超絶次元ゲイムネプテューヌ おーばーどらいぶ!   作:白宇宙

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第一話です。

突然死んでしまった主人公はこの先どうなるのか、それではお楽しみください、どうぞ!


すべての始まり、ゲイムギョウ界に舞い降りた少年編
stage,1 俺、女神様と出会いました


―――ゲイムギョウ界

 

 

 

ここは現実世界とは異なる次元に位置する、異世界である。

近代的な街並みが立ち構えているこの世界を構成する四大国の内の一国、ここ、プラネテューヌで、この世界は新たな一歩を踏み出そうとしていた。

 

「ゲイムギョウ界にあまねく生を受けた皆さん、新しい時代にその一歩を踏み出せるこの日を…皆さんと共に迎えられることを、喜びたいと思います…」

 

紫のドレスに身を包み、長く、ドレスよりも明るい紫色の髪を二本の三つ網にして後ろで束ねた女性がレッドカーペットの上を歩きだした。

 

彼女は“女神 パープルハート”、革新する紫の大地、プラネテューヌの守護を司る女神。

 

「ご存じの通り、近年、世界から争いが絶えることはありませんでした…」

 

彼女の言葉に合わせて、十字に建造された道の先に座っていた三人の“女神”も立ち上がった。

 

それぞれの女性たちは神々しさを感じさせるほどに美しく、気品にあふれていた。

 

「女神 ブラックハートが納めるラステイション」

 

銀色の長髪をなびかせて立ち上がった、黒いドレスの女性がゆっくりと歩き出す。

 

「女神 ホワイトハートが納めるルウィー」

 

シアンブルーの髪をした、小柄の白いドレスを着た少女が立ちあがり、歩き出す。

 

「女神 グリーンハートが納めるリーンボックス」

 

グリーンの髪をポニーテールにした、白くうっすらと緑色の色合いが施されたドレスを着た女性が立ちあがり、歩き出す。

 

「そして私、パープルハートが納めるプラネテューヌ」

 

四人の女神は中央に集まるように歩き続け、足元にパネルが出現し、四人の女神は空中を歩くように歩を進める。

 

「四つの国が国力の源であるシェアエナジーを競い、時には女神同士が戦って奪い合う事さえしてきた歴史は、過去のものとなります…」

 

女神はそれぞれの国の象徴であり、守護を司る存在、長きに渡り争ってきたのだろう…

 

そう、今この時はそれらの歴史に終止符を打つ時なのだ。

 

「本日結ばれる友好条約で、武力によるシェアの奪い合いは禁じられます、これからは国をより良くすることでシェアエナジーを増加させ、世界全体の発展に繋げていくのです…」

 

四人の女神が中央に集結し、手を取り合い目を静かに閉じる…

何とも神々しい光景に観衆たちは言葉を飲み、その光景を食い入るように見詰める…

 

 

 

―――私たちは過去を乗り越え、希望が溢れる世界を作ることをここに誓います―――

 

 

 

彼女達の言葉を聞いた瞬間、観衆達からは割れんばかりの拍手と歓声が湧き上がった。

今、ゲイムギョウ界は新たなステージへと歩を進めたのだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこだ…ここ?」

 

その様子を物陰からじっと見つめる青年が一人、黒髪の男性にしては長い髪をしていて少しぼさついている。

Tシャツに黒のジャケット、というラフなスタイルをしているが、腰には少し存在感が浮いている近代的なメカメカしいベルトがある、ベルトのバックル部分にはパソコンなどのスイッチに付いている起動マークがあしらわれてある

 

「全く状況が呑み込めない…車に轢かれたと思ったら…なんかこんなとこに来てるし…これって所謂、転生? いやいやいや…」

 

ブツブツと何かを呟く青年は頭を抱えてうろうろしている、ちなみに彼がうろついている場所は…プラネテューヌ教会の一番上…

 

―――ずるっ

 

「ずる? ・・・ん?」

 

不意に彼の足が空を切り、彼の体が空中に投げだされた…

 

「……うっそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

 

彼はそのまま重力に従い、真っ逆さまに転落して行った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――うっそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?

