エロ星人、ダンジョンのある地球で繁殖する 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「んん……牛肉の味が染み渡る……」
俺は昼にダンジョン近くのステーキ屋に来ていた。
リブロースステーキ500グラム5000円……量、値段共になかなかであるが、ライスとスープお代わり自由らしいので十分に庶民的と言えるお店である。
地球人の体に肉体改造して燃費が悪くなったので、これぐらいの量は普通に食べられてしまうし、俺だけでなくミキとマユミの2人も俺と同じメニューを注文していた。
スミレだけ180グラムのステーキにしていて、これが普通の量よと突っ込まれた。
「スープ飲み放題なのが良い。スープもオニオンスープとポテトスープがあって飲み比べできるの僕的にポイント高いよ」
そう言いながらスープを飲み干していくミキ。
「美味い美味い!」
ガツガツ食べるマユミ。
「もっと上品に食べようよ……」
静かに食べるスミレ。
3人の性格の違いが表れていた。
というかスミレってお嬢様なのか?
俺の疑問にスミレが
「私達の記憶や経歴は調べてあるんじゃないの?」
言われてしまうが、全て覚えているわけでもない。
スミレ曰く金持ち度合いだとマユミの家が一番金持ちだったらしい。
次にスミレで、その次にミキ。
ただスミレの家は旧家と呼ばれる昔からの家柄でお手伝いさんとかが居たらしい。
なので料理がお手伝いさん任せで一切できないのだとか。
普通旧家って言ったら料理も覚えていそうであるが……。
「え、何、じゃあお前ら全員お嬢様だったの?」
「お嬢様……かどうかはわからないけど、普通に裕福な家庭だったとは思うな。僕は一般家庭寄りだけど」
「マユミは両親が冒険者として成功した成金だから……」
「あぁ、私マジで何でお父さんの冒険者カード持ってきたんだろう。死んでなければほぼ成功は確約されていたのに……」
「まぁ今じゃ俺の性奴隷だけどな」
ステーキの味は美味しく、牛肉の程よい硬さとソースが絡み合って肉を食っているという感覚が顎や舌に感じられる。
宇宙食のペースト状のレーションとは大違いである。
「ふぅ……」
スープを飲んで落ち着き、午後から3人はどうするのか話を聞く。
俺はこのまま夕方までスライム狩りを続けるつもりである。
「僕はそうだな……料理の本や食材を買おうかな。三國さん、あの四次元ビニール袋持ってきてる?」
「ああ、持ってきてるぞ。要るなら渡すが」
「じゃあ借ります」
ミキに四次元ビニール袋を渡し、他の2人はどうするか聞く。
スミレはゲームショップに行きたいとゲームを買いに行くらしい。
マユミは俺と同じくスライム狩りを続けると言われた。
というわけで俺とマユミはダンジョンに戻り、他2人は本屋とゲームショップに向かうのだった。
スライム狩りを続けていると、業者と思われる人達がぞろぞろダンジョンに入ってきた。
彼らの機材を見ると三輪車の後ろにタンクを乗って走り出していた。
「へぇ……原付みたいな三輪車で移動するのか」
様子を見ていると、原付のバッテリーで吸引器を動かし、スライムを吸引していく。
後ろのタンクにスライムが溜まっているのが見えるようになっていた。
「目算だけど200リットルくらいか? 入るの。ただあれだとスライムの核とかどうするんだ?」
そう思っていたら、満タンまでタンクが溜まると、タンクの蓋を開けて、長いお玉みたいな道具でスライムの核を掬い取っていた。
「へぇ……そうやって回収しているんだ……確かにこれなら利益が出そうだな」
ブロロと原付が移動していき、入り口まで向かうと、会社のロゴが入ったタンクローリーにスライムの液体を運んでいた。
そのタンクローリーには俺達一般人からの買取はやっておらず、企業用っぽい。
「運搬も企業が担っているのか……面白いな」
俺はそのままスライムを回収していき、普通に売却して利益を確定させるのであった。
ダンジョンの換金所にてスライムの核を換金する。
換金所では鑑定士と呼ばれる人達が換金所に持ち込まれる品の換金作業をしてくれる。
人数も多いわけでは無く、多くて5人くらいなので時間帯によっては長く待つことがある。
並ぼうとするとマユミもちょうど換金する時だったらしく、一緒に並べことにした。
「途中から企業の人達が来てあまり稼げませんでした」
「土日や祝日は学生が多いし、夕方以降はバイトの人達が動き始めるから稼ぎは悪そうだな。やっぱり平日の午前中が一番稼げそうだな」
「明日祝日ですけどどうします?」
「うーん……せっかくだからゴブリン対策でも皆で考えてみるか? マユミとかもう少しで9級に上がれるだろ」
「というか、私……多分今回の換金で9級に上がれますよ」
「ダンジョンに潜り始めて3日で突破か……早いよな?」
「凄く早いです。ただ……まだ次の階層には行きたくないですけど」
マユミが下を向きながら話す。
俺は彼女の肩を叩きながら
「まぁ全滅した原因だからな。ゴブリン」
「私は窒息死ですけどね」
「あれ? 覚えてたの? その部分記憶消したと思ってたけど」
「消えてませんよ……私は吸い込まれて真っ暗な空間で息できなくて意識飛んだんですけど」
「そりゃ悪かったな……」
「まぁ他の2人が死ぬ原因作っておいて、私だけ生き残っていたら一生悔やんでいたと思いますけど……」
「他の2人には言ったのか?」
マユミは怒りながら
「言うわけないじゃないですか。私だけ三國さんに殺されたってことを言ったら2人の感情ぐちゃぐちゃになりますよ。2人からは三國さんは恩人なんですからそれで良いんです」
と言われてしまった。
悪かったと改めて謝罪をし、じゃあレストランでパフェ奢ってください……それでチャラですと小悪魔的な表情を浮かべられた。
俺はしゃーないと他2人には内緒だぞと、スマホで近くでパフェが食べられるお店を検索する。
そうこうしていると俺とマユミが換金の番になり、スライムの核を鑑定士の方に渡す。
「ずいぶんと取ってきましたね……スライムの液体は捨ててないですよね?」
「捨ててませんよ」
「業者の方ですか?」
「いえ、一般です」
そんなやり取りを行い、マイナンバーカードにお金を振り込んでもらい、俺とマユミはその場を後にするのだった。
「んん! 美味しい」
俺とマユミは近くのパフェ専門店というお店に来ていた。
マユミは宇治抹茶パフェを注文し、俺はメロンパフェを注文する。
運ばれてきたパフェを食べたマユミの第一声が先程の言葉であった。
俺のパフェはフレーク、メロンゼリー、生クリーム、アイス、カットメロンが層になっており、上にはメロンクリームの棒状のお菓子が突き刺さっていた。
「一口食べてみるか?」
俺はマユミに提案すると、マユミも一口どうぞと宇治抹茶パフェを譲ってきた。
互いに一口交換し、美味しさに身震いする。
「これだけ美味しかったらミキとスミレも連れて来てあげたいな」
「そうだね。私達だけで独占するのも少々心苦しいもんね」
マユミはそう言いながらもパフェを食べる手は泊めなかった。
あっという間にパフェを食べ終えた俺はお会計。
結構大きめのパフェだったが、1杯1200円とまぁ普通くらいで、メロンのが宇治抹茶パフェより高く1500円だった。
満足した俺達は認識阻害を発動し、駐車場から宇宙船に向けてフライングマシンで空を飛んで移動するのであった。