超絶次元ゲイムネプテューヌ おーばーどらいぶ!   作:白宇宙

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どうも、ご無沙汰しています!

今回はバトルが中心になります、うまく描写で来たか不安ですが…


それではお楽しみください!
どうぞ…


stage,12 俺、vs永遠

「こっちのブロックは異常なし、と…」

 

TGS二日目の出だしはネプテューヌの飛んでもない衣装アイデア企画で始まったわけだが、結果それはいーすんによって中止になり、その妥協案としてサイン会や握手会をしてみたが、あまり成果は得られずに、ネプテューヌは最終的に他の国のブースに道場破りをしに行くという算段を立てたことで事なきを得た……ってことでいいのかな?

 

あいつのことだ、ただ何かで対決って言っても、ただで終わりそうにないものな…

すまないけど、他の国の皆さんにはあいつのテコ入れ企画に付き合ってもらうようにこちらから頼んでおくことにした俺はまずはブイホでノワールに連絡した。

 

そしたら呆れつつも彼女は承諾してくれたみたいで、これであいつが門前払いされることはないはずだ。

 

向こうは向こうでなんとかやってくれるだろうから、俺も俺で今日の仕事、マハリク☆メッセの警備にも力を入れないとな。

自分の仕事はしっかりと、断じて前のヒモな俺ではないぞ!

 

それにしても、やはり最終日なだけあって客足は昨日以上だ。

これだけ人数が居ると、マナーが悪い客によるトラブルとか何か良くない騒ぎが起きても不思議じゃないからな。

いーすんもその辺りには気をつけてほしいと言っていたし、よく目を凝らしておかないとな。

 

 

俺がそう心に決めて、あたりを注意深く観察していると…

不意に人ごみの間を縫って、人影が一人、関係者以外立ち入り禁止のエリアに入っていくのが見えた。

 

 

「なんだ? 警備の人じゃ…なさそうだな…」

 

 

俺は気になってその後を追うように関係者以外立ち入り禁止、と書かれた看板を通り過ぎ、狭い通路に入って行った。

 

 

 

薄暗い、人気も全くない通路を行く妙な人影を、俺は気付かれないように距離を保って追いかけて行く。

前にいる人物は体を黒いマントの様なもので被い、全体像までは見えない。

それがなお怪しく見えるのだが…

 

妙に堂々と、迷いなく歩を進めるその姿は何かを仕出かそうとする奴の挙動と言うよりも、もう既に事なきを得て余裕を見せているような雰囲気さえ感じさせる。

一体何が目的なのか俺は理解できずにただその人物の後を追っていくと、急にそいつが歩を止めて立ち止まった。

慌てて俺は通路の曲がり角に身を隠す。

しかし、奴は何も言わず、行動も起こさず立ち止まっているままの様で、不審に思った俺がゆっくりと顔を出して様子を窺うと…

 

 

 

俺はその瞬間、息をのみ、絶句した。

 

 

 

「…仮面ライダー……エターナル!? 」

 

 

 

そう、俺の目の前を歩いていた人物、それはあの“仮面ライダーW”で史上最悪の仮面ライダーとまで呼ばれた戦士、“仮面ライダーエターナル”そのものだったのだ。

 

エターナルは首だけをこちらに向けて俺を黄色の∞型のバイザーでじっと見つめている…

気付かれたかと思ったが、どうやらそうでもないらしい。

エターナルはこちらに迫ってくることも、逃げ出すこともなく、ただ俺の方見たままでいたからだ。

 

気付かれていた、そう理解するのに時間は懸からなかった…

 

俺とエターナルが壁越しに視線を交差させてどれくらいが経っただろうか…

一瞬のようにも感じたし、長くも感じた…

 

不意に彼が前を向き、再び歩き出したのだ。

 

「ここじゃ狭い、外に行こうか…」

 

ただそれだけ言い残して…

 

 

 

 

 

 

 

俺はエターナルの後を追って通路を進み、やっとこさ裏口のドアから外に出れた。

出たのはおとといの準備の時に何度も往復した今何もないがらんとした荷物置き場、俺は再びそこに足を踏み入れ、あたりを見渡すがエターナルの姿はいっこうに見えない。

 

逃げた?

