今回の話から主人公以外のオリキャラも少数ですが出していこうと思います。(登場した時は後書きで紹介するか、話の中で紹介します。)
今回文字数が多いです。
〜神奈川予選会場〜
「ここが予選会場…。」
福田の無期限部活動謹慎という出来事から数ヶ月という月日が経ち、神奈川県予選大会が始まった。
陵南の面々は試合を行う為、予選会場に到着した。
予選ブロックはAからDで別れており、
現在は海南、翔陽、陵南、武里の4校がシード選されている。陵南はDブロックのシード選出からのスタートで相手は一度練習試合で闘った湘北であった。この試合で勝った方が決勝リーグに進む事になる。
「おい月野!ボサッとしてないで控室に行くぞ!」
「あ、うん。」
…………………………
〜陵南高校控室〜
「いやー1回戦(シード選抜での)の相手が湘北なんてなんか感じるものがあるね、越野クンもそう思わない?」
「ハァ?何呑気な事言ってんだよ。ウチは湘北に圧勝したんだぜ?そんな相手に特に感じる事なんか無いだろ。
しかしウチにボロ負けした湘北がここまで勝ち進んでくるとは思いもしてなかったぜ。」
「あくまであれは練習試合であって本番じゃないしその時とは強さが違うんじゃ?
あ、それのボクと後半で交代すると思うからよろしくね。」
「フン、前半でバテて交代とかやめろよな。」
陵南のスタメンメンバーは3年のPFとセンターに2年魚住、ガードに池上、1年にフォワードとして仙道、ガードに月野、ベンチ入りメンバーにも越野、植草と1年生を入れており、1年生に経験を積ませようという選出になっていた。
「にしてもさ、植草クンをギリギリまでベンチ入りに選ばなかったのはカントクの見る目を疑ったよね。」ヒソヒソ
「それは同感だ、だから福田の事があったんだろ。」ヒソヒソ
「やめなよ、監督に聴こえちゃうよ。」ヒソヒソ
「何か言ったか。月野、越野。植草。今日の試合で使わなくても良いんだぞ」
「「「いえ、何も。」」」
優等生と思っていた越野と植草も月野に影響されてきてるな…と他の陵南選手達は感じたのだった。
………
「よぉーし時間だ!お前達行くぞ!」ズンズンズン!
「「「おぉ!」」」
試合の開始時間が迫り、
田岡の声掛けと共にコートへ向かう陵南高校の面々。
「フゥー!」ズンズンズン!
「おおー!陵南だ!」「やっぱビッグジュンはその名の通りでけえー!」
陵南の登場に観客が湧く中、
試合開始前になり、陵南と湘北の顔合わせとなった。
「「よろしくお願いします!!!」」
「よろしくお願いします!(あれ!宮城クンがいない…?)」
月野は再戦を約束し会話を交わした宮城リョータを探すが、湘北のメンバーの中には見当たらなかった。
「あのー…宮城クン今日は出場しないんですか?」
宮城リョータが居ないのを疑問に感じ、自分と同じポジションの眼鏡をかけた湘北の選手にその事を尋ねた。
「あ、ああ…宮城は…、」
「木暮、敵に余計な事を言うな。」
「す、すまん。宮城は体調が悪くて今日は出場出来ないんだ。」
「そうなんですか…、残念です。」
何か事情があると思った月野だが野暮だと思いそれ以上の詮索はやめたのだった。
……
「安西先生、今日はよろしくお願いします。」
「ほっほっほっ、こちらこそよろしく。」
「…。(白髪鬼と言われていた面影は今や見る影もないが安西先生に対して油断はできん。
福田の時のような采配ミスはもう絶対にせんぞ。)」
……
陵南高校対湘北高校の試合を開始します!
「ふぅ。(どこまで進めるか分かんないけどやってやるぞー!)」
ピー!
主審がボールを真上に投げ赤木と魚住はジャンプし競り合う。
勝てば決勝リーグ進出が決まる試合が始まった。
ブワッ!
「「うぉぉ!」」バチッ!
「ジャンプボールは互角!」
「よし先取点行くよ!」パシ
魚住と赤木の両者が取り合い弾かれたボールは月野の元に向かいそれを拾い、陵南のマイボールとなった。
「月野!」
仙道からパスを要求され反応し、すぐさまパスを出した。
「オッケー!」シャ!
月野は既に前を走っていた仙道にワンバウンドで鋭いパスを出す。
パシ!
「ナイスパァス!」ダン!ダン!ダン!
「止めろぉ!」
「は、速い!追いつけない!」
パスを受け取りリングに向かって疾走する仙道。
湘北の選手達はその速さに対して追いつくことが出来ない。
「行くぜッ!」ブワッ!