 

どこからか声が聞こえた、そう感じ取った私はとっさに後ろのプラネテューヌ教会の方に振り向いた。他の三人も気付いたようね、私たちが目を凝らすとそこにはある意味信じられない光景が見えた。

 

「人が落ちてる!?」

 

「と言うかなんであんなとこに人がいんだよ! おいネプテューヌ!」

 

「私に振らないで、何が何だか分からないのは私もよ!」

 

とにかく、このままだとあの人は地面に激突する…

理由は後回し、先にあの人を救助しないと!

私はドレスから女神の戦闘スーツである、プロセッサユニットを展開し、飛び立った。

 

間にあえ! 間にあえ!

 

そう願いながら飛び続け落ちてくる人の人影が徐々に鮮明になってきた。

黒髪の男の人? 見たところただの人間に見えるけど…ともかく助けないと!

 

「しっかりして! ほら! 掴まりなさい!!」

 

私の刺し伸ばした手を見て、その男の人は必死に手をばたつかせて私の手を握ろうとする。

 

後少し、あと少しで届く!

 

ガシッ、と彼の手が私の手を掴み、空中ですぐさま停止する、ガクンという衝撃と共に空中に停止してなんとか激突は免れた事にほっとする。

 

「きゅ~・・・」

 

代わりにこの人は気を失っていたけどもね・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると知らない天井だった、それはまあ、お約束なモノローグだよな。

 

状況を整理しようと俺の中にある気を失う前後の記憶を振り絞る。

 

たしか、車に轢かれて俺は…たぶん死んだ。

で、気が付いたらどこぞの建物の屋上にいて、足を滑らせて、今度こそほんとに死んだと思ったら…そうだ、綺麗な紫の髪の女の人に助けられたんだ。

そう言えばその人、空を飛んでいたような…だとするといよいよ、今の俺の状況は想像以上にとんでもない事かもしれないな。

 

「目が覚めたのかしら?」

 

不意に横から声がして体を起こし声のした方向を見ると、俺が最後に見た紫の女の人がそこにいた。

さっきの機械的なスーツとは違う、濃い紫のドレスに身を包んでいる・・・

綺麗だと、素直にそう思えた・・・

 

「えと…あの、ありがとうございます…あんたが助けてくれたんだよな?」

 

「ええ、一応はね、でもどうしてあんなとこにいたの? 普通の人ならあんな所、行けるはずもないんだけど?」

 

「いや、それに関しては俺もさっぱりで…」

 

頭を掻きながら作り笑顔でそう言うと、女の人は疑惑の目を向けてくる。

それもそうだろう、なにせ突然見ず知らずの男があり得ない所から落ちてきたのだから。

 

彼女の目線が痛くてつい自分の目線を下に向けた時、俺はあるものに気がついた。

俺の腰に巻かれている見た事もないベルト、中央のバックルにはコンピューターの起動ボタンのようなマークがついている。

 

「…なんだこれ?」

 

なんとなしに指でなぞったりしていると、女の人も気づいたのか俺のベルトを覗きに来た。

 

「これ…私たち女神と同じマーク?」

 

「女神…?」

 

彼女の言葉に疑問符を浮かべて反応すると、彼女は驚いたように顔を持ち上げて俺に詰め寄ってきた。

 

「あなた女神の存在を知らないの?」

 

「女神って……表現で使ったりしますけど、空想の存在ですよね?」

 

そう言うと彼女は腕を組んでしばらく考え込むと、俺の方を向いてきた。

 

「・・・あなた、どこに住んでるの? プラネテューヌ? それとも他の国?」

 

「プラネテューヌ? …いや、俺が住んでるのは日本ですけど…」

 

「にっぽん? …聞いたことないわ…」

 

どういう事だ?なぜ話が噛み合わない…

プラネテューヌなんて国は聞いたこともないし、日本の存在もこの人は知らない、それにこの国…様子を見ても分かる通り、俺の知っている地球よりも幾分か時代が進んでいるように見える。

ということはいよいよ…真実味が増してきたな…

 

「…本当に俺…」

 

「異世界から来てしまわれたのですね…」

 

突然紫の女の人とは違った、可愛らしい声が聞こえたのであたりをきょろきょろ見回していると、俺の目の前に分厚い本に乗った小さな女の子がふよふよと浮かびながら現れた。

背中には蝶を思わせる透明な翅を持っていて、いかにもメルヘンな感じを思わせる少女はまさにファンタジーの妖精を彷彿とさせる。

 

