異世界迷宮ちゃんは入り組み惑っている 作:yubeshiski
〈魔法使い〉になれるのは貴族や大富豪の子弟だけで、5歳までになんとかいう特別な薬を飲まなければならない、とビッカーは言った。
ソマーラ村はしょせん田舎なので、〈商人〉ビッカーの情報源もあやふやな伝聞らしい。正しくは次のとおり。
・[誤]なんとかという特別な薬 → [正]〈自爆玉〉
・[誤]5歳まで → [正]3歳まで
〈自爆玉〉については、のちにセリー先生が教えてくださった内容がほぼ正しい。
〈自爆玉〉
・丸薬。〈自爆玉〉を飲み込んだ直後に詠唱不要で〈自爆攻撃〉が発動し、対象を確定したあと起爆する。
・〈自爆攻撃〉のカテゴリは魔法。
・一般的に、自分の命と引き換えに魔物に多大なダメージを与えるアイテム、と認識されている。
・子どもが〈自爆玉〉を使うと起爆に失敗することがあり、失敗した子どもは〈魔法使い〉に転職できることがある、とも。
・年齢が低いほど失敗する確率が高く、3歳以下では確実に失敗するとされている。
・貴族の出産祝いに贈る品として定番。大変貴重で、市場にほとんど出回らず、貴族や大富豪くらいしか手にすることはない。
いちばん最初に〈自爆玉〉を子どもに飲ませると自爆しないことを発見した奴、鬼畜すぎじゃね?
それはともかく、装備品などとは異なり、強化の面において〈自爆玉〉は即効性がない。
子どもに与えたのち、その子どもが10年以上かけて成長して〈魔法使い〉になり、ようやく強化が身を結び始める。
そして、〈自爆玉〉は希少だ。
迷宮の高層階でのレアドロップが材料として必要で、さらに〈薬草採取士〉の上位職である〈薬師〉のスキルでしか生成できない。強さと
とはいえ、全く手に入らないというわけでもない。
それなりの貴族であれば贈答品の用途として手元にストックがあるし、そういった貴族とつながりを持つ大富豪であれば、金で
もし、貴族でもなく大富豪でもない者が〈自爆玉〉を手配できたのであれば、そこには相当の苦心と相当の覚悟が据わっているはずだ。
* * *
冒険者ギルド兼旅亭ギルドの宿である【ヒイラギ亭】。
若い女性の〈旅亭〉が長期宿泊の受付をしていた。
「―――はい、確かに確認いたしました。
ウルシュラ様、〈旅亭〉。
ヘレナ様、〈僧侶〉。
ニナ様、〈海女〉ですね。
後からいらっしゃる3名の方は、そのときにインテリジェンスカードを見せていただきますので」
受付の〈旅亭〉は、引き続きてきぱきと注意事項の説明を始めた。
あの、〈海女〉〈森林保護官〉〈探索者〉〈旅亭〉〈僧侶〉〈神官〉という風変わりな構成の野良パーティのうち女性陣3名は、【ヒイラギ村】を訪れていた。
このパーティは騎士団や大商人などの後ろ盾がない、いわゆる野良パーティだ。
〈魔法使い〉がいないのは一般的だが、普通はひとりふたりいるはずの〈戦士〉や〈剣士〉というアタッカーすらいない。
特徴的なのは、水生と植物の魔物に対して強みを持っていること。
〈海女〉は〈対水生強化〉を、〈森林保護官〉は〈対植物強化〉を備えている。
〈探索者〉と〈神官〉は、水生や植物の弱点となる武器を装備している。
その構成を活かすため、得意な魔物の階層が連続している迷宮を探してわざわざ移動してきて得意な階層だけを重点的に攻略する、という戦略を取っている奇特なパーティだ。
彼らは、迷宮を討伐するという目的のため、ちょうどよい条件の迷宮を探していた。
・条件1:1年以内に見つかったばかりで、50階層が最奥だと思われること。
・条件2:50階層近辺の魔物が、水生と植物で固まっていること。
【レグニツァ騎士団】で雇用契約を結んでいる
14階層 ケトルマーメイド(水生)
15階層 マーブリーム(水生)