ガシャン!
そして勢いそのままにジャンプし先制点のダンクシュートを決めた。
「「うぉぉぉぉー!」」
「いきなりダンクだー!!」「あれが仙道彰か…!」
「いいパスだったぜ月野。」
「そっちこそナイスダンク。」
「よぉーし!いいぞ仙道!」バシィ!ワシャワシャ!
「いて!へへ、どーも魚住サン。」
そして練習試合と同じく仙道の一撃での試合開始で陵南は勢いに乗るのだった。
湘北のオフェンスでは、1年でPGである『安田靖春』が出場していない宮城リョータに代わりPGを務めていた。
「うう…。(リョータが居なくなった途端にスタメンで使われるとか緊張するー!)」
「…。」ギラ!
「う…!」
「ディフェンス1本だ!いいな月野!」
「はい!ディフェンス1本!守りましょう!来い!」
「(な、何て気迫なんだ…!)あ、赤木さん!」
シャ!
陵南のディフェンス気圧された安田はそのプレッシャーから逃れる為に中にいる赤木にパスを出す。
「来てみろ赤木!」
「フン…!いつも威勢だけはあるな魚住!」
ググググ…!
「おおー…。あのやっぱり2人の競り合いは絵になるねー。」
「全員で囲め!中を小さくして赤木に何もさせるな!月野はそのままマークを外すなよ!」
田岡の指示通り4人がかりで囲むと県内随一のセンターと名高く言われている赤木剛憲を封じ込む。
「くっ…!」
「そりゃ魚住さん含めて4人に囲まれたら赤木さんといえど何もできないか。カントクもつまんない戦法とるよなー。正々堂々魚住さん1人にに任せればいいのに。」
「赤木!こっちだ!」
4人がかりでディフェンスする陵南は当然湘北の他の選手に隙を与えてしまう。
「おう!」シャ!
「よし!」パシ!
「あ、やば!」
「いけっ!」シャ!
パシュ!
「やった!入ったぞ!」
陵南の外の隙をつきSGである木暮が3点を決めた。
「あちゃー…4人にマークされる赤木さん見てたら油断しちゃった。」
「なーにをしとるか月野!お前はマークを外すなと言っただろうがー!手抜きでディフェンスするなど誰が教えたー!!」
「すみませーん…。」
「気にするな月野。お前はやれば何でもこなせるんだからプレーで取り返せ。」
気落ちする月野に2年Gの池上が励ましの言葉をかける。
「あ、ありがとうございます池上さん。
はい、やります。(ホントこの人がカントクやればいいのになー。)」
だがそんなプレーにも関わらず陵南の攻勢は続いていき…
「また仙道だ!」
「!」ダン!
「ぬ、抜かれた!」
鋭いペネトレイトから相手を抜き、インサイドへ切り込む仙道。そしてそれをカバーする湘北のSG木暮だったが…。
「行かせない!」
「(月野のとこ空いたな。)月野!」ヒュッ!
「オッケー!…これで5本目!」シャ!
パシュン!
「ナイシュ!」
「仙道クンもいいパスありがとう。」
「ああ──」
「いいぞ月野!シュートだけならいっぱしだな!」バシィ!
「ぎゃあ!…魚住さん!急に後ろからバシッてやるのやめてください!」
「?何を驚いてる、いつもの事だろう。」
「クックックッ、そーとー驚いてやんの。」
魚住、仙道、月野と、田岡が考え得る構想で、
陵南の柱となりうる主力の選手が称え合う姿を見て思いを巡らせる。
「(仙道、そして月野の2人がこの大会で見せるプレーは海南の牧、翔陽の藤間、
そして全国プレイヤー達に通ずる物がある…!
福田の件もありどこか今年は全国出場を目指すのはチームとして時期尚早という考えがあったがそんな考えは無しだ!)」
「よーし!いいぞ月野!そのまま1本も外さず狙っていけ!ディフェンスは多少ザルでも構わん!」
「喜んで了解でーす!」
「「(また監督の月野への甘やかしが始まったな…。)」」
月野と田岡の士気が上がる中(周りは呆れた様子だが)それに続く?ように陵南の得点が重ねられていく。
「月野だけが打てる訳じゃないぜ!」シャ!
シュパ!
[おおー!決まったー!]
[陵南の勢いが止まらねぇー!]
[陵南がこんな3点攻勢で攻めるとこなんて見た事ねぇぞ!やっぱりあの月野とかいうガードが入ってからなのか?]