「はじめまして、私はイストワールと言います、このプラネテューヌ教会で教祖をしているものです、」

 

ぺこりと頭を下げる極小少女、イストワールに俺も釣られて頭を下げる。

 

「いーすん、異世界からって…つまりは…」

 

「はい、先ほど調べた所、ネプテューヌさんがスピーチをしている時間と同じ頃、小さな次元反応がありました。…一瞬ですがこことは別の世界と繋がったようです」

 

その言葉を聞いた時、俺の頭の中で空回りしていた歯車が一つ、がっちりと噛み合った。

やはり、俺は元いた世界とは違う、所謂異世界と言う所に来てしまったようだ。

なぜかは未だに分からないが、今結論付けて言えることはそう言う事らしい。

しかし、だとしたら何があってそうなったんだ・・・?

 

俺の中にある最後の記憶では、俺は車に撥ねられて・・・それで・・・何があったんだ?

 

 

ずっと考え込んでいる俺を見て、紫の女神様、確かネプテューヌとか呼ばれていた女性が俺の肩をトントンと叩いた。

 

「どうかしたの? なにか考えてたようだけど…」

 

「いや…なんで俺がこの世界に来たのか考えてて…なんというか、記憶が曖昧と言うか…覚えてないのか、忘れているのか…」

 

曖昧な返答を返した俺にイストワールが心配そうな表情を浮かべた。

 

「もしかしたら記憶が一部抜けているのかも知れませんね…心配しないでください、焦らなくてもしばらくはこちらの教会でゆっくりして行ってください」

 

「あ、はい…え? ゆっくりって?」

 

「身元も分からず、住む所もない、しかもこことは違う世界から来た方となっては色々大変でしょう、なので元の世界に戻る方法が分かるまで、この教会で保護させて頂こうと言う訳です、この先色々大変でしょうしね?」

 

それはありがたい提案だった、全く知らない場所に来て住処もなくここを出て行けとか言われたらどうしようかと焦っていたが、どうやら住処はなんとかなったらしい。

ふと、イストワールからネプテューヌに視線を動かすと、彼女は頬笑みを浮かべた。

 

「話は纏まったようね。そう言う訳で今日からよろしくお願いするわ、私はこの国、プラネテューヌを守護する守護女神、パープルハート、本名はネプテューヌよ」

 

そう言って手を差し伸べてきたネプテューヌに俺は右手を出し、その手を握ってしっかりと握手を交わした。

 

「今日からよろしくお願いします、ネプテューヌさん…いや、様?」

 

「うふふ、別に気を遣わなくていいのよ? 改まらなくてもいいし、敬語でなくてもいいわ、あなたの好きなように呼んでくれていいのよ?」

 

そう言われて俺はしばらく抵抗を感じたが、彼女がそう言うので渋々了解した。

 

「えっと…じゃあ、よろしく、ネプテューヌ」

 

「ええ、よろしく…そう言えばあなたの名前は?まだ聞いてないのだけれど?」

 

そう言えばそうだった、起きてから一回も自己紹介も何もしていなかった。

俺は照れ隠しで頭を掻いた後、俺の尊敬する戦士の一人、古代の力を使う赤い戦士のように親指を立てた。

 

「“天条 宗也”(てんじょう そうや)、ヒーローを目指してます!」

 

 

 

 

 

 

 

「うはぁ…すっげぇ…」

 

自己紹介と軽い挨拶が終わった後、俺はネプテューヌに連れられて教会のパーティー会場にご招待を受けた。

 

ちょっとした体育館くらいありそうなホールに天井には眩いばかりのシャンデリア、一面の壁はすべて窓になっていて、街の様子が一望できる。

外はすっかり夜になっていて、会場にはあまり人はいないようだったが、ネプテューヌ曰く、始まるのはこれかららしいのだ。

テーブルに並べられた様々な料理にデザート、飲み物まで充実してるのを俺はまじまじと眺めていると、ネプテューヌが少し笑った。

 

「もう少し待っててね? 私の友人たちがもうじき来るから」

 

「あ…いや、ごめん、こんなご馳走を目にしたの初めてだったからつい…」

 

俺がそう言って頬を掻いているとネプテューヌはあらあらと言いたげな表情を浮かべた。

 

「普段は何を食べてたの?」

 

