エロ星人、ダンジョンのある地球で繁殖する 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
スライム狩りはもうほぼ作業。
草原に湧いているスライムを見つけてバキューム掃除機で吸うだけ。
もう手慣れたものである。
今潜っているダンジョンでは平日も業者の方が入り込んでいるらしく、少人数ながら三輪車で走るスライム回収車が走り回っていた。
俺は彼らとトラブルを起こしたくないので、光学迷彩を起動して、見えないようにスライムを回収している。
今回からバキューム掃除機のタンクの中身と容量を表示してくれるスマホのアプリを開発して入れたので、スマホを見ればどれくらいのスライムを回収したか、いちいち換金しなくてもわかるようになっていた。
「今2000リットルか、今日がリットル28円だったから5万6000円か、だいぶ回収したな」
やはりスライム回収は儲かる。
ゴブリン倒すよりも圧倒的な効率だな?
ゴブリンの階層でもこれくらいの効率を出したいが……そうなると専用の道具が必要になってくるだろう。
今ぱっと思いついたのがフライングマシンにバキューム掃除機をくっつけて、トラクタービームと呼ばれるUFOが牛とかを攫うビーム光線風に見せて、ゴブリンを回収していき、バキューム掃除機をアップグレードさせてゴブリンを挽肉にし、魔石と肉を回収する方法を考えたが、うん、あまりにグロ過ぎるな。
ゴブリンだけを吸い込むように調整しないと、人を吸い込んで大惨事を起こしかねないし、流石にこのアイディアはボツだ。
「まぁゴブリンの魔石を回収するより200リットルサイズのスライム1匹回収した方が金にはなるからなぁ」
ゴブリンの活用方法も現状メイドゴブリンにするか、緊急時の食糧にするくらいしか活用方法がないからな……。
角の回収?
できなくもないけど、そうなると1体1体慎重に解体しないといけないし……。
「うん、ゴブリンは当分は考えないことにしよう」
俺は考えないことにするのだった。
昼食時になり、今日は4人でラーメン屋に行くことにした。
この世界にも家系があるらしく、豚骨醤油が売りのラーメン屋である。
このお店には巨大な炊飯器が置いてあり、ご飯を1杯注文すればお代わりは自由になっていたし、替え玉の食券を注文しておくことで、替え玉を頼むことができた。
そもそも大盛りにすれば結構な量になるが……。
食が俺達の中だと細いスミレだけレディースラーメンを注文し、俺、ミキ、マユミの3人は豚骨醤油ラーメン大盛り、ライス、餃子セットを注文する。
テーブル席に案内されて、ラーメンが来るまで今日の成果を話し合う。
「とりあえず俺は午前中20万だったわ」
「私22万」
「僕は当たりのエリアだった! 31万」
「私は20万」
ミキだけ突き抜けていて、残りは20万ってところで、午後も頑張れば50万前後ってところか。
うん、これなら明日にでも目標金額は達成できそうである。
「そう言えばダンジョン配信って皆見てる?」
マユミがいきなり話題をぶっ込んできた。
正直俺は情報収集程度にしか見ていない。
冒険者協会から許可が出た冒険者しかダンジョン内の配信が許されていないので、明らかに安全マージンが超えないように調整されていて、強敵に挑むワクワク感みたいなのは存在しない。
ただ素材の正しい採取のやり方やモンスターの解体のやり方等の動画は勉強になるのでありがたいと思っている。
「なんかダンジョン配信の規制が大幅に緩和されるんだって。個人での配信も自己責任制に切り替わるらしいし」
「ふーん、じゃあ面白い配信も増えていきそうだな」
「アイドル配信者みたいな人も出てくるかもね」
海外だとその手の配信規制が緩かったらしく、日本がこの点の法整備が遅れていたらしい。
まぁダンジョン配信系以外配信……特にゲーム配信が盛り上がっていたので動画を見るという文化土壌は育っていた。
そこにダンジョン配信をして利権を食い込もうというのは分からなくはない話である。
「最近だとVチューバーって言うと存在も台頭してきているからね」
俺の前世でも盛り上がっていたVチューバーはこちらの世界でもブームが起こっているらしく、動画や配信を漁っていたらよく目につく存在になりつつあった。
「なんだ、マユミ達ってVチューバーに興味あるのか?」
「そりゃあるよ、新しい配信形態だし」
「僕も興味あるかな〜自分とは別のキャラクターを動かすの興味あるし」
「私もゲーム実況してみたいと思ってた」
マユミ、ミキ、スミレの3人も配信に興味があるのだとか……。
「立ち上げる事業……Vチューバー関連にするか?」
俺はそう口に出した。
ダンジョン配信をVでやる……俺の技術なら特に障害はない。
頭にヘアバンド型の配信デバイスを作れば冒険の障害にもならないし、アバターを被せておけば身バレも防げる。
そもそも和歌山のダンジョン利権を租借するにも活動実績が必要だったので、タレントの保護を目的と言い張れば問題は無い。
うんうん、なんか行ける気がする。
まぁお試しでやってみるのは自由だ。
山を買うのに手続きとか色々時間かかるし……。
そんな事を考えていると、ラーメンが到着して、食べ始めるのだった。
午後のスライム狩りを終えた俺はメイドゴブリン達の寝る場所の確保を行うことにした。
ゴブリンのストレス耐性は人間の数倍あり、どんな環境でも生き抜く生命的な強さがある。
なのでプライバシー空間を必要とはせずに、なるべく群れて動こうとする。
メイドゴブリン達にもその性質が引き継がれており、なるべく同じ部屋で過ごしたいと求めていた。
要望を聞いた俺はミキ達の部屋より少し広い部屋を作り、そこに蜂の巣の様なベッドスペースを12個用意した。
一種のカプセルベッドである。
ベッドにはモニターが付いていて、側面の壁からテーブルを出してキーボードを繋ぐとモニターはパソコンとして使うこともできるし、テレビとして見ることも可能であった。
小さいスペースながら収納スペースもあり、テーブルのある側面の壁の反対の壁には四次元の収納ポケットがあり、ある程度の物を収納できるようになっていた。
部屋の中にもピチピチ黒スーツを収納できるクローゼットとソファとモニター、あとドリンクサーバーが置かれている。
「おお! ご主人様! この部屋私達が使っても良いのですか!」
「ああ、自由に使ってくれ」
「私ここ!」
「じゃあ私はこっち!」
メイドゴブリン達は各々蜂の巣の様なカプセルベッドに潜り込み、テレビを見始めたり、無料ゲームで遊び始めてしまった。
メイドゴブリン達の精神年齢は中学生程度。
なのでゲームも好きだし好奇心旺盛なのである。
ただメイドとしての仕事もちゃんとしてくれるが……。
「じゃあ今夜は自由にしていいから。ゆっくり休んでくれ」
「「「「はーい!」」」」