ARMORED CORE6:Re.life in Kivotos 作:トリミングチキン
温かい目で見ていただけると幸いです。
キヴォトス到来
レイヴンの火からおよそ2年の月日が流れた。
世界の敵たる独立傭兵は完全に姿をくらまし、封鎖機構や企業も捜索を諦めていた。
封鎖機構の元にはレイヴンの目撃情報が多く入っていた。だが、大半はレイヴンとは関係のないガセだと判断された。
しかし、真実だとされた一部の情報によると、レイヴンは辺境の惑星で未だにACを駆っていると言われている。
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とある開発惑星、辺鄙な小汚いガレージ。
中には一機のACが置かれている
一人の子供が背中を丸め、ACのコックピックに座っていた。
その手にあるのはネットニュースが映るタブレット端末であった。
「ここらでも随分と名が売れてきたな、そろそろ潮時だな…」
「金回りはよかったから去るには少し惜しいな。まぁ、既に全身強化手術済みだから稼いでも使い道は無いのだがな…」
両手を頭の裏に回し寝転がる。
そして、ゆっくりと目をつむる。
時にはACを駆り、時には生身で人を殺す。
その報酬で体を換え、飯を食らい、武器を買いあさる。
この小屋ですら、常に戦場にある。
「……普通の人生か、それは一体どんなものなんだ。教えてくれよ、ウォルター」
勢いよく立ち上がり、体をほぐすように背を伸ばす。
近頃生身での戦闘依頼を受けていなかったためだろうか、バランスを崩し、先程座っていた席に思い切り尻餅をついてしまう。
ズボッ!
座席のクッションに穴が開き尻に鉄の塊が激突する。
「クソッ、だいぶガタが来てるな、まずは修理に出した方が良いか」
尻をさすりながら身を起こし、ぽっかりと穴が開いた座席を確認する。
穴の中には金属の直方体、だがACのパーツというわけでも、装甲というわけでもなさそうだった。
「……これは金庫か。なぜこんなところに、いやそれよりもいつから」
取り出してみても何の変哲のない鉄の箱だ。
傷やへこみが目立つ、最近の物ではなさそうだ。
強化手術で得た怪力で力ずく開けてみると中には一通の手紙と赤いカードが入っていた。
手紙を開け内容を確認する。
621この手紙を読んでいるということは、お前は俺たちの背負った遺産を清算したのだろう。すまないそして感謝する。
こんなことに巻き込んでおいて言えた立場ではないが、お前には普通の人生を生きてほしい。
俺が昔訪れた『キヴォトス』という都市がある。そこは争いが身近にある中で『普通』の青春をおくっている子供たちが大勢いる。
そこには戦う以外の役割がある。きっとお前の可能性を増やしてくれるだろう。
この手紙と共に入れてある赤いカードは特殊な力がある。代償と引き換えにお前の望む結果を引き寄せてくれるだろう。
これはハンドラーとしての命令ではない。お前を縛るものはもう何もない。お前の意思で決断してほしい。
これからの選択がお前の人生の糧になることを祈る。
手紙にはそう書かれていた。
キヴォトス、聞いたこともないような場所だ。
本来ならイタズラか何かだと思うのかもしれない。
だが、手紙の置かれた時期と内容も考えればウォルター本人で間違いない。となれば、書かれていることは真実なのだろう。
中に入っていたカードを手に取る。
それは深紅に輝いていた。見た目だけで言えば何の変哲のないクレジットカードだ。
だというのに目が離せない。
無意識のうちに自らの人生を大きく歪めてしまうような予感と、期待が押し寄せる。
「……送ってやろうじゃないか。あなたが言う、普通の人生というものを」
深く息を吸い、ゆっくりと吐き出すとともに瞼を下ろす。
少しすると耳にかすかな騒音が入る。
火薬のはじける音、カラカラと地面をはねる薬莢の音。
「………ここ、戦場じゃないか?」
