ぼくらハグルマ団!02~究極の一皿~   作:madron

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04 お忍びのお嬢様?

「ひめ――!」

 

男性が言いかけて、カルセドたちを見て驚いた顔をする。

 

「子供が……こんなところに?」

 

しかし、すぐに二人は表情を引き締め、少女に駆け寄った。

 

「お嬢様、大丈夫ですか?」

 

二人のうち、女性の方が落ち着いた様子で落ちてきた少女に語りかけると、カルセドたちを一瞥する。

 

「このお方はある富豪の令嬢で、我々はその護衛だ。こんなところに子供がいるとは思わなかったが…君たちは何者だ?」

 

女は素早く少女の前に立ち、 男は一歩前に出て、剣の柄に軽く指を添えた。

 

まるで、一瞬でも危険を察知すれば即座に動けるように。

 

驚きで思考が鈍くなっていたカルセドが、口を開こうとした瞬間――

 

「俺はジルコン! こっちの女の子がロサ、そんで、このちょっとガキ大将っぽいのがカルセドってんだ。」

 

「おい、俺がガキ大将っぽいってなんだよ。」

 

「そのまんまの意味だけど?」

 

「せめてリーダーと言ってくれないか?」

 

ジルコンの咄嗟の行動につい言い返してしまい、軽口を叩き合う三人を見て、少女がくすっと小さく笑った。

 

それを見て、護衛の男女も表情を少し和らげる。

 

「……では、今度はこちらが名乗る番ね。

 

 私はエッシェ。彼はアイオライト。そして……」

 

少女は少し緊張した様子で、口を開きかけ、ためらうように言葉を飲み込む。

 

しかし、カルセドたちがじっと見つめていることに気づくと、意を決したように、弱弱しく、だがはっきりと名乗った。

 

「わ、私は……バナ…バナ・オシロイ、です……」

 

「バナお嬢様、か! よろしく!」

 

「待て! 君たちはこんなところで何をしていたんだ? お嬢様の護衛として、まずそれに答えて欲しい!」

 

「え、俺達は、その…」

 

アイライトに睨まれたジルコンは委縮して何も言えなくなり、カルセドに目線で答えるように促す。

 

ため息をつくと、カルセドは深呼吸し、正直に話しだす。

 

自分たちが近くの街に住んでいること、遺跡の調査を兼ねて探検していた事、ついでに煮込み料理の計画もしていたことも。

 

護衛達は少し眉を寄せつつも、その回答に納得はしたようだ。

 

「なるほど……しかし…ここから上に戻るのは難しそうだ。歩いて出口を目指すしかないな。」

 

そう言うとエッシェは通信機を取り出し、何者かに連絡を取った。

 

「上にいる仲間に状況を伝えた。出口を探してもらって、そこで待っていてもらう予定だ。

 

 そうだ、それと…探検をしていたというなら、お前たちは道がわかるんじゃないか?」

 

女護衛の言葉に、カルセドたちは顔を見合わせ、得意げに地図を広げた。

 

「ニヒッ♪」

 

ジルコンがいたずらっぽく笑う。

 

「ほら、この通り。問題なく外に出られるよ。」

 

カルセドが胸を張る。

 

「これは…」

 

「ふっ…頼もしいな。」

 

アイオライトは驚いて言葉もなかったが、エッシェは微笑んでそう言った。

 

 

 

 

 

6人は出口を目指して歩き出そうとした——だが、その時。

「痛っ!」

 

「お嬢様!?」

 

立ち上がろうとしたバナが、足を押さえてうずくまった。

 

「どうしました!?」

 

エッシェがすぐに駆け寄る。

 

「ごめんなさい……落ちたときに、足を……」

 

どうやらさっき、鞄の上か地面に落ちた時、落下の衝撃で足をくじいていたようだ。

 

「歩けるか?」

 

アイオライトが尋ねるが、バナは不安げに首を振った。すると、エッシェが迷わず彼女を背負う。

 

「無理せず、このまま進みましょう。」

 

「はい…あ、ごめんなさい!」

 

そこでバナは自分が話の流れを止めてしまったと気づき、頭を下げるがジルコンがそれを止める。

 

「いや、気にしなくていいって! それよりもほら、早く行こうぜ!」

 

