陵南高校のシューター!   作:ゆーざー315

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テンポよく話進めようとしたら長くなっちゃいました。
あと土日投稿に間に合わなくて申し訳ないです。


第3話「Lack of stamina(体力不足)」

 

陵南高校バスケ部の1年スーパールーキー

『仙道彰』に誘われ陵南高校バスケ部に入部した月野真琴。

部員に対して練習量が激しく厳しい指導をする監督『田岡茂一』の元で練習に励んでいた。

 

〜陵南高校バスケ部体育館〜

 

 

「ダッシュ!」ダダダダ!

「ストップ!」キュッ!

「ダッシュ!」ダダダダ!

「ストップ!」キュッ!

 

「ハァ…ハァ…、も、もうだめ…。きつすぎ…。」

 

「おい月野遅れてるぞ!勝手に止まるな!」

 

「分かって…ます!(う、うるさいなぁ…!)」

 

 

「よーし!一旦休憩だ!」

 

バタン!

 

「あ…あ…!もう、ダメ…。」ゼー!ハー!

 

練習のインターバル中に前のめりに倒れる月野に仙道が声をかける。

 

「ありゃ、お前本当に体力無いよな。シュートはあんだけできんのに。」

 

「だから…言ったでしょ…。まだついていけないからって…。あ、もうムリ、吐きそう。」タタタ!

 

「ハハ、まだ全然走れるじゃねえか。練習着汚すなよー!」

 

 

 

月野の様子を見て魚住と田岡が話し合う。

 

「監督。月野のヤツ入ってもう2週間になりますがぜんぜん練習についてこれないみたいですね。」

 

「うーむ…。シュートセンスはピカイチだがな。長いブランク期間によるスタミナ不足か…。

あいつを今年から使うのは少し厳しいかもしれんな。そういえばお前も練習中によく吐いてたな魚住よ。」ニヤリ

 

「うっ!?か、監督!それはもう1年前の話ですよ!」

 

「ふっ、そうだな。」

 

「…まだ気が早いかもしれませんがアイツがモノになれば仙道と共にこれから陵南を支えていく選手になるかもしれません。」

 

「それもそうだが、アイツはウチが抱えている弱点を補う選手かもしれん。」

 

「弱点?」

 

「外から打てるシューターの存在だ。」

 

「シューター…!」

 

「インサイドはお前と、そしてまだ1年だが仙道がいる。だがアウトサイドはまだいないのが現実だ。

…キツイかもしれんがこれからビシバシお前達を育てていくぞ。ついてこい魚住、陵南の黄金時代は必ずくる。」

 

「はい…!ついていきます。よろしくお願いします監督!」

 

 

田岡と魚住が将来の陵南について熱く議論をしているそばで、

2人の話題の張本人のシューター見込みの月野が体育館に戻ってきた。

 

「あーもう本当に吐いちゃったよ…。

 こんなの続けてたら死ぬかも。

 ていうか吐かせるまでさせるかな普通!」

 

「おい遅いぞ月野!もう練習再開だぞ!」

 

「ひっ!まだするの!?ちょ!ちょっと監督に話があるので!」

 

まだ続く練習にこれ以上は無理だと判断した月野は恐る恐る田岡に相談した。

 

「1年生達!ついてこれないのなら辞めてもいいんだぞ!代わりはいるんだからな!!」

 

「(うわーエグい事言ってるよ。)

あのー…監督…?ちょっと相談がありまして…。」

 

「ん?どうした、顔色が悪いぞ。水分はとったのか?」 

 

「それで相談があって…、

練習には参加したいんですけど今はまだ練習に着いていけないかなーと思って…。

端っこの方で1人で練習させてもらえないかなーって…。」

 

「なんだと!?何を言ってんだ!?お前だけ特別扱いする訳には行くか!」

 

月野の言葉に先に田岡監督の側にいた3年の部員が反論する。

 

「いやでも先輩、ボクが遅いと皆に迷惑かけてしまうし…。」

 

「そんなの周回遅れだろうが何だろうができるまでやれ!大体その長い髪は何だ!切ってこいって言っただろうが!」

 

「えぇ…、そんな…。」

 

上級生に物申され、たじろぐ月野。だが田岡監督が間に入った。

 

「うむ…まぁ仕方あるまい。隅の方で練習を見ながら体をよく慣らしておけ。」

 

「監督!?」

 

「ありがとうございます監督!」シュバ!タタタ!

