ISの時間   作:アイル123321

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誤字脱字があれば教えていただけると直したりできるかもです。
小説投稿経験が少ないので、読みずらいなど何かあればコメントいただけると嬉しいです。

短めです。

まさか暗殺教室の映画情報が出るとは
かなり驚きましたし、うれしかったですね!


9話

アナウンスが響き渡り、観客もポカンとしている中、僕はピットに戻っていた。

ISを解除すると、さっきまでの緊張が嘘のように、全身がだるくて動きづらい。でも、それ以上に気になったのは……やっぱり、最後のあれだった。

 

「あんな勝敗のつき方になっちゃったけど……織斑くん、大丈夫かな?」

 

そんなことを考えていると、試合を観戦していた更識姉妹が、端末を持ってこちらに歩み寄ってきた。

 

「お疲れ様、渚くん」

 

「専用機相手に2連勝なんて…本当にすごいよ…!」

 

「ありがとうございます。えっと……織斑くん、あの最後の光る剣……なんだったんですか?」

 

僕の質問に、楯無さんは小さくため息をついてから、端末を僕に向けた。

 

「"零落白夜"っていうものらしいわよ。剣の刀身にエネルギーを集中的に凝縮して、相手のシールドエネルギーに直接攻撃できるものなの。白式の切り札……ただし、白式のシールドエネルギーをかなり消費して稼働するみたいね。」

 

楯無さんが見せてくれた端末の画面には、さっきの試合の白式のシールドエネルギー状況が表示されていた。シールドエネルギーのグラフが剣が光ったタイミングで急降下している。

 

「……つまり、さっきは織斑くんが自滅してしまったってことですか?」

 

「そうね。まぁ、あのまま渚くんがよけきれずに一撃で倒されていたとしても、織斑くんの方もシールドエネルギーが0になってたわ。

今回の勝敗は、自分のISをどれだけ理解していたかの差ね」

 

楯無さんは苦笑いを浮かべながら続けた。

 

「まあ、白式が届いたばかりだったから、しょうがない部分もあるけどね」

 

「……本当に運がよかったです。織斑くんにもう少しシールドエネルギーがあれば、勝ってたのは織斑くんでした。」

 

「それでも、今回勝ったのは渚くん。それは紛れもない事実よ。もっと自信を持っていいのよ?」

 

「そうだよ、渚くん。それにまだ入学したばかりだから、これから一緒に頑張ろう…!」

 

二人の言葉が、沈んでいた僕の心に少しずつ明るさを取り戻してくれる。

 

……うん、切り替えよう。これから先、もっと成長していけばいい。

 

僕は小さく頷いて、まっすぐ前を向いた。

 

 

 

保健室にて

 

 

「……うぅん……」

 

僕は今、気を失ったオルコットさんの様子を見るために保健室にいた。

来てから10分ほどがたったとき、ベットで寝ているオルコットさんから微かなうめき声が聞こえた。

 

「オルコットさん……!」

 

僕は思わず立ち上がった。保健室のベッドで眠っていたオルコットさんが、ようやくまぶたを開いたのだ。

 

「ここは……?」

 

「保健室です。あの……戦闘のあと、気を失ってそれで……」

 

「……そう。私は負けてしまったのね……」

 

彼女はうつむき、小さく息を吐いた。

 

「……まさか、負けるなんて微塵も思っていませんでした。」

「最初は、あなたのこと、正直なめていました。女子に混じって入学した、戦う気のない優男――そんな印象だった」

 

「……はは」

 

女子に間違われるよりましなのかな…?