目を開ければ、目の前には先ほどのガレージの姿はなく、見たこともない市街の路地裏だ。
銃声の鳴る方へこっそりと頭を出す。
そこは開けた大通り。
暗い制服の集団とヘルメット姿のグループが銃撃戦を繰り広げている。
それらは少女の姿をしている
成人すらしていないような子供だ。
放たれた弾はアスファルトを穿ち、火花を散らしている。
それを頭部や胸に被弾してもなお、銃撃を継続している。
その光景は俺の常識から乖離しすぎている。
(強化人間だとしても不可解だ)
放たれているものはライフルや機関銃の弾丸、火炎放射器すら混じっている。
(……とにかくここを離れなければ、ライフル弾ではどこに当たっても貫通する)
反対側から逃れようと
その瞬間。
右脚に焼けるような衝撃が走る。
「ッ……!」
熱い、血が流れ出ている。
久々の負傷、鼓動が加速する。
壁に身体を預け、傷口を確認する。
(…ふくらはぎか。骨と間接に問題はない)
(まだ動ける)
激しい銃声の中、それらとは異なった音がかすかに聞こえる。
足音だ。
ブーツが地面を鳴らす、間隔が短い、何かがこちらに向かっている。
制服の集団の方角からだ。
血の滴る脚を奮わせ。壁に寄り身を潜める。
(出てきたところを殴って気絶させて……)
(いや、銃を携帯している相手では厳しいだろう)
そう思い直した直後。
角から人影が飛び出してきた。
異常なサイズの医療バック、さらに拳銃を携えた少女。
そいつはこちらを見た途端、顔色を変える。
すぐさまバックに手を入れ、こちらに駆け寄って来た。
拳に力を籠める
しかし予想に反し、少女は俺の傷口へ布を押し当てる。
「横になってください!」
有無を言わせない声だった。
正直立っているのも限界だ。渋々、指示どおり地面に座り込んだ。
少女は手際よく包帯と止血帯を巻き付けた。
手慣れている、衛生兵なのだろうか。
一通り処置を終えた彼女は黒いメガネを掛けなおし、落ち着いたトーンで話しかける。
「私の声は聞こえてますか?」
静かにうなずく。
「…この傷は一体どこで?」
「流れ弾のライフル弾が当たった」
「……それだけですか?」
彼女は不思議そうな顔でキョトンとしている。
少し考えたそぶりを見せた後、携帯電話でどこかへ連絡を取りだした。
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数分が経ち、銃声もあまり聞こえなくなってきた。
しかし、何やらエンジン音が聞こえる。
深い青色の装甲を纏った軍用車が大通りに急停車した。
その車から現れたのは、白髪で黒い角の生えた少女。
俺の身体をじっと見る。
「そこの死体……」
軽く咳ばらいをして、言い直した。
「いえ、負傷者が先ほど報告のあった生徒ですね」
「はい、銃弾でふくらはぎが貫通したそうです」
その少女が俺の脚をゆっくり持ち上げ、慎重に包帯をほどく。
顔色一つ変えず、傷口の様子を確認する。
そして、手際よく処置を施す。
彼女は車から担架を取り出した。
気づけばその担架に乗せられ、車に運び入れられている。
運転席には白髪の少女。横になっている俺の隣には最初の眼鏡の少女が座っている。
外の景色は見えないが、小刻みな振動が伝わる。
車が動き出したようだ。
「ところで」
バックミラー越しに彼女と目が合う。
「あなたはキヴォトスの外から来たのですか?」
「……そうだ。なぜわかった」
彼女の口から手紙と同じ単語が聞こえた。
(やはりここがキヴォトスか。確かにたどり着けたようだな)
何でもないかのように平然と彼女は答えた。
「銃弾一発で傷つくのもそうですけれど」
彼女は自らの頭上を指さした。
「なによりヘイローがありませんので」
彼女達の頭上を見る。
先程は気が付かなかったが、目を凝らせば何か輪っかのようなものが浮かんでいる。
俺と彼女たちの最大にして絶対的な隔たりなのだろう。
(彼女たちの肉体強度はそこからくるのだろうか?)
