陵南高校のシューター!   作:ゆーざー315

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今回文字数多くなったのでちょこちょこ見てもらえると幸いです。
(誤字も多いかも)
お気に入り登録と読んでくれた方ありがとうございます。


第9話「陵南vs海南 前半」

 

 

 

 

ピピー!試合開始!

 

バッ!

 

〜ジャンプボール【魚住vs高砂】〜

 

「うぉぉ!」「うぉぉぉぉ゙!!」

 

バシ!

 

「ナイス魚住さん!」

 

「(やっぱり魚住さんが取った!)」ダッ!

 

ジャンプボールは魚住に軍配が上がりそれに反応した植草が拾い陵南ボールからの開始となった。

 

「行けぇ!速攻だー!!」

 

「植草クン!」

 

「行け月野!」

 

そしてボールを拾った植草が月野の合図を聞き既にリングに向かい走る月野にパスを出し陵南は速攻をかけた。

 

「榊さん!小菅!」

 

「ああ。」ダダッ!

「おう!」ダダッ!

 

 

リングに向かって突き進む月野は開始前に榊に言われた言葉を思い出していた。

 

『5本だ、お前の決めれるシュート数は。』

 

「(5本だと〜!絶対それ以上決めてやる!!)」ダン!ダン!ダン!

 

 

 

だがそれを決めさせまいと榊と小菅の2人が前に回り込んだ。

 

バッ!

 

「」キュキュ!「」キュキュ!

 

 

「(さてどーするか…。2人抜いて決めるのは流石に無理!一旦横を走ってる仙道クンに…!)」ダン!ダン!ダン!

 

「…。」ダダダ…!

 

「小菅、14番月野につけ。」

 

「はい!」

 

「(あいつ…!仙道クンをマークした!?

それなら…!)」キュ!

 

急停止してシュート体勢に入る

 

「なにぃ!いきなりスリーを打つのか!?」

 

 

「…。(見させて貰うぞ月野。)」

 

 

「舐めるなよ1年!」ブワッ!

 

突然のシュートに驚きはしたが反応してブロックする小菅。タイミングも合っており止められると思われたが、

 

 

「そんなシュートブロックじゃフリーも同然だね!」シャッ!

 

「な…!リリースが高い!?」スカッ

 

「…ほう。」

 

「(完璧!)」

 

パシュッ!

 

「よし!」

 

小菅のブロックはリリースポイントの高い月野のシュートには届かずボールがリングを通り抜け陵南の先制点となる3点が決まった。

 

 

  スコア

陵南《3-0》海南

 

 

 

《おおー!海南相手にいきなりスリー決めたぞあの1年ー!!》

《この調子なら海南に勝てんじゃねえのか!?》

 

 

「どーですか?もうすでに1本決めましたよ!本当にボクを抑えれるんですか?」

 

 

「…見事なシュートだった。」スタスタ

 

「そ、それだけ?(くそー!余裕な感じみせやがって!バシバシ決めてその表情崩してやる!)」

 

 

月野の自慢としているシュートを目の当たりにした海南大付属高校の1年『神宗一郎』は衝撃を受けた。

 

「すごいシュートだ…!」

 

「神よ、あいつはお前と同じ1年生だ。かなり刺激を受けるだろう?」

 

「…俺が理想としているシュートを

アイツは目の前で打ちました。今ベンチにいるのがもどかしい気分です。」

 

「ハッハッハッ!そうかそうか!良く見て参考にさせてもらえ。」

 

「…はい。(試合に出て月野くんとシュートを比べてみたいな。そして、できれば目の前で見てみたい。)」

 

 

神がそう思いを馳せる中、月野はそんな事もつゆ知らず榊の反応に苛立ちを見せていた。

 

「あーいらつく!いらつく!」

 

「あんまあんな煽り方すんなよ、それにあの人にゃ効果ねぇよ。」

 

「アッチが最初に煽って来たんだよ!」

 

 

 

「?あいつに何か言ったんですか榊さん。」

 

「月野にシュートは決めさせないと試合前に言っただけだ。」

 

「おーこわ、あいつも1年生なのに災難ですね。」

 

「ゲームメイクはいつも通り任せたぞ牧、頼りにしている。」

 

「ハイハイ、任されましたよ。」

 

 

 

〜海南のオフェンス〜

 

 

「ディフェンス!!」

 

ババッ!

 

「ふむ…、

3-2ゾーン(前方3人後方2人のゾーンディフェンス)か、枚と榊を警戒しての布陣…。

インサイドは魚住、池上に任せるという訳か。」

 

「(まだ牧や榊にマンツーマンでぶつけるには経験値が違いすぎる、ならばせめてアウトサイドだけはケア出来るこの布陣で勝負だ…!)」

 

 

「さて…、」

 

「うっ…!(何て威圧感だ…!ただ向かい合ってるだけで疲れてくる…!けどやって来た事をやるだけなんだ!)」ググッ…!

 

「!ほう…!(1年とはいえかなり鍛えられてるな…。)」

 

「植草クン!序盤なんだから気楽にいこーよ!気楽に…」

 

「」ジッ…

 

「ひっ…!(に、睨まれてる…!?

な、なんだよもー!さっき煽ったの気にしてるよやっぱり!)な、なんですか榊、さん?」

 

「…プレー中は喋りかけてくるな、気が散る。」

 

「は、はい。(自分は睨んでるクセに!)」

 

 

「(せ、せめて簡単には抜かれないぞ、練習の成果を見せてやる!)」 

 

「…小菅!」シャッ!

 

「おう!」パシ!

