月光る夜   作:案院運

19 / 23
どうぞ


王選2

SIDE スバル

 

 ――ガタゴト、ガタゴト。

 

 規則正しい振動が、身体を揺らしていた。

 

 窓の外には、どこまでも続く草原。

 

 遠くには山々が連なり、青空には白い雲が浮かんでいる。

 

 実にいい天気だ。

 

 旅行日和。

 

 遠足日和。

 

 そして何より。

 

「――王都だああああ!!」

 

「うるせえ!」

 

「いってぇ!?」

 

 隣から頭を小突かれた。

 

 犯人は言うまでもない。

 

 エリス・フォン・フェンウィック。

 

 銀青色の髪を揺らし、足を組んで座る男。

 

「狭い車内で叫ぶんじゃねえよ」

 

「いや、テンション上がるだろ普通!」

 

「上がっても叫ぶな」

 

「理不尽!」

 

 俺が抗議すると、向かいに座ったエミリアたんがくすくすと笑った。

 

「ふふっ。スバル、すごーく楽しそう」

 

「そりゃもう! エミリアたんと一緒に王都旅行だぜ!? 楽しくないわけがない!」

 

「旅行じゃねえけどな」

 

「わかってるって!」

 

 エリスが鼻を鳴らす。

 

 その膝の上には、金髪の少女。

 

 ベアトリス。

 

 当然のように座っている。

 

 ……いや。

 

 ほんとに当然みたいな顔してるな、お前。

 

「……なあ、ベア子」

 

「……何かしら」

 

「お前さ、禁書庫から出てきて大丈夫なの?」

 

「……どういう意味かしら」

 

「いや、だって普段はあそこに引きこもってんじゃん。屋敷の外に出るなんて、初めて見たぞ?」

 

「……ふん」

 

 ベア子は鼻を鳴らした。

 

「ベティーがどこへ行こうと、ベティーの勝手かしら」

 

「いや、そりゃそうなんだけどさ」

 

「それに」

 

 ベア子は、エリスの服の裾をきゅっと掴んだ。

 

「……ベティーはエリスの契約精霊なのよ。契約者に同行するのは当然かしら」

 

「……ふーん」

 

 なるほど。

 

 契約精霊ね。

 

 そりゃ同行するわな。

 

 ……ん?

 

「…………」

 

 俺は、ベア子を見た。

 

 ベア子は、澄ました顔で紅茶を飲んでいる。

 

「…………」

 

 エリスを見る。

 

 エリスも、当然のように紅茶を飲んでいる。

 

「…………」

 

 もう一度、ベア子を見る。

 

「……ちょっと待て」

 

「……何かしら」

 

「……今、なんつった?」

 

「……耳まで悪いのかしら?」

 

「いや、そうじゃなくて!」

 

 俺は身を乗り出した。

 

「……精霊?」

 

「……そうなのよ」

 

「……お前が?」

 

「……そうかしら」

 

「…………」

 

 俺は固まった。

 

 ……え?

 

 いや。

 

 ちょっと待って。

 

「――ええええええええ!?」

 

「うるせえ!!」

 

 隣から頭を小突かれた。

 

「いってぇ!?」

 

「狭い車内で叫ぶんじゃねえよ!」

 

「叫ぶだろ普通!!」

 

 俺はベア子を指差した。

 

「こいつ、精霊なの!?」

 

「そうだが?」

 

「そうだが、じゃねえよ!!」

 

 エリスが首を傾げる。

 

「……お前、知らなかったのか?」

 

「知らねえよ!!」

 

 俺は叫んだ。

 

「だって普通に人間の女の子だと思ってたし!」

 

「……失礼な男かしら」

 

 ベア子が頬を膨らませた。

 

「ベティーをそこらの小娘と一緒にしないでほしいのよ」

 

「……いや、だって!」

 

 俺はベア子を見た。

 

 金髪。

 

 縦ロール。

 

 フリフリの服。

 