 

いや違う、俺はすぐに感じ取ったからだ…

この世界に来て、初めて戦闘と言うものを経験した時に体験した、あの時の…キリト達から感じ取ったものと同じ感覚。

 

 

 

 

殺気を……

 

 

 

 

「シャアァァッ! 」

 

「っ! 」

 

突然背後から飛びかかってきたエターナル、俺はとっさに身を屈めると俺の頭の位置に鋭く光る何かが横切った。

俺はそのまま左に向かって地を蹴り、距離をとってジャケットのポケットに入れていたブイホを取り出して、すぐさま変身アプリを起動する。

 

「リンク・オン! 」

 

両手両足と頭に装甲を装着した俺はベルトから赤剣を取り出した。

次の一手に備えるためだ。

 

「はぁっ!! 」

 

再び距離を詰めてきたエターナルが右手に持つコンバットナイフを右上段から斜めに振り下ろす。

俺は赤剣でその一撃をいなし、続けざまに放たれた刺突と水平に振られた一閃は体を横に傾けた後大きく後ろに飛んでやり過ごした。

 

互いに一定の距離を保って、それぞれの武器を構える俺とエターナル…。

 

「…なるほど、もう既にそれほどの反射能力は持ち合わせているようだな」

 

エターナルはそう言うと、右手に持つコンバットナイフ、“エターナルエッジ”を指先で回して逆手に握った。

 

まるで俺のことを知っているかのような口ぶりだ…。

俺は真っ先にそう感じた。

 

「光栄だな、あのエターナルに俺のことを知ってもらえているなんて…」

 

俺は皮肉気味にそう言うとエターナルはふっ、と鼻で笑う。

 

「知っているともさ、お前のことはよくな……天条宗谷!」

 

エターナルはそう言ったと同時にエターナルエッジを構えて駈け出したきた。

俺は反射的に赤剣を両手で持ち、腰だめに構える。

奴は逆手に持ったエターナルエッジの切っ先を俺に向けてそのまま突刺、俺は赤剣を下から切り上げるようにしてそれを防御して、そのまま奴の攻撃を上へと跳ねあげた。だがエターナルはそのまま身をかがめ俺の脚に足払いをかけてきた。

俺は跳躍してそれをやり過ごし、そのままくるりと体を回転させて後方に下がるが、エターナルは尚も攻撃の手を休めず、上段、中段、再び上段と連続の回し蹴りで追いたててきた。

 

かろうじてすべてを回避し、俺は反撃に赤剣を横なぎに振るうが、エターナルは後ろに飛んで再び距離をとった。

 

「いい加減さ、何が目的か教えてくれないか? 」

 

「…何故だ?」

 

「戦うほどの理由がないからだ」

 

俺はそう言って、一度赤剣の体の横に垂らし、構えの体勢を解く。

普通戦闘の場でこのように構えを解くことは自殺行為にも等しいらしいが、そうでもしないと理解してもらえないと思ったからだ。

 

「あんたが俺のことを知ってるように、俺もあんたのことはよく知ってる…でもいくら悪の仮面ライダーであるあんたでも理由なしに戦うことはないだろ?」

 

俺はさっきから気になっていて仕方なかった疑問をエターナルに投げかけた。

 

そう、どんな物語に置いても、理由なしに戦いを仕掛けてくることはまずない。

どんな悪役でも理由なく戦うことはまずない、それが急に襲いかかってきた相手であってもだ。

 

エターナルはエターナルエッジを再び指で回して縦に持つとマントを翻して、こう言った。

 

「理由をやすやす語る敵役もいないだろう?」

 

まあ、確かにそうだが、納得のいくようないかないような答えに俺は不満ありありな態度を見せて抗議するが、それが通用する相手でないのは既に理解している。

 

「お前はただ俺と戦えばいい、今はそれで十分だ」

 

エターナルはそう言うと、フィンガースナップを鳴らし、どこからかUSBメモリ型のアイテム、ガイアメモリを取り出し、それをエターナルエッジに供えられたマキシマムスロットに装填した。

 

『ファング! マキシマムドライブ! 』

 

エターナルエッジの刃に白いエネルギーで形成された牙が形成され、俺めがけて奴は思い切り刃を振るった。

 

「セエェッ!! 」

 

「くそっ! 問答無用かよ! 」

 

『Skill Link! NARUTO』

 

俺は“スキル ナルト”を使用して五人に分身し、攻撃を赤剣を使って五人がかりで受けとめた。

凄まじいエネルギーの火花が俺を食らおうと肉薄するが、俺もやられるつもりはない。

俺達五人は踏ん張ってなんとか押し込まれないように耐え、タイミングを合わせるべく呼吸を合わせる。

 

「くっ……行くぞお前ら! 」

 

