ARMORED CORE6:Re.life in Kivotos   作:トリミングチキン

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ACの武装はなんていったら伝わるかわかんねぇや。


風紀委員会のシオン

朝の陽ざしが閉じた瞼を透かし、俺は目を覚ました。

 

ベットから立ち上がり、蛇口からコップに水を注いぐ。

テーブルの食パンを口に放り込み、水で一気に流し込む。

正直まともな食事とは言い難い。囚人か何かだと思われてるかのようだ。

 

(マシな食材があれば自分で作れたんだがな…)

 

机に置いてあった置手紙によると、今日は仕事を教わるようだ。

 

「それなら前線に出ない武器の方が良いかな」

 

ベイラム製のリニアライフルHARRIS(ハリス)を生成した。

取り回しと連射性は優れているとは言えないが、射程威力共に申し分ない。

仕事を見て学ぶなら最適だろう。

 

制服に着替えてハリスを手に、ゲヘナ校舎の駐車場まで向かった。

銃を弄りながら待つ。予定の時間になると同時に校舎からヒナが出てきた。

 

「待った?」

 

「いや、もう少し遅くても良かったくらいだ」

 

「早速で悪いけど、仕事の時間よ。着いてきて」

 

ヒナが正門方向へ歩き出し、俺も後を追う。

 

「それで仕事の内容は?」

 

ドカアァァァン

 

突然、爆発音が耳に飛び込んできた。視界の奥方には煙が昇っている。

 

「当然、問題児達の拘束。行くよ」

 

ヒナが爆発した地点まで駆けだす。

俺もハリスを構えながら地面を蹴る。

 

向かった先では火炎放射器を振り回している赤髪の生徒を先頭に、大量の生徒が爆弾とハンマーで地面を削っていた。

 

ヒナは通信機を取り出し、どこかに繋げた。

 

「アコ、こっちにいるのはメグだけでカスミの姿はないみたい」

 

メグとは火炎放射器を持っている赤髪の生徒の事だろう。

だがもう一人は見当がつかない。ヒナに問いかける。

 

「カスミというのは、あいつらの指揮官か?」

 

「えぇ、彼女ら温泉開発部の部長。戦闘能力は皆無だけれど、頭が回るし弁が立つから、もし会っても相手にせず直ぐに倒した方が良い」

 

すると赤髪の少女がこちらに気が付いたようだ。

スマホでどこかに連絡を入れている。

 

「気付かれたな、どうする?」

 

「私が前線に出るから撃ち漏らした生徒をここから狙撃して」

 

ヒナが前線に飛び出し、軽々と機関銃を構えて振り回した。

その機関銃からは滝のように弾丸が噴き出ている。

 

被弾した生徒は一撃で吹き飛び、放たれた弾丸はアスファルトを砕き、コンクリートに深い穴を穿っていく。

 

ヒナの指示とは裏腹に、彼女の弾幕を避けたり耐え抜いた奴は雀の涙ほどしかいない。

 

温泉開発部は早々にヒナの射撃で散り散りになった。

 

逃走を図った者、遮蔽に隠れている者、仲間を庇おうとする者。

ヒナの射線から外れた生徒たちの脳天を寸分の狂い無く撃ち抜いていく。

 

そんな単純な作業を繰り返して、数分後。

瓦礫の上には数えきれないほどの温泉開発部が倒れ込んでいた。

 

(火力も殲滅力も異常すぎる。もはや、戦略兵器の域だ。これがゲヘナの武力の大半を担っている者の実力ということか…)

 

積もっている瓦礫と生徒たちの上でヒナが無線で連絡を受けている。

彼女の手招きに応じ、ハリスを手に近寄る。

 

「現在、温泉開発部が3箇所で活動してるみたい。一か所は私、二つ目はイオリと他の風紀委員が何とかする」

 

「三つ目の足止めを任せたいの。こちらが片付き次第向かうからそれまで耐えて。詳細はアコから聞いて」

 

そう言うとヒナは俺に通信機を投げ渡す。

 

するとヒナは黒い羽翼を俺の視界が覆われるほど広げた。

 

次の瞬間、すさまじい風圧を放ちながら宙に飛び上がり、一直線に飛び去って行く。

 

(……あの羽、飾りじゃなかったのか。誰でもできるわけではなさそうだが、恐ろしいな)

