ARMORED CORE6:Re.life in Kivotos   作:トリミングチキン

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ミレニアムタワーの一室。

明かりも付けず背中を丸めながら小さなゲーム画面をのめりこむように凝視している。

俺は一心不乱にコントローラーを操作し続けていた。

 

カチッカチッ

 

カチャカチャカチッ

 

テレレテッテレー

 

待ちわびた瞬間が訪れ俺は達成感と開放感で声を張り上げた。

 

「クリアーー!」

 

もう夜だというのに飛び跳ねて喜んでしまった。

俺の歓声と同時にモモイとミドリも目が覚めたようだ。

 

ミドリがクリア画面を見てつぶれていた瞼がぱっと開く。

 

「え!もうクリアしたんですか!?まだ10時間くらいしかたってないのに…」

 

モモイも似たような反応をする、興奮が抑えられないといった感じだ。

 

「すごいよ!初見クリアでは最速記録だよ!」

 

全身から力が抜け倒れるように床に寝転がる。

力のすべてを使い果たしたような感覚だ、心臓が飛び出そうなほど興奮しているがそれに比例するほどの疲労感が体を襲う。

 

寝ころんでいるとモモイがそわそわしながら近づいてきた。

 

「ねぇ、私たちのゲームどうだった?面白かった?」

 

一瞬だけ考えてから体を起こす。

 

「俺はゲームといったものは初めてだ。だからよくわからないんだが…」

 

「まず第一に誤字も脱字も多すぎる、それにこのプレイだけでも50弱のバグがあった。さすがにこれはひどいと思う。初見殺しも多すぎる、普通の生徒なら攻略本もなしにクリアはできないだろう」

 

「そ、そんなぁ~」

 

モモイはショックからか膝から崩れ落ちてしまった。ミドリの顔も曇っている。

 

「だが、惹かれるものはあった。理不尽な仕掛けも多かったし多大なストレスがかかったが、よりのめり込むことができたと思う…」

 

「それに、雑ではあったが一本芯が通っていると思う。この作品…いや、ゲーム作りに対する熱量が感じられる作品だ」

 

「またやりたいかはともかく、このゲームをプレイできてよかった」

 

つい熱く語ってしまった、二人が一言も発してくれない。

引かれてしまっただろうか。

 

「ありがとイツキ!今までのどんなレビューよりも心に響いたよ!ユズにも聞かせてあげたいなー」

 

モモイは見たこともないほどに喜んでいた。心なしか瞼の隙間に涙が溜まっているように見えた。

まぁいい評価話もらえないゲームだとは思っていたが、ここまで喜ばれるとは…

 

「そういえば聞きたいことがあるんだった」

 

興奮冷めやらぬモモイには聞いてもしょうがなさそうなのでミドリに問いかける。

 

「なんでしょうか?」

 

ミドリも少々噛みしめるようにはにかんだ顔をしている。

 

「明星ヒマリという人物を知ってるか?」

 

「ヒマリ先輩のことをご存じないんですか?ヴェリタスの部長さんで『全知』の学位を持ってるすごい人で、体は少し不自由ですけどミレニアムの皆から尊敬されてるようなすごい人でなんですよ」

 

「今どこにいるかわかるか?」

 

「最近会えていないので詳しく話わからないですけど、ヴェリタスの先輩方なら知ってるかもしれません」

 

「そうか…申し訳ないんだが、俺はこの場所に慣れて無くてな。ヴェリタスの部室まで案内をしてほしい」

 

「それなら早速行っちゃおう!この時間ならヴェリタスの皆もまだいるだろうし」

 

モモイがばたっと立ち上がり部室のドアを勢いよく開ける。

 

「いいのか?」

 

「もちろん!私たちのゲームにここまで向き合ってくれたんだもん。これくらいならお安い御用だよ!」

 

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俺とモモイ、ミドリの3人で『ヴェリタス』の部室へ向かった。

モモイとミドリが戸を開け中に入ると4人の生徒が椅子に座りながら気絶するように寝ている。

 

その中の一人が立ち上がりこちらにのそのそと歩いてくる。

目の下に真っ暗なクマがあり、深い藍色の髪を持つ生徒だった。

 

「二人とも、こんな遅くにどうかしたの?」

 

彼女も二人の後ろにいるふとこっちに気づいたようだ。

心なしか彼女の目つきが鋭くなったような気がする。

 

「チヒロ先輩。実はこの人がヒマリ先輩に会いたいらしくてさ、ヒマリ先輩がどこにいるか知らない?」

 

