エロ星人、ダンジョンのある地球で繁殖する 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
2日で目標金額を稼いだ俺は、現地の不動産と連絡を取り、山の購入手続きを進めた。
俺が手続きを進めている中、ミキ達は動画配信をするための勉強を進めていた。
「えっとこのヘアバンドみたいなのを取り付けると……おお、画面のアバターが動き出した」
「カメラも無いのにアバターが動くの不思議……3Dの奴につけるセンサーみたいな感じなのかな?」
「VチューバーVチューバー!」
3人共にテンションが高い。
蘇生して改造人間にされたとは言え元々は中学生。
既存のゲーム実況者と配信事業で戦っていけるかって言ったら、プレイングではスミレが戦えそうであるが、それだけ。
話しながらできるかどうかは未知数である。
だったらダンジョン配信の規制緩和に合わせてダンジョン配信をするのが一番ベターな気もするが……。
とりあえず本人達もやる気だし、俺は機材的な補助等は全力でバックアップしていくことにしよう。
「ふふんふんふん」
配信に先立ちVの立ち絵となるアバターをどうするのかと言うので皆の希望する立ち絵の要望を出してもらったが……マユミがめちゃくちゃ絵が上手い事が判明。
「元々美術部だったからね」
と話すが、趣味として液タブを欲していたマユミは既に液タブを購入して絵を描いていたらしい。
なので絵が滅茶苦茶上手かった。
「前までこんなに絵上手じゃなかったけど、転生してから絵が滅茶苦茶上手になった……」
ゴブリンの手の器用さにより絵を描く才能が開花したのかも?
その上手さは普通に商業で食っていけるレベルであり、マユミが試しにミキ、スミレ、そしてマユミ自身の今の姿をキャラクター風に落とし込んで描いてみたところ……
「うん、普通に使えるレベルだわ」
動画で動いているVチューバーの人達と遜色ない出来であった。
これを俺の技術で差分を大量に作り、滑らかに動くようにすれば……Vチューバーのアバターが完成である。
差分作るついでに3Dモデルも作ってみたが……これもよく出来ているように思えた。
「もしかしてゴブリンって絵を描くのが上手い種族だったりする?」
ミキの問いに俺も疑問が湧き、メイドゴブリン達に液タブを渡して、絵を描いてもらうと、個体差はあるが、全員上手い、もしくは才能あるレベルであり、練習すれば十分に商業展開できそうなレベルであった。
「メイドゴブリン達集合!」
「「「「はい!」」」」
俺はメイドゴブリン達を招集し、全員に俺が作った液タブを渡し、スミレ達のやる動画配信のサポートを行うように命令した。
「スミレさん達の絵を描けばいいんですね!」
「配信のサムネイルってやつを描けば良いんですね!」
「配信の編集についても勉強します!」
「頑張るぞーおー!」
皆やる気満々である。
とりあえず練習を続けてみることになるのだった。
山の購入の為に、俺は和歌山県に来ていた。
山の下見をするので、偽造した運転免許証を用いてレンタカーを借りて、最初管轄する不動産屋に向かう。
資料は電子メールで届いていたので、全て目を通して内容は分かっているが、一度話を伺っておきたいので直接来ていた。
「いやぁ三國さん、関東からわざわざすみません」
「いえ、購入を希望したのは私ですので……資料には目を通しました。特に問題点も無いように感じましたが」
今回購入する山は山をはげ山にしたり、更地にするような大規模な開発を行わなければアパートを建てたり、畑や牧場を作っても問題ないと言う契約だった。
ただ年に1回役所から土砂崩れ等の災害防止の為の検査が入るくらいで、それ以外は注意することも無いとなっている。
「ええ、その契約で問題ありません」
「今から現地を下見する形を取って、良ければ申込金と買付証明書の発行を行いますので」
「それで、よろしくお願いします」
というわけで車を運転しながら現地に向かう。
車は不動産屋さんが出してくれて、レンタカーは不動産屋に置いていく形になる。
市街地から車を走らせること2時間……山道になってきて、目的の山に到着した。
「ここがその山になります」
一番近いコンビニまで車で45分、スーパーだと1時間……隣の山のダンジョンには車で25分くらいか。
ダンジョンのある山はここから更に奥に向かうからガチの僻地だな。
陸の孤島と紹介されていたけど、生活できないレベルでは無いな。
「ただこの山で生活するのは気をつけた方が良いですよ」
「何故ですか?」
理由は道中通ってきた川である。
台風や大雨が降ると簡単に氾濫して唯一通行できる道が通行止めになってしまうらしい。
「ここから更に奥にダンジョンがあるんだけど、住み込みで働いている職員の人達が可哀想だよ。街まで買い出しに行って買い込んで籠城しているみたいで……ここで生活するってことはそういうことになるよ」
「ご忠告感謝します」
そりゃこんな山奥だから衛星通信以外のインターネット環境も無いだろう。
ここでも電波を確認してみると、ちゃんと圏外になっていた。
まぁ衛星通信に切り替えれば、電波は何も問題は無いが。
「確かに生活するには不便そうですね」
「まぁ売り手の我々がいうのもなんですが、この山は木々くらいしか使い道が無いですからね。ドローン飛ばして全体見てみますか?」
「お願いします」
そう言うと、不動産の人はドローンを飛ばして、上空から山全体の様子を観させてもらった。
針葉樹が多い普通の山って感じで、問題は無い。
「大丈夫です。購入の決意は揺るぎませんよ」
「良かったです」
また車に乗って不動産屋に戻る。
道中どんな仕事をしているのか聞かれたが、冒険者をやっていて、過疎ダンジョンである不動産の人も言っていた和歌山の僻地ダンジョンに目をつけて、そこで活動するための拠点としてある程度の土地が欲しいと言うと納得してくれた。
「なるほど、だからアパートを建設しても大丈夫か聞いたのですね」
「はい、まぁアパートというよりウッドハウスを複数個建設する感じになると思いますがね」
「ふむふむ、建設業者を仲介しましょうか?」
「あ、いえ、申し訳ないのですが、私の知り合いの伝手で頼んでいるところがあって……」
もちろん嘘である。
自分で建設する気満々である。
「そうですか、何か手伝えることがあれば手伝いますので、また気軽に相談ください」
「はい!」
不動産屋に到着した俺は申込金の5万を現金で支払い、代わりに買付証明書を発行してもらった。
「審査で1週間ほど時間がかかりますのでご了承ください。審査が通ればまた電子メールで詳細を送りますが……管理書類等の書類は郵送で良いですかね?」
「あ、いえ、2週間ほど関西のダンジョン巡りますので、受け取りに来ますよ」
「そうですか、ではまたお待ちしてます」
とりあえず手続きはOK。
レンタカーを返却して、大阪のグルメを堪能してから、千葉の宇宙船に俺は帰るのだった。