 

オルコットさんは、僕をまっすぐ見つめる。

 

「でも……違った。あなたは私の力を分析して、全力を正面から受け止めて、乗り越えてきた。」

「私が油断してしまっていたのもありますが、初心者が第二世代のISで第三世代のISに勝つなんて、本来ありえませんわ。それだけ努力したんですのね。」

 

ほんの少し、誇らしい気持ちが湧いた。同時に、胸の奥がくすぐったくなる。

けど、僕も伝えなきゃいけない。

 

「……オルコットさん、本当に強かったです。僕は、ISで勝ったというより、別の技術を使ってやっと勝てたので、まだまだオルコットさんを超えたとは思っていません。」

 

「あなたがおっしゃる、別の技術というのは受けた後の今でも私にはわかりません。

しかしそれでも勝ったのはあなたです。

今度は私が勝てるように頑張る番です。これからも私の相手をしてくださる?"渚さん"」

 

驚いて、言葉が出なかった。まさか、こんな風に言ってくれるなんて。

 

「……もちろんです。次は、ISの技術でも勝てるように頑張ります!」

 

僕とセシリアさんは笑い合った。その後、彼女から“さん”付けや敬語はやめてほしいと言われて、距離が縮まった気がした。

 

 

落ち着いたタイミングで、僕はずっと気になっていたことを口にする。

 

「セシリア」

 

「改まってどうしましたか?」

 

「その……クラスの皆に謝ってあげてほしいんだ」

 

「謝る?」

 

僕は言葉を選びながら続けた。

 

「うん、僕や織斑くんとの試合が決まった日にセシリアは、その、少し日本を非難することを言ってたでしょ?

そのあとから、クラスの子はセシリアとどうやって接すればいいのかわかんなくなっているみたいなんだ。

だからクラスの皆のためっていうのはもちろんだけど、セシリアのこれからのクラスでの生活のためにも謝ってあげてほしいんだ。

も、もちろん織斑くんにもイギリスを非難したこと謝ってもらえるように話してみるから」

 

そう、僕が気になっていたのは、今日までセシリアがクラスのほかの人と話をしている場面を目撃しなかったことだ。

セシリアと織斑くんの言い合いから、クラスメイトのセシリアさんへの態度がぎこちないものになっていたと思う。

 

セシリアはうつむき、暗い表情になる。

 

「あれから1週間もたっています……いまさら謝って許してもらえるでしょうか」

 

「クラスの皆は優しいから大丈夫だよ!僕も最初は去年から先月までのことがあったから少し敬遠されてたけど、今は皆と普通に話すことできてるし、セシリアも受け入れてもらえるよ!」

「それに、僕もセシリアが皆に受け入れてもらえるように声をかけたり、えっと、とにかく力になれるように頑張るから!」

 

僕は励まそうと声をかけるがうまく言葉が出てこず、アタフタしてしまう。

セシリアはそんな僕を見て、そっと笑った。

 

「ふふ、わかりました。渚さんがそこまでおっしゃってくれるなら皆さんに受け入れてもらえるように私頑張ってみます。」

 

「!うん、それがいいよ!」

「って、もうこんな時間!織斑先生にセシリアが目を覚ましたって伝えてくるよ!」

 

僕が慌てて保健室を出ようとした時、背後から声が届いた。

 

「待ってください」

 

「え? どうしたの?」

 

「改めて……これからもよろしくお願いしますわね、渚さん」

 

「こちらこそ、よろしく! セシリア!」

 

 

 

 

その夜・セシリアの自室

 

 

「はぁ……」

 

セシリア・オルコットは、自室のベッドに寝転びながら、天井を見上げていた。

 

いつもなら、試合の敗北後は悔しさと自己嫌悪しか残らなかった。

 

でも、今回は……少し違った。

 

「……渚さん」

 

脳裏に蘇るのは、保健室での会話と気を失う前に見た笑顔。

 

正面から戦ってくれた強い「男子」。

私とクラスのことを気にかけてくれた、優しい「男子」。

 

それはまるで、子供の頃に憧れた物語の中の騎士様のような――

 

「もっと知りたい、わたくしの……騎士様」

 

月の光が差し込む部屋の中で、セシリア・オルコットは頬をほんのり染めながら、静かに瞼を閉じた。

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