 

通信機を耳に取り付けると以前の行政官の声が聞こえてきた。

 

『イツキさん、聞こえますか?』

 

「あぁ、聞こえている。」

 

『そこから南西に1kmの地点で温泉開発部が暴れています。増援は出せませんので一人で対処してください』

 

ブツッ

 

最低限の情報は伝えたからだろう。突然、無線が切断された。

 

(ヒナが必要以上に目にかけてくれているからな。多少の不信感を抱かれるのは仕方ないか……)

 

助走をつけて走り出し、勢いのまま地面を蹴り飛ばし、建物の屋上まで跳躍する。

勢いを乗せたまま、次々と屋上に飛び移りながら走っていき、目的地まで一直線に向かう。

 

 

走り出して2分ほどで目的の集団が見えてきた。

ハンマーや爆弾で地面を掘削している。

 

「これ以上の破壊行為は許可されていない!全員今すぐ活動を止め!!大人しくしろ!!」

 

奴らに向かって叫ぶ。

その瞬間、火のついたダイナマイトが視界の真正面まで飛んできた。

 

ドカァン

 

爆風で体勢を崩し、屋上に倒れ込んだ。

 

「よっしゃー!」

 

「良し!今のうちに掘って掘って掘りまくろー!!」

 

「でもなんでたった一人でここまで来たんだろう?平の風紀委員だろうに……」

 

温泉開発部の歓声と勢いを増した掘削音が耳を刺激する。

顔の汚れを払い、立ち上がる。

 

「平和的に呼びかけから入ったというのに、随分な挨拶だ……」

 

ハリスに10発入っている弾倉をはめ込む。

被害の規模を考慮し、爆弾を持っている奴らを最優先に、残弾を一発ずつ残さず撃ち込む。

 

「まだ意識あるじゃないか!」

 

「爆風をモロに受けたはずなのに!?」

 

温泉開発部達は慌てながらこちらに向けて銃を構えた。

ハリスを捨て置く。

瞬間、屋上から飛び降り、懐のコキュレットを取り出し、地面をハンマーで砕いていた三人にぶっ放す。

 

「借りるぞ」

 

そこまで駆け出し、落ちているハンマーを拾い上げ、正面にいた相手の頭部に振り落とす。

勢いを殺さずにハンマーを投げ飛ばし、遠方にいた狙撃手の銃身をへし折る。

 

コキュレットを再度構え、目前の生徒たちに7発すべて撃ち尽くす。

 

「…恨みはないが、仕事なんでな。ここで果ててもらおう」

 

彼女らはむしろ闘志を燃やしているようだ。

数多の銃口が一斉にこちらに向いた。

 

もう一丁コキュレットを取り出し、弾丸を込める。

地面を強く蹴り、押し寄せる弾丸を近くの廃車へ滑り込み、回避する。

 

(同時に発砲ということは、ある程度はリロードのタイミングも重なるはず…)

 

案の定、一瞬だが弾幕が随分薄くなった。

車の裏から飛び出し、さらに1発2発と弾丸を側頭部に撃ち込む。

 

それから3分後。

戦場に背中を向けて逃げ出した奴の後頭部を撃ち抜いた。

 

負傷者と瓦礫の山の上に腰を下ろし、大きく息を吐き出す。

ぼんやりと空を眺めていると、黒い点が恐ろしい速度でこちらに向かっている。

 

それが俺の目前に落ちる寸前、翼が大きく広がり、いかれた突風が生じた。

 

「……なんだ、ヒナか」

 

白い髪を整えながらこちらに歩いてきた。

あんな速度で飛んでいたというのにも、一切息が乱れていない。

 

「…ここにいた温泉開発部は?」

 

「地面に倒れている奴らで全員だ」

 

周囲を見渡した後、俺に手を差し伸べてきた。

 

「そう、まだ動けるわよね」

 

「当然だ」

 

ヒナの手を取って立ち上がり、首を鳴らす。

 

二人で改めてパトロールを行う。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

校舎に戻った頃にはすでに日が暮れていた。

 

「私は執務室に戻るから戻ってていいわよ。お疲れ様」

 

「あとこれ」

 

ヒナがスマホを差し出した。キヴォトスはモモトークというアプリで連絡をとるらしい。

スマホにダウンロードしてモモトークを交換した。

 