「お金がヤバい時とかは水分多めのお粥とかで腹を持たせてた…」

 

「…なんというか、ごめんなさいね」

 

苦笑いを浮かべる彼女に俺も苦笑で答えた。

元々孤児だったし、今住んでる家のアパートの家賃だったりとかでアルバイト代だけではヤバかったんだよ…。

そんなやり取りをしていると会場のドアが開き大人数の団体が入ってきた。

どうやらこの人たちがネプテューヌの友人らしい、というか、女の子ばっかだな・・・いや、当然と言えば当然か…。

 

 

「ずいぶん待たせてくれたわね? いい加減待ちくたびれたわ」

 

 

黒のドレスに身を包んだ銀髪の女の人が強気な表情を浮かべてそう言うと、ツンとそっぽを向いてしまった。

勝気な性格の女の人なんだなと一目で理解した、こう言うのをツンデレっていうのかな?

 

「ごめんなさいねノワール、ちょっと彼と話をしていたものだから」

 

「ん? そう言えば見ねぇ顔がいると思ったら、さっきの落っこちてきた奴じゃねぇか」

 

白いドレスを身に纏ったシアンブルーの髪の女の子がまじまじと俺の顔を見る、いや、なんか睨まれているような気もする・・・、何というかこの子はちょっとキレキャラの様な気がする、吊り上がり気味の赤い目がそれを物語っているのだもの・・・。

 

「イストワールの話だと異世界から来た、と言う事らしいですわね?」

 

「ええ、そうみたい、こっちの世界の知識は全くない上に、文字を読むのも一苦労みたいだから」

 

薄い緑がかかった白いドレスのエメラルドグリーンのポニーテールの女の人がネプテューヌに俺のことを聞き始める、というか、でかっ・・・この中でも一番胸がでかい・・・。

ついついそっちに目が行ってしまいそうになるのを何とか抑えていると、俺のジャケットを誰かがくいくいと引っ張ってきた、目線を下に向けると、そこにいたのは小さな女の子が二人、長い茶髪の女の子と短い茶髪の女の子、顔つきがそっくりで一目で双子だと分かった。

服は見分けが付くように色が違っている、長い髪の子はピンク、短い髪の子は水色、デザインは一緒の暖かそうなコートと帽子だ。

 

「お兄さんが空から降ってきた人なの?」

 

「・・・どうして振ってきたの?」

 

「もしかしてもしかして! お空のお城の王子様とか! それともゲイムギョウ界に攻めてきた宇宙人とかなのー!?」

 

「ひっ・・・食べられちゃう?」

 

「食べないよ!? 俺は宇宙人でもないし王子様でもないけど、君たちみたいな子供を食べたりしないよ!?」

 

長い髪の女の子がハイテンションで質問攻めしてきたのに対し、短い茶髪の子はすごく大人しくて怖がりの様だ。

あまりの内容の質問についつい突っ込みを入れてしまった、すると今度は黒いフリルの服を着た黒髪のツーサイドアップの髪の女の子が怪しいものを見る目でこっちを見てきた。

 

「まさか、教会に忍び込んできた、いかにもあっやしーい人とかじゃないの?」

 

「だから違うよ!? ネプテューヌの話聞いてたの!?」

 

「まあまあ、ユニちゃん、お姉ちゃんも怪しい人じゃないって言ってるんだし、ね?」

 

隣にいたピンクの髪のセーラー服のような変わった衣装に身を包んだ女の子が黒髪の女の子を説得してくれた。

この娘はなんかネプテューヌと似ているような…それにお姉ちゃんって…。

 

「まあ、立ち話もなんだし自己紹介と行きましょうよ?」

 

「そうです、まずは名前を言って、それからお友達になるのがセオリーです!」

 

袖のでかい変わったジャケットを着た女の人と、セーターを着たほわほわした女の人がそう言ってくれて、みんなもそう言えばそうかと納得してくれた。

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、まずは私からかしらね、私はブラックハート、本名はノワールよ、ラステイションの女神をしているわ」

 

「アタシはユニ、お姉ちゃんと同じラステイションの女神候補生よ…よろしく」

 

黒い二人はやはり姉妹だったか、何となく似た感じしてたからなぁ。

でも、ユニちゃんはノワールさんよりか少し緩い感じがするな。

 

