超絶次元ゲイムネプテューヌ おーばーどらいぶ!   作:白宇宙

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どうも、白宇宙です。

学校が休みの日のうちに一気に書き出しました。
あ~……書き終えた後の甘いものがおいしい……。

さて、それは置いといて……

今回の見所は宗谷と魔進チェイサー達の対決!
さらに、異世界の戦士の力は宗谷の周りだけに留まらず…!?

それではお楽しみください!
どうぞ…


stage,44 俺vs英雄の宿敵達

 

 

 

女神化を成すことができたネプギアと、昨夜とは打って変わり一つの目的のために戦う意思を固めた宗谷は互いに並び立ち、目の前に立ちはだかる敵にそれぞれの武器の切っ先を向けた。

二人の前に立ちはだかるのは三人の異世界の戦士と、おびただしい数のモンスター群…。

 

しかし、それでも負けるつもりは二人にはなかった、戦い、そして打ち勝つつもりだった。

 

大切なものを、今度こそ救い、守るために。

 

変身した宗谷と、パープルハートを前にして魔進チェイサー、カオスウルトラマン・カラミティ、アバレキラーが再び戦闘態勢に入る。

対するパープルシスターも機械的なデザインの銃剣を構えようとするが…

 

「ネプギア、こいつらは俺に任せてくれるか?」

 

「え、宗谷さん……どうして?」

 

「目には目を、歯には歯を、異世界の奴と戦うなら異世界の奴を……ってな」

 

宗谷はそういうとネプギアよりも一歩前に出て赤剣を左右に切り払って肩に担ぐようにして構えた。

 

「俺はあいつらのことを嫌と言うほど知ってる、どんな戦い方をするのかもな……少しでも有利に戦うならこっちの方が効率的だ」

 

「……本当に大丈夫なんですか?」

 

「ああ、心配すんな、その代り……お前は一刻も早くモンスターを全滅させて、あいつらの所に行くんだ、俺もこいつらをぶっ倒したらすぐに向かう」

 

彼女の方を振り向かず、目前の敵を見据えたまま右手の赤剣と左手のガンコンシューターを構える宗谷。

一対三と言う不利な状況だが、その背中に恐れや不安と言った感情は一切感じられない。

 

「………ネプギア、ここは宗谷に任せましょう」

 

「アイエフさん……わかりました!」

 

パープルシスターはアイエフにも後押しされ、強く頷いた。

それを聞いた宗谷はヘルメットの下で視線を動かしてパープルシスターをちらりと見ると彼女と同じように頷いた。

 

「………反撃開始だ、行くぞみんな!!」

 

宗谷の力強い声とともに、彼の後ろにいた仲間たちが彼とともに走り出した。

 

 

 

動き出した眼前の敵を止めるべく、異世界の戦士たちはそれぞれの攻撃を放ち宗谷達を妨害する。

弾丸、閃光、光矢、いくつもの攻撃が爆炎となり宗谷達に降りかかる。

 

しかし、

 

「うぉぉぉぉおおおおおお!!」

 

その爆炎の中から宗谷が飛び出し、並び立つ三人の戦士に飛び掛かった。

突撃とともに振り下ろした赤剣の刃は生憎と空を切り攻撃には至らなかったが、三人の注意が宗谷に集まらせるだけで宗谷の目的は完遂された。

 

後続の仲間たちは異世界の戦士たち横を通り過ぎ、前へと進めたからである。

 

『!』

 

今の攻撃がこのための囮だと気付いた魔進チェイサーはブレイクガンナーを構え発砲しようとするが……

 

「させるかよ!」

 

左手のガンコンシューターのトリガーを引いた宗谷の攻撃で妨害され追撃することができなかった。

辺りはしなかったものの、狙いを完全にそがれた魔進チェイサーは怯み数歩距離を取ると狙いをパープルシスターたちから宗谷へと戻した。

 