16階層 サラセニア(植物)
17階層 フライトラップ(植物)
18階層 クラムシェル(水生)
迷宮に出現する34階層以降の魔物の順番は、1階層から33階層までと同様の並びで繰り返す。今までボスだった魔物がフロアを徘徊するようになるという変化はあるが、階層ごとに出現する魔物の順番は変わらない。
すなわち、【ヒイラギ村の迷宮】たる迷宮ちゃんの47階層以降はこういう並びになるということだ。
47階層 ボトルマーメイド(水生)
48階層 ブラックダイヤツナ(水生)
49階層 ネペンテス(植物)
50階層 アニマルトラップ(植物)
51階層 オイスターシェル(水生)
『ウルシュラや、おまえさんたちに丁度いい迷宮があってのう。気が向いたなら覗きに来てみるがよいじゃろう』
つまりヤクブは、そんなお誘いをしたのだ。
南の大迷宮である【キフヌヘイムの迷宮】で鍛錬していたウルシュラたちだったが、彼女らは明確に不得意な魔物の階層が存在する。不得意に真っ向から相対するのは彼女らの信条とは異なる。
とりあえずは引き続き【キフヌヘイム】で日々を過ごすことにし、【ヒイラギ村の迷宮】の攻略が進むのを待った。
毎日、探索者ギルドで共有される攻略情報に目を通していたが、時は来た。
ギルドの掲示板に最高到達階層が43階層に至ったと書かれていた。43階層まで来れば、得意な階層まであと4つ。力押しが利く範疇だろう。
また、迷宮の討伐を目指す者であれば、50階層より手前に歩みを進めても、他者による討伐を防ぐために最高到達階層を申告しないこともある。つまり、すでに44階層やそれ以上に進んでいるパーティが存在するかもしれない。これ以上待つと先に討伐されてしまう懸念が高まる。
自分たちが【ヒイラギ村の迷宮】の討伐をするならば、頃合いだろう。
満を持して、ウルシュラたちは遠く離れた【ヒイラギ村】に拠点を移したのだった。
* * *
受付女性の説明を聞きながら、狼人族♀の〈僧侶〉ヘレナは冒険者ギルドの壁に〈フィールドウォーク〉の出口が開く気配を感じ、そちらを見やった。
しかし、出てきたのは見知らぬパーティだった。
グルル、と不満げに喉が鳴る。
パーティの男性陣3人とは別行動中で〈パーティ編成〉を外してあり、彼らはまだ【領都レグニツァ】だ。用事が終わればこちらに向かうとのことだが、まだ到着していない。
拠点にしていた街から【ヒイラギ村】に直接飛ぶルートがなかったこともあり、昨日は【領都レグニツァ】で1泊していた。
買い出しを終えて、いざ【ヒイラギ村】に向かおうという段階になって、【レグニツァ】のとある武器屋の品揃えがすごいらしいと小耳にはさんでしまったのだ。
あいつらは武器に本当に目がない。
せっかくだからちょっと寄り道していきたいと言い出した。
「どうせ買えるほどのお金なんてないんだから、今はいいじゃん」
とヘレナが言うと、エルフ♂の〈神官〉コンラートなんぞはこんな返しをしてきた。
「手が出ないような高嶺の花なんてのは、分かってるのだよ。
しかし、それを手に入れている自分を想像するのが格別なのだ。
ふふ、未来への投資とも言えるな」
めちゃ鼻につく。
さらに追撃もあった。
「まあ、女には男のロマンは分からんのよな」
カチンときたのと呆れたのと半々で、ヘレナは女性陣を連れて先に【ヒイラギ村】に来ていたのだった。
ロマンねえ。
ずいぶんお気楽だわな、とヘレナは
こんな野良パーティにいるが、コンラートは貴族だ。
代々〈魔法使い〉を輩出する家系の長男らしい。幼いころに〈自爆玉〉を飲んだのだが、どういうわけか〈魔法使い〉にはなれなかったそうだ。
一方、歳の離れた弟は〈魔法使い〉になれたという。
