それでは序章、お楽しみください。
俺はヒーローになりたかった…。
亀に攫われた桃色のお姫様を救う真っ赤な帽子のひげの配管工
時を超えて大人になり、魔王を倒した、時の勇者
巨大な怪獣や宇宙人から人類を守るために地球に来たウルトラな宇宙人
仮面に顔を包み、人知れず悪と戦い続けるバイク乗り
変革を迎える明治時代の流浪人の剣閣
超人的な力で超人的な奴らと戦ったスーパーな武道家
ゲームオーバーが本当の死に繋がるヴァーチャルゲームで愛する人と元の世界に戻るために、生きるために剣を握った黒ずくめの二刀流使い
超能力が一般化した都市で能力0でありながら右手に幻想をぶち殺す力を秘めた不幸体質の少年
俺は彼らの様なヒーローに憧れた、それぞれどんなことがあっても、守りたい者のために戦う、必死になって守るために身を呈して戦う彼らに…俺は心を打たれた…。
少しでも彼らに近づきたくて、俺は小さな親切だろうがなんだろうがすべてをする覚悟だった…。
ついでに言えば、いろんなラノベや漫画を読みあさっては彼らに憧れ、いろんな
ゲームをしては主人公となるキャラクターになりきっていた…
18歳になった俺は、彼らに近付けたのか、などと妙な考えを宿しつつどこまでも続く青空を見上げた…。
「…まあ、無理だろうけど…」
そう言って俺はベンチから立ち上がって、歩道を歩きだした。
生まれて間もなく両親に捨てられた俺は孤児院で育ち、俺のような不幸な子供を増やさないために、どんなことでも俺の力で出来ることならと、小さな親切もなんだろうとやってきた。
小さいころから憧れていた、ヒーローになりたかったから…
でも、俺みたいな奴はどう足掻いても、本当の主人公にはなれない、それが少なくとも、俺の世界の摂理だ…
この世界に主人公はいない…いらないんだ…だって、そんなものがなくても、この世界はあり続けられるからだ…
まあ、用は二次元と三次元の壁は飛んでもなく分厚いってわけで…
ふと、先ほど出た公園から、何かが弾むような音が聞こえて振り返ってみると、それは紛れもない子供用のサッカーボールだった。
そして、それを追いかけてきた子供が車道に飛び出して…ッ!
「やっべ!?」
向こうから車が走ってくるのを見た俺はとっさに駆けだし、子供の襟を掴んでこちら側に引き寄せた、そして入れ替わるように俺の体は前に出て…
―――どんっ!
鈍い音がした時には、俺は車にはね飛ばされていた…
意外と痛くないんだな・・・いや、むしろ何が起こってんのか理解してないんだ。
目の前で目を見開き俺を見つめる子供は腰を抜かしているのか、その場に座り込んでいた。
俺は最後の力を振り絞って少年に声を掛けた…。
―――大丈夫か?
と…
少年が頷いたところで、俺は、意識を暗闇へと手放した…
他人を守るために己が命を捨てるとは…
―――いつかどこかの誰かから聞いたんだ、子は宝ってさ…
それで悔いはないのか…?
―――最後にヒーローっぽいこと出来たし、悔いはないよ
…もう一度やり直してみないか?
―――は?
ヒーローとなって、とある世界に行くがいい…
そこでお前がやるべき役目を見つけ、その世界の者と道を歩むがいい…
―――何を言ってんだ? つーか、あんたは誰だ?
私は…
創造者―クリエイター―
いかがでしたでしょう?
次回は本編第一話、青年は一体誰なのか?一体何が起こったのか?
次回でお会いしましょう、それではまた・・・