「お前らの相手は………この俺だ!」

 

 

 

 

 

 

宗谷が囮になったことで一番の難敵の追撃から逃れたネプギア達は目前のモンスターの群れを蹴散らしつつ、前へと進み続けた。

 

「ミラージュダンス!」

 

パープルシスターの高速の剣舞がビットを数体切り裂き、

 

「この……っ!」

 

ユニの放った銃弾がモンスターを撃ちぬき、

 

「えいっ!」

 

「………させない!」

 

ラムがロッドでモンスターを叩き、ロムがそれを守り、

 

「舐めないでよ、私たちだってやる時はやるの!」

 

アイエフが銃とカタールを駆使してモンスターを掃討し、

 

「このままねぷねぷたちの所に!」

 

コンパが慣れないながらも巨大な注射器を使って奮闘し、

 

「辿り着いてみせる………必ず!」

 

ケイブが素早いステップと剣技でモンスターたちを切り裂いていく。

 

ここまで来た彼女たちは女神化したネプギアと言う新たな希望を糧にさらに奮闘し始めた。

さっきとは打って変わり、勢いを取り戻した彼女たちはどんどんモンスターの数を減らしていった。

このままいけばあの数えるのも躊躇うほどいたモンスターの大軍たちを掃討するのも遺憾の問題かもしれない。

 

「宗谷さんが開けてくれた道、絶対に、押し通ってみせます!」

 

パープルシスターがさらに勢いを増してモンスターの群れの中に飛び込む。

それに続いてアイエフたち、後続の仲間もさらに前へと足を進める。

すると、ここで彼女たちの中で一番後ろにいたケイブとアイエフがあることに気付いた。

 

「……あら? イストワール様は……?」

 

「え? ……さっきまで一緒にいたはずだけど……っ、まさか!?」

 

アイエフが振り返り、見つめる先には既に激闘の影響でそのあたり一帯に爆発音や銃撃音、斬撃音が響き渡るもう一つの戦場があった。

 

 

 

 

 

 

 

「雑魚モンスターがすべて撃破されて行っているだと?」

 

「……案外やるっちゅね?」

 

即席のレーダーで状況を把握していたマジェコンヌとワレチューはレーダーに表示されているモンスターの反応が次々に消えて行っていることからモンスターが倒されて言っていることを察した。

 

本来なら予想外の事態で慌てるところなのだろうが、なぜかマジェコンヌは落ち着いていた……。

 

 

 

「ふん……まあいい、ちょうど退屈していたところだ……あの小娘から預かった奴らの“おまけ”も試してみたかったところだしな?」

 

 

 

そういう彼女の手には何かのデータチップのようなものが握られていた。

 

これは事前にロボティックが“念のために”と言って手渡したものである。

実験段階だからそれ程の性能は期待できないと言ってはいたが……。

 

 

これは一体、なんなのだろうか…?

明らかな存在感を放っているデータチップには何か文字が刻まれている……。

 

 

 

『ベジータ』、『ヒースクリフ』、『シャドームーン』、『ガノンドロフ』

 

 

 

それは宗谷のよく知る、異世界の主人公たちを苦しめた、強敵の名前だった……。

 

 

 

 

 

 

 

(……あの白い髪の仮面は、いないのか?)

 

宗谷はこの状況にいながらも冷静にあたりを見渡して昨夜会ったあの白い仮面の人物を探していた。

アイエフからの情報であった、この島に来たという目撃情報があったという“白い髪の二人組”。

宗谷はそれを聞いたとき、それはライラとシンシアなのではないかと危惧しその真相を確かめる目的もかねてこの島に来た。

結果、まだその二人らしき姿は見ていない。 見たのは仮面で顔を隠した白い髪の人物。

 

(このまま俺の勘違いであってくれよ……!)