「「「「おう! 」」」」

 

「「「「「せぇ~のっ!! 」」」」」

 

なんとか五人でエネルギーの牙を上空へと弾くことに成功した。

 

そしてそのまま、俺達はそれぞれ別の方向に駈け出し、エターナルとの距離を詰める。

 

この際一度なんとかしてエターナルを無力化して、何故襲いかかってきたのかは後で聞くことにしたわけだ。

おそらく口で解決するわけでもなさそうに思えたし、もう迷っている余裕もないからな。

 

俺達は各方向から一斉攻撃を仕掛けた。

正面、両側、真上、背後の五つの方向に回り込み、一斉に赤剣を振りかぶる俺達。

 

「させるか! 」

 

『アクセル! マキシマムドライブ! 』

 

だがエターナル赤いガイアメモリ、アクセルメモリを腰のマキシマムスロットに装填、それにより先程とは段違いのスピードで俺の攻撃をすべて防いだ。

右側の俺の腕を掴んで防ぎ、左側の俺の攻撃をエターナルエッジで防ぐ。

そのまま右側の俺に掌打を撃ち込み、背後に回った俺には足刀蹴り、左の俺の剣をはじいてそのままエターナルエッジで切り裂き、真上にいる俺にエターナルエッジを投げ俺の心臓部を貫いた。

俺の分身が全滅するまでの時間は5秒もしなかった。

 

本体である俺はやけくそで刺突を放つが、エターナルは軽くそれを体を傾けただけでかわし、俺の肘の少し後ろを下から手刀で打ち上げた。

その衝撃で俺は赤剣を手放してしまい、武器をなくした俺の脇腹にエターナルの容赦ない拳が撃ち込まれた。

 

「あぐっ…」

 

エターナルはそのまま俺の右腕を掴み関節をひねりあげて俺を吊るすような体制にさせた。

関節にぎりぎりとした痛みが走るが俺はそれを堪えエターナルを睨む。

 

「いいな、やはりお前は面白い」

 

「何?」

 

突然そう言ったエターナルは関節を決めていた腕を離し、俺を開放する。

俺は訳も分からず、奴を見ているとエターナルは地面に落ちた赤剣を拾い上げ俺に投げ渡した。

 

「…あんた、何がしたいんだ? 俺に急に襲いかかるし、その割には今の行動もおかしい、一体何が目的だ?」

 

「言っただろう、ただ戦えばいいと、それにもう十分わかったから少なくとも俺は満足だ」

 

そう言ったエターナルは一瞬マハリク☆メッセの方を見て、俺の方をもう一度見た。

 

 

「そろそろ、始まるころだな…」

 

「始まるって…?」

 

 

すると、突然俺のブイホに着信が入った、いーすんからだ。

俺はすぐさま“いつでもいーすん”を起動させる。

 

「いーすんどうした?」

 

『宗谷さん大変です! 何者かにプラネテューヌのシェアブースターを奪われました!』

 

「何!? 」

 

シェアブースターを奪われた、その事実に俺は驚きを隠せなかった。

女神の信仰を集めるためのシェアブースター、それがないとネプテューヌはこの地帯において女神化することができないというデメリットがある。

 

『まだ犯人は見つかっていません、至急宗谷さんにも協力してもらいたいのですが…宗谷さんはなぜ変身を?』

 

俺の変身した姿を見ていーすんが疑問を抱いたらしい、俺は一度エターナルを一瞥するとエターナルはさっき投げたエターナルエッジを拾い上げ、指先でくるくると回していた。

 

「…ちょっと俺も野暮用でな、すぐには行けそうにないわ」

 

『そう、なんですか?』

 

「ああ、なるだけ早く終わらせていくから、そっちは頼んだ」

 

『は、はい…お気をつけて』

 

「てんきゅ」

 

俺はそう言ってブイホの通信を切った、最後あたり、いーすんは今の俺の状況を察してくれたのか心配そうな顔をしていた。

 

俺は再びエターナルに視線を向ける。

 

「……何か知ってるのか?」

 

「知っていると言ったら、何だ? 」

 

「教えてくれないか? 事と次第によってはめんどくさいことになるかもしれないけど…」

 

俺は一応赤剣を構えてエターナルに問い詰める。

さっきの言動を考えるに、たぶん奴は何か知っているはずだ…、もしかしたら奴自身がシェアブースターを持っているかもしれない。

 

俺は念のためすぐにでも戦えるようにブイホのスキルリンクアプリを用意しておく。

 

