ARMORED CORE6:Re.life in Kivotos   作:トリミングチキン

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黒い市場と普通の生徒

ピピピピピピッ!

アラームの音でいつものように目を覚ました。

洗面所に行き顔を冷水で洗う。そのまま食パンを2枚手に取りトースターで焼く。

カリカリのトーストをかじりながら支度を進める。

 

普段ならホシノを起こして一緒に食卓を囲うんだが、彼女の姿はなかった。

俺が起きるより早く学校へ向かったのか、それとも帰ってきてないのか。

 

病院にいるかもと思い、シロコに電話をかける。

数秒もせず彼女の声が聞こえた。

 

『どうかしたの?イツキが遅刻するなんて珍しいね』

 

時計の時間を確認するが、普段道理の時間だ。

時計の設定がずれていたのか?

 

何はともあれ遅刻は遅刻だ、支度を早めるため通話を繋げながら服を脱ぎ始めた。

 

「すまない、すぐ行く」

 

『別に何かあるわけじゃないからゆっくりでいいよ』

 

「そうか、わかった」

 

『今日は返済日だってことは伝えたよね?イツキが来るまでには終わってると思うから』

 

「了解した」

 

電話を切り制服に着替える。カードを懐に忍ばせて靴を履き、鍵を閉めて家を発った。

いつもの通学路を駆け抜け、校門をくぐる。息を切らしながら対策委員の教室の戸を開ける。

 

対策委員の皆と先生がそれぞれ席に座り、アヤネはホワイトボード前に立っている。いつもの会議中のようだ。

ホシノも何事もなかったかのように机にだらしなく突っ伏している。

 

「すまない、遅れた」

 

「別に急がなくていいって言ったのに…」

 

シロコは少し不満げに頬を膨らませた。

 

俺も席に着き息を整える。アヤネのそばのホワイトボードには便利屋の写真とよくわからない銃や兵器類の写真が貼られている。

 

「イツキちゃんが来てないのに始めてしまって、ごめんなさい」

 

「遅れた俺が悪いんだ、気にせず続けてくれ」

 

「では、先程も言いましたが私たちを襲っていたカタカタヘルメット団が使用していた兵器類の破片を調べたところ現在は生産を終了したものばかりでした。それをどこから手に入れたのかですが…」

 

アヤネが言う場所には心当たりがあった。俺もレイヴンとして寄る機会も多かった。

 

「ブラックマーケットか」

 

「そうです、ブラックマーケットは様々な理由で学校をやめた生徒たちが集団を形成しており非認可の部活も多く活動していると聞きました。便利屋も何度か騒ぎを起こしているそうです」

 

「この二つの出来事の関連性を探すのも一つの方法かもしれません」

 

ホシノ先輩が重い腰を上げる。

 

「じゃあ、決まりだねー。ブラックマーケットを調べてみようか」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アヤネを除いた対策委員と先生は襲撃の件を調べるためブラックマーケットまで向かった。

アヤネはオペレーターとして校舎に残っている。

 

対策委員のみんなは物珍しそうに見まわしている。

場所にもよるがここは比較的にぎわっている方だ、治安と物価に目をつむれば規模も大きく何でもある暮らしやすい街だ。

他の学区が物珍しいのもあるかもしれない。

 

どんどん歩いていく皆の数歩後ろを俺と先生は歩いていた。

 

「あれだけのことがネットニュースにもなっていなかった、ヘッドブリンガーはどうしたんだ?」

 

”シャーレの権限を使って少しね、残骸も処分したし情報が漏れることもないと思う”

 

「そうか、俺も便利屋から諸々聞きだした。あいつらに依頼を出したのはカイザーだ」

 

”…皆には伝えないの?”

 

「カイザーのことは裏も取れていない、伝えるべきかは保留だ。それに、カイザーはアビドスの借金の債権者だ、下手に伝えて先走られると困る」

 

”ところであの灰色のロボットは?”

 

「個人的に処分した、方法は企業秘密ってことで頼む」

(さすがにカードのことは話せないな、あの力は危険だ)

 

タタタタタタタタッ!