 

彼は最後にそう願いつつ再び今自分が置かれている状況に集中することにした。

何せ今は、一時も気を抜けない激闘の真っただ中なのだから……。

 

 

 

『Tune chaser spider…』

 

 

 

“チェイサースパイダーバイラルコア”を使って“ファングスパイディー”と呼ばれる強靭な鉄の爪を装備した魔進チェイサーが宗谷に襲い掛かる。

宗谷はその攻撃を赤剣の刃で弾いて防御し、反撃の隙を伺っていた。

 

突き出された魔進チェイサーの刺突を赤剣で横に弾き、ガンコンシューターを構えるがすぐさま右腕を横に振りきった魔進チェイサーの攻撃で発砲することはできず、宗谷は直撃を避けるために一歩後ろに引いて距離を取る。

 

『ハアッ!』

 

「っ!?」

 

だが、後ろに待ち構えていたカオスウルトラマンが宗谷を羽交い絞めにして動きを封じた。

その隙を見逃さず、魔進チェイサーはファングスパイディーを構えて宗谷に迫る。

 

「くっ、うらぁぁぁあっ!!」

 

しかし、宗谷もそうそうやられるつもりはない。

ファングスパイディーの攻撃を横薙ぎに放った蹴りで反らし、反撃で魔進チェイサーに蹴り込を見舞うと、そのまま身を低く体制を落とし、羽交い絞めにしていたカオスウルトラマン背負い、投げる。

 

宗谷の背中で一回転し、背中から落ちたカオスウルトラマンがすぐさま立ち上がろうとしたところで宗谷はガンコンシューターの液晶画面をタッチし、再び銃口を構えた。

 

『Shotgun mode!』

 

「吹っ飛べこの野郎!!」

 

至近距離でトリガーを引き、ガンコンシューターから放たれた“散弾型”の銃撃がカオスウルトラマンを文字通り吹き飛ばした。

 

“スキル メタルギアソリッド”によって生成されるスキルウェポン、“ガンコンシューター”は銃のボディに組み込まれている液晶画面をタップし、モードを切り替えることでさまざまな銃撃を行うことができる宗谷の新武装だ。

 

最初に使ったのは通常状態、単発式の“ハンドガンモード”。

そして、今放ったのは散弾銃型の銃撃、“ショットガンモード”。

 

状況に合わせて攻撃手段を変えられる優れものだ。

 

「まとめて、喰らいやがれ!」

 

『Machinegun mode!』

 

―――ズガガガガガガガガ!

 

更に宗谷は連射式の“マシンガンモード”に切り替えて目前の魔進チェイサーと吹き飛んだカオスウルトラマンにまとめて掃射、反撃の隙を与えようとしない。

 

だが、

 

「あぐっ!?」

 

突然、宗谷の背中から火花が散った。

背後から何かに切り付けられたのだ。

すぐに後ろを振り返り、誰がやったのかを確認しようとする宗谷に背後から攻撃したその人物は容赦なく上段回し蹴りを撃ち込んだ。

ガンコンシューターを手放してしまい、溜まらず地面を転がった宗谷だったがすぐに顔を上げて今攻撃した人物を睨み付けた。

 

「アバレキラー……!」

 

不意打ちを仕掛けてきたアバレキラーはウィングペンタクトを構え、宗谷に迫った。

素早く、それでいて無駄のない斬撃で宗谷に攻撃を仕掛けるアバレキラー、宗谷は前受け身で距離を取ってから右手に握りしめていた赤剣でその攻撃を防ぐ。

 

しかし、攻防は向こうが一枚上手だったのか、身を低くして放ったアバレキラーの足払いによって宗谷は再び転倒してしまった。

 

地面に倒れた宗谷にアバレキラーが追い打ちをかけようとウィングペンタクトを構え、振り下ろす!