「…はい。それでは、改めてよろしくお願いしますね。」

 

バナは、一瞬ジルコンを見つめ、それからふっと肩の力を抜いた。

 

そして、少し安心したように微笑んだ。

 

こうして6人は遺跡の出口を目指し、再び歩き出した。

 

 

 

 

 

遺跡を出るために進む一行。

 

エッシェたちもライトを持っていた為、入ってきた時よりも広く遺跡内を見渡すことが出来るようになった。

 

そんな中、地図を頼りに行動するカルセドたちの姿に感心した様子で、エッシェが口を開いた。

 

「君たち、ただの子供じゃないな。地図を作りながら進むなんて、冒険者顔負けじゃないか」

 

「へへっ、まぁね。」

 

ジルコンは得意げに胸を張り、前作の冒険で悪の組織と戦ったことを話そうとする。

 

「実はな、俺たちこの遺跡でとんでもない連中を相手にしたんだ! ってあーっ!」

 

「どうしたんだ、ジルコン…」

 

「あれ、ロサの爆竹じゃないか? ほら、そこの黒焦げの…」

 

ジルコンが走り、小さな黒焦げの紙のようなものを持って戻ってくる。

 

彼が拾い上げた黒焦げの紙切れを、ロサがじっと見つめ…

 

「あ、本当だわ。ってことは、あの時、爆竹を投げたのはここだったのね。」

 

ロサの言葉に、カルセドが勢いよく頷いた。

 

「そうそう! あの時、俺たち、この遺跡でとんでもない連中を相手にしてたんだ!」

 

カルセドは得意げに胸を張ると、まるで英雄譚を語るように話し始めた。

 

「まず、俺たちは悪い奴らの基地に侵入したんだけど、ロサが敵の機械人形の一つを改造して味方にしたんだ!」

 

「え、そうなのですか!?」

 

「ふふん、まぁね。」

 

バナに尊敬のまなざしを向けられ、ロサが鼻を鳴らす。

 

「それで、敵に見つかった後…その人形が俺たちを逃がすために、さっきの穴を開けたんだ! ほら、塞がれてた…バナが落ちた穴だよ!」

 

「まあ! あれがそうだったのですね!」

 

バナはまたも興味深そうに聞き入る。

 

「でも、ただ逃げるだけじゃなかったんだぜ?」

 

ジルコンがニヤリと笑う。

 

「逃げながら俺がかんしゃく玉を投げて、で、その後にロサがこの爆竹を投げたんだよ!」

 

「そうそう、耳を塞いでも痛いくらいの音だったわ。」

 

「あれは…本当に凄かったよな…」

 

「なー…」

 

ロサが少し誇らしげに言うと、カルセドとジルコンはどこか暗い声で言う。

 

「この暗さの中でかんしゃく玉か…それは驚くだろうな。」

 

「確かに、少しの時間なら足止めになりそうですね…それにしても、そんな爆竹があるのか…」

 

エッシェとアイオライトも話を聞き、相槌を打つ。

 

「でもね…あの時、爆竹、手持ちの分は全部使っちゃったの。もう残ってない」

 

その言葉にジルコンが驚いた顔をする。

 

「え、全部? ロサ、いつもいくつかは予備で持ってるじゃないか」

 

「うん。予備も含めて全部使ったから。今は家に、一本だけある状態。もう、次のお小遣いもらうまで新しいのは作れないよ」

 

ロサは、はぁ、とため息をつく。

 

「火薬が入ってるおもちゃ、例えばかんしゃく玉とか、ああいうの買わないと作れないからさ……

 

 ごめん、話が逸れたね。

 

 それでその後、その機械人形には『エーメスくん』って名前をつけたんだけど——」

 

「不吉だからやめろって言ったのに、聞き入れてもらえなかったんだよな……」

 

カルセドが肩をすくめる。

 

「いいじゃない。私は気に入ってるんだから。かっこいいし!」

 

ロサが悪びれずに言う。

 

「まぁまぁ、それで俺たちは逃げた先でもう一度、悪党どもと戦って、ロサが機転を利かせて、敵の機械人形たちを止めたんだけど——」

 

「結局、追い詰められちゃったのよね。」

 

ジルコンが話を進め、ロサが淡々と続ける。

 

「でも、そこで仮面をした冒険者が助けてくれたんだ!