すると、仮面で表情こそ見えなかったがエターナルが一瞬笑ったような気がした。

 

 

「なら、教えなければもっとおもしろいことになるんだろう?」

 

 

俺はこの時、エターナルから感じる違和感にぞくっとした嫌な感じも感じた。

今、目の前にいるのはエターナルであってエターナルではない…俺の知っているエターナルではないんだ、と。

奴は、“大道 克己”はこんな風に戦いを楽しむような正確ではなったはずだ

こんな風にただ遊んでいる子供の様な感覚で今の様な言葉をしゃべるはずもない…。

 

俺は奴の正体、エターナルの姿をした何物かは、おそらく言葉で通じる相手ではないと理解し、本気の戦闘態勢になることに決めた。

ブイホのスキルリンクをタップし、俺は一気に臨戦態勢に入る。

 

 

『Skill Link! Sword art online』

 

スキル ソードアートオンラインを使って一気に畳みかける…。

 

赤剣の刃が青白く煌めき、俺の体にゆっくりと馴染んでいく感覚を俺は腕から全身に広がったのを感じると、一気に地面を蹴り奴に肉薄する!

 

「おおっ!!」

 

「ハッ!」

 

俺が斜め上から振り下ろした刃が奴の肩を抉る寸前、エターナルはエターナルエッジで真正面から受け止めた。

 

俺はすぐに赤剣を引き、二三度奴と刃を打ち合わせた後、そのまま腕を下に下げそのまま勢いよく上へと跳ねあげるように切り上げるがエターナルは体勢を後ろに傾けただけで回避し、反撃にエターナルエッジを水平に振る。 だが俺もその攻撃を身を低くかがめて回避し、そのまま赤剣の刃を水平に向け、自分を駒のように回転させ勢いをつけた水平切りを奴の胴体に向けて振りぬいた。

 

『ゾーン! マキシマムドライブ!』

 

刃が奴の腹部に直撃する寸前、電子音が響いた。

 

そしてその瞬間、エターナルの姿が一瞬で消えた。

目標を見失った赤剣の刃が空を切り、俺は歯噛みをしてあたりを見渡すもどこにも見えない。

いや、こう言う時こそ冷静になれ、天条宗谷童貞18歳…

今聞こえた音声はおそらく“ゾーンメモリ”、能力は…

 

 

―――空間移動…

 

 

次の瞬間、俺の頭に重い衝撃が走った。

ヘルメット越しにでも伝わる鈍い音と、とてつもない振動に俺は地面を転がっていき、近くの木の幹に体を叩きつけられた。

 

頭がぐらつくなか、一瞬だがエターナルの姿が見えた。

奴はゾーンメモリの力を使って背後に回って、俺の頭に回し蹴りを見舞ったのだろう。

今の攻撃で頭がふらつくし、体は痛い…

 

でも、立たなければ…

 

しかし…

 

「おらぁっ!!」

 

「っ! ガハぁっ!?」

 

追い打ちでエターナルが俺の鳩尾に膝蹴りを放った。

息が強制的に一気に吐き出され、俺はその場に崩れ落ちた…

鳩尾に攻撃を食らった時独特の痛みと苦しさで立つことを強制的に中断してしまった俺は木に背中をつけてもたれるように座り込んだ。

 

「どうした? もう終り…ん?」

 

一瞬エターナルが何かに気付き、自分の右手を確認した。

俺も片目で奴の右手を確認すると、なぜか奴の腕がノイズが走っているように不安定にちらつきを見せ始めたのだ。

 

「…ちっ、やはりまだ不安定か…」

 

エターナルはそう言うと、左手で更にもう一本のメモリを取り出した。

翡翠色をしたメモリ、確かあれは…ユニコーンメモリだったか?

 

「時間がないんでな…死にたくなければあがくことだ」

 

『ユニコーン! マキシマムドライブ!』

 

メモリをマキシマムスロットに差し込み、右手にドリルの様なエネルギーが集中する。

おそらくこれでとどめを刺すつもりなのだろう…

 

くそ、せめて…防御できる手段があれば…

 

今の俺の状態は弱点が多すぎる、常に動きまわらないと致命傷を食らうのは必須だ…

だからせめて、防御力を…もう一度立ち上がるために手段を…

 

 

なんとかしろよ…畜生!!

 

 

俺はまだ死ねないんだ…

 

 

 

死んじゃいけないんだ!

 

 

 

―――宗谷、もう…あんな無茶しないで…

 

 

 

もう、あんな思いはご免なんだよ!

