人によっては人を選ぶような内容だと思いますがお付き合い頂けるとありがたいです。感想とか頂けると色々とアガります。
シャー
「⋯⋯⋯。」
富ヶ丘中学校のキャプテン『流川楓』はバスケの朝練の為、休日にもかかわらずリングのある公園へ早朝に自転車で向かっていた。
キッ!
ダン…!ダン…!
「(チッ、もう誰かいやがる。)」
シュッ!パサッ!
「…!」
流川が先客が居ることを不快に思いながら自転車を止めると美しい軌道のシュートがリングに触れずに通り抜け決まるのを見た。
「よし入った。あーやっぱりリングにかすらずに入ると気持ちいいな。さて次はスリーでも…。」
その先客がリングから遠く離れシュートを打とうとする所でその男と流川は目が合った。
「あ、ゴメンね。もしかして待ってたのかな?」
「いや、今来たところ…。」
「そう?それならよかった。あ、後1本だけ打たせてくれない?」
「…別にいいけど。」
「よーしせっかくならとびきりの1本を決めるぞー。」
ダン、ダン、シュッ!パシュ!
そして3Pラインからシュート体勢に入りジャンプし、高いリリースポイントから軌道を描きボールはまたリングに触れずに決まった。
「うーん…!イイねー!」
「…。」
「じゃあボクはもう帰るね。」
「…。(いや…ベツに帰んなくても…。)」
「あ、名前って聞いてもいいかな?またここで会うかもしれないし。」
「…流川楓。」
「ルカワ…ルカワくんね。
ちなみにボクは『月野真琴』
また会ったらその時はよろしくね。」
「…。」ペコ
「それじゃあねー。」
妙にシュートが上手く自分よりは背が低く幼く見えた男に行きつけの公園で流川楓は出会ったのだった。
「変なヤツ…。」
そしてあの男は自分より歳が上なのか下なのか聞いておけばよかったなと思ったのだった。
***
神奈川県の湘南地区にある陵南高校バスケ部では厳しい練習が行われていた。
バシッ!
「くそ!」
「そこ!ディフェンス甘かったぞ!なにやっとるかぁー!!!」
「あっ!?」バシッ!
「ばかもん!そんなプレイをしていて全国に行けると思ってるのか!?もういい!外れていろ!」
「ハァ…!ハァ…!ちくしょう…!」
「魚住ィ!何をへばっとるか!!そのままじゃまた赤木に負けるぞ!」
「ハイ!うぉぉぉぉ!」ガシャン!
「よーし!それでいいんだ!」
陵南高校バスケ部
神奈川では上位に位置付けられる強豪校だが、全国大会への出場経験はなく、同じ地区の強豪校の海南大付属高校や翔陽高校には勝てずにいた。
その陵南高校の監督である『田岡茂一』は選手を怒鳴りつけながら檄を飛ばして練習させ、全国出場を目指していた。
ヨシモウイッポンダ!マワシテイケマワシテイケー!
キュキュキュ!ダン!ダン!
田岡は部員たちの練習を見ながら今年入ってくる新入部員たちの事を考え耽っていた。
「(今年は東京の中学からスカウトした
『仙道彰』も入ってきた。ガードの『宮城』は駄目だったがな…。
だが!あの仙道が入ってきただけでウチの全国への道は開けたというものだ!
そして『魚住』が3年生になり、仙道が高校バスケに慣れ、実力を磨けば…!
海南と翔陽を下してこの陵南が全国に出場だ…!)」
「監督。」
「ん?どうしたんだ池上。」
「一年の仙道が抜け出したようなんですが…。」
「な、なんだと!?またか!?誰か見つけて呼び出してこい!」
「は、はい!おい一年達!仙道を見つけて呼んでこい!」
「ハァ…まったく。あのムラっ気さえなければすぐにでも高校No.1プレイヤーになれるヤツなんだがな…。」
*とある海岸*
「あれ?仙道クン、練習は?何で釣りしてるの?」
「?ああ月野か。ここに来るなんて珍しいな。」
流川との公園での出会いから昼になり、
地元の海岸に海を眺めに来ていた月野は陵南高校の同級生で知り合いの『仙道彰』にその海岸で出会った。
「いつもの公園に朝早く行ったら美男子系のバスケ少年が来てさ。すごくバスケしたそうだったし譲ってきたんだよ。」
「せっかくなら一緒に1on1でもすりゃよかったのに。…ふぁ〜あ、ねみぃ。」
「また部活抜けてきたんだ?監督怒ってるじゃんないの?」
「毎日早朝からバスケ漬けはカンベン。」
「たまに練習見にいってるんだけど怒鳴られてばっかりだね。」
「お前も入部して怒鳴られろよ。キツイぜ?陵南入ってちょっと後悔したもんオレ。」
「いやーまだあんな練習にはついていけないかも…。仙道クンがキツイならボクは多分練習中に泣いてやめさせてもらうかも。」
仙道は月野が監督にシゴかれて泣く光景を思い浮かべて笑った。
「ハハハ!そんじゃあ本当にそうなるか練習に参加して見せてくれよ!」
「い、イヤだよ!今はホントにそうなっちゃうんだよ!」
「何だかんだお前なら大丈夫だろ、さー行こうか。」
「何急にヤル気出してんだよ!引っ張るなよー!」
***
「あっいた!仙道!監督相当怒ってんぞ!早く来い!」
「悪い悪い、今行くよ。」
「まだ入るつもり無かったんだけどなぁ…。ついていけるかな…。」
「まー、まだ一年だし上手いとか下手とか気にしないで楽しくやろうぜ。」
「うん…、そうだね…。」
半ば無理やり仙道に入部させられる事になった月野真琴は陵南の田岡監督の練習を思い浮かべ絶望しながら体育館に向かうのだった。
*陵南バスケ部体育館*
「このバカもんがぁ!俺がいいと言うまで走れ!」ゴン!