 どう見ても、可愛らしい女の子だ。

 

「……精霊って、もっとこう……」

 

 俺は両手を動かした。

 

「ふわふわしてて! 光ってて! なんか神秘的な感じじゃねえの!?」

 

「……偏見がひどいかしら」

 

「だってパックは猫だし!」

 

 エミリアたんが、くすっと笑った。

 

「ふふっ。精霊にも、いろんな姿の子がいるんだよ」

 

「……マジか」

 

「うん。人の姿をした精霊だっているの」

 

 ……なるほど。

 

 この世界、奥が深すぎる。

 

「……ってことは」

 

 俺はエリスを見た。

 

「お前、ベア子と契約してんの?」

 

「ああ」

 

「……いつから?」

 

「昔からだな」

 

「……どんくらい?」

 

「結構長いぞ」

 

「……具体的には?」

 

「……面倒くせえな、お前」

 

「説明しろよ!!」

 

 エリスが笑った。

 

「契約精霊ってのは、文字通り契約を結んだ精霊のことだ」

 

「……おう」

 

「精霊と術者が契約して、互いに力を貸し合う。そういう関係だな」

 

「……へえ」

 

「まあ、契約の内容はそれぞれ違うけどな」

 

 エリスはベア子の頭を撫でた。

 

「俺とベティーの場合は、こいつが俺に力を貸してくれる代わりに、俺がマナを供給する」

 

「……マナ?」

 

「ああ。精霊が活動するために必要な力だ」

 

 ベア子が、少し得意げに胸を張った。

 

「……ベティーは特別な精霊なのよ。そこらの精霊とは格が違うかしら」

 

「……おお」

 

 俺は感心した。

 

「……じゃあ、ベア子ってめっちゃすげえの?」

 

「当然かしら!」

 

 即答。

 

 ……なんか、嬉しそうだな。

 

「……じゃあさ」

 

 俺は首を傾げた。

 

「エリスが強いのって、ベア子のおかげ?」

 

「……ん?」

 

 エリスが眉を上げた。

 

 ベア子は、ふんと鼻を鳴らす。

 

「……もちろん、ベティーの力は大きいかしら」

 

「……ほうほう」

 

「……けれど」

 

 ベア子は、エリスを見上げた。

 

「……エリス自身も、十分すぎるほど強いのよ」

 

「……へえ」

 

「ベティーがいなくても、そこらの騎士では相手にならないかしら」

 

 エリスが笑った。

 

「随分買ってくれてんな」

 

「……事実を言っただけなのよ!」

 

 ベア子が顔を赤くする。

 

 ……なんだこれ。

 

 めっちゃ仲いいな。

 

「……そういや」

 

 俺は、ふと思い出した。

 

「精霊と契約してる騎士って、なんか特別な呼び方あんの?」

 

「ああ」

 

 エリスが頷いた。

 

「精霊騎士って呼ばれるな」

 

「……おお!」

 

 格好いい!

 

 めちゃくちゃ格好いい!

 

「……じゃあ、お前も精霊騎士なのか!」

 

「そうだな」

 

「……へええ!」

 

 俺は目を輝かせた。

 

「……なんか、ますます主人公っぽいな、お前!」

 

「……何言ってんだ?」

 

「こっちの話!」

 

 俺は笑った。

 

 ……精霊騎士。

 

 騎士で。

 

 強くて。

 

 精霊と契約してて。

 

 しかも、エミリアたんの護衛。

 

 ……なんだよ。

 

 設定盛りすぎだろ、こいつ。

 

「……あ、そうだ」

 

 俺は顔を上げた。

 

「じゃあ、俺も精霊と契約できんの?」

 

「……お前が?」

 

 エリスが、俺を見る。

 

「……おう!」

 

「……まあ、可能性はあるんじゃねえか?」

 

「……マジ!?」

 

「精霊術の適性があればな」

 

「……適性!」

 

 俺は拳を握った。

 