 

威圧感に気圧されている植草をよそに意外にも牧は仕掛けはせずフォワードの小菅にパスをした。

 

「いったぞ仙道!」

 

「オーケー。」

 

「お前がスーパールーキーと言われている仙道彰か。だが海南のプレーのレベルに果たしてついてこれるかな!」ダン!

 

「(むっ…。なかなか速い…!)」キュキュ!

 

 

「(田岡先輩、

才能ある1年生達を大会までに仕上げてきたみたいだが…。

今年はその選手達を育てる事に集中した方が良かったんじゃないですか?

果たして試合が終わるまでに選手たちが自信を無くさないといいですがね…。

せいぜい全国への良い踏み台にさせてもらいますよ…!)」

 

 

 

キュキュキュ!

「(まじーな、やっぱ体が重え。)」

 

「(抜ける!)今だ!」シュン!

 

「あ。やべ、」

 

「(仙道クンがあんなにあっさり抜かれた!?)」

 

「もらった!」ダンッ!ブワッ!

 

1対1で仙道を抜いた小菅はドライブからリングに向かいレイアップシュートの体勢に入るが、そこには陵南のゴール下の番人が待ち構えていた。

 

「うぉぉぉー!!」

 

「なに!?」

 

「ヌゥ!!!」バシーン!!

 

ピピー!アウトオブバウンズ海南ボール!

 

ビッグジュンこと魚住純のブロックが炸裂し、ボールはコートから弾き出された。

 

《うぉぉぉー!!!》

《すげぇ迫力!!!》

 

「魚住さんナイスブロック!」

 

「おう。」

 

「魚住サン、助かりました。」

 

「構わん、インサイドは任せておけ!」

 

 

 

「すごい圧とブロック力だ…!」

 

「高砂、魚住を攻略できそうか?」

 

「…足が動いている内は難しいな。それにパワーでは完全にオレより魚住が上だ。」

 

「…という事は、どうします?榊さん。」

 

「魚住に仕掛けるのは『今』は避けた方が良いだろうな。

…だが俺が一度奴に仕掛けてみる、皆フォローを頼む。」

 

「オーケー」「「はい!」」「分かりました。」

 

 

 

そして魚住がブロックしてボールを外に出した為、また海南のスローインからで再開となった。

 

「榊さん!」シャ!

 

「…。」パシ!

 

「気をつけろ月野!榊は外も打てるぞ!」

 

「はい!」グッ…!

 

「!ふむ…。(良い腰の落とし方だ、重心が安定している。

陵南の監督の指導は厳しいと聞いていたが本当だったようだな。)」

 

ゴゴゴゴゴ…!

 

「くっ…!(スゴイ威圧感だ…!でもムキになったルカワクンよりかは怖くない!それにディフェンスは嫌になるぐらい練習したんだ!)」

 

 

「(そうだ月野よ、練習が終わった後の私との個人指導でディフェンスを磨いた成果を見せてみろ!)」

 

ジリジリ…

 

「」スッ…

 

「(突っ込んできたら進ませない…!来なよ!)」

 

「…ハァッ!」ダン!ズバッ!

 

「…あ、ッ!?(は、速い!!!)」

 

警戒し全神経を集中させていたのにも関わらず電光石火のような榊のドライブに月野は一歩で置き去りにされる。

 

 

「な…、何だと…!?

(月野のディフェンスは仙道でも手こずっていたというのにそれを一瞬で置き去りにして抜き去るとは…!)

榊め…!何というヤツだ…!」

 

「…。」ダン!ダン!ダン!

 

「行かせるか!」バッ!

 

「池上さん!(くそ!全く反応出来なかった!)」

 

「!」ダン!ダン!ギュン!

 

「なっ…!?」ガクガクッ!

 

ヘルプに入った池上と対峙した榊はその直後、高速のフロントチェンジを繰り出し池上が対応できない隙に左から抜いた。

 

ビュン!

 

「あと1人…!」ダン!ダン!

 

 

「う、魚住!頼む!」

 

「決めはさせん!」バッ!

 

「魚住…!1年前より遥かに貫禄と実力がついたな!」

 

 

「魚住さん相手に勝負するのか!?」

「魚住さん!」

 

 

魚住と榊がぶつかろうとしている中、PG牧が人知れず動いた。

 

「…!」ダッ!

 

「むっ、(牧さん…!)」ダッ!

 

 

 

「…!」「うぉぉ!(ここで榊さんを叩く!)」

 

カッ!

 

最終的にリング下まで切り込んだ榊は魚住と対峙し、身長差も気にせずリングに飛び込みインサイドシュートに持ち込んだ。

 

「…!」ダン!ブワッ!

 

「な、なんてジャンプ力だ…!本当にガードの選手…!?」

 

「(高い!だが…!)決めれると思うなぁぁ!」

 

ブワァァァ!

 

「(止めたぞ!)」

 

「…。」スッ…、シャッ!

 

「な、なんだとォ!?」

 

魚住のブロックが決まるかと思われた直後にボールを下げパスを出す榊。その相手は近くに来ていた牧だったのだが、

 

「ほっ!」パシ!

 

「…む。」「何!」

 

「へへ、やり!」

 

それを見抜いていた仙道がパスカットしたのだった。

 

「せ、仙道クン…!(何だ、調子悪くないじゃん!)」

 

「よーしオフェンスだ、行こうぜ!」

 

 

 

「仙道…、オレの動きをずっと見てたな。」

 

「パスに逃げた俺が悪かった。

ディフェンスだ牧、切り替えるぞ。」

 

「ええ、分かってます。」

 

 

〜陵南のオフェンス〜

 

「やはり海南はマンツーマンで来るか。」

 

「そらちがゾーンディフェンスで来るならコチラは王道のディフェンスで行かせていただく。」

 

 

 

 

「…(田岡監督が言ってた事は…、)」ダン、ダン

 

『いいか植草、海南は基本的にマンツーマンで来る。

ならば枚と榊の所からは無理に仕掛けようとするな、それより確率が高い所にパスを出すんだ、いいな。』

 

「仙道、任せた!」シャ!