 

「待ちやがれー!」

 

奥の方が何やら騒がしい様子だ。何発も銃声が響く。

その銃の持ち主と思われる不良が何やら生徒を追いかけている。

 

その生徒は明るい髪色のツインテールをなびかせている、白い制服はどこかで見たことあるような校章がついている。

 

「もう追ってこないでくださいー」

 

「わわわっ」ドンッ

 

その少女が前方にいるシロコとぶつかったようだ。

 

懐からこっそりとカードを使い、軽量グレネードIRIDIUM(イリジウム)をバレない様に生成。

グレネードの威力をそのままに携帯性を高めた、爆風と威力が売りのメリニットの逸品だ。

 

少女の後ろから迫る不良どもに照準を合わせる。

 

「全員頭を下げろ」

 

みんなが身をかがめると同時に引き金を引く。

放たれた弾は不良の額に直撃し周囲へ爆風をまき散らす。

 

後方にいた仲間と思われる数名も吹き飛ばされた。

 

「無事か?」

 

頭を抱えてく転がっている少女の元まで歩き、手を差し伸べる。

 

「あ、ありがとうございました。助かりました…」

 

少女はほっと息をつき、安どの表情を浮かべた。

とてもじゃないがブラックマーケットには似つかわしくない生徒だ。

 

少女は制服の汚れをパパっと落とし、自己紹介を始めた。

 

「私は阿慈谷(あじたに)ヒフミと言います、トリニティ総合学園所属の二年生です。助けていただき本当にありがとうございました!」

 

ぺこりと頭を下げてるところを見ると、本当に普通の生徒のようだ。

 

「礼には及ばない。それより、トリニティのお嬢様がこんなところで何してたんだ?」

 

「あはは、実は探し物がありまして…」

 

カバンをごそごそとあさり、一つのぬいぐるみを取り出した。

 

「これです!ペロロ様とアイス屋さんのコラボ商品なんです。限定生産で100体しかない限定品なんですよ」

 

取り出されたそれは白い体に飛び出るような大きな目玉、こじんまりとした羽とアヒルの脚のようなものが生えている。

何やら鳥ともカバとも言えない珍妙なものであった。

その生き物がチョコミントのアイスクリームを口に突っ込まれている。

(…俺がいたところはあまり動物がいなかったからな、俺の知らない生物なのか?これが人気なのか?)

 

突然、ノノミがはしゃぎだした。

 

「わあ☆モモフレンズですね。私も大好きです!ペロロちゃんかわいいですよねぇ!私はミスター・ニコライが好きなんです」

 

「わかります!ニコライさんも哲学的なところがかっこよくて。最近出たニコライさんの本も……」

 

二人の世界に入り込まれ、俺達は置いてけぼりになってしまった。

 

「…ホシノ先輩」

 

「ん?」

 

「あれが最近の流行なのか?」

 

「おじさんにはよくわからないなぁ…ところでイツキちゃん、その銃いつの間に買ったの。おじさんは見たことないんだけど」

 

「……もとから持ってたぞ、使う機会がなかっただけだ」

 

(疑われているな。レイヴンであることは最悪ばれてもいいが…とにかく怪しい動きはできないな)

 

賑わっている二人の間に入り込み強引に話を進めようと、ヒフミの肩を組むように腕を回し、こちらに引き寄せた。

 

「ところでヒフミはブラックマーケット(ここ)にはよく来るのか?」

 

「え!いや、頻繁には来ませんよ。事前調査はしっかりしましたけど…」

 

「ここには詳しいんだな。俺たちは探し物があってここまで来てるんだ手伝ってくれないか?」

 

「え?えぇ??」

 

困惑するヒフミの返答を待たずみんなに確認を取る。

 

「案内してくれるだけでいいんだ、みんなもそれでいいか?」

 

「わぁ☆いいアイデアですね」

 

「ん、異論はない」

 

”ヒフミがいいならそれでいいんじゃないかな”

 

「そんな強引に話進めないでよ!もちろん、ヒフミさんがいいって言ってくれるならうれしいけど…」

 

状況があまり呑み込めていない様子だったが、承諾してくれた。

 

「私なんかでよければ。皆さんには助けてもらいましたし、喜んで引き受けさせてもらいます!」

 

(多少強引でもなんとかなったな。本当は俺が案内をするつもりだったが、ブラックマーケットに詳しいなんて『自分は裏があります』と言うようなものだからな)

 

「案内人も見つかったことだし。探し物にレッツゴー」

 

ホシノ先輩がそういうとともに皆は拳を振りあげた「「「「レッツゴー!」」」」




今回は本筋からの改変は特になしですね。
ヒフミチャンカワイイヤッター!

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