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「お前達!明日の練習試合のスタメンを発表するぞ!」
予定していた湘北との練習試合の日が前日に迫り、陵南バスケ部の部員達は田岡監督からメンバー発表を聞いていた。
『お前を今度の湘北との練習試合で使うかもってさ。』
「…。(使うかもって、練習試合とはいえいきなり高校の試合なんてついていけるかな。)」
「月野!聞いとるのか月野!」
「は、はい!何でしょうかカントク!」
「お前はシックスマンだ、いつでも準備しておけ。」
ザワザワ…!
田岡からの発表に一同がざわついた。
「(やばい…良くてワンプレー位程度で使ってもらおうと思ってたのに…。)あのーカントク…。」
「何だ。」
「(月野〜!てめぇ何言うつもりだ!)」ジロリ!
「…げ。(ここで辞退なんてしたらまた越野クンにぶっ飛ばされるな〜。)いや何でもないです。」
「そうか。
他のメンバーは月野のフォローをしてやれ。
湘北はもちろん赤木で攻めてくるだろう。
だが今年入った1年ガードの宮城も注意が必要だ。しかし中を固めて抑えればウチの勝利は間違いないだろう。
しかし!練習試合だからとはいえ手を抜かず自身の成長や経験値を稼ぐつもりで試合をするんだ!いいな!」
「「「はい!」」」
「では解散だ、1年は掃除をしてから帰るように。」
〜ミーティング後1年生掃除中〜
「すごいな月野、もうメンバー入りのシックスマンだなんて。」
「ありがとう植草クン、キミもすぐ入れるよ。ていうか早く入ってきてよ3年の先輩は嫌味っぽいしイヤだから。」
「しー…、聞こえたらまた色々言われるよ。」
「あ、やば。」
「それにしても月野!お前さっきメンバー発表の時に辞退しようなんて言うつもりじゃなかっただろうな!」
ぎく!
「い、いや越野クンに睨まれたから言うのやめたよ。」
「はぁー?そこは嘘でもそんなの言うつもりなんてなかったって言う所だろーが!何開き直ってんだよ!」
「でも月野はスゴいよ。あんなに練習中倒れてるのにメンバーに選ばれるなんて。」
「…ビミョーに褒められてる気がしないような…。」
「くそ!俺もアピールできれば試合に出れるかもしれねぇのに!」
「早く2人ともメンバー入りしてきてよ。なんか1人で居場所がないから。」
「?仙道がいるだろ。」
「あの人はボクにとって敵寄りの味方だね、いつもなんか煽り気味だし。」
「何だよそれ。まーあいつが煽り気味ってのは分かるけど…。」
「そうそう、あと仙道クンは少し意地悪だって話…」
「何辛気臭い話してんだ?」ガバッ!
「うわっ!?いきなりくっついてこないでよ!?」
「俺は明日点取りまくるぜ。ついてこいよ?」
「分かったから離れてよ、ただでさえお互い汗かいてるんだから。」
「出てきてすぐへばんなよ?お前にゃガンガンパス出すぜ。」
「試合中はパスなんて出さないタイプじゃないの?」
「面白そうだからお前にゃ出す。」
「いやーなヤツ…。ほら聞いた?敵寄りの味方でしょ?」
「くそ!何かこの2人が同じ1年なのに遠く感じるぜ。」
「地道にやるしかないよ越野、頑張ろう。」
「聞いてないし…。」
〜そして次の日の練習当日〜
「湘北高校です!よろしくお願いします!」
「湘北がきた…!ってでっか!?(魚住さんと一緒位の身長!?)」
「アレが赤木か…。」「流石の貫禄だな…。」
ザワザワ…ザワザワ…
陵南バスケ部の体育館に姿を現した湘北高校バスケ部の面々、そのキャプテン『赤木剛憲』に陵南の一同が驚く。
「ふーん…、あれが赤木ね…。」
そしてウォーミングアップを済ませた両者は前半20分後半20分の練習試合を始めようとしていた。
「赤木…!」
「魚住…!」
「おお…あの2人が向かい合うと絵になるなぁ。後どっちも同じ系統のカオ。」
「何を相手の選手に感心しとるかバカモノ。」
「いや迫力があったのでつい…。(何でよりによってカントクの隣に座らなきゃなんないんだよ!端の方の1年の方に行きたかった!)」
陵南は部員が多い為、1年は体育館の端の方で応援しており植草と越野もそこにいた。
試合開始します!
ピー!
試合開始の笛が鳴らされジャンプボールをセンターの魚住と赤木の両者がジャンプし競り合い取り合う。
ブワァ!
「うおお!」
「フッ!」
バシッ!
試合開始のジャンプボールの軍配は赤木に下った。
「くそ…!」
「よし…!」
「魚住さんがジャンプボール取れなかった!?」
「すごい高さだ!」
「よし速攻だ!」ダンダン!
「もらうぜ!」バシ!