家長である父親に、「このままではお前を家長に据えることはできない。〈魔法使い〉でなくても迷宮を討伐するだけの力を見せなさい」と言われて、従者としてエルフ♂〈森林保護官〉のゲルハルトを連れて修行の旅に出たとか。
一応そういうことらしいが、コンラートのことだから、まあ盛ってんだろうな。
いずれにせよ迷宮の討伐は悲願であるはずだが、どことなく真剣味に欠けるというか、目を背けているというか、そんな風に感じるんだよな。
あたしのほうが、よっぽど真剣に迷宮討伐したいって思ってるんじゃん。
ヘレナは大好きなおばあちゃんのことを思い返していた。
* * *
ヘレナの家系は、元・士爵だ。
貴族に準じた称号ではあるが、一代限りの爵位である。
〈冒険者〉だったヘレナのひいおじいちゃんが迷宮を2つ討伐して、士爵に叙せられたという。
ひいおじいちゃんは、一代だけではなく世襲の、本当の貴族になりたかったらしい。
かなり苛烈な性分だったようで、パーティメンバーにも強く求めすぎて、何人かは離れていったそうだ。
その強い当たりは、息子にも向いた。
ひいおじいちゃんの息子、ヘレナからするとおじいちゃんは、努力家ではあったが凡人だった。騎士団に所属して〈騎士〉となったが、〈聖騎士〉を目指している途中で、インテリジェンスカードも残さずに迷宮で果てた。
「成功する者とそうでない者は、最後に1歩踏ん張れるかどうかだ」
そう言って
辞世の言葉は、ひいおじいちゃんがおじいちゃんに口酸っぱく言い続けた
既に物心ついていた孫であるヘレナの父へも、ひいおじいちゃんはそれまで厳しく接していたが、おじいちゃんの死に大きな衝撃を受けたようで、恐ろしいほど真逆に優しくなった。
そして数年後、秋風に木の葉が散るように、あれよと息を引き取ったのだった。
そんな幼少を過ごしたヘレナの父は、貴族への渇望を奥底に秘めつつ、身の丈に合わない地位を求めるものではないという
祖父同様に騎士団に所属して〈騎士〉となった父だが、ヘレナには戦い方を厳格に仕込みつつ、将来は好きなことをやるといい、と優しく言い聞かせた。ヘレナの4歳年上の兄が、幼くして亡くなったことも大いに影響しているのだろう。
父親がヘレナに教えたのは、片手剣と盾。そして槍だった。両手剣ではない。
騎士団に入るのだとしても、前線ジョブではなく、生還率の高い〈僧侶〉を目指してほしいという想いからだった。
そんな折、年の離れた弟が生まれた。ヘレナが9歳のときのことだ。
父は人が変わったように、貴族への妄執を隠さなくなった。
生まれたのが男児だったからなのか、父の年齢が祖父が亡くなった歳と同じになったからなのか、分からない。
ほうぼうを当たって〈自爆玉〉を手にしてきた。使ったのはもちろん幼い弟にだ。
そして父は、腕力が強くないヘレナに両手剣を鍛えるように命じてきた。
「〈聖騎士〉になれ。弟を護り、支えよ。我が家を貴族の列に押し上げよ」
まだ幼いヘレナは混乱した。しかし何も言えなかった。
言葉にしたいのに、言葉にしてはいけないような、泣きたくなるようなもどかしい気持ちで動けなくなった。
そんなヘレナの味方をしたのが、おばあちゃんだった。
ひいおじいちゃんの息子であるおじいちゃんは穏やかな気性だったらしいが、彼が選んだ伴侶であるおばあちゃんは、ひいおじいちゃんとは異なった方面で
おばあちゃんは、決して声を荒げたり怒鳴ることはなく、しかし、よどみなく自分の考えをはっきり伝える。曲がらない芯を持つので厳しいことを言われることもあったが、ヘレナはおばあちゃんが大好きだった。
ヘレナがふさぎこんでいることを〝冒険者便〟で母から知らされたおばあちゃんは、矢のようにヘレナを訪ねてきた。
自分の考えがまとまらないヘレナを見て、おばあちゃんは自分の昔のことをとつとつと話し始めた。
