エロ星人、ダンジョンのある地球で繁殖する 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「さて、フライングマシンに慣れてきたところで、明日からまたダンジョンに潜って稼いでいきたいと思うぞ」
コントロールルームにミキ、スミレ、マユミの3人を集めてそう言う。
「金稼がねぇと地球の飯が買えないんだわ。ハッキングで金を引っ張ってくるのはあまりやりたくないからな」
俺がそう言うと、3人も納得してくれた。
地球のお金はほぼ無いに等しい。
稼ぐためにもダンジョンに潜るしかない。
「じゃあスライム退治をすれば良いの?」
「でもあれ全然お金にならないじゃん」
スミレとマユミがスライム退治は金にならないと言うが、俺はチッチッチと指を振る。
俺には秘密道具があるとバキューム掃除機を見せる。
「……あ、私達が前に馬鹿にしていた掃除機じゃん」
「そう、マユミが生前馬鹿にしていた掃除機。これスライムで稼ぐとなると馬鹿にできないマシーンなんだよね」
俺がこの掃除機を使って時給1万円以上稼いだと説明すると、3人は目の色を変えて聞き始めた。
バキューム掃除機の四次元収納機能や、物質ごとに分けて収納してくれること、スライムくらいならノズルを差し込んで吸い込めばどんなに大きくても全部吸い込めると説明した。
「じゃあスライムの液体の重さを気にすること無く売却することが出来るってこと?」
ミキの質問に俺がそうだと答える。
「100リットルでも1000リットルでも重くないから幾らでも吸えるぞ」
「物流革命が起こりそう……」
「いや、これはこれで欠点があって一応の限界があるのと、真空に近い状態になるから生き物を入れると死んでしまうんだよね。まぁ死体を吸い込めば誰にも分からないで回収することが出来るけど」
スミレが私達をこれで回収したのですかと聞いてきたので、その通りと答える。
まぁ死体云々の話は置いておくとして、俺は3人にも今夜掃除機作るから眠りに就くように指示した。
「眠るって……ベッドとかあるの?」
「今度個室作っておくが、それまでは布団で眠ってくれ」
俺はお手伝いロボットに布団を持たせて、倉庫の一室に布団を敷かせた。
「ここで寝れば良いのね」
「ああ、数日以内には部屋用意するから待っていてくれ」
彼女達は布団に潜り込み、目を瞑るとスリープモードに移行しますと発声し、眠りについてしまった。
「さてと、掃除機作りますか」
俺は作業室に移動して工作機械を起動し、バキューム掃除機を作っていくのだった。
『現在の地球の時刻は午前7時、おはようございます』
「コルおはよう。起こしてくれてありがとう。3人達も起こしておいてくれ」
『了解、了解!』
作業補助ロボットのコルに起こされ、俺はシャワールームに移動し、朝シャンを浴びる。
寝ている間にかいた汗を洗い流してさっぱりする。
「ふー、よし」
首のチョーカーのボタンを押して地球人のアバターに擬態して朝食の準備を行う。
「この体になってから凄いぐっすり眠れている気がする」
「僕低血圧で朝いつも辛かったんだけど、朝から絶好調」
「全く眠気が無い……というか寝起きなのに頭が冴えてる」
スミレ、ミキ、マユミの順に喋り、それぞれ席に座って朝食を食べ始める。
「頭にマイクロチップが埋め込まれているからな。スマホのスリープモードやシャットダウンみたいに一瞬で深い眠りに落ちて、時間を設定しておけばその時間通りに起きれるようになるぞ。今日の睡眠で体内時計も整ってきたんじゃないか?」
「そうなの? そうなんだ……」
スプーンでペースト状のレーションをスミレが食べながら話す。
俺もレーションを食べるが、相変わらず大豆と芋をマヨネーズで混ぜた様な味がする。
不味くは無いが美味しくもない。
前世でよく食べていたコーンフレークを無性に食べたくなる。
「不思議な味……ただ毎食は辛くありませんか」
スミレが俺に聞いてくるが、実際辛い。
緑色の液体とセットで俺は飲むが、3人は水は普通の水が良いと、無色透明な水に切り替えていた。
「ごちそうさまでした」
ミキが何気なく言ったごちそうさまの言葉。
俺は前世以来10年ぶりに聞いて懐かしく感じる。
全員が食べ終わると、バキューム掃除機の使い方や圧縮するやり方を教えて、圧縮してキューブ状に収納するフライングマシンやバキューム掃除機をしまっておくための腰に付けるポーチも渡して、お金を稼ぐためにダンジョンに向かう。
フライングマシンで編隊を組んで移動すること数分。
ミキ達を拾ったダンジョンとは別の近くのダンジョンに来ていた。
人口密集地の東京から離れた千葉の南……南房総と呼ばれる地域のダンジョンなので、ダンジョンの建物はド田舎にあるショッピングモールの様になっていた。
千葉の中心地に近かった最初のダンジョンはダンジョンを囲む商業施設もスーパー以外はダンジョン関連の品ばっかりであったが、ここのダンジョンでは普通に家電やダンジョン関連の商品以外の品も扱っていた。
なんなら温泉施設や映画館まで併設されている。
「田舎のダンジョンはこんな感じが殆どよ。場所によっては託児所が併設されているダンジョンもあったりするわ」
マユミが丁寧に教えてくれた。
改竄前のマイナンバーカードを見た限り、マユミの父親が冒険者としてそこそこの地位に居たのは知っている。
マユミの記憶の一部を改竄しているが、知識として残っているのだろう。
もしくは前に来たことがあるのか……。
ダンジョンの屋上駐車場に降り立った俺達はゆっくりと着陸すると、フライングマシンの光学迷彩を切り、キューブ状に圧縮してポーチにしまう。
「現在時刻は午前8時半……とりあえずダンジョンに潜って、12時に一旦ダンジョンの入り口前に集合で良いな」
俺がそう言うとミキが
「え? バラバラで動くの?」
「バラバラで動かないとスライムの回収が全然できないからな。懲りてるんだからまた次の階層に行こうとするんじゃねぇぞ」
「もうしないよ!」
どうやらバラバラで動くのに忌避感を感じているらしい。
身体能力が強化された今の状態なら奇襲されてもゴブリンからの攻撃ならダメージは受けないと思うが……まぁ死因になっているからトラウマだろうな。
ただ第1階層はどんなダンジョンもスライムしか基本出てこない(管理不十分のダンジョンだと他の階層のモンスターが居ることもあるらしいが……)ので、安全である。
現状気まぐれで蘇生させた者達であるが、ある程度自立できるならそれに越した事は無い。
俺は一生地球に居座るつもりだし、彼女達で性処理を楽しむつもりだが、俺の性癖で、強い女性を屈服させる方が燃える。
なのでぜひとも彼女達には強くなってもらって子供を沢山産んで欲しい。
そんな邪な事を考えているとダンジョンの入り口に到着し、電車の出入り口みたいな扉と冒険者カードをかざす台が鎮座している。
俺は冒険者カードを提示すると、扉が開き、ダンジョンの中に入っていくのだった。