 

「監督!アイツだけなぜ!」

 

「…まぁ様子を見てやれ。アイツは病気から立ち直ったばかりなんだ。ん?おい1年達!何をボサッと見とるか!練習再開だ!」

 

その様子を見ていた他の1年生達は気に食わない様子でそのやりとりを見ていた。

特にその中でも同じ1年の『越野宏明』は月野を見て腹をたてていた。

 

「なんだアイツ…!気に食わないヤツだな…!」

 

 

 

 

***

 

〜月野練習見学中〜

 

イチ、ニ!イチ、ニ!イチ、ニ!

 

「やっぱみんなスゴイなー。

ボクも中学で部活やってれば練習についていけてたのになー。ん?」

 

「…。」ジー

 

月野が練習の様子をストレッチしながら見ていると髪の左右を刈り上げ、タラコ唇をした部員が練習をしながらじっと見ているのに気がついた。

 

「…?(うーん、やっぱボクだけ練習サボってるのに怒ってるのかな…。)」

 

「福田!ちゃんと前見て走れ!気合が入ってないぞ!」

 

「…っす。」

 

「なんだろ…?こわ…。」

 

固執するような視線と顔つきの同級生に少し恐怖を感じた月野だった。

 

 

 

***

 

 

〜練習終了後〜

 

 

「お疲れー」「1年はちゃんと掃除しとけよー!」

 

練習も終わり1年生が掃除している時、越野が月野に話しかけた。

 

 

「おいお前!」

 

「…。(あー練習キツかったなー)」ボケー

 

「おい!聞いてんのか!」

 

「ん?あっ、ごめん何か用?」

 

「お前今日カントクにふざけた事言って練習サボってただろうが!ついてこれないならもう部活くんなよ!」

 

 

「あー…、それに関しては本当に申し訳ないと思ってるよゴメンね。」

 

「謝る前に練習サボってないで参加しろ!」

 

「そりゃそうだ。」「お前だけズルいぞ!」

 

他の1年生達も越野の言葉に賛同し月野を非難する。

 

「えっー…と、(仙道クン助けて…!)」

 

「まぁまぁ皆、こいつは俺が半ば無理やり連れてきて入部させたんだ。ちょっとだけ様子見てくれやってよ。」

 

「仙道!お前もいつも練習抜け出しやがって!俺達が先輩に怒られてるんだぞ!」

 

「そうだ!そうだ!」「サボり魔め!」

 

「あちゃー…。逆効果だった、悪い月野。」

 

「うーん…もういいや、どうでも。キミ、名前なんていうの?」

 

「あぁ?越野だよ。」

 

「越野クン、ボクは体力戻すまで練習は参加しないから!今度その事に関して言ってくる人達もみんな無視するからよろしく!」

 

月野のあまりの開き直りに一同が唖然とした。

 

 

「な、なんだとコノヤロー!開き直りやがって!一発殴らせろ!」

 

「うわ、やめてよ!暴力はよくない!」

 

「コノヤロー!」ブンッ!バシ!

 

「いたぁっ!…でもこれでもう気がすんだでしょ。これからよろしくねー。さ、掃除続けよっと!」

 

「そんな態度のヤツに…!気が済むかこのやろー!」ブン!

 

「えっ…ぎゃー!越野クン一発って言ったよね!?

だれか助けてー!」

 

「お、おい落ち着け越野!」「越野を止めろー!」

 

「ハハハ!堂々とサボり宣言しやがった、面白れぇ!」

 

「フッ…面白い奴だ…。」

 

 

***

 

そして数日後の休日…。

 

 

〜リングのある公園〜

 

 

「おはよう、また会ったね。」

 

「…。」ペコ

 

また公園で再会した流川楓は月野の腫れた頬をじっと見つめた。

 

「どうしたんだその顔ってカオしてるね。部活で壮絶なシゴキにあってさ。こんな顔でキミと再会したくなかったな。」

 

「シゴキ…?」

 

「いやー最近バスケ部入ったんだけど練習大変でさー、やめたくてやめたくて。」

 

「…なぁ。1つきいていいか?」

 

「何?」

 

「今(中学)何年だ?」

 

「今(高校)1年だけど。」

 

「ふーん。(オレより2個下か…。)」

 

流川は自分より身長が低く(182cm)

顔つきと言葉遣いが幼く感じた月野に対して高校1年ではなく中学1年と勘違いしてしまった!

