エロ星人、ダンジョンのある地球で繁殖する 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
武器ができるまで数日かかると俺が言い、その間は休んでもダンジョンに行くのも自由にして良いと決めた。
ただ性欲を発散するために夕方には帰るように言い、俺は彼女達の武器作製に取り掛かる。
ミキ、スミレ、マユミの3人も各々好きに数日過ごし、その数日の間に冒険者のランクを9級に上げていた。
俺も気分転換がてらにダンジョンに潜る日も作り、そうこうしていると地球に来てから2週間が経過していた。
「ふう……完成した」
そんなこんなで武器も完成し、ミキ達に武器を渡す。
「おお、これが僕達の武器……」
「スミレめっちゃゴツいじゃん」
『そうかな……でもこのパワードスーツ? バトルスーツ? の中、冷房効いていてめっちゃ涼しいし、私が飲み物が欲しいって命令したらストロー伸びてくる! ちゃんと飲むこと出来るんだけど! 凄い凄い!』
スミレは早速バトルスーツを着用してみて飛んだり跳ねたりをしている。
大きさ的には3メートルくらいになり、背中のバックパックに色々収納している感じ。
小型の核融合炉を搭載しているのでエネルギーはバッチリ。
なんならミキのショットガンのバッテリーもこのバトルスーツの側面に充電出来る場所を設置していた。
『三國さんの武器ってちなみにどんなのなの?』
とスミレに聞かれたので、俺は小銃とナイフを手にする。
「普通に小銃と銃剣だな。というかバリア機能もあるし、これで十分なんだよ。弱い階層は」
正直これでもオーバースペックである。
これらの武器もボタン1つでキューブに圧縮することが出来る。
入り口でこんな重装備していたら流石に怪しまれてしまうからな。
というわけで習うより慣れろ。
俺達はダンジョンに移動して武器の使い方を慣れるためにゴブリンを攻撃しようということになるのだった。
最近よく訪れている、千葉の中央近くのダンジョンに潜る。
ダンジョンのゲートの前に立ち、準備は良いかと3人に質問すると、大丈夫と返答が返ってきた。
そのままダンジョンに潜り、草原を舗装された道通りに進んでいき、次の階層に向かうためのゲートに到着した。
スミレの顔から汗が垂れる。
恐らく死んだ時の記憶を思い出しているのだろう。
俺は彼女の手を握って
「大丈夫。俺が付いている」
と力強く言った。
「うん!」
スミレは嬉しそうに答える。
ゲートに冒険者カードをかざすと、扉が開き、1人ずつ中に入っていく。
全員入ると扉が閉まる。
「洞窟の中……みたいな感じでは無さそうだな」
現れたのは荒廃した荒地で、赤い土がむき出しになっている。
イメージは西部劇のカーボーイ達が走り回っているような荒野だろうか。
早速俺達はキューブを解放して武器を装備する。
スミレの装着の仕方は大胆で、キューブの圧縮を解除して投げると、そのままキューブはドンドン元の大きさに戻り、大きくなると操縦席部分の扉が開く。
そこにジャンプして飛び込むと、扉が閉まり、バトルスーツの駆動音が響き渡る。
そして赤い単眼の瞳が輝き始め、動き始める。
「おお! かっこいい!」
「めっちゃ様になってるよスミレ!」
ミキとマユミもスミレの搭乗の仕方を褒める。
スミレはバトルスーツで頭をかく仕草をしながら照れくさそうにする。
「さてとゴブリンを探しますか」
俺はポーチから手のひらサイズの探知機を取り出す。
スマホサイズであり、生態反応を感知して種類ごとに識別マークや色を変えてある。
「試作品だから今度お前らのスマホにアプリとして入れるようにするよ」
そう言い、俺はゴブリンを探すのだった。
ゴブリン……漢字で書くと小鬼と呼ばれるが、小学生くらいの大きさ、緑色の肌、小さな角が額から生え、道具を使って攻撃してくるモンスターである。
1体であれば中学生でも負ける事はまずないが複数体の群れとなると生前のミキ達の様にろくな武器や防御手段を持ってないと殺られる事が起こってしまう。
冒険者での死亡事例の多くがゴブリンに対しての油断で経験の浅い冒険者が亡くなるのである。
ゴブリンの換金物は角と心臓付近にある魔石である。