 

 

「っ………くっ!」

 

 

すぐに訪れるであろう痛みに備え、宗谷が身構えたその時、

 

 

 

「業火ノ記憶!」

 

 

 

アバレキラーにどこからか飛んできた特大の火球が直撃した。

溜まらず弾き飛ばされたアバレキラーは地面に転がり、宗谷はその攻撃がどこから来たのかを知るため火球が飛んできた方向に振り向いた。

 

そして、そこにいたのは…

 

 

 

「………いーすん!?」

 

「宗谷さん、大丈夫ですか!?」

 

 

 

イストワールだった。

しかし、宗谷の中では彼女はネプギア達とともに先に進んだはずだったのだが…。

 

「どうしてここに……ここは危ないから、早くみんなのとこに!」

 

「行きません」

 

きっぱりとそう言った。

意外な答えに呆気にとられる宗谷、イストワールはそんな彼の前に立ちモードアクティブによって生成される白い細剣をしっかり握る。

 

「宗谷さん、あなたが誰かを守るために戦う決意をしたように……私も決めたんです」

 

「……え?」

 

「………誰かを守るために戦うあなたの背中を、私は守ります」

 

彼女はそういうと、細剣を垂直に立てて構えた。

その瞳には揺るぎない覚悟の意思が宿っているように力強く、鋭い光が宿っているように宗谷には見えた。

 

「それが、歴史を記録するしか役割のないはずだった私の……戦う力……剣を握る覚悟です」

 

「………」

 

宗谷は、何も返せなかった。

言うだけ野暮だと察したからだ、それ程までに彼女の言葉には重い何かを感じ取ったから。

これほどの強い意志を持っている相手に、やめろとは言えない。

 

「……無茶するなよ? いーすんのことも俺は守りたいんだからさ」

 

「……宗谷さんに言われたくありません」

 

そうやり取りした後、二人はどちらからと言うことなく笑った。

そして、再び揃った眼前の敵を前にし、再び構える。

宗谷とイストワール、最初は探索から始まった二人が今は一緒に戦うことになったと誰が予想しただろうか……。

いや、誰も予想できていないだろう。 宗谷自身も内心驚いているからだ。

 

「………行くぞ、イストワール!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方そのころ、ネプギア達はついにモンスターの群れを突破し、ネプテューヌたちの捕らわれているアンチクリスタルの結界のほぼ目の前まで来ていた。

しかし、その手前でパープルシスターは一度足を止めて後ろの方に振り返った。

 

「ネプギア…?」

 

「………宗谷さんといーすんさん、大丈夫かな……」

 

ここまで来た彼女の気がかり、それは自分たちをここまで送り出してくれた宗谷といつの間にかあの場に残り、今頃は宗谷と行動を共にしているはずのイストワールのことだった。

 

相手はネプテューヌたちや、自分たちも苦戦した強敵だ。

嫌でも不安は残る。

 

そんな不安を残している彼女の肩にケイブが手を置いた。

 

「あ……ケイブさん」

 

「大丈夫、彼は強い……それに彼は約束は絶対に守る男よ」

 

一度だけではあるが、共に行動した中であるケイブは彼の人柄を少なからず理解している。

彼が約束したことは必ず果たそうとする性格だということも、わかっているのだ。

 

「そうよ、ネプギア。 ここまで来てそんなこと言うのは、逆に宗谷に失礼よ?」

 

「アイエフさん……」

 

「それに、イストワール様もいるし心配はないわよ………信じましょう、二人を」

 

アイエフの言葉に、ネプギアは申し訳なさそうな表情を浮かべるがしばらくして表情を元の真剣なものに戻した。

 

「………ごめんなさい、アイエフさん」

 

「謝らなくていいわ、それよりも……もうすぐよ?」

 

そう言ってアイエフはもう目の前まで迫ったアンチクリスタルの結界へと視線を戻す。

怪しげに光るその結界の中には、彼女たちの大切な姉が捕らわれている。

そう、ネプギア達は彼女たちを助けるためにここに来たのだから。

 

「お姉ちゃん!」

 