「言わないほうがいいことってのも、この世にはある。
ヘレナは賢い子だから、そういうのも分かってるんだろう。
本当はあたしも墓まで持ってくつもりだったことがあるんだけどね、ヘレナにだけ話しておきたいさね。聞いてくれるかい?」
具体的な内容は約束なので秘密だが、気丈に見えていたおばあちゃんの実は弱気な側面を聞いて、ヘレナは驚いたし、ほっとした。
強いおばあちゃんも、ただ元から強かったんじゃないんだ。あたしと同じなんだ。
そうしてヘレナは、こんがらがった気持ちをひとつひとつほどくように、言い淀んでいた思いをおばあちゃんに話し始めた。
父が別人のようになって怖かった。
安全な〈僧侶〉になりなさいと言っておきながら、〈聖騎士〉になって盾になれと言うちぐはぐさに怒りが湧いた。
迷宮には入りたい。腕力が強くないので、前衛は向かないと思っている。
弟はかわいい。家族を大切だと思うし、家柄の助けにはなりたい。
決して否定をせず、ただうなずいてヘレナの話を聞くおばあちゃん。
胸の奥底の
弟は〈自爆玉〉を与えられた。
あたしのときは、もらえなかった。なぜか。
弟は男だし、あたしよりも愛されているからだと思う。
弟はずるい。
妬ましい。
言いながら、ヘレナの目からは涙があふれていた。
ヘレナの手を取り、そしてぎゅっと抱きしめたおばあちゃん。
「―――ヘレナ。
ヘレナは優しい子さね。
妬ましいなんて思っている自分が嫌なんだね。
ヘレナは本当に優しい子だ」
そのあと、おばあちゃんは皆がいるところで父にはっきりと言い放った。
おまえが士爵を目指すのはいい。おまえの好きにするといい。
ヘレナの人生はヘレナのものだ。ヘレナの助けになることはしてやるべきだが、ヘレナに決めさせなさい。
貴族になる者のところには、自然とヒトが集まってくる。
ひいおじいちゃんが貴族になれなかったのは、留めようと強制した結果、ヒトが離れてしまったからだ。士爵になる、貴族になるというのは目先のことで、それではヒトは付いてこない。
迷宮からをヒトを護る、そのために迷宮を討伐するという芯が大事なんだ。
そんなことを父に諭し、おばあちゃんは颯爽と去っていった。
父の士爵を目指す想いは変わらなかったが、ヘレナにも弟にも自分の道を強制しなくなった。
ヘレナも自分を見つめなおし、考え、やはり〈僧侶〉になろうと決めた。
腕力はないが、自身の体術や剣術、槍術にはそこそこの適正がある。中衛として前衛を助け、ときに前衛と役割を交代でき、回復魔法でパーティを支える存在に向いていると思えた。
そして、騎士団には入らないと決断した。
父を否定するわけではない。しかし、騎士団しか知らない父とは違う景色を見たいと考えたのだ。
ただし、そのパーティは金稼ぎに終始するようなパーティではなく、揺らぎなく迷宮討伐を目指すパーティが望ましい。
ヘレナは、できるだけ早く迷宮討伐を成し遂げたいと強く願っていた。
大好きなおばあちゃんが生きてるうちに報告をしたいと思っていた。
* * *
受付の若い女性の〈旅亭〉は、説明の間もちらちらとウルシュラに目を向けていたのだが、ひとしきり説明を終えると、ものすごい瞬発力でウルシュラの手を両手でつかんだ。
大柄なのに、ひいっ?!っと声にならない恐怖の息を漏らすウルシュラ。
手をつかんだ受付の若い女性は、こらえきれずに喜色ばんだ声を上げた。
「―――噂に名高い【迷宮旅亭】に泊まっていただけるなんて、感激です!
握手してください!」
「わわわ? はい……」
握手するも何も、すでにがっちり手を握り込んでいるのだが。
ウルシュラは、恐る恐る握手の形に移行する。
「ありがとうございます……!
できれば、【迷宮旅亭】の旅や迷宮でのお話を聞かせてほしいです……!
