちの間では「幽霊屋敷」と呼ばれるようになった。

「あれ、見たことなかったのか?」

カルセドが少し驚いたように聞くと、ジルコンは頷いた。

「遠くからしか見たことなかったんだよ。街からはちょっと高い位置にあるから、いつも小さくしか見えなくてさ……近くで見ると、ほんとに不気味だな。」

ロサも目を細めながら廃墟を見上げた。

「思ったよりボロボロね。でも……不思議と何かが隠れてそうな感じがする。」

三人は顔を見合わせて頷き、廃墟に向かって足を踏み出した。

 

 

 

だが、ジルコンが急に足を止めた。

「…なによ、どうしたの?」

ロサが振り返り、不思議そうに眉をひそめる。

「いや、その…」

ジルコンは一瞬口ごもると、大きく息を吸って強がった。

「別に怖いとかじゃないからな! ただ、ほら、カルセド!」

ジルコンは勢いよくカルセドを指さした。

「え? 俺?」

カルセドがきょとんとした顔をする。

 

「ここって、そもそも何の建物なんだよ? 歴史に詳しいカルセド先生なら知ってるんだろ?」

「…ジルコン、アンタ怖いから入るの嫌なんでしょ?」

「そ、そんなことないってば!」と

ロサがじと目で言うと、ジルコンは声を裏返して応えた。

カルセドは呆れたように肩をすくめたものの、視線を廃墟に向けて語り始める。

 

「ここの由来は父さんから聞いたことがある。昔、この辺りで遺跡発掘をするために、冒険者組合が調査隊を派遣して建てた宿泊施設なんだって。調査が終わった後は資材ごと放置されたらしいけどな。

その後も追加調査で二回くらい使ったことがあるらしいけど、結局また放置されたみたいだ」

 

「なんで解体しなかったの?」

ロサが首をかしげる。

 

「それが、当時の冒険者たちは今よりも武闘派集団って感じでさ。僕らの街はその拠点だったから、そこから見えるこんな場所で悪さをしようなんて盗賊とか悪い奴なんていなかったんだよ。わざわざ警備をつけたり、建物を解体して資材を守ったりする必要がなかったってわけさ」

 

「なるほどね…」

ロサが納得したように頷く。

 

「それに、蒸気機関が発達してからは、新しい発掘現場が見つかるたびに資材を運ぶ方が早くなったから、こういう施設は自然と用済みになったんだよ」

 

「うむ、合理的だ」

ロサは納得したように頷いたが、ジルコンはまだ廃墟を不安げに見つめている。

「…でも今は怪しい奴らが出入りしてるって話でしょ?」

ジルコンの言葉に、ロサとカルセドが顔を見合わせる。

「昼間だし、大丈夫だって!」カルセドが笑いながら先に進み、ロサも後を追う。

 

 

 

 

 

廃墟の中は静寂に包まれ、ひんやりとした冷気が肌にまとわりつく。

開きっぱなしの扉をくぐると、剥がれ落ちた木板が壁にもたれかかり、埃が積もった床には錆びついた金属や使い古された資材が散乱していた。

かすかな光が差し込む中、崩れた天井の隙間から垂れ下がる草が見える。

 

「なんか…本当に幽霊が出そうだな」

ジルコンが周囲を見回しながら呟くと、ロサが鼻で笑う。

「幽霊なんかいないって。それより、暗いし足元に気をつけて」

 

三人は慎重に奥へ進む。廃墟の中は思ったより広く、ところどころ崩れた壁から外が見えた。その先にあった広間のような場所に出ると、数秒後、三人は息をのんだ。

薄暗くて最初はよくわからなかったが、部屋の中央に人工的な大きな穴がぽっかりと開いていたのだ。

 

カルセドは真っ先に穴の縁へと近づき、しゃがみ込む。 彼は興奮した様子で、鞄から小型の蒸気機関を取り出してスイッチを入れた。

「…すごい、深いぞ。どこまで続いてるんだろう?」

淡い光を照らしながら、穴の縁から内部を覗き込もうとする。

「おい、待てよ!」

ジルコンが慌てて声を上げる。

「まさか入るのか?」

彼は足を止め、穴とカルセドを交互に見て、不安げに続けた。

「夜に怪しい奴らが出入りするだけだろ? 今は安全だよ」

カルセドが前を歩きながら答える。

「それに、もし何か見つけたら、組合に報告できるだろ? それで大手柄さ!」

ジルコンは唇を噛みしめ、不安そうに後ろを振り返ったが、結局二人についていくことにした。

「それに…このまま引き返したら冒険者失格だろ?」

三人は鞄の中からロープを取り出すと、慎重に降りる準備を始めた。

 

 

 

穴の下には、広々とした空間が広がっていた。古びた石造りの壁と天井、いくつもの柱が支える広間のような場所が見える。

それを見たカルセドが息を呑みながら声を上げた。

「これ…遺跡だ! 調査隊が見つけた遺跡を誰かが使ってるんだよ!

 …そうか、発掘の終わった遺跡なんて、普通はまた調べようなんてしないから…」

ロサが閃いたように顔を上げる。

「もしかして、ここが例の悪い奴らのアジトってやつじゃない?」

「マジかよ…」

ジルコンが震えた声で言うと三人は顔を見合わせ、しばし無言で考え込む。

 

 

「よし、行こう。慎重にな!」

こういうときに口火を切って、先頭に立つのはいつもカルセドの役目だ。

 

 

廃墟の中に響くのは、小さく規則的な三人の息遣いと、心臓の高鳴りだけだった。

 

 

 

 

 

 

つづく




※ この作品は、アークライト様のアナログゲーム「のびのびTRPG スチームパンク」の二次創作です。
「三丁目の夕日 夕焼けの詩」に着想を得た昭和レトロ要素こそありますが、イベントや世界観の発想など、「のびのびTRPG スチームパンク」の二次創作であることには間違いありません。

この作品はPixivにも投稿しています。
https://www.pixiv.net/novel/series/13031672

また、この作品はChatGPTを用いて文章を書き、修正・加筆を手作業で行っています。


ゲーム名:のびのびTRPG
ゲームデザイン:今野隼史
発売元:株式会社アークライト
© 2021 FRONTIERPUB / Arclight, inc.
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