寮に戻ろうとしたが、足が前に進まなかった。

 

(……ここでやっていけるのか不安になってきたな)

 

疲れた体に鞭を撃ち、寮の部屋に向かう。

 

疲労の性だろうか、気が付けば知らない部屋にたどり着いてた。

 

周囲が暗い中、その部屋だけは電灯がついていたので中に立ち入る。

看板には食堂と書かれていた。

 

栄養が足りていない。食事をとれればいいのだが。

 

「誰かいないか?」

 

厨房からエプロン姿の少女が歩いてきた。

紫色の髪を自らの角に掛けている小柄な少女だった。

 

「あなた初めて見る顔ね。転入生?」

 

なぜか、聞き覚えのある声に思えた。

 

「そうだ。何か食べれないか?腹が減っているんだ」

 

「ごめんね。もう食材があまりないんだけど」

 

俺の身体を見渡す。

 

「あなたもしかしてお腹すいてるの?」

 

「まぁ、だが無理強いするつもりは無い。邪魔したな」

 

踵を返した俺を少女は呼び止めた。

 

「あっちょっと。少し待ってくれたら何か作るけど食べていかない」

 

「本当か!?」

 

「うん。あり合わせでよければだけど」

 

「栄養になるなら、それで十分だ」

 

「そこの椅子に座って待ってて。アレルギーはある?」

 

「特にない」

 

ゲヘナは生徒数が多いと聞いていたがこの食堂だけで回せるものなのだろうか。

それにしても彼女の声はどこか聞き覚えのある声だ。

 

席に座り銃の整備をして待つ。

 

「ジュリ!まかない作るからあの人の近くに座ってて」

 

「はいフウカ先輩」

 

厨房から出てきたピンク髪の少女が対面の席に座った。

どうやら彼女達も一緒に食べるつもりらしい。

 

「初めまして、給食部の牛牧ジュリです!」

 

「はじめまして。風紀委員の烏羽シオンだ」

 

これからは俺もここで給食を食べることもあるだろう。仲良くなって損はないはずだ。

 

握手をしようと手を差し出す。

ジュリも笑顔で握り返してくれた。

 

「今料理している子はフウカというのか?」

 

「えぇ!フウカ先輩は二年生で給食部の部長なんですよ!」

 

しばらく待っていると、フウカがワゴンに3食分入れて持ってくる。

皿を配りながら話しかけてきた。

 

「二人ともお待たせ、簡単なものでごめんね」

 

味噌汁と白米、それに野菜炒めが配膳された。

三人で両手を合わせた。

 

「「「いただきます」」」

 

箸で野菜炒めを口に入れる。

 

「……美味いな」

 

あり合わせとは思えないほどの味だ。

これだけで味覚があって良かったと思えるほど。

 

フウカはにこやかな顔を浮かべている。何かいいことでもあったのだろうか?

 

「やっぱりフウカ先輩の料理はおいしいですよね!」

 

ジュリの顔からは、笑みがこぼれ出ている。

だが、打って変わって今度は眉が垂れさがっいた。

 

「……今日の給食も文句言われちゃいましたね」

 

「この味でか?」

 

「はい、給食部は私たち二人で回してるので。ゲヘナの生徒全員の給食を作り上げるのはさすがに大変で…」

 

やはりこの人数で全員分の給食は無理があるようだ。頑張っているだろうに文句を言われるとは。

不憫に思ってしまう。

 

気づけば皿は空になっていた

 

「フウカ。死ぬほどおいしかった。ご馳走様」

 

「うん。お粗末様でした」

 

二人に礼を言い席を立った。

そのまま寮に戻り風呂に入ってからベッドに寝転がる。

 

(ヒナに給食部のことを伝えるべきか。いや、ヒナなら知っているんだろう)

 

徐々に瞼の重さが増していく。

眠気に身を任せそのまま意識を手放した。

 

随分と心地よかった。

 

働く喜びとはこういった快楽のことなのだろう。

ルビコンでは感じれなかった。普通の機能があってこそ感じられるものだ。




給食部のくだりが書いてて一番楽しかったです。

この作品に1番期待している要素は?

  • ac6らしい戦闘や残酷な描写
  • キャラクターの掛け合いや日常の描写
  • 621の内面描写
  • シリアスなストーリー
  • アクション、バトル中心のストーリー
  • ここにはない
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