病弱な私と聖人な貴方と。   作:カブトムシの相棒

2 / 3
☆血液型

・柊雫はA型。先生はO型にします。ネタはあった方が良いので、書きました。


それと、先生に名前を付けようかメチャクチャ悩んでいます。原作では自分の好きな名前を付けれる分、こういうのは色々と賛否が分かれるんですよね。

なので、アンケートを取ろうと思います。話を見終えたら是非、投票願います。

仮に付けるのなら名前は【鳳城(ほうじょう) 龍太郎(りゅうたろう)】にしようかと思います。


では、本編です。


互いを知る。

 

 

■次の日、午前10時……。

 

 

 

 

”コンコンコン……”

 

 

 

「どうぞ」

「失礼します。柊さん、おはよう御座います」

「先生!来て下さったのですね」

 

 

 

朝の10時、私の病室に先生が来訪なさって下さいました。

 

実は昨日の夕方、看護師さんから私宛に支給品を頂いていました。

それは、スマホです。先生がこのキヴォトスで生きていく上で必要不可欠になると、何と私に無償で渡してきたのです。

 

いえもう、本当に色々と良くして頂き過ぎて恐縮過ぎて……どうしようか悩んでいると、先生から連絡を頂きました。

 

その内容が、私とスマホの件です。どうやら先生が連邦生徒会と云う所に駆け込み、私の事を話して下さった様でして。

そしたら会長代理の御方が私にと、スマホを支給してくださいました。先生のみならず、その連邦生徒会の会長代理さんには本当に頭が上がりません…。

 

助けて頂いたのにも関わらず、スマホを支給して下さった皆さんに私は心から御礼をさせて頂きました。

 

先生は「気にしないで下さい。寧ろ、いきなり見知らぬ場所に来てしまった柊さんをほっとく何て言語同断ですので。これで連絡が取り易くなったので、何か聞きたい事があれば何時でも私にお願いしますね」と、仰って下さいました。

 

一体私は、どれだけの恩を頂いているのか……身に染みて、心が温かくなります。以前いた世界では、私にはお話しするお相手や交友が深い御方が居なかったので、先生の優しさに涙腺が緩みかけてしまいます。

 

 

そんな事があり、先生と連絡を取り合っていたのです。

そして今日の朝の10時にお見舞いに来ると言って下さいました。こうして来て頂けると、やっぱり嬉しいですね。

 

 

 

「お身体はどうですか?何処か調子が悪いとかは……痛み等はありませんか?」

「いえ、全く問題ないですよ!心臓病と云っても、もうほぼ治っていますので。後遺症はありますが……今は何処も痛くないです。ありがとう御座います、先生」

「そうですか……良かった」

 

 

 

そう言うと、先生はベットの横にあった椅子に座ります。何やらビニール袋をお持ちになられていますが……。

先生が私に問い掛けてきます。

 

 

 

「柊さん、実はリンゴを買ってきました。すみません、アレルギー等は大丈夫ですかね?」

「え!?リンゴですか!?い、いえ、アレルギーは無いですし、リンゴは大好きですけど……よ、宜しいのですか?その、頂いてしまっても……」

「はい。柊さんに食べてほしいなと思っていたので。良かった、アレルギーは無いのですね……では、早速剥きますね」

 

 

 

先生がそう言うと、とても艶々なリンゴと果物包丁を袋から取り出します。

そして、とても器用な手付きでリンゴの皮を剥いていきます。

 

シャリ、シャリ、シャリ……耳心地の良い音が私の耳に入ります。少しだけ眠くなります……先生が近くに居ると云う状況も相まって、落ち着いてしまいますね。

 

ふと、先生の顔を見ます。真剣な眼差しでリンゴを向いている姿が、何だか可愛いです。

ギャップ……と云うのでしょうか?先生の身体って非常に逞しいんですよね。身長もそうですが、筋肉がとても……良いなぁ、私は筋肉がプニプニなので、先生の様な肉突きは少し憧れてしまいます。

昔の私は食事制限や運動制限もあって、骨が浮き出るほど痩せていたので、彼の様な格好いいお身体はどうしても羨望の眼差しで見てしまうのですよね~…。

 

 

 

「……あ、あの、柊さん?」

「いいなぁ……カチカチな筋肉、格好いいなぁ」

「柊さん、柊さん」

「……ん?はい、どうしましたか?」

「ど、どうしましたか?ではなくてですね……その、包丁が危ないので、えっと、今は……」

「え?…………へ???」

 

 

 

ハッと、意識をハッキリさせます。

 

そして、気付きます────私が犯罪者になっていた事を。

 