 

「それでいいんだ植草。」

 

「おう。」パシ!

 

「来るなら来い仙道!」

 

「…いーや、それよりもウチには確実に決めれる人がいるんで。魚住さん!」シャ!

 

「よぉし!」パシッ!

 

「(仙道クンが一切仕掛けずにパスした…?)」

 

 

「フン…!高砂よ…!1人でオレを抑えれるのか…!?」グググ…!

 

「くっ…!」ググ…!

 

「高砂!」

 

魚住が高砂のディフェンスに圧されていると武藤もそれに加わりダブルチームで魚住を抑えにいった。

 

「…たった2人で止めれると思うなぁ!!!」グワッ!

 

「うっ!?」「くっ!?」

 

「うぉぉ!」シャッ!

 

スパッ!

 

2人ががりでも止めきれず、ディフェンスを振り切った魚住はそのままゴール下シュートを決めた。

 

陵南《5-0》海南

 

「よぉーし!」

 

「ナイスシュート魚住さん!」

 

「そうだ!お前はやはり陵南の大黒柱だ魚住!」

 

「ちっ…、魚住を調子に乗らせるとまずいな。。」

 

「…もう少し動きが落ちないと仕掛けるのは無理そうだ。」

 

「何とかパスカット出来そうにないか?」

 

「上から通されたら無理だな。」

 

魚住に対して遅れを取っている様子を見た榊が指示を出した。

 

「高砂、武藤。魚住がボールを持ったら2人でついてくれ。」

 

「ですがそれだと池上の所がフリーになりますが…。」

 

「その時は俺がカバーする。」

 

「はい。」「了解です。」

 

「牧と小菅は仙道の動きに注意しろ。植草は多少甘く見て構わない、ヤツはそれ程仕掛けては来ないだろう。」

 

「了解。」「はい!」

 

 

 

パシン!

 

「魚住さん、絶好調ですね!」

 

「おう。このままの勢いでいくぞ!ついて来い!」

 

 

そしてその後の展開でも魚住の活躍は止まらなかった。 

 

「ッ!」シャッ!

 

《武藤のシュートだ!》

 

「ぬぁあ!!」バチン!

 

「何!?」

 

《うぉぉー!また魚住のブロック炸裂ー!!》

 

 

「魚住さん!頼みます!」シャッ

 

「よし!」パシ!

 

 

「うぉぉぉぉ!!」グググ…!

 

「く…、!押し込まれる…!」ガガガ…!

「(ファールを誘おうにも動きにキレがあるから誘えない…!)」ググ…!

 

「2人ががりでこんなものか!このまま決めさせてもらうぞォ!」ダンッ!シャッ!

 

 

 

ガン!ガン!パサッ…!

 

「よぉーーし!!!どうだ!!」

 

陵南《7-0》海南

 

 

そしてそのまま展開も魚住好調のまま陵南の優勢で試合は流れていき…、

 

陵南《9-0》海南

   

陵南(11-2)海南

陵南(13-4)海南

陵南(15-6)海南

 

と開始前の下馬評を覆す結果で試合は進んでいった。

 

 

 

 

試合開始から10分が経とうとしていた頃、

両者の点差は

  陵南《15-6》海南

で9点差がついていた。

 

そしてその展開を作り出した魚住本人は月野の3点以外の陵南の全得点を叩き出していた。

 

 

その状況に海南の監督高頭は呟いた。

 

「まさかいくらウチが立ち上がりが悪いとはいえ…、陵南にここまで一方的にやられるとは…!」

 

その横にいる神宗一郎はその原因である魚住についての感想を話す。

 

「魚住さんがこんなに動けるようになっていたなんて予想出来なかったですね…。縦にしか動けないイメージだったのに。」

 

「(たった1年でどんな魔法を使ったんです田岡先輩…!)…もし次のオフェンスで点が取れなかったらタイムアウトだ!」

 

 

 

 

 

海南との闘いでの思いもしない優勢な状況に

田岡は考えを巡らせていた。

 

「(今は上手くいっているが、

このままで勝てるとは思っていない…!

だが魚住が海南を圧倒しているというのは事実だ!

それを魚住1人だけではなく他のメンバーも行えれば万全なんだが…、それに不安材料は多い。

 

…いや、今は考えるな。下手に指示すれば水を差しかねん。とりあえず声をかけるんだ!)

 

上手く動けているぞ魚住!教えた通りだ!」グッ!

 

「!はい…!(勝ちますよ先生…!)」グッ!

 

 

 

 

「このまま勝ちはもらうぞ!海南!!!」

 

 

 

《おおー!何だぁ!?》

《魚住が勝利宣言しやがったぞ!?》

 

「な、何だと!調子に乗るなよ!」

 

「フン!事実を言ったまでだ!」

 

小菅が魚住に食い下がる中、突然の自信に溢れた勝利宣言に榊は冷静に分析していた。

 

「…。(魚住純…、過去の試合や戦績を見た限りではここまで一騎当千の動きはしていなかったイメージだったんだが…、2年目で覚醒したか。)」

 

そして反対にその宣言を前に燃えている男がいた。

それは神奈川No.1プレイヤー『牧紳一』であった。

 

 

「(魚住…!思った以上に仕上げて来てるな…。

       面 白 い!

榊さんは避けろって言ってたが…、

   やっぱりこんな良い標的逃せるかよ!)」

ダン!