 

 すっごい機械鎧を使っててさ、あっという間に俺達を助けて、気が付いたら組合の冒険者たちがあいつらを捕まえてたんだ!」

 

カルセドが興奮気味に語る。あの時、助けてくれた仮面の男は、自分にとってヒーローだったから。

 

「まぁ!」

 

バナが驚いたように口元に手を添える。

 

「やっぱり、新聞に載っていたのはあなた達のことだったのですね! この遺跡での活躍、読みましたわ!」

 

「へへっ、まぁな!」

 

カルセドが得意げに胸を張る。実は彼らの活躍は、新聞で小さく取り上げられていたのだ。

 

 

 

「でも、そのせいでこっぴどく叱られたの、忘れてないよね? 私はお小遣い減らされたわ。」

 

ロサが冷静に突っ込む。

 

「そのせいで昨日まで、町の外への外出禁止だったしな!」

 

ジルコンが正直に言って、何故か胸を張った。

 

バナはくすくすと笑いながら、感心したように言った。

 

「でも、それだけのことを成し遂げたのですもの、すごいです!」

 

エッシェとアイオライトも、子供たちの武勇伝に驚きつつ、一目置いたような視線を向ける。

 

カルセドたちは改めて地図を確認し、遺跡の出口へと向かい始めた。

 

一行が歩く中、エッシェに背負われたままのバナが控えめに口を開いた。

 

「その……わたくし、あの……皆さんが羨ましいです」

 

「羨ましい?」

 

カルセドが首をかしげた。

 

「昔のわたくしは……今よりも、もっと体が弱くて、本を読むことしかできませんでした。それで……」

 

 

 

 

 

たどたどしい言葉で、バナは自分が古代の機械技術に憧れを抱いていること、そしてその理由を語り始めた。

 

幼い頃に読んだ絵本や学んだ歴史から、蒸気機関を争いの為ではなく、平和のために使おうと取り組んだ素晴らしい時代があったと知ったこと。

 

現実は絵本のようにはいかないが、もし人々が争いを忘れ、平和のための研究が進んでいれば、現代はいかに素晴らしかったかという本を読んだこと。

 

古代機械について書かれた様々な本を読んだり、古代の蒸気機関の小型模型が展示されたと聞けば、博物館まで見に行ったこと。

 

冒険者たちが冒険者組合を通じて販売している、古代技術の発見にまつわる本や、古代の『守護者』とよばれる機械との闘いを物語風に記した本を読んだこと。

 

そして先日の騒動で、人型の機械人形が動いていたと新聞で読み、その実物を見てみたいと思ったこと。

 

「でも……冒険者組合に直接お願いするのは、迷惑かと思いまして……せめて、跡地を見るだけでもと思って……」

 

ロサが興味を惹かれたように前のめりになった。

 

「古代の機械技術って、どんな本で勉強したの?」

 

「えっと……図書館の記録書庫にあったもので……最近は蒸気機関や歯車仕掛けの時計について……」

 

「じゃあ……この話は知ってる? オーパーツと言われている蒸気機関で……これが……って話なんだけど…」

 

「……はい、その話は聞いたことがあります! それでですね、古い文献にはこんな説も…」

 

話が弾み始めると少女の口調はどんどん軽やかになり、ロサと熱心に技術の話を交わし始めた。

 

エッシェとアイオライトはそれを微笑ましく見守っていたが、二人を見ていたカルセドがポンと手を打った。

 

「じゃあ、エーメスくんを見せてあげたらどうだ?」

 

そのアイデアにロサも頷く。

 

「うん……今は私の家にいるから、遺跡を出たら、見せてあげる。ほら、さっきの話にも出た、古代技術を応用した機械人形。」

 

ジルコンが口を挟む。

 

「で、料理はどうするんだよ? 今日の目的、忘れてないよな」

 

ロサは少し考え込んだ後、鞄の中を探り始めた。

 

「ふふふ…大丈夫!」

 

彼女が鞄を開くと、大きな物体がいくつか見える。

 

「古代技術を応用して作った調理器具よ。火を通すスピードの短縮が狙えるわ。

 

 …ねぇ、これで一緒に料理してみない?」

 

バナは目を輝かせて頷いた。

 

