連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの七海建人と申します。 作:馬鹿め!そっちは本体だ!
ワカモはうるさいくらいが丁度いいし、うるさいときが一番かわいい。
アコはうるさい上に面倒くさいが、うるさいときが一番かわいい。
【結論】
エッチなのはダメ!
領域展開 誅伏賜死
”
ガベル喪失事務所(日車の裏声 CV未定)
私が先生としての業務を何度か終えたある日の夜。
シャーレはまだまだ活動段階前ではあるが、それでも仕事ができるだけの基盤は整いつつある。
アロナさんの助けが無ければこうも上手くは行かなかっただろう。
おかげで私にも余裕ができ、明日に休みが取れるほどに事は早く進んだ。
独りで暮らしていた時より多めに夕食を作って2人で食べた後、シャワーを終えて部屋着に着替えた私が椅子と本をバルコニーに持ち込んだ後の話だった。
■
「まだ捜索中なのは知っていましたが……再び
「流石です。やはりお気づきでしたか。」
忘れもしないシャーレ奪還の日。七海以外は知る由も無いが、取り巻きの不良たちを退けて切り札と思われる巡航戦車を撃破するだけではまだ終わっていなかった。
単独でシャーレに侵入したであろう主犯格を追いつめたまでは良かったが、そこからは戦闘に入ることなく一目散に逃げられてしまったことは未だに忘れられていない。
狐坂ワカモ。七囚人に数えられた”災厄の狐”の異名を持つ、停学中の生徒。
「武器も持たずに私に何の用です。」
「そう警戒なさらずとも戦いに来たわけではありませんから。」
颯爽とバルコニーに足を付けると、ワカモは狐の面を外して、ほんのりと赤が入ったその素顔を月明かりの前に晒してみせた。
「こうでもしないと
うやうやしく腰を90度に曲げたその手にあったケースの中には、七海が
「修復に時間がかかってしまいまして……このワカモ、罪滅ぼしにはなるとは毛頭思っておりませんが、こうしてあなた様の前にお返しに参った次第でございます。」
未だ外で腰を折り続けるワカモに居た堪れなくなったのか、七海は軽く息を吐くとワカモの傍へ歩み寄り、久方ぶりに自分の眼鏡を手に取った。
「……ここでは何ですから、とりあえず入ってください。」
「///!?!?!?///めめめ滅相もございません!!!///」ブンブンブン!
「色々と聞きたいこともありますし、外で話すのもアレなだけですよ。」
中に入るようにと促されたワカモは、茹だって真っ赤になりながら両手を含めて尻尾や耳まで大きく振り回した。ワカモの頭の中では意中の相手の厚意を無下にするわけにはいかないという思いと、庭先までならまだしも意中の相手の家に行くのはまだ無理~!という乙女心がせめぎ合っておりショート寸前だった。そんな内心を知る由もない七海は、入口にスリッパを置くと足早にキッチンへと向かって行った。
「スゥーーーーーッ……お、お邪魔いたします……///」
七海の姿が見えなくなって漸くワカモは深呼吸をして腹を括ると、服の埃を払って差し足で慎重にスリッパへと足を通した。
■
「わ、私などがあなた様の手料理まで頂くだなんてとても……!」
「夕食がまだなのでしょう。明日は私も休みなのでゆっくり食べてください。」
「(なぜ……なぜこのようなことにィ~~~~ッッ///!?!?)」
畏れ多くもあなた様の聖域に上がらせていただいたワカモが最初に感じたのは、久方ぶりの美味しそうな匂いでした。
確かにここしばらくは身を潜めたり他にも色々とやることがあったりして手の込んだお料理にはありつけていませんでしたが……あまりの良い香りに、あろうことか私のお腹の虫は、
もう、恥ずかしくて恥ずかしくて死んでしまいそうでしたが、あのお方はそんな私を蔑むことなく、なんと
話を聞いていただけるだけでなく、お部屋にまで上がらせていただいて食事までご用意してくださるというご厚意の限りに、ワカモの
「……遠慮はいりませんよ。」
「あッ!?も、申し訳ございません!いただきます!」
ぐるぐるになっていたワカモの頭の中は、先生の一声で霧散し、美味な湯気を立てるカレーライスへと意識を向けることができました。
「……!」パアアッ
スプーンで一口、ご飯とルウを口に運ぶと何とも懐かしいような香りと優しい味が口の中全体に広まり、感激のあまり涙さえ出そうでした。何より……目の前のお方が作って、私のためにご用意してくださったこの一皿……!
