連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの七海建人と申します。 作:馬鹿め!そっちは本体だ!
関係ない話ですが、ペットは飼い主に似るらしいですね。
七海建人がキヴォトスに先生として就任してから早1週間。
最初のうちは形式の違いやそもそも膨大だった量に苦戦していた七海も、社会人時代のブランクを取り戻すと同時に舌を巻く勢いで日々仕事をこなしていた。
「ふう……」
「アロナさん、お疲れのようでしたら休んでいただいて結構です。ここ数日はあなたを働かせてしまってますから。」
「いえ!確かにちょっぴりハードですけど、それも含めて先生の秘書である私の仕事ですから!」
「それでも私と同じ時間働く必要は無いと思いますが……」
比較的重要度の高い書類にペンを走らせる七海に、スタンドに立てかけられたシッテムの箱の中でデータ化された書類を仕分けていたアロナはため息を振り払いながら返答した。
七海はリンたち以上に幼い印象を与えるアロナに仕事をさせること自体、あまりよく思っていないようだった。
「むしろ先生は私に仕事を任せなさすぎなんです!」
「これでも結構あなたに任せるようになったつもりなんですが……」
「初めてお会いした時より私の体のバージョンは上がりましたから、書類仕事くらいは先生と同じかそれ以上にこなせるんですよ!」
「最初の頃は先生だけで全部やって遅くまで働きづめだったじゃないですか!リンさんだって先生のこと心配していたんですからね!」
「それは確かに助かっていますが……」
「責任感が強くてそのうえ大人であることを意識してお仕事をされている先生は確かに立派で素晴らしいですけど、それ以上に先生は人や生徒に頼ることを……!」アロアロアロアロアロアロアロ……
最初にシッテムの箱の中で出会った頃よりも遥かに流暢に話すようになったアロナは、放っておいたら連邦生徒会とリンの仕事まで余計に手をかけ始める七海に釘を刺すように自らの責務を果たす意志を示した。
書類をあるだけ終わらせようと遅くまでシャーレの明かりを灯し、日付が変わるか変わらないかのところで帰宅して時にはシャワーも浴びずに泥のように眠る七海を見かねていたアロナは、連邦生徒会のネットワークにアクセスして書類に関する情報を集められるだけ集めた後、七海に自分も業務に参加させるよう強く主張した。
最初の内はアロナに仕事をさせることに強い忌避感を覚えていた七海は、労働条件などに関する話で何とか思いとどまらせようと言葉を尽くしていたが、本や酒も楽しめずに仕事で疲れ果てる姿を見たくないと溢れんばかりの涙を蓄えたアロナを見たことで完全に折れたようだった。
そしてアロナの要望通り、簡単な雑務の書類や機密性の高くない書類は全てデジタルで送信するよう連邦生徒会に依頼し、アロナも七海と同じように業務に参加し始めた時から仕事の効率はかなり上がっていた。
最初に溜まっていた書類の山は早いうちに消え去り、今ではその日の内の分を処理するだけで事足りるようになってからは、シャーレでの業務自体遅くとも定時以前に終わるようになっていた。
給料に関しても、七海はだいぶ譲ろうとしなかったが一先ずは七海手作りのお菓子やスイーツ、いちごミルクなどによって支給するとこまでアロナは持って行ったようだった。
「まあどの道もう仕事は終わりかけていますからお茶にしましょう。」
「先生!お話はまだ終わっていませ「クッキーも焼ける時間ですし」私ミルクティーがいいです!」
アロアロと先生にお説教をしていたアロナだったが、七海の焼いたクッキーにはまだ勝てないようだった。
七海はそれを見て穏やかな気持ちになりながらケトルを火にかけてミトンに手を通した。
Q: なんで時間外労働がきらいなのに残業めっちゃしてるの?
A: 嫌いだけど仕事は責任を持ってやらないといけないから。溜まっている分は早くに終わらせたかった気持ちもある。
ナナミンのアロナはシゴデキです。誰に似たのやら。いつまた死ぬか分からんナナミンのせいです。あーあ。
リンちゃんはナナミンの時間外労働のおかげで大分余裕ができましたが、余裕ができたせいでナナミンのことがめちゃくちゃ心配になりました。ずっとリンちゃんのことを心配して話も愚痴も聞いてくれて理解も共感もしてくれるナナミンを心強く思っています。私には書けませんでしたが。