 

「うっ!(速い!牧さんはやっぱり1人じゃ止められない!)」

 

活躍する魚住に触発された牧はシュートセレクションも考えずにドリブルで切り込んでいき魚植草を抜いた。

 

 

「!牧!勝手な事をするな!」

 

「ここまで来てみろ牧ィ!!止めてやる!!」

 

「フッ…!(悪いが榊さんの言う事でもここは引けないぜ、まずはあいつを黙らせないとな!)」

 

「そう簡単には行かせん。」バッ!

 

「牧!俺がフリーだ!」

 

抜かれた植草のヘルプに仙道が入った事で小菅がフリーとなり陵南に生じた隙だが

 

「仙道…!悪いが今のお前には滾らないぜ!」

ダン!ダン!シュン!

 

「!(着いていけねぇ!)」

 

 

それを顧みずに牧は仙道までも抜き、中に切り込んでいく。その様子に榊は危ういと思いつつ監督である高頭に目でアイコンタクトを取る。

 

 

 

「(牧…!決めれば流れはこちらに来るが…!

逆だった場合は…!)監督…!」

 

「うむ、分かっておる。」コクッ

 

「(榊さんの意識がプレーから逸れた…!?今なら離れられる!)」ダッ!

 

榊のその一瞬の隙を見逃さなかった月野はマークを外す。

 

「!?(俺から離れた…!)何をする気だ月野!」

 

 

「止めてみろ魚住ィ!」ブワッ!

 

「牧がダンク!?」「決めてくれ牧!」

 

「うぉぉぉぉ!」ブワッ!

 

「はじき返せ魚住!!高さとパワーでお前が負けるはずが無い!!」

 

ガシィン!

 

 

両者が体を衝突させた勝負の結末は…

 

 

 

バチィィィン!!!

 

「ダンクなど…!決めさせるかぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

魚住に軍配が上がりボールは遠く弾かれコートの中央付近まで飛ばされた。

 

「ぐっ!」バタン!

 

「ぐはっ!」ズダン!

 

 

「「ルーズボールだ!」」

 

「(魚住さんのブロックならここまで飛ぶと思ったよ!)もらい!」パシッ!

 

「「月野!」」

 

「月野…!(俺をフリーにしてまで離れたのはルーズボールを拾う為か…!魚住が競り勝つと信じて…!)」

 

弾かれたボールは3ポイントラインの付近まで飛び、それを拾った月野はそのまま1人で速攻を仕掛ける。

 

「魚住さんなら負けないって分かってたもんね!」ダン!ダン!

 

「よし!そのまま行け月野ォー!」

 

「りょーかい!これで10点差だね!」

 

ダダダダダ!

 

「ここは絶対にやらん。」シュン!バッー

 

「!?さ、榊さん!?回り込まれた!?)」

 

月野のワンマン速攻かと思われたが、後ろから追いついた榊によって前に回り込まれた。

 

「やはりやる奴だ、ブロックした後のルーズボールの地点まで予測して速攻をかけるとはな…!」

 

「(け、けっこー後ろにいたはずなのに何で!?でも関係ない!)後は決めるだけだ!」ダン!ブワッ!

 

「来るか…!」グッ…、ブワッ!

 

リングが迫り、榊に張り付かれる中、

がむしゃらにジャンプしシュートを決めにいく月野だが読まれているかの如くシュートコースは榊に塞がれていた。

 

 

「駄目だ、完全に塞がれている!」

 

 

 

「捉えた…!」バッ!

 

 

 

「捉えられた…!と、思いきやの…!」

 

「何!?」

 

 

 

      クルッ!シャッ!

 

 

   「ダブルクラッチリバース!

    (仙道クンの真似!)」

 

 

ブロックされるタイミングでボールを反対の手に持ち直し、空中で体を反転させ躱してからリングにボールを放り込んだ。

 

 

 

ガン!

 

 

ガン!ガガガ…!クルクル…

 

「入れ…!」

 

…パサッ!

 

陵南《17-6》

 

 

ブロックされるタイミングでボールを下げ体を反転させ躱してからリングにボールを放り込みシュートを決めた。

 

  

 

「やったぁ!いて!」バタン!

 

《な、何だ今のシュートぉぉぉ!》

《とうとう海南相手に10点差つけちまったぞぉぉー!?》

 

 

ビビー!タイムアウト、海南!

 

《先にタイムアウト取ったのは海南だー!!》《番狂わせが起きちまうのか!?》

 

「いててて…、無理しちゃったな…!」

 

スッ

 

「…。」

 

「あ、スミマセン…。」ガシッ

 

グイッ

 

「見事なオフェンスだった。…次は止める。」

スタスタ…

 

「は、はい…。うーん?そんな悪い人じゃないのかな?」

 

 

 

〜海南高校タイムアウト中〜

 

「…ふぅー。」

 

「なかなかやるな陵南は、どう対処する榊?」パタパタ…

 

「…やはり外から狙っていきます、…次は徹底的に。」

 

「ふーむ…。そうか、皆も榊の意見に依存はないな?」

 

「はい。」「ありません。」「ないです。」

 

「あ、俺は意見というか榊さんに言っておきたい事が。」

 

「?どうした。」

 

 

 

「すいません榊さん。指示、無視しちゃって。」

 

「…牧、熱い良いプレーだった、また仕掛けていけよ。」

 

「…フッ。ええ、次は絶対決めますよ。」

 

 

「…それと監督、神をアップさせておいて下さい。」

 

「なに?使うのは翔陽戦からと決めただろう。」

 

「そうも言ってられないので。神、行けるな。」

 

「ええ、月野君のシュート見てからずっとウズウズしてた所です。」

 

「入れるタイミングは…、監督に任せます。」

 

「入れんかも知れんぞ?」

 

「その時はコチラが勝っている時です。」

 

 

「…いいだろう。それでは勝ってこい!」

 

 

 

〜陵南高校タイムアウト中〜

 

「よーし!よく決めた月野!」

「あんなのできるならドンドンやれっての!」

 

「いやいや〜咄嗟に思いついてできちゃったー!」

 

 

「…。」フゥ

 

 

 

「(仙道クン…、いつもならパクリだな、とか言って茶化してくるのに…。)」

 

「(仙道のやつ、何か様子がおかしい。オレの気のせいだといいがな。)」

 

 

「よし…!(ここまで海南に通用するとは…!