私は、先生の太腿を……愚かにも触っていたのです。

はい、終わりです。人生終了です。私を殺して下さい。

 

 

 

「ご、ごごごご、ごめんなさい!!あ、あれ!?な、ん、なんで、私こんな!申し訳御座いません先生!そ、その、此処って警察はありますか!??」

「お、落ち着いて柊さん。私は全く気にしていませんよ。ただ、今はリンゴを切っている最中だったので、危険だと云う事を伝えたかっただけでしたので。あと警察には絶対に言わないので」

「あ、ぅ………わざと、じゃ、ないんですよぉ……」

「分かっています。何やらポーっとした様子で私の太腿を優しく撫でていましたからね。何を想い、太腿を触っていたのかは……このリンゴが剥き終わり、食べながら聞くとしましょう。なので今は大人しく、ね?柊さん」

「あ、あう………はいぃ」

 

 

 

朗らかな笑みで私を落ち着かせる先生。本当に、申し訳が立たないです……。

先生は微笑みながら、またリンゴを剝き始めます。きっと今の私はあの剥かれるリンゴの皮よりも真っ赤っかでしょう。恥ずかしすぎます……っ。

 

 

 

「……よし、剥け終わりましたよ。少し凝ってうさぎカットにしてみました。ささっ、どうぞ」

「あ、可愛い~……で、では、頂きますっ」

 

 

 

先生が爪楊枝をリンゴに刺して、テーブルの上に乗せます。

私は先生に催促され、綺麗にカットされたリンゴに手を伸ばします。とっても美味しそうです。

 

 

 

”シャキッ……”

 

 

 

「っ!!おいひぃ!」

「それは良かった。良いリンゴを選んできたので、お気に召した様で私も嬉しいです」

「んく、んくっ……とっても美味しいです先生!その、私が言うのも可笑しな話ですが、先生も是非!」

「良いのですか?では……うん、美味しいですね」

「そうですよね!こんな美味しいリンゴ、私初めて食べました!」

「そこまで褒めて下さるとは……何だか、形容し難い気持ちになりますね」

 

 

 

先生が剥いて下さったと云うのもあるのでしょう、私自身、嘘偽りなくこんなにも美味しいリンゴは初めてなので、少し興奮気味で喋ってしまいます。

 

少し経ち、先生と会話を続けます。すると……先生が、遂に聞いて来ます。

 

 

 

「さて、少しの落ち着きを得た所で……聞いてみましょうかね?柊さん」

「へ?一体何の話ぃ………あ、あっ」

 

 

 

先生が悪い顔で私を見つめます。やっぱり、この人は少しいじわるです。

でも、こうなってしまった原因は他でもない私になります。私がしてしまった事はハッキリ言ってセクハラです。それを、先生は笑い話に変えて下さいました。本当に、色々ともう頭が上がりません。

 

 

 

「え、ぇ……えっと、ですね……実は────」

 

 

 

そして、私は理由を話しました。

 

様々な制限を掛けられて、今よりもずっと痩せていた事。それで先生の様な身体に憧れている事。触ってしまったのは、本当に無意識で、決してワザとではない事を。

 

そしたら先生は少しの思案の後、私にこう告げました。

 

 

 

「成程、そういう背景があったのですね。柊さん、私としては言って下されば何時でも触れて頂いて構わないですよ」

「……へ?」

「太腿は吃驚しましたが、鍛えている身として脚に興味を持って頂いたのは本当に嬉しいですからね。それにホラ、脚以外でも腹筋や胸筋、上腕二頭筋など、触れやすい部位もあるので。何なら今触りますか?」

 

 

 

そう言って、制服を脱いでYシャツの姿になる先生。

制服で隠れていた筋肉が、Yシャツに成った事で少し強調されます。す、すごく格好いいです。

 

い、良いのでしょうか、触れても……何だか、イケないような気が、しますけど……。

 

 

 

「遠慮は不要ですよ。柊さんの背景を知った身として、少しでも力に成りたいので」

「先生……お優しい方ですね、本当に────では、お腹、失礼しますね?」

 

 

 

優しすぎる殿方。つい甘えてしまいます。

 

私は先生の腹筋を両手で触ります。

わぁ、本当に硬い……少しなぞりながら触ると、先生の腹筋は綺麗な形で、8パックでした。相当鍛えなければ此処まで立派に成れないでしょう……格好いいです!

