ISの時間   作:アイル123321

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誤字脱字、単語の使い方が変など指摘があればお願いします。


10話

「という事で、一年一組のクラス代表者は織斑一夏君に決まりましたー!

あっ、一つながりで縁起がいいですね!」

 

山田先生の発表にクラスのみんなは盛り上がる。

 

昨日のクラス代表者決定戦はかなりの盛り上がりをみせ、今日の朝でもその熱は冷めていない。

僕も朝からクラスメートの子はもちろん、別のクラス、はてには上級生にも声をかけられた。

織斑くんもそんな感じだったらしく、少し疲れた表情をしていたけど、今はポカンとした顔をしている。

 

放心した状態から少し復活した織斑くんはおずおずと手を上げる。

 

「あのー、山田先生...?」

 

「はい、なんですか?織斑君」

 

「なんで俺がクラス代表なんですか?

昨日の結果からすれば2勝した渚になるはずなんですけど...」

 

織斑くんが質問する。

...まぁ結果からすればそうなんだけどね

 

「それはですね、潮田くんが代表を辞退したからですよ」

 

「な、どういうことだよ渚!!」

 

先生の言葉に、織斑くんはすごい勢いでこちらを振り向いた。

 

「いやー、僕は ISもちろんだけど、勉強にも力を入れたいから。

それに、一応代表戦の勝負で決めるとは言ったけど、勝敗で決めるとは言ってなかったからね」

 

「そ、そんな屁理屈で辞退するなんて...ずるいぞ!」

 

スパーン!

 

「いて!」

 

「織斑。もう、すでに決まったことだ。男らしく腹をくくれ。」

 

織斑くんは教室に入ってきた織斑先生にはたかれてしまった。

...まぁ僕のせいかもしれないけど

 

「SHRでほかに伝えることは特にない。

お前たちの中で何か連絡があるものはいるか」

 

「はい」

 

セシリアが手を上げる。

昨日話した、みんなに謝ることだろう。

 

「お時間いただいてもよろしいでしょうか」

 

「あぁ」

 

セシリアが前に出て、クラスを見渡す。

最後に僕を見る。僕はセシリアに勇気をあげる気持ちで頷く。

 

「皆様に謝らせてください。」

 

クラスのみんなが少し頭に?を浮かべている気がする。

織斑くんは特に何かわかってなさそうな感じだ。

 

「クラス代表戦をすると決まった日。

私は日本に対しての数々の侮辱、そして日本に住む皆様への侮辱をしてしまいました。

皆様、心から、申し訳ありませんでした。」

 

セシリアは、クラスのみんなに向かって深く頭を下げた。

 

「先生がたも、クラスの輪を乱してしまい申し訳ありませんでした。」

 

顔を上げると、今度は先生方のほうを向いて、同じように頭を下げた。

 

「あんなことを言って、大変おこがましいのですが、皆さんと、クラスメートとして、1年一緒に過ごしていきたいんです」

 

セシリアが顔を上げたとき目は潤んでいた。

 

「新しく皆様とやり直させてくださいませんでしょうか

お願いします!」

 

セシリアは改めて皆に頭を下げる。

僕からは声をかけることはできない。

でないと真にクラスメートに許してもらえたとは言えないと思う。

 

セシリアの頭が上がらないまま、数秒の沈黙が教室を包んだ。

誰もが何かを言いたそうにしながらも、言葉を探している――そんな時間だった。

 

「うん、セッシ―、私は許すよ~」

 

その声を聞きセシリアが顔を上げる。

僕も声がする方を向くとそこには本音さんがいた。

 

「これからは一緒にご飯食べたり、遊んだりしよ~」

 

と本音さんらしいことを話す。

すると、

 

「私も許す」「私もー」「ISのこと教えて!」

「私、イギリスのこと聞きたいと思ってたんだ」

 

本音さんの言葉を皮切りに、クラスメートの皆が次々に言葉をかける。

その中に、否定的な意見はなくみんな、許すという旨のことを伝えている。

 

「オルコット」

 

そんな中、織斑くんが立ち上がって、セシリアに声をかける。

 

「俺もごめん!腹が立ったとは言え、イギリスのことを馬鹿にして」

 

「いえ、あれは私が先に言い出したことでしたので

こちらこそ申し訳ありませんでした。」

 

 

「オルコット、織斑。ともに精神的に弱すぎる。

これから、ビシバシ鍛えていくから覚悟しておけ。

...だが、反省しているなら次に生かせ。」

 