「初めまして、イツキだ」

 

「ふーん。そう、最近部長はヴェリタスにいないよ。部長に会うのはあきらめたほうが賢明だと思うけど、部長に何か用?」

 

疑われているようだ、もし本当にヴェリタスにいたとしても会わせてはくれないだろうな。だが明星ヒマリとのパイプは持っているかもしれない。

せっかくだ餌をまいておこう。

 

「最近壊れたドローンを見つけた。とんでもない高性能機だが一切情報がない。彼女なら何か知っているんじゃないかと思ってな」

 

詳しく話せばボロが出るかもしれない。用件だけ伝えて退散するか。

 

「モモイ、ミドリ、すまないが待ち合わせがあってな。今日は帰らせてもらってもいいだろうか」

 

「そっかー。また遊びに来てね。次もびっくりするようなゲーム作るから!」

 

「あぁ、楽しみにしているぞ。チヒロさん、ヒマリ部長によろしく言っておいてくれ」

 

 

俺はヴェリタスを後にし、俺達の車のある駐車場に戻ってきた。

 

「チャティ、待たせたな。話はまとまったか?」

 

「順調だ、一週間ほどで出来上がるそうだ」

 

「そんなに早くか!ミレニアムの技術はどうなってんだよ」

 

「既製品を改造して作るつもりだ。これならコストも抑えられ、改造場所が露呈するリスクも低くなる。エンジニア部の面々以外に特定されることはないだろう」

 

「口止めはできたか?」

 

「あぁ、事情は一切話さないだろう。オレがやらかさなければな」

 

「ならいい、餌は撒き終えた。俺は一度アビドスに戻る、一週間後に合流するとしよう」

 

乗ってきたピックアップトラックに乗り込みアビドスへ向かった

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車をアビドス砂漠の倉庫にしまって家へ向かう。

 

そう思っていたのだが何やら廃墟のほうに明かりがともっているように見える。

(あそこらへんは確かカタカタヘルメット団のナワバリだったな、様子だけ見ておくか)

 

明かりがともっていた方へ行くと重戦車を先頭に改造戦車やヘルメット団のやつらが列になっているようだ。

気になるのは一台だけ守られるように並んでいるトラックだ。

 

何を企んでるかはわからないが、とりあえず倒しておこう。

 

メリニット製造の大型グレネードランチャー、ルビコンで最強の爆発銃器だ。

DIZZY(ディジー)』を5丁程生成しトラックや戦車に狙いを定め、放つ。

 

派手な火花と共に放たれた榴弾がぶつかると共にとてつもない爆音と砂煙が舞い上がり車両の破片らしき物が吹き飛んでいる。

 

グレネードを売却し、砂嵐の中へ向かうと。死屍累々と言った状況だ(死んではいないようだが)。

 

横転しているトラックが目についた、どうやら直撃は避けたらしい、さして傷もついていないようだ。

何が入っているやらほんのり期待しながらのぞいた。

 

「…セリカ……?」

 

中にはヘイローがないセリカが倒れ込んでいた。

 

(こいつらの目的は誘拐か、セリカの安全と引き換えにアビドスを奪うつもりだったのか、もしくは俺たちをおびき寄せる餌にするつもりだったか…)

セリカを背負って踵を返しアビドスへ向かった。

 

ひとまず保健室にでも寝かせようとしたが、対策委員の教室に明かりがともっている。

中へ入ると対策委員の皆がシリアスな雰囲気を漂わせている。

 

「みんなこんな時間に何してるんだ?」

 

なぜか皆死者でも見たような顔でこちらを見つめている。

いや、俺ではなくセリカのほうを見ている。

 

「セリカはさっき砂漠で拾ってきたが、なんかあったのか」

 

説明を受けると、先程までセリカと連絡がつかずどこへ行ったのかもわからないという状況だったそうだ。

 

その後、俺とも連絡がつかなかったので心配していたと怒られてしまった。

 

教室の扉が開き、一人の()()が入ってきた。

見覚えのある面だ、いつぞやの依頼の際に会った、先生だった。




お久しぶりです。
これからは1,2週間に一度投稿するくらいになると思います。

追記)1、2週間で投稿は嘘っぱちでした。

この作品に1番期待している要素は?

  • ac6らしい戦闘や残酷な描写
  • キャラクターの掛け合いや日常の描写
  • 621の内面描写
  • シリアスなストーリー
  • アクション、バトル中心のストーリー
  • ここにはない
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