仙道も月野に張り合うようにこれ見よがしに3Pを打ち綺麗な軌道を描いて決めた。
「よう、これでお前さんの要望通りのシュートか?」
「…生意気、だけど前よりシュート上手くなってるよ。バンクシュートじゃなかったし。」
「サンキュー。さ、まだまだ行こうぜ。」
「(フム…。流石仙道くん。今のウチでは彼を止める事が出来るプレイヤーは居ないかもしれない。)」
驚異的な突破力と得点力を持つ仙道に湘北の安西監督は対策としてダブルチームでの対応策を講じた。だが、
「安西先生…、2人つかせましたか。だがそれで抑えれる仙道ではない。」
「」ダン!
「く、くそ!」「ぬ、抜かれた!」
「(よし後は入れるだけだな。)!?」
「調子に乗るなよ!」バッ!
ダブルチームでのディフェンスを難なくかわした仙道に湘北センター赤木剛憲がヘルプでマークにつく。
「!(うお!何て圧力!ここは空いてる魚住さんにパス…。)
「仙道!」
「(…いや、それじゃつまんねぇ!)」ブワッ!
「赤木さん相手にダンクに行くのか!?」
「赤木止めてくれ!」
「(こいつを叩けばまだ流れは湘北に来る!)うぉぉ!」ブン!
「」スッ…クルッ!シャ!
両者が衝突し、赤木のブロック(通称ハエたたき)が炸裂するかと思われたが、
仙道はダンクシュートに行く体勢の途中で持ち手を替えボールを下げ別方向に体を反転してダブルクラッチシュートを放った。
パサ!
「…っし!」グッ!
ワァァァァァァ!!!
仙道のスーパープレイに会場の観客は湧きに湧いた。
「くそ…!(何て男だ…!仙道彰、これでまだ1年か…!)」
「赤木さんが止めれないなんて…!向こうの2mは止めてるのに…!」
「赤木さんと木暮さんの活躍で何とかここまで来れたけどもう駄目だ…!リョータも居なくなったし…!」
「こら〜アンタたち!弱気になってどうするの!次はオフェンスなんだから切り替えなさい!赤木先輩も切り替えて!」
「仙道クンのプレーもスゴイけど湘北のマネージャーの子はもっとスゴイな…。」
「月野、ディフェンスだ、切り替えていくぞ。」
「あ、はい。」
仙道のプレーに会場が湧く中、冷静に仙道を見つめる男がいた。
「フッ、暴れてるな仙道。だがまだ甘い…。」
ゾクゾク!
「(なんか背筋が!)」
「どうしたの仙道クン?」
「なーんかイヤな視線がした。」
「モテる男はつらいね。」
「いやそんなんじゃねぇ、もっとこう…なんか狙われてる感じだ。」
「ふーん。さ、ディフェンスだよ。」
「ああ。」
それからの試合展開は湘北のプレーは赤木と木暮は得点を上げているがそれ以外に良いところはなく、対照的に陵南は赤木に抑えられる魚住を除いて躍動してプレーをしており、
特に成長目覚ましい仙道、月野の活躍もあってか点差も開いていき試合は後半に差しかかるところで陵南の勝利は決定的と思わせる展開となっていった。
そして特に目立った活躍を見せているのは仙道彰と月野真琴の1年生の両名であった。
パシュ!
「ナイシュー!」「これで月野はスリー10本目だー!」
「絶好調だな月野。」
「ウン、ソウダネ。(やばいキツくなってきた。)」ハァハァ
月野と仙道の勢いの止まらないプレーに湘北のマネージャー彩子と監督の安西はそれぞれに感想を感じて言い放った。
「あ~もう!何て2人なの!仙道を止めようとすると月野にパス!月野を止めようとすると仙道!」
「仙道くんと月野くん…、あの1年生コンビを止めるのは至難の技かもしれませんね。」
そして仙道に対して見つめて背筋を凍らせた男は月野に対しても視線を送っていた。
「月野真琴…。榊(さかき)さんに報告しとかないとな。」
「んっ!?」ゾクゾク!
「どうした?」
「イヤーな視線感じた。」
「だろ?こりゃこの試合でマークされたな俺達。」
「マークされるのはいいけど変なヤツだったらヤダな…。」
月野の心配をよそに試合は陵南の圧倒的優勢のペースで進んでいき…
ピピー!試合終了!