俺は守りたいんだ!

 

あいつとの…“恵理”との約束を!!

 

 

 

奴の右の拳が振り下ろされる寸前、一瞬だが…俺の体に何かが覆いかぶさるような感覚を感じた。

 

そして次の瞬間……

 

―――ガキィィィインッ!!

 

甲高い金属質の音が俺の体から響き、奴が一瞬動揺したそぶりを見せた。

俺はその隙を見逃さなかった。

 

「せえっ!!」

 

「ぐっ!?」

 

右手に握りしめていた赤剣で奴の胴体を切り裂く。

火花を上げて後退したエターナルは切られた胸のあたりを抑え、俺をじっと見ていた。

 

俺が俺の体に感じた違和感の正体を探るために視線を下に向けると…

 

俺の胸に、厚く、赤く輝く頑強な装甲が装着されていた。

 

どうやらこの装甲でとっさに今の攻撃を防いでくれたらしい。

装甲のちょうど中央にはその時に出来たであろうくぼみが見えた。

 

「……これは予想外ですね…」

 

一瞬あいつがぼそっと何かを呟いた気がしたが、俺が視線を向けると同時に奴は大きく跳躍、森の中に消えた。

しばらくすると森の木々の間から上空へ向けて何かが飛び立ったのが見えた。

目を凝らすとそれは背中のマントを黒い漆黒の羽に変化させたエターナルだった。

 

バードメモリの力を使ったのだろうか?

 

なんにしろ、一番の証拠を持っていそうな人物を取り逃がしてしまった…

 

俺はやりきれない思いで変身を解除する。

 

「…それにしても…あいつは一体何者だったんだ?」

 

突然、この世界にいるはずのない存在、仮面ライダーエターナルが現れたこと。

その存在に対して、俺の頭は疑問を浮かべるばかりだった。

 

それに戦う時に何度も感じた違和感、一体エターナルの姿を借りた奴は何者だったんだ?

それに、何が目的だったんだ?

 

疑問は積もるばかりだ…

 

その時、空から何かひらひらと落ちてくるものがあった。

どうやら紙らしいが、俺はそれを手に取り、何なのか確認するとそれは何かが殴り書きされたメッセージカードの様なものだった。

 

内容は次の通りだ…

 

『直にシェアブースターを盗んだ相手が行動を開始するはず、無駄に動き回らなくてもすぐに出る』

 

と、書かれたないように俺はおそらくエターナルが残したものなのだろうと思ったが、なんというか、古風というか…

ダークヒーローが殴り書きってのもどうかと思うが、より一層奴の正体が分からなくなり、困惑した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~っ満喫満足も~まんたいですな~」

 

屋上など設けられていないはずのマハリク☆メッセの上、満足そうに寝転がるエターナル。

声色が男のものから元の女性の声に戻り、その光景はシュールそのものだ。

しかし、すぐにその変身は解除され、元の女性の姿に戻る。

ちなみにジャージは来ていない、上だけ完全に脱ぎ去っているので半裸状態だ。

 

「それにしても、予想外の収穫ですね…まさかこのタイミングでレベルアップしてくれるなんて…」

 

そのまま空を仰ぎ見ながら大の字に寝転がる彼女は、にやりと笑うと上半身を勢いよく起こす。

 

「こりゃあ、ボーナスに臨時収入が付きますかにゃ♪」

 

にしし、と笑う女性は顔にかかった白い髪を手で払い、立ち上がりその場で両手を振り上げてぐ~っと背伸びをする。

背伸びをやめて両手を下ろすと、その反動で彼女の何もつけていない胸のふくらみがプルンと揺れる。

 

 

「相変わらずの露出狂……愚かな、人」

 

「やや?」

 

 

突然聞こえた声に女性が振り向くと、彼女の背後に彼女よりも格段に幼い容姿の少女が手に彼女の白ジャージを持って立っていた。

 

少女はその小さな体をフリルをふんだんに使った所謂白ゴスと呼ばれる服装に身を包み、少し癖下気味の白銀の髪にはへアドレスをつけている、一見すると人形か何かと見間違いそうな姿をした少女はモスグリーンの瞳と無表情で女性を見つめる。

 

女性は少女を自分がよく知る同士だと理解すると、光の如く駈け出しその豊満な胸の間に少女の顔をうずめ、両手でまるで人形を抱きしめるようにぎゅっと抱きしめた。

 