 

「私はルウィーの女神、ホワイトハートだ、本名はブラン、まあ、一応挨拶させてもらうぜ?」

 

「はいはーい! 私はラムちゃんでーす! お姉ちゃんと同じルウィーの女神になる予定なの!」

 

「ロム、です…よろしく…お願い、します」

 

少し怖い感じがするホワイトハートさんに対して、ロムちゃんラムちゃんの双子は差が激しくて…何だろう、姉妹というのは似ないところもあるんだなと実感した。

元気いっぱいに自己紹介するラムちゃんに対し、ロムちゃんはラムちゃんの後ろに隠れてちらちらと様子を窺っている。なにこれちょっと可愛いんですけど…。

 

「言っとくが、家の妹に変なことしたら・・・分かってるよな?」

 

「それはもうはい肝に銘じます」

 

凄みを利かせた小声で俺に耳打ちしてきたホワイトハートさんに俺は全力を現した。

この人は読唇術でも使えるのかと疑ってしまう・・・。

 

 

「まったく、ブランは少し荒っぽすぎますわよ?・・・初めましてですわね?私はリーンボックスを納める女神、グリーンハート、本名はベールですわ、以後お見知りおきを」

 

「あ、はい、こちらこそ・・・」

 

緑の女神様、グリーンハートさんは穏やかな口調でにっこりとほほ笑みながら自己紹介をしてきた。この人はとても優しそうだと実感した。

 

・・・ていうか・・・やっぱでかい・・・メロン・・・いや、スイカくらいありそうだな

 

「? どうかなさいまして?」

 

「え!? …いいやなんでもありません決して何も見てません!!」

 

俺は慌てて両手を振って誤魔化す。

なんとかグリーンハートさんには気づかれなかったようで、不思議そうな顔をして彼女は俺を見ているだけに止まった。

 

 

「じゃあ、今度は私達かしら?私はアイエフ、プラネテューヌの諜報活動員をしているわ」

 

「私の名前はコンパです、看護学校に通ってて、ねぷねぷたちのお手当とか、お料理とかをしてるです」

 

 

女神様ではなく、この教会で住み込みで働いているらしい、アイエフとコンパ、アイエフはしっかりしてそうで、コンパはどこかほわほわしてる人だな。

でも、やっている仕事は相当すごいみたいだ、アイエフの言う諜報活動員はプラネテューヌの情報統制、治安維持などを務める、所謂自警団の一角の様なものらしいし、コンパはまだ学生とはいえ看護師だ。素直に言うとすごく羨ましい職業だ。

俺は万年アルバイトだったしね。

 

二人とこれからよろしく的な意味を込めて握手を交わした後、二人の隣にいたピンク色の髪のネプテューヌとどこか似た女の子がぺこりと頭を下げてきた。

 

 

「初めまして、私はお姉ちゃ…パープルハートの妹でプラネテューヌの女神候補生のネプギアっていいます、よろしくお願いします」

 

彼女がそう言った時、俺が感じていた違和感のすべてが納得のいくものとなった。

この子はネプテューヌの妹だったんだ、だから妙に目元とかが似てるわけだな。

 

 

 

一通りの自己紹介が終わったところで今度は俺の番が来たと言う事をネプテューヌがさりげなく教えてくれた。

何とも言えないウィンク一つで知らせてくれるもんだから、ついドキッとしてしまった。

男なら誰でもこんな綺麗な人にウィンクなんてされたら、反応するよな?

俺は一回深呼吸をしてから…

 

 

「天条 宗也、ヒーローを目指してます!」

 

 

先ほどと全く同じ自己紹介をしてやったが…

 

「「「「「「………」」」」」」

 

あれ? 外した?

 

「…え~と…」

 

俺がどもっていると、突然ブラックハートさんがくすりと笑った。

それに釣られてか他の面々も笑顔が浮かび始める。

 

「いいんじゃない? ヒーロー、かっこいいわよ?」

 

「ああ、なかなか言えるもんじゃねぇな」

 

「夢があっていいですわ」

 

そう言われて心なしかほっとしてしまった。

 

「えっと、こんな俺ですがよろしくお願いします!!」

 

全身全霊で頭を下げたあと、ネプテューヌが俺のそばまで寄ってきて紫色の飲み物が入ったグラスを手渡してくれた。

色からしてグレープジュースかな? なんて考えているとネプテューヌが俺の前に出てグラスを掲げる。

 

「それでは、四つの国の友好条約の締結と、異世界の新しい友人、ソウヤの歓迎を込めて…乾杯!」

 

――――乾杯!