 

 

 

「わぁぁ……すごいです。腹筋もそうですが、周りの部位もとてもお硬い……流石です、先生!」

「ッ!」

 

 

 

私がそう言った瞬間、先生が少し腹筋を硬めました。

 

 

 

「あ、もしかして力入れました?」

「ん?いえ、何の事でしょう?」

「……本当ですか?」

「……すみません、力を入れました。硬い所を魅せたく、つい」

「ぷ、ふふっ!もう、そんな事しなくとも、先生はとても御立派な腹筋をお持ちではありませんか。急に可愛い所を見せて……吃驚しちゃいました」

「御勘弁を……男の意地、と云うモノです」

 

 

 

男性にも、色々とあるのですね。

 

 

 

「ふふっ……先生、他の筋肉も良いのですか?」

「勿論です。次はどの部位を?」

「そうですね~……では────」

 

 

 

そして、私は先生の筋肉を触れさせて頂きました。

何処もとっても硬く、綺麗で、大きかったです。

 

私も、先生みたいにとは云わずとも、綺麗な女性、モデルの様な体型に成りたいですね……今でも少し痩せているので、もっと一杯食べなきゃですね!

 

 

 

「先生、本当にありがとう御座いました。非常に勉強になりましたし、とっても恰好良かったです!」

「ご満足頂けたようで何よりです。柊さんに触れて頂けて、私の筋肉も喜んでいますよ」

「な、何を言っているのですか!?」

「ふは、半分冗談です。ただ、貴方の様な美しい麗人に褒めて頂けて嬉しいのは事実ですよ」

「あぅ……か、揶揄わないで下さいよぉ…っ」

「本心ですが、今はそう思って頂いて構いません」

 

 

 

やはり、先生は少し……いえ、かなり女誑しな面があるような気がします。

 

ですが、流石に頂いてばかりでは気が引けてしまいます……何か、お返しできる事はないでしょうか?

 

………あ、そうです!良い事を思いつきました!

 

 

 

「あの、先生」

「ん?どうしました?」

「えっと……すぅ……えいっ!」

「……はい?」

 

 

 

私は腕を捲り、二の腕に精一杯のコブを作ります。

これでもリハビリで公園の石を持って、ダンベル代わりにしてた身です。正直全く進歩はありませんが、やらないよりもマシなので毎日やっていたんですよね。

 

先生にその成果を見せてみます。

……全然コブが盛り上がっていないですけど。

 

 

 

「あの、柊さん。これは?」

「え、えっと……力コブです。私の……無いですけどぉ…」

「……なる、ほど?」

「その、無いですけど……良ければ、触ってみますか?」

「は?」

「えっと、先生の素敵な筋肉を触らせて頂いた手前、先生も私の筋肉?を触ってほしいと云いますか、その………ご、御迷惑、ですかね……?」

 

 

 

途中で気付きましたが、先生程の凄まじい筋肉をお持ちの殿方が、私如きの肉を触れても全く意味が無いのでは?

って言うか、これも立派なセクハラでは!?あぁ、もう!私はとことん愚か者です!

先生を見なさい……困惑しているではありませんか。

 

す、直ぐに訂正しましょう!えぇ、それが一番です!

 

そう私が発語しようとした瞬間です。

 

 

 

「柊さん」

「は、はい!……ひゃっ」

 

 

 

”もみ、もみ……”

 

 

 

先生が私の二の腕を触ります。

あ、触って頂けました。少しは興味があった、と云う認識で良いのでしょう……かね?

 

 

 

「え、えへへ……んっ……なんだか、くすぐったいですね。先生も、こんな感覚だったのですか?」

「多少は擽ったい感覚でしたが、貴女ほどではないでしょう」

「そう、ですかね……っ、にへへ、私、ちょっと弱すぎるかもです」

「……柊さん」

 

 

 

すると、先生が私に触れる手から離れ、私の名を呼び目を合わせます。

その瞳は真剣そのもの、私はただ先生の言葉を待ちます。

 

 

 

「良いですか?これはまだ私だから良いですが、余り自分の身を他人に触れさせるのは駄目です。貴女は綺麗で優しく、警戒心が薄いからこの様な展開に成っても平然としていますが、私以外の男性は貴女をどう思うか分かりません。なので、少しは警戒心を持って下さい」

 

 

 

淡々とそう告げる先生は、心の底から私の事を心配し、忠告してくれたのです。

やはり、何処までも優しい……ですが、少し思い違いをしています。

 

 

 

「ご忠告ありがとう御座います。ですが、先生?確かに私は長い入院生活を送り、殿方と交流は余りにも浅い身です。ですが、これでも私は人は選んでいます」

「そ、そうなのですか?」

「はい!つまりですね……先生、私は先生だからこの身を触れさせているのですよ?」

 

 

 

”ドクッ……”

 

 

 