「なんと!? “ロボティック”ではありませんか! 外出したがらないあなたがわざわざこんなとこに来るなんて、まさか私に会いに来てくれたんですか!? や~んもう! お姉さんう~れ~し~い~♪」

 

「…その駄肉が邪魔…気安く、抱きしめないで…」

 

「ああ! その冷徹な言葉、容姿と相まって凄い衝撃! でも、いい! 私はそれを糧に生きていける!!」

 

「いい加減にして……愚かな、変態…」

 

少女がつぶやくと同時にその姿が一瞬で消え、すぐに女性の背後に移動した。

ワープ、彼女の得意技の一つで抱擁を逃れられた女性は口惜しそうな表情をするも、その頭に彼女が来ていたジャージが投げかけられた。

 

「その肉目触り…早く、着て…」

 

「え~、せっかく合法的にさらけ出せるのに~…」

 

「あなたの存在は…非、合法…」

 

「ぶ~…冷たいですねロボティックは…でも、そこがいいんですけど♪」

 

女性はしぶしぶジャージを着ると、少女、“ロボティック”はゆっくりと目線を下におろし、じーっと地面を見下ろしている。

 

「…騒がしい…何か、起こってる…?」

 

「あ~、たぶん犯人が見つかったんでしょうね、女神の誰かが追っかけてるんでしょう」

 

「紫…プラネテューヌの、女神」

 

「まあ、そうでしょうね」

 

女性はそう言うとその場に胡坐をかいて座り込み、ふい~、と一息つく。

 

「まあ、もうじきすればもっとおもしろいことになると思いますけどね?」

 

「…パパが出来るだけ…早く帰って、来いって…」

 

「相変わらずあの人には忠実ですね~…いいんですよ別に土産は十分できましたから」

 

女性は手をひらひらとさせると、ロボティックはその場にぺたんと座りこむ。

 

「…お土産・・・それ、どんなの?」

 

「あの人が喜ぶものですよ」

 

「…パパ…喜ぶ、の?」

「ええ」

 

ロボティックはそれを聞くと、嬉しそうな表情を見せる代わりに頬をうっすらと朱に染めた。

彼女は表情が少ない代わりにこのようにして感情を表現するのはいつものことだった。

 

「それにしても…なんでロボティックはあの人をパパって呼ぶんですかね? 血縁関係なんてみじんもないでしょうに」

 

女性は前からそれが疑問に思っていた。

ロボティックは以前からその人物をパパと呼んでいることに、少なくとも、“こうなる以前の彼女”では考えられないことなのにだ。

 

「…今の私たちいるの…パパの、おかげ…」

 

「まあ、そりゃあそうでしょうけど…」

 

「…今のあなた…“トランス”いるのも…パパの、おかげ」

 

「まあ、そうですけど…」

 

女性、“トランス”はその場でごろりと寝転がり不満そうに眉を細める。

 

「“昔の私たち”じゃなくなったのも……あの人のせいでもあるんですけどねぇ…」

 

ごく小さな声で呟いた彼女は過去のことを思い出す。

 

以前の自分はここまで自由ではなかった、もっと縛られて、なり済まして…制限された存在だった…

まあ、その末に手にしたのがこの能力なのだが…

 

彼女がそう思っていると、トランスの顔を覗き込むように、ロボティックの無表情がひょいっと視界に入ってきた。

その感情を感じさせないはずの瞳からは妙に威圧感を感じる…。

 

「パパの悪口…絶対、許さない…」

 

「ああ、いやいや、そんなんじゃありませんよ? 無論感謝もしていますって…」

 

慌てて両手を振って被りを振るトランスは、ゆっくりと身を起こし、マハリク☆メッセのはるかかなたにある何かを見つめる。

 

「そうじゃなければ…こんな楽しいことも出来なかった訳ですからね」

 

その視線の先では、マハリク☆メッセを囲む山の間を縫って巨大何かが姿を現し始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ズシーン……ズシーン……

 

急に聞こえ始めた音と地響きに俺は荷物起き場を離れ、マハリク☆メッセの正面ゲートの前に移動した。

 

そして、その音が徐々に近づくにつれ、その正体もはっきりとしてきた…

 

それは……

 

 

「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!?」

 

 

でかい、とてつもなくでかい男の子たちの浪漫と情熱と夢と希望の象徴でもあるみんなの憧れ…巨大ロボだった。

 

 

俺はこの日…巨大ロボットを見ました。

 




いかがでしたか?

次回でTGS編は終わりになると思います。

それでは…次回でまた会いましょう。
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