「よっしゃ! 俺にもワンチャンある!」

 

 その瞬間。

 

「……その前に」

 

 ベア子が、冷たい声を出した。

 

「……お前は、自分のゲートをどうにかするべきかしら」

 

「…………」

 

 ……あ。

 

 そうだった。

 

「……シャマクの件か」

 

「……そうなのよ」

 

 ベア子は腕を組んだ。

 

「……精霊と契約する以前に、まともにマナを扱えないのでは話にならないかしら」

 

「……ぐぬぬ」

 

 正論。

 

 完全なる正論。

 

 エリスが笑った。

 

「まあ、王都で治してもらえ」

 

「……おう」

 

 俺は肩を落とした。

 

 ……精霊騎士への道は、遠いらしい。

 

「……でもさ」

 

 俺は、ふと顔を上げた。

 

「王都に、そんなの治せる人がいるの?」

 

「ああ」

 

 エリスは頷いた。

 

「フェリックス・アーガイルって奴だ」

 

「……フェリックス?」

 

「『青』の称号を持つ治癒術師だな」

 

「……青?」

 

「王国でも指折りの治癒魔法の使い手ってことだ」

 

「……へえ」

 

 俺は感心した。

 

 すごそうだ。

 

 なんか、名前も格好いいし。

 

「……じゃあ、その人に診てもらえば治るんだな!」

 

「……さあな」

 

「……え?」

 

 エリスは肩をすくめた。

 

「診てもらわなきゃわかんねえだろ」

 

「……そりゃそうだけど!」

 

「ただ、腕は確かだ」

 

 エリスは、そう言い切った。

 

 ……なのに。

 

 なぜか、その表情はあまり嬉しそうじゃなかった。

 

「……エリス?」

 

「あ?」

 

「……そのフェリックスって人、知り合いなんだよな?」

 

「ああ」

 

「……仲悪いの?」

 

「……別に」

 

 即答。

 

 ……いや。

 

 絶対なんかあるだろ。

 

「……ふーん?」

 

「何だよ」

 

「いやぁ? 別にぃ?」

 

「気色悪い声出すな」

 

「お前にだけは言われたくねえ!」

 

 エリスが笑った。

 

 俺も笑った。

 

 ……まあ。

 

 腕が確かなら、それでいいか。

 

     ◇◇◇

 

 それから、しばらく。

 

 竜車は、街道を進み続けた。

 

 エミリアたんは、王選に関する書類を読んでいる。

 

 レムは、その隣で荷物の整理。

 

 エリスは、窓の外を眺めながら紅茶を飲んでいた。

 

 そして。

 

 ベア子は。

 

「……すぅ……」

 

 寝ていた。

 

 エリスの膝の上で。

 

 ……いや。

 

 ほんと、なんなんだこの光景。

 

「……なあ、エリス」

 

「あ?」

 

「ベア子って、いつもそんな感じなの?」

 

「……何が?」

 

「いや、その……膝の上で寝たりとか」

 

「ああ」

 

 エリスは頷いた。

 

「昔からだな」

 

「……昔から?」

 

「おう」

 

 ……なるほど。

 

 昔から。

 

 ……昔から!?

 

「……お前ら、どんだけ付き合い長いんだよ」

 

「結構長いぞ」

 

「……具体的には?」

 

「……さあな」

 

「適当すぎる!!」

 

 エリスが笑った。

 

 ……くそ。

 

 なんだこの余裕。

 

 俺がベア子にちょっと触ろうとしただけで怒られるのに。

 

 こいつは膝枕まで許される。

 

 ……世界は、理不尽である。

 

「……スバルくん」

 

 レムが、こちらを見た。

 

「……少し、お休みになられてはいかがですか?」

 

「……ん?」

 

「まだお身体が万全ではありませんから」

 

「……あー」

 

 俺は少し考えた。

 

 確かに。

 

 竜車の揺れが、妙に心地いい。

 

 眠くなってきた。

 

「……そうだな」

 

