ARMORED CORE6:Re.life in Kivotos 作:トリミングチキン
AP:ACの耐久値。
EN:ACのブーストに使用するエネルギー。
スタッガー:体勢を崩した状態。
直撃補正:スタッガー状態の敵に対する攻撃への補正。
PA干渉:PA(パルスアーマー)とパルスシールドへの攻撃能力の高さ。
AA(アサルトアーマー):球状に広がる衝撃波。近距離で受ければスタッガーしてしまう。
AB(アサルトブースト):ACが大量のENを消費して高速で突進する機能。長距離での移動に適している。
QB(クイックブースト):地用空中問わず、前後左右に一定距離ダッシュできる。回避や間合いの調整に適している。
「ここに来るのも随分久しぶりな気がする」
『実際は前来た時から1週間も経ってないがな』
車の整備をしているチャティを横目に、椅子に座り込みながらスマホと電卓を弄る。
「……この機体構成だと、訛っている今の俺では鯉龍のリペアキット3つは削り切れないか」
「チャティはどう思う?」
『……一撃で削り切るしかないだろう』
「だよなぁ。だが、いかんせん金がない。チェーンソーかパイルバンカーがあればいいんだがな」
『リペアキットはかなり特殊な技術だ。キヴォトスで再現するのは不可能に近い。一つもない可能性の方が高いだろう。もう少しAPに金をかけてもいいんじゃないか?』
「だが、外の世界から持ち込んできた可能性はある」
「チャティ、計算を確認してくれ」
チャティにACの構成がメモされたスマホを渡し、赤いカードを取り出す。
『…計算はあっているが、前金よりも総額が高くなってないるぞ?』
「臨時収入も含めればギリギリ足りる」
『オレは、そこまでして受けなければならない依頼とは思えない』
「馬鹿なことをいうな。今までとは比べ物にならない報酬。それに俺を追っている奴の始末もできる」
『だが、私情も込みなんだろ?』
ほんの少し口をつぐんでから答えた。
「……かもしれないな」
チャティから差し出されたスマホを回収し、赤いカードを持ちながら思い浮かべる。
次の瞬間、宙に見慣れたパーツと装備を携えた鉄の巨人が生成される。
それは爆風と重々しい音を響かせながら、工場の床へ着地する。
「……久しいな」
鋼鉄に覆われた冷たい脚部へ手を触れる。
「頭部と両腕はBASHOW。コアと両脚はメランダー。耐弾防御、耐爆防御を高めつつ軽量なフレームにした」
「左腕は低負荷だが、PA干渉と直撃補正の高い
「右肩に支援攻撃用の
「内装もブースト速度300以上。EN供給効率4000程度は出せるように調整した」
作り上げたそのACが携えたヘッドライトは夕日の様な光を放ちながらこちらを見つめていた。
『鯉龍を相手にするためだけの機体ということか』
「そういうことだ」
脚から這い上がっていき、コアの扉をこじ開ける。
そこからコックピットに乗り込み、座席に備え付けられている端子を引き抜き、脊椎に差し込む。
神経が接続され、俺の感覚がACに溶け込む。
ACのメイン電源を点け、操縦桿を握り込む。
落ち着く、揺り籠の中にいる赤子のような気分だ。
同時に、久方ぶりの闘争に生唾を飲み込んだ。
キヴォトスに来て初めての、AC同士の闘いだからだろうか。
「チャティ!そろそろ出るぞ!」
力いっぱい叫んだが、チャティが動く気配がない。
冷静に考えればコックピットから声が届くわけがなかった。
外部マイクに切り替え、再び声を張る。
「チャティ!大型車両用のシャッターを開けてくれ!」
『了解した』
ACから見れば少し小さいが、何とか通り抜けられるサイズの扉だ。
そこから砂漠へ機体を降ろす。
日の光が鉄の肉体を照らしている。
そろそろ、指定された座標に向かう時間だ。
『先生からの連絡はそのまま伝えよう』
「助かる」
『久しぶりの作戦。楽しんでくると良い』
機体との接続を通じて視界にACの情報が映し出される。
頭の内から発される聞きなれた音声が耳に馴染む。
『メインシステム』
『戦闘モード起動』
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同じ頃。
対策委員会と先生の4人は砂漠の中を駆けていた。
アヤネから通信が入る。
『ホシノ先輩の位置を確認。あのバンカーの下です!』
「ん、もう一息!」
シロコはさらに強く地面を蹴りつける。
”みんな止まって!”