「「ありがとうございました!!!」」
120-55で陵南高校の勝利で決勝リーグをかけた試合は終了となった。
そして試合終了後、田岡は月野に今日の試合での動きについて振り返っていた。
「よく体力がもったな月野、池上とのダブルガード、そして後半は越野と交代しながらだがな。だがやはり後半のシュートセレクションには課題がー」
「はい、ありがとうございます。ボクはちょっと用事があるので失礼します!すぐ戻ってきます!」
「お、おい!どこへ行く!…まったく勝手なヤツだ。」
田岡の言葉を半ば打ち切り月野は湘北高校の『木暮公延』を探し試合前に聞く事が出来なかった宮城リョータの事情を聞き出そうとしていた。
「また来年やり直しだな赤木。」
「ああ。」
「(居た!)あのっ!木暮さん、話があるんですが。」
「…ん、ああ。月野君じゃないか。一体俺に何の用だ?」
「どうしても聞いておきたい事があって少し向こうで話とかできませんか?」
「何よ月野真琴!アンタに教える事なんて何も無いわよ!」
「い、いや、試合とかプレーの事とかじゃないんです!」
「はぁ?じゃあ木暮さんに何聞こうとしてんのよ!」
「やめろ彩子。…小暮、先に行って待ってるぞ、バスが来るまでには来い。」
「あ、ああ、すまない赤木。そうするよ。」
…………………………
「すみません、引き留めてしまって。
今日はありがとうございました。それで聞きたい事ってのは宮城クンの事なんですけど…。」
「…君はどうして宮城の事を気にするんだ?」
「練習試合の時また会って試合しようって約束したんです。少ししか話してないけどボクの事色々と心配してくれたのもあって気になってて…。」
「そうか…。君になら話しても大丈夫そうかもな。」
実は宮城リョータは不良グループと暴力事件を起こして部活動謹慎とその際の喧嘩での怪我が響き入院生活を余儀なくされているのだった。その事情を月野に言っていいのか迷った木暮だったが、月野の理由を聞き信じて話すことにした。
「そ、そんな事が…!無理やり聞いてしまってスミマセン!」
「いやいや俺が勝手に話したんだから気にしなくていいよ。それにこの話は宮城が事故にあったって事でもう終わってるんだ。
月野君が行ける時でいいからお見舞いに行ってやってくれないか?かなり暇してるみたいだから。入院してる病院は北村総合病院だ。」
「…分かりました。行かせてもらいます。」
「木暮さーん!バス来ちゃいますよー!」
「あ、ああ!今行くよ!じゃあな月野君、頑張れよ。それじゃ!」
「はい!ありがとうございます!頑張ります!
…ヤバ!ボクも行かなきゃ!」
負けた相手に激励をして去っていく木暮。
月野はそれに感謝をしつつ会場を跡にするのだった。
…………………………
〜海南大付属高校体育館〜
「ふむ…。」パタパタパタ…
扇子をぱたつかせながら部員の練習を見守る人物は海南大付属高校の監督『高頭力』。
長年にわたり海南をインターハイ代表に導いてきた人物で今年も海南を代表に導くために選手の観察や指導を行っている最中である。
「遅い!」バチッ!
「うっ!」バタン!
「シュートに入る時のモーションが遅い、もっと打つ姿勢を速くとるんだ。その事を考えながら反復でシュート練習をこなせ、いいな神。」
「はい、ありがとうございます。」
そう的確にアドバイスを送る人物は
『榊 総梧(さかき そうご)』
3年の海南高校現キャプテンで、潔く切り揃えられたストレートボブヘアと整った顔立ち、
冷ややかな瞳でクールな印象を相手に持たせ最上級生としての貫禄を持つ人物である。
「よし次は…」
「榊!牧が戻って来たぞ!」
「…そうか、では話を聞こうか。」
榊が次の練習にかかろうとした時、
メンバーの『牧紳一』が他校の偵察から戻ってきた。
「ただいま、榊さん。」
「偵察ご苦労だったな。何か気になる事はあったか。」
「色々とありましたよ、特に陵南。」
「…そうか、それでは全員で話を聞こう。皆集合だ!ミーティングを始める!」
選手達自身でミーティングを開き話し合う様子を見て高頭は不敵に笑った。
「…今年も王者海南には隙や慢心など1つもない…!」
神奈川王者海南大付属高校を始めとした県大会ベスト4が出揃った決勝リーグが始まろうとしていた。
オリキャラ紹介
榊 総梧(さかき そうご)海南大付属高校3年
ポジション SG 184cm 体重72kg 海南高校キャプテン
シャープで潔く切り揃えられたストレートボブヘアで整った顔立ちと冷ややかな瞳で、クールな印象を相手に持たせる人物。
相手にシュートを打たせずシャットアウトし、相手が嫌がるディフェンスを徹底的に行い点を取らせず心身ともに追い詰めるプレーを行う。
スタミナ、メンタルと共に高く、アウトサイドだけでなくインサイドプレーもこなすオールラウンドプレイヤー。