「え………? ネプギア! 変身できたんだ!」

 

結界の中に捕らわれたネプテューヌにパープルシスターが呼び掛ける。

 

「ロム……ラム……」

 

「ユニ……」

 

「お姉ちゃん!」

 

「待ってて、今助けるから!」

 

「お姉ちゃん……!」

 

ユニとノワール、ブランとラムとロムも再会を果たすことはできた。

後はこの結界を何とかして中にいる彼女たちを救い出すだけ……。

 

 

「さあ、それはどうかな?」

 

 

だがそこへ、すべての元凶であるマジェコンヌが現れた。

不敵な笑みを浮かべた彼女はその吊り上がった三白眼でパープルシスターを見下ろす。

 

 

「よく来たな、女神の妹たち……私の名はマジェコンヌ、四人の小娘が支配する世界に混沌と言う名の福音を」

 

「コンパちゃ~~~ん! 会いたかったっちゅ~~~!!」

 

「おいコラぁ! 邪魔をするな! 今いい所なのだぞ!」

 

 

本来ならここは緊迫した場面のはずなのだが、割り込んだワレチューによってそのシリアスなムードはあっさりと砕けてしまった……。

 

「………コンパも変なのに好かれちゃったわね?」

 

「あはは……なんだが複雑です」

 

まったくである。

一目惚れも度が過ぎると逆効果を生むというのに……ああ、悲しきかなネズミは人に愛されることはないのだろうか。

 

まあ、それは置いておくとして………

 

「どうしてこんな事をするんですか! 一体、何の目的で!」

 

そんな中でもいつも通り真面目なパープルシスターはマジェコンヌを見据えたまま問いただした。

対してマジェコンヌは不敵な笑みを保ったまま三角帽子を持ち上げて目元を覗かせた。

 

「ふん、冥土の土産に教えてやろう……私が求めているのは女神を必要としない新しい秩序、誰もが支配者となりえる世界だ!」

 

そう言い放ったマジェコンヌにパープルシスターはすぐに反論した。

誰もが支配者となれる世界、誰もがそうなれるのなら……

 

「それってあなたが支配者になろうとしているだけじゃないんですか!?」

 

「私よりも強いものが現れればその者が支配者となる……これこそが平等な世界だ、違うか?」

 

嘘だ、パープルシスターはすぐに察した。

彼女はその座を譲る気はない、自分が支配者になりこの世界を手中に収めれば後は自分の好き勝手にできるのだから。

最初からそんなつもりはない、強い者など生ませるつもりはまったくないだろう。

 

「何もっともらしいこと言ってんのよ! 要するに女神の力が羨ましいんでしょ!」

 

「……ふっ、その様なことを思っていた頃もあったかもしれんなぁ?」

 

マジェコンヌの言葉にさらに食ってかかったユニ、しかしマジェコンヌはそれを鼻で笑うと再び三角帽子を深く被り直した。

口元には不敵な笑みを残したままで…。

 

 

 

「だが今は違う………何故なら!!」

 

 

 

マジェコンヌの帽子の奥に隠れた目が、怪しく光った…。

 

帽子を持ち上げて目元を再び覗かせた彼女がその何故の理由を露わにしようとしていた。

彼女の目と同じように着ていた服が怪しく光り輝きその形態を変化させ始める。

 

そして、その姿を完全に変貌させたとき……無意識のうちにパープルシスターたちは、息を飲んだ。

 

 

 

「私自身が女神の力………そして、“異世界の戦士の力”をも宿しているからだ!」

 

 

 

漆黒の翼を持つ彼女のその姿は、まさしく絶望を振りまく黒き魔女……。

 

いや、女神の姿をした悪魔だろうか……。

 

「そんな……変身!?」

 

「あの人は女神じゃないのに……どうして!」

 