色々あったが選手達を育てた甲斐があった…!

いや!

そんな気持ちを持つのはまだ早いぞ茂一!それは全国へ進んだ後、いや制覇した後だぞ!)」プルプル…!

 

「あのー…カントク…?何か指示とか無いんですか…?タイムアウト中ですけど…?」

 

 

「…!な、何だ?ああ!指示か!よくやれてるぞお前達!だが榊と牧のカットインには…」

 

ビビー!再開します!

 

「し、しまった!とりあえずメンバーはこのままでいい!指示は後で伝える!行ってこい!」

 

 

「大丈夫なのかなこんなんで…?」

 

「ガハハ!それだけ俺達が絶好調って事だ!行くぞ!!」

 

「「おう!!」」

 

 

 

〜海南のオフェンス〜

 

 

 

「」ダン!ズバッ!

 

ガガガ!

「くっ!(方向読めても圧に押されて止めれない!)」

 

再開直後、ボールを持った榊の仕掛けに月野は始めより対応してみせたが身体の圧に負け前に進まれてしまう。

 

「(魚住から穫らなければ流れは変わらないがとりあえず点差は必ず詰める…!)」ダン!ダン!

 

 

バッ!

 

「いい加減見え見えですよ!そのドライブは!」

 

「何!?くっ…!」

 

ドカッ!バタン!

 

「うぉっ!?」

 

ピピー!オフェンスチャージング!白4番!

 

そして本人は気づかない内に焦りが出ていたのか目前に迫る池上に気付かず突進してしまいチャージングをとられる。

 

《うわー!?あの榊がチャージング取られた!》

《こりゃ本格的に大ピンチじゃないのか海南はー!》

 

 

「い、池上さぁん!ナイスチャー!本当に助かりました!」

 

「俺にできるのはディフェンスだけだからな、

…って何だよナイスチャーって。」

 

 

「…くっ!(動きを読まれる程ワンパターンだったとは、冷静でいたはずの俺も焦っていたというのか…。

この状況に。)」

 

「(あの榊さんが焦っている…。やっぱりあのシューターの月野が原因か…?)」

 

「(榊、神を出そうとしていたがまずは自分達の力で陵南を黙らせてこい。…神を入れるのはそれからの話だ。

…私のその判断が手遅れにならないといいがな…。えぇい!いつもヤキモキさせおって!)」

 

その榊のチャージングから海南のプレーは精彩を欠くようになり、何とか食いついていくも前半開始から15分も経つ頃には17点差もの差がついていた。

 

陵南《28-11》海南

 

「(間違いなく押してる…!こ、このまま勝てるんじゃ…!)」

 

「(油断はするんじゃないぞお前達。

海南は後半で盛り返し突き放す試合展開が多いチームなんだ、必ずどこかで反撃してくる。

前半で20点差にして勝ちを盤石にしてこい!)」

 

「チッ…、(仙道と月野に警戒してたがまさか魚住がこれ程機能するとはな。

それに池上との連携もかなり厄介だ。

もうオレがもう一度切り込むしか…!)」

 

「牧!残り10秒だ!ヴァイオレーションになるぞ!」

 

「!チッー」ダン!

 

チームメイトの武藤に忠告され飛び出すように中へドリブルする牧、それを見た魚住が指示を出す。

 

「仙道ォ!植草とダブルチームで囲め!」

 

「オーケー!」「今度こそ止める!」

 

 

「まだ経験不足な1年坊2人なんざイージーだぜ!」シュン!

 

「なに!」「うわ!」

 

「行かせん!!」「それはこっちのセリフだ!」

ガガガ!

 

抜かれた2人のヘルプに入ろうとする池上だが海南フォワード武藤に阻まれ、

フリーになったその隙に牧はシュートを狙う。

 

「」スッ…

 

 

「打たせーん!!」

 

「行かせん。」ガッ!

 

「くっ高砂…!邪魔をするな!」ガガガ!

 

「決めろ牧!」ガガ!

 

 

「ナイスだ武藤!高砂!決めるぜ!」

 

「まだボクがいる!」バッ!

 

「…!?ようやくマークから外れたな月野!榊さん!」シャッ!

 

「ナイスパス!」パシ!

 

「し、しまった!?」

 

「これで流れを変える。」スッ…!

 

《ああー!榊がフリーだー!しかもスリーポイント!》

 

 

中に切り込み自分に引きつけておいて榊に戻すというパスに陵南の選手達は意表をつかれた。

 

 

 

だが試合が始まる前に自分の事を不調だと自負していた男はそのパスを読み榊をチェックした。

 

「そー来ると思ってましたよ。牧さん、榊さん!」バッ!

 

 

「な!」「仙道…!」

 

「(もう打つ体勢に入ってる、フェイクはねぇ!)もらった!」

 

「身長差でも仙道クンが圧倒的に有利だ…!止めれる!」

 

「…大した読みだ仙道彰、だが!」グググッ…!