はしたなくもスプーンを運ぶ手は止まらず、気がついたら多く盛られていたはずのカレーはいつの間にか全て私のお腹の中でした。
「ご、ごちそうさまでした……///」
「相当お腹が減っていたのですね。おかわりは……」
「め、滅相も……!」ぐう「あうう……///」
「ふふ。構いませんよ、どのくらい食べます?」
このワカモ、あなた様のその微笑みだけでもお腹いっぱいでございますぅ……
恥ずかしくも、ワカモはそれでももう一度、おかわりをしてしまいました……///
■
「あ、ありがとうございます。ご馳走になりました……///」
「お口にあったようで何よりです。」
流石に食事を貰った上、皿まで洗わせるのは気が引けたのか、ワカモは食器を洗った後で改めて七海とテーブル上で向き合った。
「コレは半ば諦めてたんですが……直して持って来てくれていたとは思いませんでした。ありがとうございます。」
「そそそそんなッ!?元はと言えば私が壊してしまったので……直らなかったらどうしようかと思うばかりでして……」
頭を下げて感謝の意を述べる七海にワカモはまたもやタジタジであった。その後すぐに耳を目元まで落ち込ませて下を向いてしまったが。
「心配せずとも連邦生徒会に突き出したりしませんよ。」
「と、とんでもございません!私は元よりその覚悟で……!」
「わざわざ危険を冒してここまで持ってきてくれたんです。それに……」
「あなたが行方を眩ませてから騒動が起きていないどころか、各地で起きていた暴動が軒並み収まっていたと聞きます。」
「恐らくあなたが色々とやってくれていたのでしょう?」
「そ、それはッ……!」
「あなたの動向を追っていただけでしたが、私はそう結論付けました」
ワカモは七海の追求に今度こそ真の意味で驚いた。
せめてもの罪滅ぼし。一目惚れしてしまった七海建人のために各地を潜伏するついでに不良やその他組織の紛争を潰して回っていたこと。それを知らせずまいとしていたが、目の前の大人はその努力を偶然とはいえ見て認めたようだった。
「どんな心境の変化があったかは知りませんが、特段目に見える騒動を起こさない限りは見逃すことにしましたし……」
面倒ごとも増えるし。この言葉は喉の奥に抑えたまま七海は語った。
「あなたが望むなら、シャーレの部員として身分を保証することも可能です。」
「は、はわわわわわわッ……!?///」
「暴動の鎮圧など、面倒ごとも絶えそうにありませんからね。ただただ暴れたいだけでしたらシャーレに籍を置いた方があなたにとっても……」
「は、入りますッ!!」ガバッ!
入部を進める理由やワカモが得られるメリットを語り終えぬ内に、ワカモは飛び上がって七海の目の前に跪き、両手を己が両手で包み込むように握った。
「このワカモ……愛するあなた様のため、この力をあなた様のために使うことを誓います!」ブンブンブンブンブン!
「は……?」
「な、何かを破壊したり略奪したいという衝動は確かにありますが……それでもあなた様の力になるよう、不束者ですが頑張りますので!!///」ブンブンブンブンブン!
テンションが最高潮に達したからなのか尻尾を大きく振りながら手を取って全力で入部の意志を示すワカモに想定外すぎた七海は完全に固まっていたが、ワカモの胸の高まりは全然収まっていなかった。
「よ、よろしくお願いします……」
「はいっ♡」
未だ状況を掴めない七海であったがとりあえず手をワカモの頭の上に置いて撫でる。
狐耳をぱたぱたとさせるワカモは実に満足そうであった。
その後、オーバーヒートしたワカモは七海の腕の中で気絶し、客室のベッドで目が覚め再び悶絶している様子を顔を洗いに通りかかったナナミンに聞かれていた。
手続きの際、ワカモとリンが互いを強く睨み合っていたが、理由を説明して連邦生徒会や矯正局の合意が得られた後だったので、七海は気にも留めなかった。
籍を置く……結婚?ボブは訝しんだ。
ワカモはうるさいくらいが丁度いいし、うるさいときが一番かわいい。
アコはうるさい上に面倒くさいが、うるさいときが一番かわいい。
ナナミンはワカモに一目惚れされていることには勘付いている。かなり口酸っぱく想いには応えられない旨を伝えてはいるが、ワカモはぜーんぜん聞く耳を持たないらしい。
「いいですかワカモさん、私とあなたとでは立場以前に年齢も……」
「このワカモ、あなた様をお慕いできるのならばそれでも構いません♡ウフフフフ♡」
「はー……」(n回目全敗)