 俺は座席へ深く腰を下ろした。

 

「……ちょっと寝るわ」

 

「はい」

 

 レムが微笑む。

 

「……おやすみなさい、スバルくん」

 

「……おう」

 

 俺は目を閉じた。

 

 ……ああ。

 

 平和だ。

 

 こんな風に、誰かと一緒に旅をして。

 

 笑って。

 

 眠って。

 

 それだけで、十分だ。

 

 ……十分なはずなんだ。

 

     ◇◇◇

 

SIDE エリス

 

「……寝たか」

 

 スバルの寝息が聞こえた。

 

 俺は、窓の外から視線を戻す。

 

 向かいの席。

 

 スバルは、すっかり眠っていた。

 

「……疲れてたんだな」

 

 リアが、小さく呟いた。

 

「ああ」

 

 俺は頷く。

 

「まあ、あんだけ無茶すりゃな」

 

 レムが、スバルの肩へ毛布をかけた。

 

「……スバルくんは、頑張ってくださいましたから」

 

「そうだな」

 

 俺は笑った。

 

「……あいつ、弱いくせに無茶するんだよ」

 

「……ふふ」

 

 リアが微笑む。

 

「……でも、優しいよね」

 

「ああ」

 

 俺は頷いた。

 

「……悪い奴じゃねえよ」

 

 レムも、小さく頷いた。

 

 ……まあ。

 

 だからこそ、困るんだが。

 

 自分の限界もわからず、突っ込んでいく。

 

 ああいう奴は、いつか取り返しのつかない怪我をする。

 

「……ベティー」

 

「……ん……」

 

 膝の上で、ベティーが小さく身じろぎした。

 

「……スバルのゲート、そんなに悪いのか?」

 

「……そうなのよ」

 

 目を閉じたまま、ベティーが答えた。

 

「……あの男、マナの扱いが下手すぎるかしら」

 

「……だろうな」

 

「……ゲートが傷んでいるのに、無理にマナを放出しようとすれば、今度こそ取り返しがつかなくなるのよ」

 

「……なるほど」

 

 俺は頷いた。

 

「フェリスなら、何とかできるか?」

 

 ベティーは、少しだけ目を開いた。

 

「……あの猫耳の男かしら?」

 

「ああ」

 

「……腕は、確かだったはずなのよ」

 

「……そうか」

 

 俺は窓の外を見た。

 

 ……フェリックス・アーガイル。

 

 『青』。

 

 王国でも最高峰の治癒術師。

 

 その腕は、疑いようがない。

 

 だが。

 

 ――あの人一人、治せねえくせに。

 

 ふと、そんな言葉が浮かんだ。

 

 ……くだらねえ。

 

 治せないものは、治せない。

 

 そんなこと、わかっている。

 

 それでも。

 

 あの称号を聞くたび、胸の奥に何かが引っかかる。

 

「……エリー?」

 

「あ?」

 

 リアが、こちらを見ていた。

 

「……どうかした?」

 

「……いや」

 

 俺は笑った。

 

「何でもねえよ」

 

 リアは、少しだけ首を傾げた。

 

 だが、それ以上は聞いてこなかった。

 

 ……ありがたい。

 

 今は、考えても仕方ねえことだ。

 

     ◇◇◇

 

 昼過ぎ。

 

 竜車は、街道沿いの休憩所へ立ち寄った。

 

 スバルは、ようやく目を覚ましたらしい。

 

「……ふぁぁ……」

 

 大きな欠伸。

 

「……よく寝た」

 

「そりゃよかったな」

 

「……おう」

 

 スバルが、外へ出る。

 

 俺も続いた。

 

 風が、心地いい。

 

「……なあ、エリス」

 

「あ?」

 

「……王都って、どんな感じなんだ?」

 

「お前、行ったことあるだろ」

 

「……いや、そうなんだけどさ」

 

 スバルは頭を掻いた。

 

「……騎士とか、王選とか。そういうの、よく知らねえから」

 