 

「だからさ、上の先輩がいっぱいいてキツイんだよね。」

 

「…1年にしてはでけーな。」

 

「いやいやルカワクンの方が高いじゃん。ルカワクンは何年?」

 

「(中学)3年。」

 

「3年!どーりでなんか迫力ある感じかー、ボクよりぜんぜん身長でかいし。あ、ボクずっとタメ口で話してたよ、ゴメンね。」

 

「いや別に。それに今更敬語で話されても気持ち悪い。」

 

「そっか、ありがとう。あとさ、これからここで会ったら一緒にバスケしない?」

 

「…まー別にいいけど。」

 

「ありがとう!じゃあ早速1on1やろう!」

 

 

「ふー…。」

 

「ハァ…!ハァ…!流川クン…!う、上手いね…!(うっま!いつからやったらこうなるの!?)」

 

「…体力無ぇ、もっとスタミナつけろ。シュートとドリブルできんのにもったいねー。」

 

「うっ…!…はいわかりました…。」

 

そして日も暮れた後、2人は自転車で公園から出ていく。

 

「じゃあな。」

 

「うん、じゃあね、またここで。」

 

そして月野は夕暮れの中、帰路につきながら最近の自分について考える。

 

「バスケってキツイけど楽しーな。でも部活はイヤだけど。

よし!早く体力つけて流川クンに追いつくぞー!」

 

「月野…、1年のくせにケッコー上手かったな…。」

 

流川と月野、お互いの学年を勘違いしながら帰路についた2人であった。

 

 

 

***

 

〜陵南バスケ部の練習中〜

 

 

「も、もうだめ…だ。」バタン!

 

「また月野が倒れたぞ!」「端っこで寝させとけ!」

 

「おーい!月野ー大丈夫かー?」

 

「せ、仙道、クン…!ここの練習…は、キツすぎ…る。」ガクッ!

 

「ありゃ。」

 

「ハァ…。まったく…今年はアイツはダメかもしれんな。」

 

 

練習の途中でついていけず倒れた月野であった。

 

 

〜部活終了後1年掃除中〜

 

 

「湘北高校との練習試合!?聞いてないよそんなの!」

 

部活終了時の掃除中に同級生の越野(あの出来事の後、何とか打ち解けた)と

『植草智之』と会話していると練習試合があると聞き、驚く月野。

 

「お前今日もすみっこの方でずっと気絶してたもんな。監督も呆れてたぜ。」

 

「うーわ。まさかボクすっかりもうダメな人扱い…?それでいつだって?」

 

「来週だって。」

 

「来週かー。ねぇその湘北って強いの?」

 

「センターだけ飛び抜けてスゴイけど他は印象ない所みたい。」

 

「ふーん。」

 

植草の情報に興味なく聞く月野。

 

「…でもそんなダメなヤツを練習試合とはいえいきなり試合で使うかもなんて監督も変な人だよな。」

 

「は?」

 

「ハァ…。お前を今度の湘北との練習試合で使うかもってさ、今日3年と2年と話してたぜ。

あと1年では仙道だな。」

 

「ハァー…カントクさぁ…。バカなの?

ボクなんて試合で前半10分もったらいい方だよ?

何で使おうとするかなー…?

1回ボクの体力の無さを分からせないと分かんないのかなー?」

 

「お、おい!もし先輩とか監督に聞かれたらやばいぞ!?俺はカンケーないからな!?」

 

聞かれるとどうなるか分からない月野の言葉に越野と植草は驚く。

 

「というか分からせるって…そんなの分からせてどうするんだ…?」

 

「それはね植草クン。カントクにまだボクは試合で使いものにはなりませんよー。

後1年位待っててねーって分からせるんだよ。」

 

「そ、そうなんだ…。」

 

「おい!1年で試合出れるんだからありがたく思えよ!皆雑用とかばっかでボールなんてまだロクに持たせてもらえないんだからな!」

 

「まぁそれはそうだよね、ゴメンね越野クン。でもいきなり試合なんて自信なくてさ。

いつも見てるでしょ?ボクの体力の無さをさ。」

 

「…まぁな、オレもそれは分かってるぜ。

だから変だと思うんだよ。

試合なんてお前にはまだ無理だよな。」

 

「うんうん、そうだよ。試合なんて今出たら皆の前で吐く羽目になるよ。」

 

「絶対その前にトイレに行けよ!?」

 

「それかそうなる前に誰かに言いなよ…。」

 

「じゃあ越野クンと植草クン連れてってね!」

 

「「ハァ…。」」

 

「試合で使われる程のいいトコなんて見せてないけどなー。」

 

「いやそれは…。」

 

そう3人が話していると月野を見ていた福田と呼ばれていた部員が突然話に割り込んできた。

 

「それはお前がセンドーと渡り合ったからだ。」

 

「キミは…?名前なんだっけ?たまに目が合うしそれにボクの事結構見てたよね?」

 

「オレは福田だ、福田吉兆。」

 

「福田クンね、よろしく。」

 

「…。」ブン

 

「おっと!いきなりボール投げないでよ。」

 

「打ってこい。」

 

「え?」

 

「センドーにやったあのシュートを打ってこい。」

 