私このあと小休憩なので、こちらでランチをご一緒しませんか? 私おごります!」
「え? あっと、そうですね……」
押しつよの受付女子にたじろぐウルシュラは、ヘレナに助けを求めて目を向けた。
が、ヘレナは何かをひらめいて、にっこりとしていた。
この受付の子は、冒険者ギルドの職員も兼任していると言っていた。
つまり、この良質な宿に泊まる〈探索者〉たちと、冒険者ギルドに顔を出す〈冒険者〉たちに面識があり、彼らと情報交換をしているはずだ。
「それって、あたしたちも一緒におごってもらえるのかな?」
「【迷宮旅亭】のパーティの皆さまですよね? もちろんです!」
「いいじゃんいいじゃん! ウルシュラ、おごられようぜ!
あたしたち【ヒイラギ村の迷宮】に入ろうと思ってて、いろいろ知りたいんだよね。
特にさ、どのパーティが何階層まで進んでる、とかさ」
「………!
それはいい案ですね!」
迷宮のことが大好きで、迷宮のことを知りたくて、そして、誰よりも迷宮を討伐したい気持ちが強いウルシュラ。
理路整然と迷宮討伐に向けて力を付ける段取りを提案し、着実に実現してきた。
彼女と一緒なら、遠くない未来に願いが叶うはずだ、とヘレナは確信していた。
* * *
迷宮ちゃんは会社勤めをしていたときのことを思い返していた。
迷宮ちゃんが勤めている会社の経理部門は総務も兼ねており、8名だ。
そのうち、経理の資格を有しているのは4名。
迷宮ちゃんは簿記2級で、再雇用のおばあちゃんパートは簿記3級。
室長と副室長は簿記1級を持っている。
迷宮ちゃんが経理の専門学校の2年間で取得した資格は、簿記3級と簿記2級だ。
簿記2級の合格率は3割ほどなので、かなりがんばったのだ。
迷宮ちゃんがオフの日にも熱心に経理の勉強をしていると聞いた室長は、迷宮ちゃんに提案を持ちかけた。
「せっかくなら、ただ勉強するだけでなく簿記1級を目指してみませんか?
参考書の購入や受験の費用は、会社で補助が出ますよ。
私が昔使った参考書ならあげられますし」
室長は簿記1級を取得する意義について、こう教えてくれた。
簿記1級に合格した立場からすると、合格すること自体にはそれほど意味がない。学んだことのほどんどはすぐ役立つわけではない。かといって無駄でもなく、業務や人生の思いがけないタイミングでそれらの片鱗が登場する。そのときに知っていると、先を見据えることができる。余裕を持って対応できるようになる。
続けて、室長は自身の過去に少しだけ触れた。
以前は簿記1級だけに留まらず税理士の資格の取得を目指していたこと。
日々の忙しさに流されて徐々に熱が失われていったこと。
「だからですかね。
あなたに〝もっと学びたい〟という欲があるのが、懐かしくて、うらやましい。
その欲は大事にしてください。油断するとすぐに消えてしまいますよ。
欲が続くように、私はあなたを応援しています」
迷宮ちゃんはうれしかった。
父親にも押されなかった背中を、押してもらえた。
寄り添って味方になってもらえると、こんなにも力が湧いてくるんだということを、迷宮ちゃんは初めて知ったのだった。
<おまけ>
〈自爆玉〉は詠唱不要ですが、〈キャラクター再設定〉でセットできるほうの〈自爆攻撃〉は詠唱が必要、という解釈をしています。
そんな〈自爆攻撃〉の詠唱呪文をがんばって練り上げていたのですが、よく考えたらストーリーのどこでも使わないことに気づいてしまいました。霊圧が………消えた?!
なので、ここで公開して供養とします。南無。
〈自爆攻撃の詠唱〉
見てな忘れそ我が
意味:我が炎を見届けよ、決して忘れるな。たとえ宿敵を滅ぼし、我が身が尽き果てるとしても。
古語の授業で習ったかもしれませんが、「な{動詞}そ」は強い否定です。Neverです。
なかなか情緒が込められた呪文にできたと思っていたので、無理やりでも公開できて満足。