スライムは核と言っていたが、モンスターには魔石という核になる部分が存在し、それを加工することで魔道具と呼ばれる科学では再現できないような道具が作られるのである。
見た目よりも内容量が多い鞄、電気を使わなくても瞬時に物を適温に温める弁当箱、水を生み出し続ける水筒……この様な便利アイテムから人間の肉体能力を強化する武器だったり、魔石の弾丸で対象を葬る銃だったり……あとは病気の人や手足を欠損してしまった人の悪い部分を即座に治す治療器具だったり……使い道は山程ある。
俺としても解析して既存技術と融合させれば面白いことになりそうだなとも思っていたので、数が欲しい。
ゴブリンの魔石は1個500円……これを安いと見るか、高いと見るかはその人次第だろう。
ちなみに角の方は薬の素材になるらしく、精力剤や増血剤としての効果がある。
角1本100円で基本2本生えているので200円程度の買取価格となる。
早速探知機に反応あり。
岩陰に人とは違う反応が複数。
とりあえず俺がおびき寄せると言って、俺はポーチからスライムの液体を加工して作った火炎瓶に火を付けて投げる。
すると岩陰から驚いたかゴブリン達が逃げ惑いながら出てきた。
「ほら、射撃射撃」
俺が促すと、3人は自分達の持っている銃で発砲していく。
10体居たゴブリンのうち6体を倒すことに成功し、安全を確認して近づく。
エネルギー弾が当たって焼け焦げていたり、氷の弾丸が貫いていたり……ゴブリンの肉体はズタズタになっていた。
「回収するぞ」
俺はナイフを取り出すと心臓部分を解体していき、魔石を取り出す。
結構な硬さがあるものの、ナイフを当てると傷ついてしまうので、振動モードはほどほどにした方が良いかもしれない。
もしくは魔石を取り出す装置を新たに作り出すか……。
比較的綺麗なゴブリンの死体をバキューム掃除機で吸い込んで保存し、献体を確保。
あとは武器の扱いが慣れるまでは実戦を繰り返していく。
途中でゴブリンと戦っている他の冒険者を見つけたが、彼らは警察が使うような盾と金属バットを持って殴りかかっていた。
恐らく金属バットも凹まない様に加工してある物で、ゴブリンを撲殺しても金属バットは傷一つ付いていない。
撲殺したゴブリンを冒険者の1人が素早く解体して角と魔石を取り出す。
死体はそのまま放置されていた。
その冒険者が立ち去った後に、捨てられたゴブリンの死体に近づいて効率的な倒し方を考える。
「やっぱり銃は過剰戦力過ぎたな。死体がズタズタ過ぎて角を回収できないし、弾が当たって体が破裂するような個体は魔石を回収するのも一苦労……やっぱり近接武器に慣れないと」
3人も銃での攻撃は過剰と考えたのか、銃をしまっていく。
斧なナイフを手に取るが、不安そうに俺を見ている。
「大丈夫、バリアも効いているんだ。死ぬことは無いよ」
俺は新しいゴブリンの群れを見つけると、光学迷彩を起動して近づき、ナイフでゴブリンの首を斬りつける。
首から血を噴き出したゴブリンは苦しみながら絶命。
他のゴブリン達が周囲を見渡すが、光学迷彩が効いているんだ俺を見つけることはできない。
そのまま近くのゴブリンの首や心臓をナイフで突き刺すと、仲間が次々に死んでいくので、恐慌状態に陥ったゴブリン達が逃げ始める。
俺はとりあえず追えるだけ追って、追加で3体仕留め、6体の死体をバキューム掃除機で吸引する。
「な! 簡単だろ?」
俺が簡単にゴブリンを殺す姿を見て、他の3人も落ち着きを取り戻し、光学迷彩起動状態ならゴブリンにはバレないと判明し、順番にゴブリンに挑むのであった。
その様子を見ながら、俺はゴブリンの血でべったりしている手のひらを見てボソリと呟く。
「殺すことへの忌避感が全く無いな」
前世の俺は人を殴るのにも忌避感を感じて体育の授業の剣道が手が震えてできないほど人型のものに攻撃することに忌避感を感じていたはずだ。
それがファビアン星人になったからなのか、それとも10年間無茶苦茶な労働でストレスでおかしくなったのか……元を辿ればミキ達の亡骸を回収した時も作業の延長線としか思えなかった。
「倫理観や感覚が狂ってるな。地球人と触れ合って感性を地球人と同じにしていかないと……」
俺は着ているスーツのボタンを押して、手までスーツを伸ばし、洗浄をかける。
するとゴブリンの血で汚れていた手は綺麗な状態に洗浄されるのであった。