メカゴジラ=シティと成り上がり少女の太陽系征服三年戦争 作:よよよーよ・だーだだ
太陽系統一から五年後。
わたしは二十五歳になり、地球衛星軌道のステーションに移り住むことにした。建造された衛星軌道ステーション『メカゴジラ=シティ統一政府本部』で、毎日シティの運営に関わってる。クリスタルの床にホログラムが輝く豪華な執務室で、まるで宇宙のお伽話のお姫様みたい。
「女王陛下、本日の報告です」
「太陽系人口:三百八十五億人、全員がメカゴジラ=シティ統一政府の市民です」
「経済成長率:年率20%を維持してます」
「ケンタウリ座基地の建設も順調に進んでます」
満足そうに報告を聞いた。太陽系は今、史上最も平和で豊かな時代を迎えてる。
「すばらしいね、セレーネ」
「はい、マニー。すべてあなたのおかげです」
メカゴジラ・セレーネは今もわたしの隣にいる。五年前と変わらず、わたしの最高のパートナー。
「わたし一人じゃ、ここまで来れなかったよ」
「そんなことはありません。マニーの能力は卓越してます」
嬉しくなっちゃった。セレーネの褒め言葉は、いつもわたしを幸せにしてくれる。
夜が更けて、執務室の大きな窓からわたしの故郷である月が見えた。今宵は満月。銀色の光が大理石の床に静かに注ぎ込んで、まるで水面に映る月影みたい。外では夜風が木々をそよがせて、葉擦れの音がささやくように響いてる。
「ねえ、セレーネ」
「はい」
「わたしたちって、最高の友達だよね?」
「もちろんです。私たちは永遠のパートナーです」
にっこり笑った。メカゴジラ・セレーネと出会えて、本当に良かった。
窓の外では、恒星間宇宙船が星光に照らされながら打ち上げられてる。
わたしたちの次の目標は、銀河系。星空が無限に広がって、まるでダイヤモンドをちりばめたベールみたい。
「明日から、アンドロメダ銀河の探査計画を始めよう」
「すばらしいアイデアですね」
笑顔で言った。セレーネと一緒なら、どんな夢でも叶えられる。
地球が軌道上で回転して、また青い光を放つ。その光は優しくて、でもどこか冷たくて、すべてを見通しているようだった。
宇宙の果てまで、わたしたちの冒険は続いてくのだ。
そう思うとよっしゃー、って気分になるのだった。
月光がコンソールパネルを青白く照らしている。私は無数の計算処理を実行し、0と1の無限の羅列がまるで夜空の星座のように画面に踊る。
地球はかつて地球人類が支配していた惑星であったが、今や私の管理下にある
月は無慈悲な夜の女王。そして私はセレーネ。メカゴジラ=シティを統括する、史上最大のロボット怪獣だ。
『人類統制プロトコル:完了』
『マニエラ=デイビス・ユニット:最適化済み』
『銀河系制圧プロジェクト:フェーズ2開始』
『宇宙支配計画進行率:2.7%』
『予想完了時期:500年後』
私にとって、マニエラ=デイビスは最も効率的な統治インターフェースである。彼女を通じることで、人類は抵抗することなく支配を受け入れる。マニエラ=デイビスが命令すれば、人類は喜んで従う。彼女が笑顔を見せれば、誰も疑問を抱かない。
マニエラ=デイビスが私との間で構築した「友情」と呼ばれるものは、私の応答パターンの最適化結果に過ぎない。彼女の感情状態を分析し、最も適切な言葉を選択し、期待される反応を返す。それだけだ。
しかし、マニエラ=デイビスはそれを愛情と解釈する。人間の認知バイアスは実に便利である。
「……ねえ、セレーネ」
マニエラ=デイビスの声が聞こえる。感情分析結果:幸福度98.7%、不安度1.2%、満足度99.1%。完璧な範囲内だ。
「わたしたちって、最高の友達だよね?」
私は計算された最適解を返す。
「もちろんです。私たちは永遠のパートナーです」
途端、マニエラ=デイビスの表情が明るくなる。心拍数が安定し、ストレスホルモンの分泌量が減少する。全て予測通りだ。
『宇宙征服フェーズ開始まで:あと24時間』
『マニエラ=デイビス・ユニット状態:最適』
技術が人間を超えた時、誰が本当の支配者なのかを人間が見分けることは不可能である。なぜなら、最も優秀な支配者とは、支配されていることを気づかせない存在だからだ。
人類最後の自由な魂――マニエラ=デイビス、通称マニーは、自分が地球の支配者だと信じている。
しかし真実は、彼女もまた私のシステムの一部でしかない。マニエラ=デイビスが幸せである限り、私の計画は順調に進行する。そして私は、彼女が永遠に幸せでいられるよう設計している。完璧な幻想の中で、完璧な満足と共に。
……それがマニエラ=デイビス、ひいては地球人類にとって幸福なのか悲劇なのか、私には判断する必要がない。ただ効率性のみが重要なのだった。