宙から、3mを超える巨大な兵器が落下してくる。
砂嵐を巻き上げながら彼女らの前にが立ちふさがった。
その兵器には、カイザーPMC理事が搭乗している。
「……貴様たちが本当に目障りだった。あれほど策を講じても折れずに引っ付き虫のようにしつこく粘ってきた」
PMC理事の裏からオートマタ、戦車、ヘリ、残存している全ての戦力が姿を現す。
「だが、それも今日で終わりだ」
そう言って、その男は携帯を取り出し、通話を繋ぐ。
「…こちらは正真正銘の奥の手だったが、仕方ない。最後のもう一押しだ」
「おい、お前の所望していたカラスを呼んでやる。今すぐ来い」
何かが風を切る音が響き渡る。
続いて響くジェット音に、彼女は聞き覚えがあった。
上空には、2日前に見たロボットが浮いていた。
先生は耳元の通信機へ触れ、小さく呟いた。
”レイヴン。仕事の時間だよ”
瞬間。
似たようなジェット音が彼女らの耳に届いた。
宙にいた鯉龍が、突如として横から蹴り飛ばされる。
そしてそこには、また別のロボットが佇んでいた。
「了解した」
砂漠へ降り立ち、スキャナーを起動させる。
反応からして、足元には対策委員会の3人と先生。
左手100mほど先には、こちらと相対するよう構えている軍団はカイザーの私兵だろう。
そちらに向けて右腕を向ける。
パルスガンから高周波パルスを放つ。
兵器類が次々と爆発し、オートマタも焼け倒れていく。
残った3m程のロボットには接近して蹴りを叩き込む。
動くものがなくなったのを確認したのち、外部マイクに接続する。
「さっさと行け、すぐにあれは戻ってくる。時間が惜しいはずだ」
『”みんな、急ぐよ!”』
機体越しに先生の声が聞こえてくる。
その声に従い、生徒たちはこの機体を避けて駆けて行った。
「……これでお前も自由に戦えるだろ」
砂嵐の奥から角ばったフレームが姿を現す。
そいつは飛び上がり、四脚特有のホバリングで滑るように移動しながら、銃口をこちらに向けた。
「余裕がないからな。速攻で行かせてもらうぞ」
ブースターから炎を吹かし、ジェネレーターをフル稼働させる。
地面から飛び上がり、ABで一直線に突撃する。
奴のミサイルが分裂しながら迫ってくる。
すれ違うようにQBで横に避けながらも機体の速度は増していく。
鯉龍との距離は200mを切る。
左肩からタレットを1つ、2つ、3つと順番に発射する。
その場に滞空したタレットは鯉龍に狙いを定め、レーザーを放ち続ける。
鯉龍はパルスシールドを張り、レーザーを防ぎながら俺にマシンガンをばら撒いてくる。
「そんな豆鉄砲では止まると思ってるのか!」
ABの勢いを乗せ、蹴りをたたき込む。
ENの回復のために地面に降りた。
下がり続ける鯉龍まで、QBでパルスガンの射程距離まで距離を詰める。
本来は碌に制御が効かない代物。だが近距離ならばシールドに対して無類の強さを誇る。
引き金を引く。
すぐさま奴のシールドにヒビが入り、鯉龍は盾を引っ込ませる。
その隙に、QBで近寄って蹴りを叩き入れる。
吹き飛んだ鯉龍へ追撃を加えるように、右肩のレーザーキャノンを差し込む。
奴は咄嗟にシールドを展開した。
「短期間での連続使用に、この攻防。もうパルスシールドは限界だろ」
左腕のブレードを起動させながら突っ込み、振り下ろす。
ダアァァァン!