 

 

読み勝ちした仙道のブロックは完全に榊のシュートを捉えたがそれに榊は瞬時に対応し体を後ろに反らし

フェイドアウェイシュート(後ろに遠ざかり打つシュート。)を放った。

 

「!?(フェイドアウェイ…!)」

 

「ッ!」シャッ!

 

「リバウンドォ!」

 

「なんてきれいな軌道なんだ…!

  このシュートは絶対に外れない…!

リバウンドの用意なんてしなくていい程に…!」

 

 

そう月野が見惚れる程に綺麗な軌道を描き出したシュートは真っ直ぐ縦にリングの真ん中を通った。

 

パシュン!

 

陵南《28-14》海南

 

 

「やはり化物か榊総悟…、まさかスリーをフェイドアウェイの体勢で決めてくるとは…!」

 

「ふう…!ようやく1本か、榊め。待たせおって。

神、お前の出番はおあずけだ。」

 

「ちぇっ、もう出れると思ってたのにな。」

 

「ナイシュ。」

 

「お前こそナイスパスだった。

 そして他の皆も良い動きをしてくれて助かった。」

 

「いやいやキャプテンから礼を言われるとは…!」

 

「小菅、調子に乗るなよ。まだ点差はあるんだぜ。」

 

「そうだな、これから仕切り直しだ。」

 

榊のシュートが決まったとの皮切りに沈んでいた他メンバー達も士気が上がる。

 

「さぁ1本止めるぞ!ディフェンス!!」

 

「な、何さ、スリー1本決めただけで気合入れちゃって!

まだ14点差あるんだよ!」

 

「皆、今まで以上に集中しろ。

 ここから海南は来るぞ。」

 

「ああ、ここから海南の本領が発揮される。」

 

「えっ、確かに榊さんのシュートはスゴかったですけどまだ全然ウチのペースですよ!」

 

「それは…、いやそうだな。

 お前の言う通りだ月野。」

 

「そうですよー、これまで通りのプレーをしましょう!」

 

「(後輩に気を遣うか池上…。いや…、

月野は分からないままの方がいいかもしれん。

それに海南がどんなプレーでこようが今のオレなら全て叩き落とせる!)」

 

 

 

「(あんなバケモンみてぇなシュート決めるヤツ海外でしか観たことねぇ。あれが全国にはゴロゴロいんのか…、おもしれぇ。)ニヤ

 

「何ニヤニヤしてんの、キミホントに不調?」

 

「ああ、完全に不調だな。体が重ぇのなんの。」

 

「あんだけ動けてて不調?本当に?」

 

「オレの事より自分の事を心配するんだな。

 榊さんはこれから全開で来るぜ。」

 

「池上さん居るから大丈夫だし、

 もうマークは外さないよ!」

 

「いやそーいう事じゃないんだが…まーいいや、まだへばんなよ。」タッタッタ

 

「くうー…、どこまでも上から目線…。

 実力差あるから何も言えないけどね!」

 

 

 

〜陵南のオフェンス〜

 

「来い月野真琴。」

 

「す、隙がない…。(ん!?)」

 

「(行けっ…!)」

 

先程の1本でスイッチが入り集中力が増した榊に月野は気圧されるが、そこに榊の死角から池上が潜み後ろでスクリーンの体勢を取っていた。

 

「(…はい!)」ダン!

 

「!(スクリーン…!)」

 

「「(かかった!)」」

 

「…!」スルッ…!

 

「「なに(っ)!?」」

 

「見事なスクリーンだ池上亮二、直前まで気付かなかった…!」バッ!

 

「く…!ならもう抜いてやる!」ダン!

 

「月野!周りを見ろ!無理に行くな!」

 

「…。」スッ

 

「ぬ、抜けた!?よーし!もらった!」ダン!

 

「いかん!罠だ!行くな月野!」

 

田岡がそう叫ぶが届いておらず月野が抜いた先には武藤がチャージングを狙い待ち構えていた。

 

「!」ニヤッ!

 

「あ…!」グシャッ!

 

ピピー!オフェンスチャージング!青14番!

 

「ナイスプレーだ武藤。」

 

「榊さんこそ。」

 

「ハァッ…!ハァッ…!くそ…、ワザとやり返してきたな〜!」

 

「別にそういう訳ではない、最善の選択肢が今のプレーだっただけだ。」

 

「そ、そうですか…!(やっぱイヤミな奴だ…!)」

 

「切り替えろ月野!ディフェンスだ!」

 

「はい!(そうだ、たった1本止められただけだ!切り替えろボク!)」

 

 

 

〜海南のオフェンス〜

 

 

「さて…、(もう1回榊さんに預けてみるか…?)」

 

「(来てみろ〜…!全身全霊で止めてやる!)」

 

「(まぁ警戒されるか。それなら…、)高砂!」

 

「おう!」パシ!

 

 

「ほう、わざわざオレの所に勝負に来るとはな…!さっき月野にやり返した位で調子に乗るなよ!」

 

「調子に乗る事など海南にはない、あるのは勝つ事だけだ!」クイッ、クイッ、

 

「その動きはもう何度も止めたぞ!無駄だ!」

 

「(まだついてくるか、だが確実に魚住のキレは落ちてきている、体力勝負に持ち込めばコチラの勝ちだ!)」

 

「(くっ…、変則的で嫌な動きだ…!真っ直ぐ来る分赤木の方がまだやりやすい!)」

 

「(よし、充分削れた!一度戻す!)武藤!」シャ!

 

パシ!「牧!」シャ!

 

パシ!「小菅!」シャ!

 

「オッケー!」パシ!

