エロ星人、ダンジョンのある地球で繁殖する   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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宇宙人、地球に帰還する

 宇宙人と聞いてどんな存在をイメージするだろうか。

 

 例えばベターなタコ型宇宙人、人と同じ様な姿をした宇宙人、銀色の姿をした者、ゼリー状の知的生命体であるかもしれない。

 

 言ってしまえば俺もそんな宇宙人の1人である。

 

 地球人から見て隣の銀河……アンドロメダ銀河に位置するファビアン星を拠点とする生命体……それが俺達ファビアン星人である。

 

 容姿としてはピンク色の肌、頭に2本の触手……それ以外は地球人の容姿とそう離れていない人型生命体である。

 

 アンドロメダ銀河の一部を生息域として、太陽と同じ役割を持つユゴスという恒星を中心としたユゴス系の惑星ファビアンを本拠地としている。

 

 産まれた赤ん坊の時から体の遺伝子組み換えを行われた強化星人であり、知識も転写装置によって基礎学力を植え込まれる。

 

 それで培養液の中で育てられて20時間で成体になり、そこから数百年稼働する……それがファビアン星人である。

 

 そこで俺は星間の物資輸送任務に充てられて働くこと10年……もう我慢の限界に到達していた。

 

「くそったれ! 娯楽がほぼ無くて、生殖活動もオナホールの様な機械に射精して終わりだ? 飯もレーションばっかりで美味くない。もう嫌になっちゃう」

 

『愚痴を言うな! 仕事しろ!』

 

 今喋ったのは作業補助ロボットのコル。

 

 浮遊するタッチパネルみたいなもんだ。

 

 イメージだと地球で使われていたブラウン管テレビに近い。

 

 一応メンタルカウンセリングもしてくれる機械なのだが、サボりがちな俺には仕事しろしか言ってこない。

 

 ウザイが、運んでいる物品の情報を記録しているので壊すわけにもいかない。

 

「はぁ……これだったら地球人に転生したかったよ……これ死ぬまでこのまま労働かな?」

 

『働け! 働け!』

 

「うっせぇ! 働いているだろ!」

 

 そんなことを話していると宇宙船のバリア機能が作動した。

 

 船体が大きく揺れる。

 

「な、何事だ!」

 

『敵襲! 敵襲! 宇宙海賊!』

 

「ち、他の宇宙人の仕業か? それともファビアン星人の裏切り者か? どちらにせよ、無抵抗で死んでたまるか!」

 

 俺は輸送船を加速させて逃げながら気持ち程度に積まれた対艦ビーム砲で迎撃を試みるが、1門の砲でどうにかなる相手じゃないみたい。

 

『バリア出力減衰。耐久力50%』

 

「ちい、コルワープだワープ」

 

『座標未設定、危険危険!』

 

「このままじゃこの輸送船ごと沈められちまう。緊急ワープだ!」

 

 俺はワープのレバーをコルの意見を無視して降ろす。

 

 すると船体の空間がグニャリと歪み、ワープを開始する。

 

「逃げてやったぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 緊急ワープだったせいで、俺の乗った輸送船はユゴス星系を突破し、別の星系に飛んでしまったらしい。

 

「コル、ここは何処だ?」

 

『再計算中……再計算中……サン星系宙域……アステロイドベルト……』

 

「サン星系? 聞いたことねぇな」

 

『銀河系、サン星系……』

 

「銀河系のサン星系……コル、水のある星はあるか?」

 

『検索中……検索中……近距離ワープ圏内に2件確認。1件は水を多く含む惑星……生命体反応あり』

 

「拡大映像出せるか?」

 

『入力中……入力中……パシャリ』

 

 画像が艦橋モニターに映し出される。

 

 そこに映っていたのはまさしく地球そのものであった。

 

「お、おお!? 地球だ……地球の近くに来られた!」

 

『任務放棄良くない。直ちに帰還プロトコルを実行せよ』

 

「コル、スリープモード」

 

『スリープモードに移行します』

 

 床にコルは落ちる。

 

 俺は運転を自動運転からマニュアルに切り替えると座標を計算し、地球に向けて輸送船を発進させるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 光学迷彩装置を起動させ、大気圏に突入。

 

 座標を俺の昔過ごしていた日本の近海に着水するように設定し、ゆっくりと降下を続け、海に着水する。

 

 そのまま低空飛行を続けて日本の千葉県の海岸沿いから内陸部に侵入し、人気の無い森の中に着陸した。

 

「窒素が78.08%、酸素が20.95%、アルゴンが0.93%、二酸化炭素が0.03%……まさに地球だ! よっしゃぁ帰ってこれた!」

 

 宇宙服の機能を制御して体を大気の成分でも生きられるように調整する。

 

 そして重力状態に適応してから宇宙服のヘルメットを取る。

 

「ふう……重力重い……体が慣れてないから動かねぇ……」

 

 夜空を見上げると月が輝いている。

 

「うわ、懐かしい……月じゃん。蝉やカエルの声も聞こえるし、季節は夏か?」

 

 俺は地球の重力に感動しながらも輸送船に戻り、電波をキャッチするように調整する。

 

 するとテレビ放送が流れてきた。

 

『明日の千葉県の天気は晴れのち曇り。最高気温は35度の猛暑日となる予報です』

 

「ほうほう、普通の日本かな?」

 

『本日のダンジョン情報! 今日はゴブリンの買取価格が2円上昇、スライムは1リットル当たり30円を推移。ダンジョン内での行方不明者は52人でした』

 

 ん? 聞いたこと無い単語が出てきたな……ダンジョン? 

 

 俺の知っている地球じゃ無いのか? 

 

 とにかく情報収集をしなくては! 

 

 俺は電波を拾ってインターネットに接続すると、情報収集を行うのであった。




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