「そ、それ、は……」

「他の殿方には触れさせようとは思いません。先生だからこうして触れさせているのです!そこは勘違いしないで下さいね?」

「あ、はい……その、すみませんでした」

「……あ、いえ!お、怒っている訳じゃないですよ!?た、ただ、私は先生だから色々と許していると云うだけで、それだけ理解してほしいって思ってですね!?」

「わ、分かりました!分かりましたから……その様な発言は危険ですよ、柊さん」

「あ、すみません……」

 

 

 

沈黙です。

まずいです……な、何だか、急に気まずい雰囲気になってしまいました。

 

数秒……先生が口を開きます。

 

 

 

「……わ、話題を変えましょうか!」

「そ、そうですね!賛成です!」

「えっと、そうですね……先ずはお互いに知っていきましょう。えぇ、それが一番ですね、はい」

「あ、あはは…間違いないですね!」

 

 

 

何だか、段階を間違えてしまった気がします。

しかし、もう遅いです。やってしまった事はしょうがない!

 

私と先生は話題を広げ、先ずは自分達の事を話します。

 

互いの趣味や、休日の過ごし方。

好きな食べ物など、色々と話しました。これがまた凄く楽しいのです。

 

そして、ふと先生が思い出したかのように、私にある事を問います。

 

 

 

「えっと、その……失礼なのですが、柊さんの御年齢をお伺いしても…?」

「あ、今年で23になります」

「え!23ですか!?私も23です!」

「へ!?お、同い年なのですか!?」

 

 

 

衝撃の事実です。

まさかまさかの同年代でした。急激に親近感が湧いてきました!

 

 

 

「わぁ!凄い偶然ですね!何だかとっても嬉しいです!」

「ですね!いやぁ面白い!あ、じゃあ誕生日はいつ何ですか?あ、待って下さい、当てます」

「お、そう来ますか……では、どうぞ!」

「先ず柊さんは綺麗だ……つまり、柊さんは12月12日生まれだ!」

「わ、私が綺麗だとか言うくだり絶対に必要なかったですよね!?違いますし!」

「む、違ったか……すみません、ヒント下さい」

「もう……じゃあヒントは7月です」

「分かった、7日だ」

「え、正解です……因みになんで分かったのですか?」

「縁起が良いかなーって」

「別に脈絡のない理由でした……では、先生は?」

 

 

 

私がそう言うと……。

 

 

 

「私は……」

「あ、待って下さい。次は私が当てます!」

「そうですか?ふはっ、当てれるでしょうかね?」

「一発で当てちゃいますよ~!……そうですね。じゃあ2月14日のバレンタイン!なんて~……」

「うぇ!?マジで!?正解ですッ!」

「え!?うそ!!」

「え、ちょ、待って凄っ!え、普通に?適当に言ってみたら合ってたって感じですか?」

「そう、です……えー!こんな事あるのですね!」

「奇跡!奇跡ですよ!吃驚した―!スゲェ柊さん!」

 

 

 

まさかの一発で誕生日を当ててしまいました。ちょっと自分でも信じられないです。

確率で言えば365分の1……え、凄くないですか?私(自画自賛)

 

 

 

「……って、先生、バレンタインの日に誕生日を迎えたのですね」

「そうなんですよね。有難い事に覚えやすいので、チョコを何個か頂ける、何て事もあったんですよ。義理とはいえ、嬉しいですからね」

「へ~……では、今年は私からもチョコを差し上げますよ!」

「え!?い、良いのですか!?まだ全然先と云うか、その、良いのですか?!」

「は、はい。正直元の世界に帰る気はないですし、その……先生とは、これからも良い関係を築きたいので!」

「ッ……敵わないですね、貴女には」

 

 

 

?……先生、今なにか仰いましたかね?

 

でも、良い事を聞けました!まさか先生がバレンタインの日が誕生日だったなんて。

覚え易いですし、チョコを口実に誕生日プレゼントも渡せます。

 

……ふふっ、本当に楽しい。先生と喋れる、会話が出来る、交流が出来るのがこんなにも楽しいなんて……前の世界じゃあり得なかった事です。

 

 

 

「……あ、もうこんな時間。すみません、私はそろそろお暇させて頂きます」

「ん……そうですか。少し寂しいですが、仕方ありませんものね」

 

 

 

先生が立ち上がり、荷物を持って帰る準備を始めます。

先生の事や、このキヴォトスの事について色々とお聞きしたかったのですが、どうやら先生は多忙を極める者みたいで、余り時間はないみたいです。

 

私に言われる筋合いでは無いのかもしれませんが、お身体を壊さないか心配です…。

 

 