 

「さぁ来るかい?」「どーだか…な!高砂!」

 

《パス回しからまた中へ入れた!》《スゴイ慎重だぞ海南!》

 

そんな目まぐるしい海南のパス回しに目もくれず榊を睨むようにマークする月野だった。

 

「(パス回しに見えるけど違う!

今の海南はこの人の3点が欲しいに決まってる!惑わされちゃ駄目だ…!)」ギラギラ…!

 

「…。(睨まれている…、先程の言い方が何か気に障ったのか…?)」

 

 

「もうすぐヴァイオレーションだ!時間を使った割には無駄だったな!」

 

「調子に乗っているのはお前だ魚住。」クンッ

 

 

ピクッ!「(フェイク!)通用せんわ!」

 

「チッ!」スッ…

「もらったぁ!!」ダンッ!バァッ!

 

「」クンッ…

「またフェイクだと…!」

 

ニヤリ!「かかったな!!」ダンッ!

 

「(身体が流れて止まれんー)!!!」

 

グシャッ!

 

「ぐお…っ!」シャ!

 

ガンッ!ガンッ…パサ

 

 

ピピー!!ディフェンスチャージング青4番!

バスケットカウントワンスロー!

 

陵南《28-16》海南

 

《うぁー!?魚住チャージングとられたー!!

《高砂の粘り勝ちだー!!》》

 

「ハァッ…!しつこい奴め…!ハァッ…!」

 

「ハァ…!ハァ…!俺は俺の仕事を…!するだけだ、」

 

 

「(このままではいかん…!)タイムアウト!。」

 

ビビー!タイムアウト、陵南!

 

「さて、ようやく向こうにも焦りが見えてきたかな…。」パタパタ…

 

 

「くそ…!皆すまない…!勝てる流れだったのに…!」

 

「気にするな魚住、誰もお前を責める気などない。それより勢いづいた海南をどうするかだが…、」

 

「仙道クン、何とかできないの?」ボソボソ…

 

「いやーあの小菅って人が案外しつこくてな…」ボソボソ…

 

「牧さんとか榊さんよりはまだ楽でしょ!大体不調って事ボクにだけ何で話したのさ…!」

 

「しっー!バカ…!声が大きい!」

 

「さっきから何をコソコソ話してるんだ2人共、監督の話ちゃんと聞いていたのか?」

 

「う、うん!大丈夫だよ!」「あ、ああ、聞いてたぜ。」

 

「ハァ…、いいかお前ら?今ウチには3年の先輩達は揃って辞めて居ないんだから俺達1年が気張ってないと勝てないんだぞ。分かってるのか?」

 

「分かってる分かってる。」

「あんな先輩達なんか居なくなってセーセーしたよ。」

 

 

「コイツラは…!本当に分かってんのかよ?」

 

「うん、越野クンのお陰でいい元気をもらえたよ。」

 

「適当な事ばかり言いやがって…、ヘバッたらすぐ言えよ月野!恥ずかしくて見てられないからな!」

 

「はーい!」

 

「ま、とにかく簡単には取られないようにしようぜ。」

 

「うん、そうだね。」

 

ビー!

 

そしてタイムアウトが終わり、海南のフリースローが開始された。

 

「ふぅ…。」

 

「外せ外せ外せ外せ…!」「おい、口に出てるぞ。」

 

「…。 」

 

フリースローを打とうとしている高砂に願いというより呪うように向けて呟く月野。

 

ピッ!「君!やめなさい!」

 

「す、すいませーん…。」

 

 

シャッ、パサ!

 

陵南《28-17》海南

 

月野の願いも虚しく高砂は危なげもなくフリースローを決め、陵南との点差は11点差と迫った。

 

 

そしてその直後からの陵南のスローインを狙う男がいた。

 

 

「植草クン!」シャ!

 

「」スッ…

 

バシッ!

 

「あっ!」

 

「あちゃー、言ったそばから。」

 

「甘いな」!ヒョイッ!

 

パサッ

 

月野から植草にスローインされたボールを気配を隠して狙いスティールした牧はすぐさまリングに放り込み点を取った。

 

 

 

 

陵南《28-19》海南

 

19点もの点差があったが、海南の追い上げによりとうとう9点差まで縮んだ。

 

 

 

《軽々と点差が縮まっていくぞ!》

《こりゃ前半が終わるまでにひっくり返すんじゃないのか?》

 

 

 

「あーやっちゃった…!」

 

「ごめん月野。」

 

「今のは月野が悪い。」

 

「は?牧さんが悪いんだよ!あんなズルい真似して取ってくるんだから。」

 

「敵だからそりゃ何しても奪ってくるよ、切り替えよう。」

 

「いやアレは狡いね、ズルというより…」

 

「おい、俺がズルした何とかとか聞こえたが…?」

 

「い、いえ!目に見えない電光石火のプレーだと言ってました!」

 

「(内弁慶め。)」「(すごい手のひら返し…。)」

 

「何だ、あいつらは追い上げられてる時だっていうのに元気だな。」

 

「フッ、頼もしいじゃないか相手に萎縮して動けなくなるよりはな。」

 

 

 

〜陵南のオフェンス〜

 

「もうさっきのはやらせないよ牧さん!」

 

「何度も同じ手で行くかよ。」

 

前半も終了に差し掛かって来た頃、植草は今に至るまで自分の仕事が出来ていない事を痛感していた。

そして牧伸一というプレーヤーにどれだけかかっても通用しないという事にも。

 

「(この人相手に通用する気がしない…!完全に俺が足引っ張ってー)」

 

「雑念が多いな!」バシッ!

 

「しまっー」

 

《また牧がスティール!からのワンマン速攻!》

《完全に乗ってきた!》

 

 

「さっきのはやらせないって言いましたよね!」ダダダ! 