「料理はしたことはありませんが、道具を見せていただけるなら……いえ、一緒に使わせていただけると嬉しいです!」

 

 

 

 

 

 

長く薄暗い遺跡の通路を抜け、ついに一行は外へと出ることが出来た。

 

太陽の位置が頂点から少し傾き始めており、地下にいた時間の長さを思い知らされる。じんわりと肌を温める陽射しが心地よく、カルセドたちは思わず顔を上げて伸びをした。

 

すると、出口のすぐそばに一人の男が、馬車と共に立っていた。

 

「お待ちしておりました、お嬢様!」

 

遺跡で一人上に残り、エッシェから通信機で連絡を受けた男だった。バナの護衛の最後の一人であったその男に、エッシェがすぐに歩み寄る。

 

「連絡を受けてすぐに動いてくれたんだな。」

 

「ええ。この場所は冒険者組合に連絡を取ったらすぐにわかりましたし、お嬢様が落下されたと聞いて、応急処置の道具を持ってまいりました。」

 

男は手早く用意していた包帯や湿布を取り出しエッシェに手渡すと、彼女はすぐにバナの足の治療を始めた。

 

「ごめんなさい……」

 

バナは申し訳なさそうに小さく呟くと、足首をそっと押さえた。見ると、足首のあたりがわずかに腫れ始めている。

 

「ああ、少し腫れてきていますね……捻っただけならいいのですが。」

 

エッシェはすぐに湿布を取り出し、優しく足首に当てた。

 

バナは少し痛そうに顔をしかめるが、信頼しているのか、そのまま大人しくエッシェの治療を受ける。

 

 

 

一方その間に、カルセドたちは料理の準備を始めていた。

 

まずはロサが鞄から取り出した器具を手際よく組み立てる。カルセドとジルコンも手伝い、それはやがて適度な高さの台なり、『簡易型キッチン』と形容できるものになった。

 

そして。

 

「おい、鍋を出すぞ。」

 

カルセドが鞄から大きな鍋を取り出す。その鍋は、ロサが改造した特製圧力鍋だった。

 

キッチンに小型の蒸気機関と圧力鍋をセットすると、鍋の横にある小さな接続口へ器具から伸びたパイプを取り付ける。

 

「で、次は材料だな。母さんが具材を煮込む順番も大事、って言ってたからな…」

 

カルセドが呟きながら具材を取り出す一方、ジルコンは別の袋を取り出す。中には枯れ葉や枯れ枝が大量に詰め込まれていた。しかし、いくつかの枝が折れていたのを見つけ、ジルコンは首を傾げた。

 

「なんか、折れてるのがあるな?」

 

それを見たバナが、はっとして口を開いた。

 

「あ……それ……ごめんなさい! あの時、落ちたとき、ジルコンさんが投げてクッション代わりにしてくれたから、私のせいで……。」

 

「折れたのは気にしなくていいって! 燃やすんだし、長い枝は折って短くしないといけなかったし。」

 

その言葉に、ジルコンはあっけらかんと笑って枝を焚き付け用にまとめ始めた。

 

「その……」

 

バナは少し恥ずかしそうに視線を落とした後、ジルコンを見た。

 

「あの時は、本当にありがとうございました……とても助かりました。」

 

「おっ、それ言うならもっと感謝してくれてもいいんだぜ?」

 

「もー、すぐ調子に乗る!」

 

ジルコンは冗談めかして胸を張ったが、ロサに肘で小突かれた。

 

 

 

 

 

 

 

そんな中、バナは足の治療を受けながらも、圧力鍋と組みあがった器具に興味を持ち、ロサに色々と質問し始めた。

 

「これ、本当に蒸気で動くのですか?」

 

「そうよ。この鍋はね、短時間で火を通せるように熱と圧力を調整できる仕組みになってるのよ」

 

とロサが説明すると、バナが身を乗り出して興味津々に覗き込む。

 

「すごい……どんな仕組みでそんなことができるんですか?」

 

「ほら、この鍋はね、二重になってて、このパイプの中を圧縮した蒸気が鍋と鍋の間に通って、蒸気の力で内部を均一に加熱できるの。」

 

 ロサは嬉しそうに仕組みを説明する。バナも目を輝かせながら聞き入り、次第にアイデアを出し始めた。

 