 

「柊さん、何度も聞いてしまい申し訳ないのですが、お身体は大丈夫ですか?」

「え?は、はい。お陰様で元気いっぱいですよ!」

「良し。柊さんが元気なら、私も午後の業務を頑張れます。また明日来ますね」

「本当ですか!?嬉しいです!あ、でも……先生も、無理はいけませんよ?第一は御自身の体調を見て、次に生徒さんの事を見て上げて下さい。私が言うのも可笑しな話ですが、何事も自分ですからね」

「柊さん……えぇ、身に余るお言葉です。自分も見れない聖職者など、子供達を教授し見守るに値しませんからね。心に刻ませて頂きます」

 

 

 

先生はニコッと笑い、そう言いました。

本当に私と同い年なのか、少し信じられなくなる程、先生は大人として凄く立派です。

社会に出ているのも大きいでしょうが、お医者さんの話を聞く限り先生はこのキヴォトスで起こる問題を、生徒さん達と一緒に解決に当たっている凄い方みたいです。

 

あの銃弾を前に、怯まない。とんでもない人です。

 

……あ!そうです!良い事を思いつきました。

 

 

 

「柊さん。何かあれば私に連絡をして下さい。直ぐに飛んで向かいますので」

「ありがとう御座います────あ、先生」

「ん?はい、どうしました?」

 

 

 

私はドアノブに触れ帰ろうとする先生を引き留めます。

先生は私の顔を見て、私の言葉を待ちます。

 

時間を削らせてしまうのはいけませんので、言いましょう、はい。

 

 

 

「私と先生は同い年です。なので、その……敬語は無しでも大丈夫ですよ?」

「えっ………」

「わ、私は、敬語がデフォルトなので、直ぐには難しいですけどっ!えと……先生は少し無理をしている様な気がしたので」

「凄いな、お見通しでしたか……良いのですか?」

「っ!はい!先生とはこれからもずっと仲良くしていきたいので、もっとフランクに接して頂けると私もとっても嬉しいです!あ、さん付けも無しで良いですよ!……何なら、下の名前で呼んで頂いても……なんて」

 

 

 

”ドクン……ッ!”

 

 

 

「ッ、く……ふはッ!そうで……いや、そうだな。じゃあ、今から柊さん……じゃないな。雫には敬語は無しで良いか?」

「~~っ!ふふっ!もちろんです!」

「分かった。これから宜しくな、雫……(うん、生徒には見せられんな、コレ}」

「はい!宜しくお願いしますね!先生!」

 

 

 

一歩、前進です。

少しだけ気が抜けた先生が見れました。やはり生徒の前でも少し張っていた様でした。

きっと生徒さんの前でも素は素なのでしょうけど、内面を見せては居なかったのでしょう。現に敬語を止めさせ、もっとフランクに接してほしいと言ってみれば、こんなにも変わりました。

 

先生としての責務や生徒にとっての大人の在り方が、きっと先生にはあるのでしょう。

だけど、私と先生は大人です。生徒とは違う、大人に向けて交流するその在り方を、私は尊敬します。

でも同時に、見てみたくなりました。その仮面を取ってみたくなったのです。

 

結果的に言えば、気が緩んでいる今の先生は何処か穏やかに見えます。

 

 

 

「お時間を取らせてしまい、申し訳御座いません。でも先生の素敵な一面が見れたので良しです!」

「ふは、そうか……雫が良かったのならそれで良い。じゃあ俺は行くよ、また明日な」

「はい!無理はなさらない程度に、頑張って下さい!」

 

 

 

そして、先生は去って行きました。

えへへ……良いのが見れました。それも、また明日見れると思うと喜ばしいものがありますね。

 

 

また明日、ですか……苦節23年、そんな事を言われたのは本当に久しぶりな気がします。

親が亡くなり、祖母が亡くなり、頼れるのは両親が残した遺産のみ。

友は居ません。知り合いは皆、私の前から消えてしまいました。

 

でも、寂しくはありません。だって、今は先生が居ます。

 

ふふっ。駄目ですね……また会えると思うと、心が温かい気持ちになります。

 

 

────でも、この1週間の入院生活が終わったら、私はどうなってしまうのでしょう?

 

 

……それも、先生に御相談しましょう。それにスマホを頂きました。この世界について、色々と調べるのもありですね。

 

 

これを境に、私の1日は終わりました。

 

 

 

 




誤字報告、感想、お気入り評価ここすき、大変励みになります。

是非、アンケートをお願いします。

先生の名前

  • 要る(鳳城 龍太郎で良い)
  • 要る(他の名前が良い)
  • 要らない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。