 

「そう言うなら止めてみるんだな!」

 

「そんじゃオレもだ!」

 

「(仙道…!)フッ、面白い!」

 

「月野と仙道が牧を囲んだ!」

 

「(この2人なら牧と言え抑えれる!いや、抑えてみせろ!)」

 

「フッ!」ダン!ブワッ!

 

「(速くて前に回りきれなかった!)このォ!」

 

「!?張り合うな月野!牧さんはファール狙ってる!」

 

ガガッ!

 

ドンッ!「うわぁっ!」

 

ピピー!

 

「ッ…!」シャッ!

 

パサッ

 

陵南《28-21》海南

 

 

バターン!

 

「う、うぅ…。」

 

「大丈夫か月野!」「月野!」

 

「ハァッ、…やっぱ慣れない事するものじゃない…、ね。ハァッ、ハァッ。」

 

「(前半終了まで後5分もない…が、前半で月野を潰す訳にはいかん…!)越野、行けるな。」

 

「はい!」

 

「大丈夫か牧。」ガシッ 

 

グイッ

「ええ。それよりこのフリースローを決めれば6点差だ。前半に逆転しましょう。」

 

「…まずはフリースローだ、頼んだぞ。」

 

ピー!フリースロー!

 

 

シャッ!

 

パシュッ!

 

陵南《28-22》海南

 

念を押された牧だったが難なく決め、前半終了まで後5分もない所で両者の点差は6点差となった。

 

ビビー!陵南メンバーチェンジ!

 

「月野メンバーチェンジだ!来い!」

 

「交代…、…まだ2本しか決めれてないのに…!」

 

「…後半までに体力回復しとけよ。

このままじゃあ、俺もお前も後悔しかねぇ試合になっちまう。」

 

「仙道の言う通りだ、休んでおけ月野。」

 

 

「…りょーかい、後5分任せたよ皆。」

 

 

 

そして後の試合展開は陵南は攻撃を捨て時間を使い、気合の入ったディフェンスで何とか逆転はさせずに

【陵南《30-28》海南】のスコアで前半は終了となった。

 

ピピー!前半終了ー!

 

「ふぅー…、何とか逃げ切ったと思いたいが…。」

 

「ぐぬぬ…!追いつく事が出来んとは〜!!たるんどる!!」バキッ!

 

2人の監督がそれぞれの感想を見せる中、海南キャプテン榊は後半への考えを巡らせた。

 

「(このまま後半へ行けばこちらの勝ちは間違いないだろう。だがあの1年

『月野』『仙道』2人の爆発力はまだ発揮されてはいない。

それとも…いや、俺の考えすぎかも知れんな。

悪いクセだ。)」

 

〜陵南高校控室〜

 

 

「色々とギリギリだったねカントク。この試合勝てるかな。」

 

 

「…そうだな。月野、後半からは自由にプレーをしろ。」

 

「自由にやれって言ったって…、別に縛られてプレーなんかしてないですよ?」

 

「シュートセレクションを考えてるだろう、

それを考えるなと言っとるんだ。」

 

「…それだとこの試合ボクと心中する事になりますよ?」

 

「まともにやって勝てる相手ではないのは分かっている事だ。…奇策でないと今はな。」

 

「奇策って…失礼な。それじゃあ奇策じゃなくてちゃんとした策にしてみせますよ!」

 

「じゃあオレもその策に乗っていいですか監督。」

 

「仙道。」

 

「うん、いいね!やろうよ!魚住さん休ませてやりたいし!」

 

「な、何を勝手に…!ゲホッ、ゴホッ!」

 

「あーあー!休んでて下さいって!あれだけフル活躍してるんですから!」

 

「随分元気だなお前。交代する時死にそうだったのに。」

 

「ボクもちょっとは体力ついたってことだね!」

 

「いや月野、後半は機を見てお前を出す。」

 

「ええー!何でさ!」

 

「いいから言う事を聞け!これも勝つ為の作戦だ。」

 

「うーん…まぁ分かりましたー…。」

 

「それと植草と仙道のポジションを変える。」

 

「ええっ!それって仙道クンがPGやるって事!?自己中なキミに出来るの!?」

 

「普通に出来るんだが…。」

 

「あくまでこれは牧を抑える為の策に過ぎん。やれるな?仙道。」

 

「勝つ為ならやりますよ。それに牧さん相手ならおもしれぇ。」

 

「植草はそのまますり替わって小菅がマッチアップだ。」

 

「はい。」

 

「後は榊の事だが…」

 

「俺ですね監督。」

 

「そうだ池上、頼んだぞ。今から奴は点を獲りにくる。」

 

「承知してます。」

 

「よし。後は越野は武藤。」「はい!」

 

「魚住は高砂だ。」「はい…!」

 

「ここまで前半で海南と競った試合はウチではお前達で最初だ…!自信を持って後半へ行ってこい!」

 

「「はい!」」

 

「(何か後半スタートから出ないってだけで蚊帳の外な感じする…汗)」

 

 

 

〜そして変わって海南大付属高校控室では〜

 

「え、出番ですか。」

 

「後半スタートからだ!私としてはまだ翔陽戦まではお前を出したくはなかったんだがな…!

榊がお前を出せとうるさくてかなわん。」

 

「そういう事だ、準備はいいな神。」

 

「ええ、本当に待ちくたびれましたよ。」

 

「よし、後は全員フォーメーションの確認を…」

 

高頭が指示を出す中、海南大付属高校1年生『神 宗一郎』は呟く。

 

「やっと打ち合えそうだよ月野くん、楽しみだな。」

 

    

               次話に続く。

 





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