「おい福田!月野に絡んでないで早く掃除しろよ!」

 

「うるさい。さぁ来い。」

 

「お前なぁ…!」

 

「まーまー越野、させてやれよ。センパイ達も今は居ないんだからさ。」

 

そばで話を聞いていた仙道も割り込んでくる。 

 

「仙道…!」

 

「でも勝負するなら負けた方が残って最後まで1人で掃除ってのはどうだ?」

 

「はぁ?何勝手に決めてんのさ?イヤだよ。」

 

「ちなみに勝ったヤツは今すぐ帰っていいぜ。月野か福田が残って掃除だな。いいか福田?」

 

「それでいい…、来い月野。」

 

「はぁ…知らないよもう。ボクも残りたくないから本気で行くね。で?ルールは?サッと決めたいんだけど」

 

「じゃー、シュート決めたらその後交代してシュート止めた方が勝ちで。」

 

「OK。福田クン、先攻と後攻どっちにする?ボクはどっちでもいいよ。」

 

「お前が先攻でいい。」

 

仙道の簡単なルール提示に2人は納得し1on1の勝負が始まる。

 

「(なんかすごい自信だな…。流川クン並だったらどうしよ。)…じゃあ行くよ。」

ダン、ダン!シュン!

 

「!!!」

 

月野は福田に向かってドリブルインでリングに向かっていくと、あっさり福田のディフェンスを抜いてしまう。

 

「!?(あれ!?あっさり抜けた!?じゃあこのまま!)」シュ!

 

パサ!

 

そしてあっさりとレイアップを決める月野。

 

「…。」

 

「ど、どうしたの福田クン…?仕掛けがいきなり過ぎたかな…?」

 

「速すぎて反応できなかった…。」

 

ガクッ!

 

福田の発言に勝負を見ていた一同は呆気にとられた。

 

「おい福田!お前あんだけ大口叩いといて何だよそれ!」

 

「ビッグマウスすぎる…。そういえば福田は初心者だったな…。」

 

「ま…、まぁまぁ…!

次止めりゃイーブンだ、頑張れ福田。月野はディフェンスはそーでもねぇ。」 

 

「ああ。」

 

「次はボクがディフェンスね。

ボクが止めたら掃除は抜けさせてもらうね。」

 

「そうはさせない、行くぞ。」

ダン!シュバ!

 

「!(速い!)」

 

福田がディフェンスの時の棒立ちとは違い、

鋭いドライブでボールを操り、切れ込んでいく。

 

だが昼から気絶()していた月野の体力は回復しており、

福田のドリブルは速さはあるがまだ初心者で拙く、

ブランクはあるとはいえ経験者の月野のディフェンスには通用しなかった。

 

 

「まだリングまで結構遠いよ?早く抜いて前に行かなきゃ。

それともここから打ってみる?」キュキュ!

 

「く、くそ…!」ダン!キュ!キュ!ダン!

 

「まだドリブルを目で見てるね!」バシッ!

 

「あっ!?」

 

月野にボールをスティールされ、

福田と月野の掃除をかけた勝負は月野の勝ちで決まった。

 

 

「勝負あり、だね。」

 

「も、もう一回だ!」

 

「また今度やろうよ、今日はもう遅いし。

あ、それより福田クン掃除頑張ってね。」

 

「イヤだ。」

 

「は?」

 

「もう一回やらないと認めない。」

 

「いやいや福田クン、それはダメだよ。子供じゃないんだから。」

 

「今のはシュートブロックじゃない。」

 

「なんて負けず嫌いなヤツ!ボクに完全にスティールされたよね!?」

 

「スティール?それよりもう一回だ。」

 

「仙道クン!これボクの勝ちだよね!?見てたでしょ完璧なスティール!」

 

「もう仙道はいないぞ。」

 

「あっズルっ!ねぇ誰か福田クン言い聞かせてよ!」

 

「さー掃除早く終わらせよーぜ。」「そうだな。」

 

「無視!?」

 

「…怖いのか?次は勝てるかどうか分からないのが。初心者のオレに。」

 

「な、何だと!この…!それじゃ完璧に負かせてやる!」

 

ダン、ダン、ダン!キュキュキュ!

 

福田の挑発に乗りまた勝負を始める2人。

 

「よし後はあの2人に掃除任せて帰ろうぜ。」「そうだな。」

 

「仙道に月野に福田…!何で俺の同期は変なヤツばっかりなんだ!」

 

越野は変わり者ばかりの同級生の存在に嘆いたのだった。

 

 

 

 

               次話に続く!

 





次の練習試合はあっさりめで進めるかどうかで迷ってます。
次話もよろしくお願いします。
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