マジェコンヌの変貌に驚きを隠せないパープルシスターとユニ、それは隣にいたロムとラム、そして後ろにいたアイエフたちも一緒の様だった。

 

彼女たちの驚きの声を尻目に、変身したマジェコンヌは手に持った槍を別の武器……刀に変化させると、それを思い切り振り上げ急降下した。

 

「“クロス・コンビネーション”!」

 

「きゃあっ!?」

 

そして、放ったのはパープルシスターの姉、ネプテューヌが最も得意とする剣技、クロス・コンビネーションだった。

突然、しかも予想外の必殺技が発動され、パープルシスターは驚きのあまり対応しきれず、の刃をその身に受けることとなってしまった。

 

「うそっ!? 私の必殺技!?」

 

「うぅ……どう、して…その技を……お姉ちゃんの技を!」

 

「ふっ……私には他人をコピーする能力があってな? 遂には女神の技も我が物にしたというわけさ!」

 

マジェコンヌのその言葉にネプギアは驚きを隠せなかった。

いくらなんでも、女神の技をコピーするという芸当がそんな簡単にできるとは思えなかったからだ。

 

「そんな……そんなこと出来るはずない!」

 

「だが、出来るのさ……さらには、こんなこともな!!」

 

そう言うとマジェコンヌは左手から何かを取り出し、それを自分の真上に放り上げた。

宙を舞ったのは四枚の小さなデータチップのようなものだった。

 

それは宙をしばらく漂うと急に光りだし、マジェコンヌの体へと吸い込まれていった。

 

四枚の光を体の中に吸収したマジェコンヌはにやりと笑うと再び武器を変化させた。

今度は右手に片手剣、左手に巨大な盾を持った姿。

一見すると、今の四女神にはこのような武器を持った者はいないはずだが、これはいったいどういうことなのか、パープルシスターが警戒するが……。

 

 

 

「“バーチカル・スクエア”!!」

 

 

 

放たれた青い光を帯びた剣閃の速さについていけず、その攻撃をもろに浴びてしまいパープルシスターは三度大きく吹き飛ばされ岸壁に激突する。

四連撃の高速の剣撃の後に、彼女の周りで正方形の光の軌跡が消滅する…。

 

 

マジェコンヌが放った今の技は、女神の技ではない……。

 

 

「ネプギアちゃん!!」

 

「なに……今の攻撃?」

 

見たこともない攻撃に驚きを隠せないユニ、対するマジェコンヌは満足げに手に持った片手剣を見下ろす。

 

「ほう、なかなか使えるな……これはいい」

 

「い、今のは……?」

 

岸壁から落下し、よろよろと立ち上がるパープルシスターがマジェコンヌに問いかける。

マジェコンヌは再びにやりと笑うと、持っていた剣と盾を一度どこかに消滅させ大げさに両手を広げながら答えた。

 

「言ったはずだ、私は女神の力と、“異世界の戦士の力”を宿したと!」

 

「異世界の………それって、まさか!?」

 

「そうだ、以前TGSの時に私の邪魔をしたあの小僧の対策として念のためにと私の協力者があいつらと一緒に用意したものだ……名前は確か、“ライバルカード”だったか?」

 

ライバルカード、異世界の戦士の力、それをも宿したマジェコンヌはさらに勝ち誇った笑みを浮かべて再び宙に舞い上がった。

 

「ともかく、今の私は女神と異世界の戦士の力を手にした最強の存在だ! もはやお前たちに勝ち目はない、あの小僧が来たとしてもなぁ……」

 

マジェコンヌは両手を組むと、それを腰だめに構えて何かを手のひらにチャージし始める。

それは怪しげな紫の光となり、徐々に肥大化していき……。

 

 

 

「さあ、絶望の谷底に堕ちるがいい! “ギャリック砲”!!」

 

 

 

紫の光の束が、パープルシスターに向かって放たれた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネプギア達がマジェコンヌの元に辿り着いたその頃。

