超絶次元ゲイムネプテューヌ おーばーどらいぶ!   作:白宇宙

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どうも、白宇宙です!

今日のウルトラマンXにウルトラマンマックスが出ていて、若干興奮しています(笑)
僕の場合、ネクサスとガイアが好きなんですけど、マックスもなかなか好きなんですよ。
しかもキャストさんが本人だったので尚更(笑)

さてそれはいいとして…。

今回のお話は、いろいろと予想外。

一体何が予想外なのか、実際に見てお楽しみください!



stage,74 俺と予想外な発見

 

「まったく……いきなり人の上に落ちてくるなんて非常識にもほどがあるわよ!」

 

「剣を落として人の服を斬るのもね………故意があるなら犯罪よ?」

 

先に巻き込まれたネプテューヌの墜落に巻き込まれたノワールは所々に絆創膏などを…。

同じく墜落してきた宗谷を回避して、その代わりに送れて落ちてきた赤剣に服を斬られたブランはノワールがすぐに用意してくれた代わりの服に着替え、二人ともまさにご機嫌ななめですと言いたげにそっぽを向いていた。

 

それに対して、当のネプテューヌと宗谷はというと…。

 

「いやぁ、ごめんごめん、ここに来る途中でピーコが暴れてさ、うっかり変身が解けちゃって」

 

「そんで、俺がネプテューヌを助けようと赤剣を呼び出したら、ネプテューヌが放しちゃったぴぃが俺の背中に直撃して、その際にリボーンのスキルリンクも反射的に解除してな……後はご察しの通りと言うわけで、決してワザとではありません、だからハンマーはもう勘弁してくださいごめんなさい申し訳ありません!」

 

ネプテューヌはしれっとした態度で軽く謝るのに、対して宗谷はノワールと同じように絆創膏をそこら中に貼った状態でブランに見事なまでの土下座を披露していた。

二人の様子とその経緯を見てノワールとブランはまだどこか腑に落ちない表情を浮かべるが、仕方ないとため息を一つ着いた。

 

「うっかりすぎるとかそんなレベルじゃないけど……」

 

「ここまでの奇跡的な出来事を目の当たりにすると……もう怒る気力もなくすわね」

 

「あ、分かってくれた? いや~でもすごいよね、あんな神がかりなイベントが連続して起きちゃうなんて! さすが原作でも落下に定評のある私と、最近ラッキースケベが板に付いて来てるソウヤだよ!」

 

「………うれしいようなありがた迷惑の様な……」

 

ネプテューヌの言葉に宗谷が微妙そうな表情を浮かべて起き上がると、その隣にいたイストワールが宗谷を一瞥してノワールやブランと同じようにため息をつく。

 

「何をばかな会話をしてるんですか? まったくお二人は……ピーシェさん、お二人にちゃんと謝って、ノワールさんたちにご挨拶してくださいね?」

 

二人を窘めたイストワールはネプテューヌが放した一連の出来事の際、空中で慌ててネプギアが捕まえて以降、現在も抱きかかえている問題の少女、ピーシェにそう言った。

すると、ピーシェはネプギアの腕から降りるとネプテューヌとソウヤの方に向き直り小さく頭を下ろした。

 

「ねぷてぬ……そーや…ごめんなさい」

 

「…いいよ、もう気にしてないから、でも危ないことには変わりないからな? これからは気を付けるんだぞ、ぴぃ」

 

「………うん!」

 

反省するピーシェに宗谷が頭を撫でながら答えると、ピーシェはぱっと笑みを浮かべて大きく頷いた。

 

「じゃあ、ぴー子、みんなにご挨拶は?」

 

そして、イストワールに続いてネプテューヌに言われたピーシェはノワールたちの方に向き直り、えへんと胸を張るようなポーズをとった。

 

「んっとね…ぴぃは、ぴぃだよ!」

 

「ピーシェさん、みなさんとは初めて会うのですから、なんというのでしたっけ?」

 

「? ………あ、えっと…えっと……おはこんばんちわ…じゃなくて………はじめまして!」

 

「はい、よくできました♪」

 

はじめましての挨拶が出来たピーシェを褒め、彼女の頭を優しく撫でながら優し気な笑みを浮かべるイストワール。

撫でられているピーシェはくすぐったそうにしながらも嬉しそうに笑みを浮かべている。

その姿はまさに親子のようで…。

 

「………イストワール、まさかあなたにこんな大きな子どもがいたなんてね………驚きだわ」

 

「え!? ち、違います! 誤解ですブランさん!」

 

ブランのあらぬ発言に慌てて否定するイストワール、両手と頭をぶんぶんと全力で振る。

 