 

全員が声をそろえてそれぞれの飲み物が入ったグラスを掲げた。俺も一緒にグラスを掲げると、ネプテューヌが俺を見て頬笑みを浮かべてきた。

 

俺のこの世界に来て初めてのパーティーが始まった…

 

 

 

 

 

 

テーブルの上に置いてある肉や魚にケーキにフルーツ、ありとあらゆる食べ物を目移りしながら眺める、こんなご馳走を目にするのは人生で初めてなのでどれから食べていいやらわからないんだよな…

するとそこにコンパさんとアイエフさんがやってきた。

 

「どうしたの? 料理を眺めてばっかで全然食べてないじゃない?」

 

「いや、こんなご馳走、本当に食っていいのかなって…」

 

「ねぷねぷが皆さんのために用意したのですからお腹一杯、食べてくださいね」

 

「と言っても、この食材を用意したのはネプ子でも、料理したのはコンパなんだけどね」

 

「え、料理って…これ全部!?」

 

俺が驚いてそう聞くとコンパさんは照れているのか頬を赤くした。

 

「料理はいつもしてるですから、お口に合うかどうかはわかりませんですけど・・・」

 

少し自信なさげにそう言うが見た目はすごくうまそうだし、匂いも空腹な俺の胃袋を刺激する、俺は決心を固めて近場のローストビーフを皿に取り、口に運んだ。

薄い肉だが、しっかりとした肉汁と味、肉独特のジューシーで濃厚な風味が口に広がっていく。

口の中で味を堪能した後、ローストビーフを俺の胃袋へと送り、自己紹介と同じようにサムズアップをコンパさんに向けた。

 

「めっちゃくちゃ美味しいですっ!!」

 

するとコンパさんはどこかよかったと言いたげな笑顔になった。

俺も自然に笑顔になり、その場に和やかな空気が流れる。

 

(…こんなに楽しいのは久しぶりだ…)

 

俺はここしばらく感じれていなかった、楽しいという感情を料理と一緒に心の奥底まで味わっていた。

 

 

 

料理を一通り堪能すると、俺はバルコニーに出てみる。

夜の街に浮かぶ夜景が色とりどりにライトで照らされてすごく幻想的な風景が見える。こんな風景は東京とかでも見れないな…。

 

本当に俺の知りうる限りのどんな街の風景にも到底合わさらない…。

 

「本当に別世界なんだな……ここ」

 

「まだ、信じられない?」

 

ふと俺の隣から声がした、俺はそちらを向くと、そこにはネプテューヌがきれいな色をした飲み物の入ったグラスを片手にこちらを見ていた。

 

「…ああ、正直…まだピンと来ない」

 

「当然と言えば、当然ね、でも、これは紛れもない現実…夢だと思っていても真実は揺らぐことはないし、夢のように突然何もかもがなかったことになんてならないわ」

 

その言葉は、今の俺の中にしみじみと沁み渡るようだった。

これが現実なら、俺はどうすればいいのか…正直、不安だらけだ。

俺はこの世界でやっていけるのか?

 

すると俺の隣にいた彼女が小さくため息をついた。

俺はどうかしたのかと声をかけようと彼女の方を見た時だった。

 

「!?」

 

突然彼女の体が光り始めたのだ。

光がどんどん弱まっていき、どんどん小さくなっていく…ていうか待って? ネプテューヌの体も小さく……

 

「ひゃっほう! やっぱりこっちの姿の方が私らしいかな~」

 

「…変…身?」

 

俺は思ったことを率直に口に出した、だってそれ以外に該当するものがないからだ。

全く違う自分に変わること、それが変身だとフルーツ鎧武者のヒーローも言っていた。

でも…だからってこれはギャップがありすぎないか?