宗谷とイストワールは予想以上の奮闘を見せていた。

 

『Skill Link! Katekyou hitman REBORN』

 

「行くぜ!!」

 

“スキル 家庭教師ヒットマンリボーン”を発動させた宗谷は赤剣を一度ベルトの中にしまい、新たな装備、スキルウェポンを身に纏った。

 

現れたのは両手両足に備わったガントレットとシューズ型のブースター、“ブーステッド・フィアンマ”だ。

 

ぶっつけ本番でこれを使用した宗谷だったが、自分が今相手取っているアバレキラーとカオスウルトラマンに対抗するにはこの力が必要だったのだ。

宗谷は勢いよく走りだし、力強く地を蹴って飛び上がると……

 

「おぉぉぉぉおおお!!」

 

足に装備されているブースターから炎が噴き出し、なんと勢いよく飛翔したのだ。

 

『っ! ハアァッ!』

 

既に宙を浮遊していたカオスウルトラマンが自分に迫ってくる宗谷に向けて破壊光弾を放つ、だが宗谷は両足と両手のブースターをうまく使ってその攻撃を次々と回避し、着々とその距離を埋めていく。

 

「オラァ!!」

 

距離を完全に埋めた宗谷は右の拳を構えて思い切り打ち出す。

ブースターによって加速した拳は通常よりも攻撃力を増して、カオスウルトラマンの防御を突き破ってダメージを与えた!

 

ダメージを受けつつも何とかこらえたカオスウルトラマンは反撃の拳を振るうが、宗谷はそれよりも早く、足のブースターも利用した、ほぼ音速の回し蹴りを放ちカオスウルトラマンをそのまま地面にたたき落す。

 

これが綱吉の死ぬ気の炎の推進力からヒントを得た“ブーステッド・フィアンマ”の力である。

 

地面に降り立った宗谷、そこへ今度はアバレキラーが立ちふさがりウィングペンタクトを構えて攻撃を仕掛けてきた。

 

「お前にはこいつだ!」

 

宗谷はブーステッド・フィアンマを解除した後、ベルトに収納していた赤剣を呼び出すと画面をタップしもう一つのスキルを発動する。

 

『Skill Link! Infinite Stratos』

 

発動したのは、“スキル インフィニット・ストラトス”。

その力とは……

 

 

「“イグニッションドライブ”……行くぜ!」

 

『……!』

 

 

互いに走り出した宗谷とアバレキラーは瞬間的にそのスピードを驚異的に上昇させて激突した。

目で追うことすら敵わない高速移動……。

そう、宗谷は今、アバレキラーの高速移動に匹敵するスピードで動いている。

 

 

スキルアビリティ、“イグニッションドライブ”。

一夏のイグニッションブーストを元にした高速移動能力だ!

 

 

目で追いきれないスピードで戦う宗谷、あたりに激しい金属の衝突音だけが響いているようにすら見える。

実際はすれ違いざまに互いの剣を打ち合わせるという攻防を行っているのだが……。

 

「おっりゃあああああああ!!」

 

激しい激突の連鎖の中、遂に宗谷がアバレキラーの放った刺突を躱し、反撃を見舞った。

横一文字にアバレキラーを切りつけた宗谷はそこから袈裟懸けに一回、左右に二回と連続で切り付け、とどめの回し蹴りでアバレキラーを攻撃し、大ダメージを与えた!

 

 

 

そして、イストワールは魔進チェイサーと一騎打ちになった。

ファングスパイディーを武装した魔進チェイサーの攻撃と、イストワールの剣がぶつかり合い、火花を散らす。

 

「ふっ……せぇ!」

 

魔進チェイサーがファングスパイディーを振り下ろし、イストワールを攻撃するも彼女はそれを横に跳んで回避し、反撃の刺突を見舞うと、続けざまに左右に細剣を切り払って魔進チェイサーを追撃する。

 

だが、魔進チェイサーもそう簡単にやられはしない。

 

ファングスパイディーを更に大きくふるってイストワールを追い立てる。

左から、右から、下から、斜めから、次々と放たれる魔進チェイサーの攻撃がイストワールに襲い掛かる。

しかし、イストワールは怯まなかった……。 見えていたからだ。

 

(あの人の……アスナさんの剣に比べたら、この程度!)