「これ、もっと高火力で調理できないでしょうか? 例えば、風を送る装置を付ければ――」

 

「それなら簡単だよ!」

 

とロサは鞄から小型の風車を取り出し、即興で鍋に取り付けた。

 

「それに、そこの部分の圧力を調整できるようにすれば——」

 

「あ、それいいわね! じゃあ、ちょっと待って……!」

 

「さっきの蒸気は排出じゃなくて、こっちに行かせれば鍋を回転させられるんじゃ…そうすれば、より均一に熱が入るのでは?」

 

「それもできる! 鍋を高速で回転させて熱を均等に充てられるようにするわ!」

 

ロサはすぐさま手を動かし、手持ちの機材を使い、器具に即興で改造を加え始めた。

 

 

 

 

 

 

——その光景を見つめるカルセド、ジルコン、エッシェ、アイオライトの四人。

 

「……嫌な予感しかしない。」

 

カルセドがぼそっと呟き、ジルコンもうんうんと頷く。

 

「おい、止めたほうがいいんじゃないか?」

 

アイオライトが渋い顔をするが、エッシェは腕を組んで首を横に振った。

 

「別に危険でもないだろうし、やろうとしているんだから、止めずに見守るべき……だと、思う…」

 

「……ほんとかよ。」

 

「あんなに生き生きとしてるお嬢様を見ると、やめろなんて言えないだろう」

 

しかし、ロサとバナがノリノリで改造を続ける様子を見て、やはり嫌な予感を拭えないカルセドとジルコンだった。

 

「いや…危険だろ」

 

「ジルコンもそう思うか…よし。

 

おい、ロサ! やりすぎじゃないか?」

 

「え~? 大丈夫大丈夫~。」

 

カルセドが声を上げるが、ロサは調理器具の改造に夢中で耳を貸さない。

 

カルセドは小声でエッシェとアイオライトに言った。

 

「調理を開始したら、すぐにでも走り出せる準備しといてください。何かあったらロサとバナを掴んででも逃がさなきゃならない」

 

不安を感じながらも、カルセドたちは調理の為にロサたちに近づいていった。

 

 

 

 

 

鍋に水を入れ、火をつけ、カルセドの指示でフラーグムから聞いた通りの順番で具材を入れ、蒸気機関の出力を少しずつ上げながら慎重に鍋を温める。

 

…鍋は順調に温まり、ロサとバナの考えた通り、鍋の過熱は通常よりもずっと早く進み、途中途中で鍋の回転を止め、具材を追加する。

 

慣れてきたのか、器具を操るロサの手つきが軽快なものになって行く。

 

 

出力を上げる手つきも、軽快なものになって行く。

 

 

 

 

 

…やがて調理が最終段階に入ったころ、鍋から奇妙な音がし始めた。鍋全体が小刻みに震え、蒸気の音がヒュゥゥゥと不気味に響く。

 

ジルコンが青ざめた顔でゴクリと唾を飲み、カルセドを見る。

 

カルセドもまたジルコンを見て、コクリと頷く。

 

やがて、ゴゴゴ……という振動音が地面に響き、鍋全体が…いや、鍋だけでなく、簡易キッチンも不気味に揺れ始めた。

 

「ロサ様、これって――」

 

バナがロサの方を向くと、引きつった表情のロサが居た。

 

「ヤバイ…」

 

ロサが呟いた瞬間、カルセドは大声で叫んだ。

 

「全員、逃げろー!」

 

カルセドがロサの腕を引っ張り、アイオライトは慌てて駆け出しバナを抱え上げると、カルセド同様、キッチンから離れるように走り出す。

 

次の瞬間――

 

ドカァン!

 

大きな音と共に特製調理器具が爆発し、辺りに蒸気と食材が飛び散った。

 

 




※ この作品は、アークライト様のアナログゲーム「のびのびTRPG スチームパンク」の二次創作です。
イベントや世界観の発想など、「のびのびTRPG スチームパンク」の二次創作であることには間違いありません。

また、この作品はChatGPTを用いて文章を書き、修正・加筆を手作業で行っています。

ゲーム名:のびのびTRPG
ゲームデザイン:今野隼史
発売元:株式会社アークライト
© 2021 FRONTIERPUB / Arclight, inc.
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