「いたぁ!チェッ…!殴るこたぁねーのに…。」
「何か言ったか…!?」
「了解です!走ってきます!」
「まったく…!それでお前は入部希望なんだな!?」
「入部希望というか…仙道クンに無理気味に勧められたというか…まだちょっと早いというか…。」
「何だ!入るかどうかで決めろ!ウチは根性のない奴に構う暇などないんだ!」
先程の仙道への指導に加え田岡の迫力に押される月野だった。
「あのー、えっと…。(ヤバいな〜このおじさん…。ん?)」
「ククク…!」
「!(仙道クンめ!笑ってんなー!)」
「仙道に入部を勧められたのか知らんがついていける自信がないのならやめておくことだな。(少しは背はあるが…細すぎるな。やめさせておいた方がいいだろう。)」
田岡は月野の体つきを見てやめるように促した。だが月野の思惑は違った。
「(今年の夏までに体力を戻してから入ろうと思ってたけど…まぁいいか。)いえ、入ります。よろしくお願いします。」
「お、おおそうか。なら入部届けを書いて手続きを済ませてからまたここに来なさい。」
「はい、お世話になります。ではまた後日に…。」
「監督ー!そいつ経験者ですよ!今日からでも練習参加させたらどうですかぁー?」
入部をする事を伝えた月野が体育館から出ようとすると仙道が田岡にそう伝えた。
「!?」
「何だと?経験者?そうなのか?」
「経験者というか…?バスケ好きというか…?」
「中学ではやってなかったのか?」
「中学では病気で部活はできなくて…最近出来るようになったんです。」
「それは気の毒だったな…。(半分素人のようなものか…。だがあの仙道が気にかけている理由は何だ?もしかしたら予想もしない拾いものかもしれん。)」
「名前は何というんだ?ポジションは?」
「月野真琴です。ポジションはガードです。」
「そうか月野。では早速だが仙道と1on1だ、やってみろ。」
ザワザワ…!ザワザワ…!マジかよ…!
「えっ!」
「面白い、そーこなくちゃ。やろーぜ月野。」
「監督!あまり一年を贔屓しては…!」
3年生の部員が田岡監督に問いかける。
「贔屓ではない、見てみたいじゃないか、あの生意気な仙道が勧める奴のプレイを。」
「そりゃ興味はありますが…。」
「そうだろう、さぁ月野にゼッケンを貸してやれ。(ガードのポジションはウチは埋まり気味だが3点が打てる選手ならあるいは…。)」
***
「さーて見せてもらおうかお前のプレーを。」
「キミさ、何となくこうなるだろうなって思ってたでしょ。」
「いんや?お前を入部させられたらいいなぐらいに思ってたけど?」
「はぁー…。ガッカリしないでね?あ、ボク後攻でいいよ。」
「オーケー。ガッカリなんてするもんかよ、今のお前の全力で来な。行くぜ!」
「よし…!来い!」
次話に続くー!
主人公設定
陵南高校バスケットボール部
1年生
月野 真琴(つきのまこと)
背番号14 高校1年時 身長182cm 体重67kg
ポジションはガード
シュート全般が得意(フリーならほぼ外さない)
だがインサイドプレーは苦手(フリーで体力切れじゃないならできる程度)
ガードでのディフェンスはスティールを狙いにいくディフェンスをする。
小学5年の時に交通事故にあい頭を打ち、中学では3年生の始まりまで病院で過ごした。治療をして今は完治したが体力が戻ってなく、その為激しいインサイドプレーやリバウンドは苦手。
髪は黒髪のロングウルフ、目はタレ気味で人懐っこそうなイメージの目つき。顔つきは幼げによく見られ高校生に見られない事が多い。
一人称はボク
仙道との関係性は体育の時間でバスケで対戦した時に仙道からシュートを決めた事から始まった。