ふと違和感が頭に思い起こされる。
「……一つ聞いてもいいか」
(先程の治療時、白髪の少女は俺がヘイローを持たないことに驚きや戸惑っている素振りがなかった…)
「俺以外に、ヘイローを持たない人間はいるのか」
彼女は少し考えた後に答えた。
「……はい、一人だけですがキヴォトスでヘイローを持っていない人を見たことがあります」
安心したせいだろうか。
はたまた出血の影響だろうか。
突如眠気に襲われ始め、意識が朦朧とする。
隣の眼鏡の少女は俺の状況を察し、静かに声をかける。
「これからのことは大丈夫ですから、お休みになってください」
瞼が徐々に重くなっている。
一言だけ絞り出し、俺は眠りについた。
「この借りは、いつか必ず……」
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明るい光が瞼の裏をうっすら赤らめる。
何か聞こえる。
「………ですが」
「そう、……ならいいのだけど」
何人かの高い声が甚割と耳に響いていた。
すぐ隣から先程の眼鏡の少女の声が聞こえる。
意識が戻るにつれ痛みが主張し始める。
ゆっくり瞼を開く。
目の前には見知らぬ天井。どうやら横になっているらしい。
視線を落とすと身体には毛布が掛けられている
バレないようこっそり体を起こし、あたりを見渡す。
そこは戦車が二台置けるくらいの広めの部屋だった。
壁は深い紺と白で統一されている。床には凝らされた意匠のカーッペットが敷かれており、厳かな雰囲気を醸し出している。
手前には長机、囲うようにソファが並べられている。
机を挟んで正面には、とてつもない風格を纏っている一人の少女が座っていた。
ふわふわの白髪とは対照的に頭には紫色の光を帯びた黒い角を携えており、頭上には厳めしいへイローが浮いている。
その隣には青髪の女が立っていた。
胸が不自然に露出されている奇妙な服を着ている。
手元にはバインダーとボールペン。腰には拳銃が見える。
(戦闘員なのか?だがキヴォトスの人間の頑丈さを考えると、普通の事務員という線も捨てきれないか…)
右のソファには、銀髪のツインテールをなびかせている色黒の少女。
見覚えがある。ついさっきの銃撃戦で制服の集団の指揮を執っていた。こっちは階級の高い戦闘員なのだろう。
地位の高そうな人物にメモ用の道具、戦闘員これらが導き出す答えは。
(手元にあったものも無くなっている…尋問か)
白髪の少女が口を開く。
「目が覚めたみたいね」
話し声は止み、こちらに視線が集まる。
部屋が完全に静まり返った。
「起きたばっかりで悪いのだけれど、いくつか質問に答えてもらうわ」
「……答えられる範囲なら」
突如隣の変な女が怒り出した。
「あなた!私たちに助けてもらったくせに隠し事するつもりですか!?」
「……アコ」
白髪の少女がため息とともに制止すると、その女は不満げな表情だが叱られた犬のように大人しくなった。
「早速だけど、どこから来たの?」
「……キヴォトスの外からだ」
変な服の女が俺の言ったことをメモっている。
尋問というほどではないが、情報を吐かせたいのは事実のようだ。
「年はいくつ?」
「知らない」
彼女は少し目を細め、眉間を寄らせた。
「理由を聞かせてもらえる?」
「解凍されるまでの年齢は知らない。起きてからも数えたことはない」
「そんなふざけた回答でッ!」
再び女が怒りをあらわにしたが、制止されるより先に落ち着いた。
ここの常識では考えられないことなのだろうか、年齢を知らないことは。
「名前は?」
「…今は伏せさせてくれ、好きに呼んでくれて構わない」
「今後どうしたいとかはあるの?」
「それはこちらから聞きたい、俺をどうするつもりだ?」
「別にあなたは危険人物というわけでもないし、拘束するつもりもないの。自由にさせるつもりも無いけれど、望みがあるなら極力尊重するわ」
俺が想定していたものとはだいぶ異なる返答だった。
彼女は平然そうに答える。
見返りを求める様子はない。
少なくとも、俺を利用するためだけに助けたわけでは無いようだ。
「……少しの間、衣食住を提供してくれ。それと仕事をもらえないだろうか」
「仕事?」
少し不思議そうに問い返してきた。
「少しでも借りは返しておきたい」
「フフッ、真面目なのね。風紀委員は年中人手不足だし、そうしましょう」
彼女はほんの少し口角を上げて笑う。
「アコ、まだ空いてる寮があったわよね」
変な格好の女が一歩前に出て話し始めた。
「ヒナ委員長。この方を寮に入れるのは構いませんが、
「事務仕事なら危険もないだろうし、あなたもそれでいい?」
毛布を剥ぎ地に足をつけ彼女の目をしっかり見る。
「よろしく頼む」
今までにない異質な環境に俺の鼓動は高鳴っていた。
迎えるのが破滅か、安寧か、はたまた別のナニカなのか。
この選択が何をもたらすかは分からない。だが確かに、俺の新たな人生が始まった。
幣621の性別は特に考えていませんので今のところ好きに考えていただいても構いません。
見た目は中性的で150半ばくらいの伸長を想定しています。
書いてみると思ったより行き当たりばったりですね。
この作品に1番期待している要素は?
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ac6らしい戦闘や残酷な描写
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キャラクターの掛け合いや日常の描写
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621の内面描写
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シリアスなストーリー
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アクション、バトル中心のストーリー
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ここにはない