とうとう、セシリアの目から涙がこぼれた。

 

「皆様、ありがとうございます...!」

 

教室に優しい空気が満ちていく。セシリアは、確かに“仲間”として迎え入れられていた。

 

 

 

「渚さん」

 

今は午前の授業が終わり、昼休みになった。

食堂で何を食べようか考え、席を立とうとしたとき、セシリアが声をかけてきた。

 

「セシリア、どうしたの?」

 

「あの、お昼一緒にいかがですか?」

 

「僕はいいけど、今日はクラスのほかの人と一緒に食べなくて大丈夫?」

 

朝のことがあったからクラスの人と交流するんじゃないかと思って、そう聞いてみた。

 

「はい、渚さんのおかげでみなさんにお許しいただけました。なので、お礼ってほどじゃないんですけど、お昼代、私に出させてもらえませんか?」

 

「いや、いやいやいや、さすがに悪いよ!

あれはセシリアの気持ちが伝わっただけで、僕は何もしてないよ」

 

「いえ、渚さんのおかげであのように行動することができました。今回だけでも受け取ってくださいませんでしょうか」

 

セシリアは僕をじっと見つめている。譲る気はないみたいだ。

 

「...わかったよ。今回はお願いするよ」

 

「ホントですか!では・・・」

 

「でも!今回だけだからね。今度は僕がセシリアに何かする番だからね。何かしてほしいことがあったら、遠慮なく言って」

 

「なんでも・・・?」

 

セシリアは顔を赤くしたまま、少し戸惑った様子で――けれどすぐに、いつもの調子を取り戻したようだった。

 

「で、では食堂にい、行きましょう!」

 

 

ちなみに織斑くんは僕に声をかけようとしていた気がするけど、篠ノ之さんにあっという間にどこかに連れていかれてしまった。

 

 

その後は食堂に行き、安めの定食を頼んでセシリアと一緒に食べた。

 

「そういえば渚さん。」

 

「どうしたの?」

 

食事中は、セシリアの感謝から始まり、ISのことや普段の行動、趣味まで、いろいろな話に花が咲いた。

その中で、話題を変えるかのようにセシリアが僕の名前を呼んだ。

 

「渚さんがクラス代表になるものとばかり思っていましたのに、辞退されていたなんて…驚きましたわ。」

 

僕がクラス代表にならなかったことが気になっているようだ。

 

「うん、あの時もいったけどISだけじゃなくて普通教科の勉強も頑張りたいって思ってるんだ。」

 

「IS学園に来た方々は、みなさん勉学も優秀な方が多いですが、入学してから勉強に力を入れたいという方もなかなか聞かないですわね」

 

「確かにそうかもね。みんなテストパイロットを目指したり、ISの開発、整備関係とかに進むことが多いもんね。」

 

「そうですわね、渚さんはどうして勉学に力を入れようと思っているんですか?」

 

それを聞き、僕はあのクラス、あの先生を思い出し伝える。

 

「僕は、中学校の先生になりたいんだ。」

 

「中学校の先生ですか・・・?」

 

驚いたような顔をしてこちらを見ている。

まぁ、第2の男性操縦者が、そんな“普通”の職業を目指してるなんて、驚くのも無理ないよね。

きっと、なれるかどうかも怪しいって思ってるんだろうな。

 

「うん。僕は、僕やクラスメートと向き合ってくれた去年の担任の先生に憧れたんだ。

だから、僕はその先生に近づけるように努力して、

僕や、去年のクラスメートのように何かを抱えているこれからの子たちの力になりたいと思ってるんだ。

僕の立場だと簡単にはなれないだろうけど、一応あてもあるからね。」

 

僕は自分がなぜ先生になりたいのかを考え、言語化しながら伝えた。

うん、やっぱり僕は先生になりたいんだなっていうのも改めて思えた。

 

セシリアは、僕の話をじっと聞いていた。

驚いたような表情から、少しずつ何かを噛みしめるような顔つきに変わっていく。

 

もしかしたら、彼女の中でも何かが動いたのかもしれない。

そんな風に思えるほど、セシリアの目は真剣だった。

 

「そうだったんですね...

わたくしも渚さんに負けないように自分の夢に向かって頑張りますわ。」

 

「うん、お互い頑張ろうね。」

 

僕も、自分の夢に向かって、もう一度踏み出そう。

あの時の先生みたいに、誰かの力になれる日が来ると信じて。

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