「……ああ」

 

 なるほど。

 

 俺は腕を組んだ。

 

「まあ、面倒な連中が多いな」

 

「……面倒?」

 

「ああ。礼儀だの格式だの、うるせえ奴らが山ほどいる」

 

「……お前、よく騎士やれてるな」

 

「俺もそう思う」

 

「自覚あんのかよ!」

 

 俺は笑った。

 

「……ただな」

 

「……ん?」

 

「腕の立つ奴も、結構いる」

 

 スバルが目を輝かせた。

 

「……おお?」

 

「ユリウス・ユークリウス。あいつは俺と同じ精霊騎士だ」

 

「……精霊騎士?」

 

「ああ。俺とは正反対の、堅物野郎だな」

 

「……仲悪いの?」

 

「いや?」

 

 俺は笑った。

 

「なんだかんだ、気は合うぞ」

 

「……へえ」

 

「口うるせえけどな」

 

「……なるほど」

 

 スバルが頷いた。

 

「……他には?」

 

「ラインハルト」

 

 俺は即答した。

 

「……あいつは強えぞ」

 

「……ラインハルト!?」

 

 スバルが目を丸くした。

 

「知ってんのか?」

 

「知ってるも何も! 王都で会ったことある!」

 

「……ほう?」

 

「めっちゃいい奴だった!」

 

 俺は笑った。

 

「だろうな」

 

「……お前も知り合いなの?」

 

「ああ」

 

 俺は肩をすくめた。

 

「昔からの腐れ縁だ」

 

「……マジかよ」

 

「今度会ったら、また勝負でもするかね」

 

「……勝負?」

 

「ああ」

 

 俺は笑った。

 

「最近、あいつに勝ち逃げされてるからな」

 

「…………」

 

 スバルが固まった。

 

「……え?」

 

「何だよ」

 

「……お前、ラインハルトと戦ったことあんの?」

 

「そりゃあるだろ」

 

「……そりゃあるだろ、じゃねえよ!!」

 

 スバルが叫ぶ。

 

「お前ら、どんな世界で生きてんだよ!?」

 

「同じ世界だろ」

 

「絶対違う!!」

 

 俺は笑った。

 

 ……まあ。

 

 王都に戻れば、また賑やかになるだろう。

 

 ユリウス。

 

 ラインハルト。

 

 フェリス。

 

 他にも、顔見知りは山ほどいる。

 

 ……面倒な奴らばっかりだが。

 

 退屈はしなさそうだ。

 

     ◇◇◇

 

 夕刻。

 

 遠くに、巨大な城壁が見え始めた。

 

「――おおおおお!!」

 

 スバルが窓へ張りつく。

 

「見えた! 王都だ!!」

 

「だから叫ぶなって」

 

「無理だろこれは!!」

 

 俺は肩をすくめた。

 

 ルグニカ王国の王都。

 

 幾度となく訪れた街。

 

 懐かしい景色が、少しずつ近づいてくる。

 

「……エリー」

 

 リアが、隣から声をかけてきた。

 

「あ?」

 

「……ちょっと、緊張してきちゃった」

 

「……そうか」

 

 俺は笑った。

 

「まあ、気負うなよ」

 

「……でも」

 

「お前はお前らしくしてりゃいい」

 

 リアが、こちらを見る。

 

「……エリー」

 

「何かあったら、俺が何とかする」

 

 俺は肩をすくめた。

 

「だから、堂々としてろ」

 

 リアは、少しだけ目を細めた。

 

「……うん!」

 

 嬉しそうに笑う。

 

 俺も笑った。

 

 ……さて。

 

 王都だ。

 

 面倒な連中が、山ほど待っている。

 

 だが。

 

 まあ、悪くねえ。

 

「……楽しみだな」

 

 俺は、窓の外へ視線を向けた。

 

 城壁が、目の前に迫る。

 

 竜車が、ゆっくりと速度を落とした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。