 

目の前にいる女の子はさっきの優雅なドレス姿とは全く違い、なんか俺の世界では到底見たこともないデザインの服を着ている。ワンピースとジャージを足して2で割ったような服だ、髪もさっきよりも薄い色になっているし、顔つきも幼い…。

 

意外性がありすぎる…最近の日朝ヒロインでもここまでの違いはないぞ…

 

「あ、やっぱりびっくりした? おお、その顔はびっくりしてるね? いや~、いつ変身解除しようかな~ってずっとタイミング見計らっててさ~」

 

「ああ…正直すっげーびっくりしてる」

 

いくらなんでも口調まで変わるのはどうかと思うが…

 

すると、いつの間にやらブラックハートさん達も俺達の元にやって来た。

彼女がネプテューヌを見てため息をついたと同時に彼女も光に包まれて…って、まさかこの人もか!?

 

と、思ったら…あれ? 案外そんなに変ってない?

いや、よく見れば目つきと体系はあまり変わってないが顔つきが少し幼くなって髪の色が黒のツインテールになったくらいか?

服装の変化はまあ想定内だったからこの際はいいとしよう、それにしても派手な服だな…黒と白が好きなのか?

 

「相変わらず落差が激しいわね、あんたは」

 

「あんたもってことは…」

 

「うん、そのまさかだよ!」

 

ネプテューヌがそう言うと、それに続くようにホワイトハートさんにグリーンハートさんまで変身を解除した。

 

こちらの二人は見た目に変化は…あまりないな。

ノワールさんと同じで髪の色と髪型、服装が変わったくらいか?

グリーンハートさん、ベールさんだったか?

彼女は金髪の髪をロングにして優雅なイメージのある緑のドレスに身を包んでいる。体系は変身解除しても変わることがないのか?

グラマラスなボディは変わらずだ、胸には大迫力の二つの膨らみがこれでもかと自己主張している、おっと・・・いかんいかん、目線を胸から外さないと失礼だ。

 

隣のホワイトハートさんこと、ブランさんは…雰囲気ががらりと変わったな…

水色っぽかった髪も茶髪のショートになり、小さな体に少々ボリュームのある服装、大きな帽子が特徴的で、目元も少々緩くなっている。

学校とかで一人図書室で本とか読んでそうな子だな、雰囲気としては……

 

「あら? 思っていたよりもリアクションが薄いですわね?」

 

「三度目の正直…もう予想はついてたようね?」

 

「ええ、一応…」

 

女神っていう存在は俺の思っている以上に不思議なものだ。

変身できるし、世界の平和は守るって言うし、激強だって言うし…

 

もしかしたら俺は想像以上にすごい世界に来たのかもしれないと、改めて感じた…。

 

「さて、改めて…私がみんなのアイドル、ねぷねぷことネプテューヌだよ! よろしくソウヤ!」

 

「お、おう…」

 

天真爛漫な笑顔を俺に向けてピースする彼女に俺は戸惑いながらもぎこちなく返す。

 

「私はノワールよ、たぶん見た目的に年齢はこの中ではあなたと同じくらいだから、さんは要らないわ」

 

「は、はい」

 

ノワールは淡々と俺にそう言って手を差し伸べてきたので、俺はその手を握り軽く握手を交わす。

 

「ブラン…さっき自己紹介したけれど…この姿でもさせてもらうわ、よろしく」

 

「あ、ああ…こちらこそよろしく」

 

またぎこちなく返事をして会釈する俺、この人はなんかさっきの女神の姿の時のイメージもあるからな…妙に畏まってしまう。

 

「私はベールですわ、あまり緊張しなくても別に急に怒ったりしませんわよ?」

 

「ど、どうも…」

 

すごい大人な対応をしてくれたベールさんにもたどたどしい返事をしてしまった。

この先、こんな人たちと関わっていくことになるのか…至極一般的な人間だった俺が、急にこんなキャラの強いヒロインに囲まれて異世界で暮らすって…これなんて恋愛ゲーム?

いや、恋愛になるわけねーよ、こんなすげー人たちが俺みたいな18歳職なし彼女なしでヒーローオタクな俺に惚れるわけねーじゃん、身の程を知れ俺!

 

…………なんか自分で言っといてなんだけど結構きついな………

 

 

 

 

 

 

この日、俺は異世界になぜか迷い込んで、四人の女神様と出合い、この世界で暮らすことになりました…

 




いかがでしたか?

さて、いきなり次回はオリジナル展開にすると思います。ラステイション編はその後ということになります、すみません・・・

それでは、次回でお会いしましょう!
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