「何ッ!」
湘北の1年のPF(パワーフォワード)『角田悟』がボールを持ち速攻をかけようとすると、そこに仙道が電光石火の如くスティールをかけボールを奪った。
「さ、いこーか。」ダン、ダン、
「見ろ月野、1年にも関わらず仙道のあの落ち着いた様を。やはり仙道は天才だ。」
「仙道クンみたいな1年生どこ探したっていないですよ。」
「ふふふ…そうだな。(そんな男をスカウトしたこの田岡茂一…やはり有能か…!)」
「仙道!一旦こっち入れろ!」「行けー仙道!」
ダン、ダン、
「…。(フッ、やっぱ試合はいいな。ん?)」チラ
落ち着いたドリブルをしながら陵南のベンチにいる月野に視線を向ける仙道。
「?頑張れ仙道クン。」
「オウ。(お前が入って来やすいよーにしてやるか。)」
「仙道ォ!遠慮なくガンガン仕掛けろ!リバウンドはオレが全部獲ってやる!」
「何だと魚住…!生意気いいやがって…!来るぞ!ディフェンス!」
「オーケー!魚住さん!」スッ!シュッ!
「あ。(スリーだ!)」
魚住の言葉に押されてか、シュートセレクションも考えずに突然スリーポイントシュートを放つ仙道。
ガィン!ガン!コロ…パサッ…
強引な形のシュートだったが陵南の先制の一撃が決まった。
「やり!」
「うぉーいきなり3点だー!」
「「「陵南!陵南!」」」
「いきなり決めるかこのヤロー!」「1年のくせに!」バシバシ!
「それでいい!良くやった!!!」バシィ!!!
「へへ、どーも。いて!」
「…シュートセレクション的には良くはないが、相手に与える点の入りとしては悪くないのかもしれんな。」
「いや悪いですね、全部。」
「何だと?」
「だってリングにガンガンぶつかって最後はギリ入ったようなシュートだったじゃないですか。あんなのスリーの出来損ないです。」
「な、何を…!月野!お前はどっちの味方なんだ!」
「…すみません。でもシュートはリングに掠らずに入るのが最高なんです。」
「じゃあお前は出来ると言うのだなそのシュートが!」
「できなきゃこんなの言わないですよ。」
「ならば後半からお前を投入する。そこまで大口を叩くのならやってみろ!」
「分かりました。体動かしてきます。」
「フン…!生意気な小僧め…!(よし…!月野を焚き付ける事が出来た…!
コイツはブランクのせいで自分に自信がなくまたバスケに対してそんな欲もなく感じる。
この練習試合で自信を植え付けさせて今年から使っていくぞ!)」
そして試合は仙道の一撃から陵南優勢で進んでいった。
だが1人だけ点を取り続けた湘北の選手がいた。
「ダンナ!」シャ!
「おう!」パシ!
「また赤木だ!」
「うぉぉ!」シュ!
パサ!
陵南 湘北
《42-22》
「入ったー!」「これで何点目だ!?」「もう14点目だ!」
「よしまだいけるぞ!さーディフェンスだ!」
「くそ…!赤木…!」
「赤木…!やはりまだ今の魚住では及ばないか。(そして宮城…なぜウチに来なかった…!)」
「カントク、あのガード足速いしパスも上手いですね。」
「やはり気になるか月野。
奴は『宮城リョータ』お前と同じ1年だ。見ての通り上背はないがあのスピードに加えてジャンプ力もあってブロックもできる選手だ。」
「そうなんですかスゴイ選手ですね。(PGじゃなくてよかったー。言っちゃ悪いけど湘北のメガネかけてるSGの人はそこまで苦戦しなさそうだし。)」
そして田岡と試合について語っていると前半の終了の時間になっていた。
「前半終了だ、後半からいけるか月野。」
「分かりました、行きます。」
ピピピー!前半終了ー!
前半が終了した時点でスコアは陵南56-湘北28のダブルスコアと点差は大きく離れていた。
「よしお前はSG(シューティングガード)だ、行って来い!」
「はい!行ってきます!」
そして月野の高校初デビューの試合となるのだった。
端の方で応援していた越野と植草も月野に声をかける
「頑張れよ月野ー!」「変なプレーすんなよ!」
「ありがとう2人ともー!頑張るよ!」
そしてコート内に入ると月野はスタメンのメンバーに声をかけた。
「SGで入らせてもらいます!よろしくお願いします!」
「おう。」
「疲れたらすぐ言えよ月野。」
「ありがとうございます、頑張ります。」
上級生と言葉を交わした後、同じ1年生の仙道に声をかけられた。
「おっ、来たな怠け者。」
「キミさ、シュート荒すぎ。もうちょっとキレイに入れなよ。」
「シュートなんて入ればいいだろ?それに俺24点も入れてんだぜ?」
「入れればいいってものじゃないよ。」
「そこまで言うなら見せてみろよ。」
「ボール持てたらね。」
「よーしすぐ持たせてやる。」
「…そんなにすぐには持たせてくれなくていいよ?」
「さて…リングに掠らないシュートやらを見せてもらおうじゃないか月野よ。」
田岡の期待と共に月野の挑戦が始まるのであった。
次話に続く!
次で練習試合は終わりです。