 

以前に手合せした彼女の剣技、閃光の異名を持った彼女の高速の剣に比べれば、魔進チェイサーの攻撃はかなり遅く見えたからである。

あの世界での経験はイストワールの戦う力にさらに磨きをかけたのだ!

 

「やあっ!!」

 

横薙ぎに振られた魔進チェイサーの攻撃をしゃがんで回避したイストワールは細剣の切っ先を魔進チェイサーの腹部に突き立てた。

 

「エレメンタル……カルテット!!」

 

さらにそこから四つの魔力が細剣の切っ先に流れ込み、魔進チェイサーにダメージを与えた。

火花を散らしながら大きく後退した魔進チェイサー、そこにカオスウルトラマンとアバレキラーも合流し、三人が再び集結した。

 

「いーすん!」

 

宗谷もイストワールに駆け寄り、赤剣を構える。

異世界の戦士たちはもうかなりのダメージを追っているはず、勝負を決めるなら今しかない。

 

「一気に決めるぞ!」

 

「はい、行きましょう!」

 

二人はそういうと、互いの全力の技を発動する体制に入る。

宗谷は赤剣の画面にあるフィニッシュブレイクアプリを、イストワールは細剣を逆手に持って、意識を背中に浮かぶ透明な翼に集中させる。

 

 

 

「あなた方をこのゲイムギョウ界から削除します!」

 

「行くぜ、俺の……俺といーすんの必殺技!!」

 

 

 

息を合わせた二人は同時に走り出し、一気に魔進チェイサーたちとの距離を埋める。

そして、その距離が0になった瞬間、宗谷は必殺の剣技“ストレイザー・V”を、イストワールは背中の翼から溢れる強大な魔力で三人の戦士を纏めて切り裂いた!!

 

 

体から激しく火花を上げる魔進チェイサー達。

やがて、その火花がどんどん静かになっていくと、彼らはその場に崩れ落ち、激しい爆発を起こした。

 

二人は異世界の強敵を倒したのだ!

 

「やった……私も、宗谷さんと一緒に戦えたんですね…!」

 

イストワールは勝利の喜びよりも宗谷と共に戦えたことに喜びを感じた。

今までは彼に助けられてばかりだったが、今回のはそうでなかったと素直に感じたから…。

 

「………奴は、いないのか」

 

「……宗谷さん?」

 

「………なんでもない、それより急ぐぞいーすん、ネプギア達の方が」

 

心配だ、そう言おうとした時だった。

 

 

 

―――ドォォォォォォオオオン!

 

 

 

彼らの行先、アンチクリスタルの結界の近くで激しい爆発が発生したのだ。

 

「あれは……!」

 

「まさか、みんなに何か……行くぞ、いーすん!」

 

「はい!」

 

宗谷とイストワールは何か嫌な予感を感じ、互いの武器を一度仕舞うとすぐに爆発が起きた方へと向かった。

 

 

 

 

………二人はまだ知らない、ここから先の戦いが今の強敵達以上に過酷な戦いになるということを………。

 

そして、新たな絶望の序曲を知らせる時間が迫りつつあることを……。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

この作品の一番の特徴が多重クロスなのでマジェさんの側にもそれを影響させました。
だって主人公ばかりいい恰好はさせたくないんですよね、勝負はフェアじゃないと……。

やるからには思い切り、それが僕の信条です!

次回、マジェコンヌと宗谷の戦いの幕が開ける……。

次回をお楽しみに!

それでは、またお会いしましょう。
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