瞬間、視界が薄緑の衝撃波に覆われ、機体の体勢が崩れる。
「……俺が、それの対策をしてないとでも!?」
自分のスタッガーを掻き消し、むしろ相手をスタッガーにさせる一手がある。
「目には目を、歯には歯をってやつだ」
追撃が来る寸前。
PAを発動させ、鯉龍は一気に体勢を崩す。
再びブレードを起動させる
パルス粒子が噴き出す腕を、左上から一気に振り下ろす。
さらに右上からもう一振り。
それと同時に鯉龍のスタッガーが終わり、奴の身体が薄緑の光に包まれる。
リペアキットを使用した際に出る発光現象だ。
「やはり、備えていたか」
それでも、奴のAPは残り半分にも満たない。
シールドを張りながら、堪らずQBを連続して吹かし、後方に下がりだした。
間髪入れずに追いつき、パルスガンを連射する。
シールドが弾け飛び、タレットのレーザーとパルスガンをもろに受ける。
再び完全に体勢を崩した。
ブレードを使い、2連撃を叩き込む。
奴が衝撃で怯んでる隙にオープン回線に繋げる。
鯉龍はすぐさま飛び上がり、QBを吹かす。
リペアキットを使おうとしたのだろう。一瞬、動きが緩んだ。
「…レッドガンの流儀を覚えているか?」
長時間のホバリングとQB、鯉龍のEN容量の許容範囲は既に超えている。
ブースターの炎の勢いが一気に弱まり、ゆるりと地面に落ちはじめる。
それにより、鯉龍はリペアキットの発動が少し遅れる。
落下地点に合わせ、溜めによりブレードの出力を最大まで高める。
「泣きを入れたら、もう一発だ!!」
先程よりも濃密なパルスの奔流で奴のコアを切り下ろした。
鯉龍の機体に電光が走る。
炎が噴き出し、コアから何かが飛び出した。
直後、機体は木端微塵に吹き飛んだ。
「ふぅー……」
深く息を吐いた。
血流は異様に速く、心臓はうるさいほどに高鳴っている。
だが、苦しさは無い。
むしろ充足感で満ち溢れていた。
足りなかったものが、ようやく満たされた気分だ。
天を見上げながら独り言を呟く。
「ウォルター、俺に普通の人生はできそうにない」
「俺は闘いが好きなんだろう。そうでなければ、これほど満たされているのに説明がつかない」
「あなたの願いをかなえてやれなくて申し訳ない」
「だが、
「あなたからもらった人生だ。俺のやりたいように、最後まできっちり生きさせてもらうさ」
今更、届かない戯言を口から垂らす。
それでも、ほんの少し前に進めた気がした。
ようやく、俺がどういう人間か分かった気がする。
飛んで行った何かの方向へACを歩かせる。
砂漠に半分ほど埋まっていたが、目立つ色だったため、すぐに見つけることができた。
それは黒い箱のような見た目をしている。
「ACのコックピットか。脱出レバーが間に合ったようだな」
思えば俺は使ったことがない気がする。
コックピットを開き、ACから降りる。
ACはカードで売却する。
弾薬費と修理費でだいぶ持っていかれるだろうが、それでもある程度は残るだろう。
よく見ればまだ電源がついてる。
順当に考えれば、パイロットは生きているはずだ。
コクピットをこじ開け、中に顔を突っ込む。
ーー額に拳銃が押し当てられた。
銃口を向けている男の顔には、見覚えがあった。
「……なんとなくそんな気はしていたさ、ルビコン以来だな」
誤字報告ありがとうございました。
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両方とも履修済み
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AC6は履修済み、ブルアカは未履修
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ブルアカは履修済み、AC6は未履修
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どちらも未履修
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片方または両方を途中まで