「ピーシェさんは今教会で保護している迷子なんです! 決して私の子どもとかじゃなくてですね!」

 

「……まあ、宗谷から知らされてたから知ってたけど」

 

「なっ………! 知ってたなら変なこと言わないでください!」

 

まさかのブランの誘いボケにまんまと引っかかったイストワールは冷や汗を流しながら、何とか落ち着きを取り戻した。

それもそうだ、まだ男性と付き合ったこともなく、もちろん“そう言う行為”もしたことがない彼女にあらぬ誤解を植え付けられてしまっては溜まった物じゃない。

 

自分には好意を寄せる相手がすぐそばにいるというのに……。

 

そんな彼女の事は気にせず、ブランは視線をロムとラムに向ける。

 

「ロム、ラム、せっかくだから一緒に遊んであげて?」

 

「あ、それいいアイデア、さすがブラン! ……そう言うわけだから、二人ともぴぃと仲良くしてやってくれ」

 

「はーい!」

 

「いっしょに遊ぼう……?」

 

「うん! ぴぃあそぶー!」

 

ブランと宗谷にそう言われ、ロムとラムの二人は快く返事を返すとさっそくピーシェを誘って、部屋の中を走り回り、元気に遊び始めた。

その様子を宗谷とイストワールは見守るように見送る。

 

「はしゃぎすぎて、怪我しないようにな~!」

 

「「「はーい!」」」

 

最後に宗谷が注意を促すと、それに答えるように三人の元気な返事が聞こえてきた。

手慣れた様子で三人を見守る宗谷、そしてその姿を同じように見守るイストワールを見てベールがくすりと笑みを漏らした。

 

「宗谷もイストワールも、だいぶあの子と仲がいいですわね?」

 

「そう、ですかね……ピーシェさんはまだ小さいので誰かが面倒を見てあげないといけませんし、ご両親が見つかっていない以上寂しい思いをさせるのはかわいそうですから…」

 

「確かにな……まあ、俺の場合は慣れてるっつーかな……それに」

 

そう言うと宗谷はどこか懐かしそうな表情を浮かべた。

その姿に全員の視線が宗谷に向く。

 

 

 

「……俺、高校生の頃、“保育士”か“幼稚園教諭”を目指してたんだ」

 

「え? ヒーローを目指してるんじゃなかったんですか?」

 

「それは俺の夢、こっちは真面目な進路の話だ………まあ、今はもう遠い昔の話みたいなもんだけどな」

 

 

 

ネプギアの疑問に答えた宗谷は微笑みを浮かべながら、ネプギアに向き直った。

そしてこの時、宗谷の脳裏に、ある人物の姿が浮かびあがっていた。

 

(……きっかけはあいつと……“恵理”と一緒に行った職業体験だったな)

 

かつて長い時間を共に過ごし、とある事件をきっかけに自らの手で殺めてしまった幼馴染、“兵藤 恵理”。

彼女と過ごした思い出の中にある、職業体験、そこで彼と恵理の二人は幼稚園に体験学習をしたのだ。

そこで彼は多くの園児と触れ合い、僅かな時間を共に過ごした、その中で彼は恵理にこういわれたのだ。

 

 

『あんた、意外とこっちの才能もあるんじゃない? うちの年下たちの面倒見るのもうまいしさ、私はすっごい似合ってると思うよ?』

 

 

その時に、それも悪くないかと感じた彼はその道に進むのもいいかもしれないと思ったのだ。

 

だが、それも、あの事件をきっかけに諦めざるを得なかったわけだが……。

 

 

「………宗谷?」

 

その時のことを思い出しているうちに無意識の内に黙り込んでしまった宗谷にノワールが声を掛けた。

そこで我に返った宗谷ははっとすると、慌てて表情に笑顔を浮かべてノワールと向き直った。

 

「あぁ、何でもない……それよりか、ほら、お前らはお前らで話があるんだろ? いーすんも一緒にって言ってたし」

 

「え……えぇ、そうね、ここだと何だし私たちは別の場所に行きましょうか、ユニ、宗谷、しばらくここの事は任せといていいかしら?」

 

「あ、うん……」

 

「おう、任せとけ」

 

急に話題を本題へと戻した宗谷に、ノワールはどこか気になるような表情を浮かべつつも賛同すると、全員にそう呼びかけて、宗谷にこの場を任せると部屋を移動しようとした。

 

「そんじゃソウヤ、行ってくるね~!」

 

「ピーシェさんのこと、お願いしますね」

 

「ああ、二人ともいってらっしゃい」

 

ネプテューヌとイストワールの二人に手を振って見送った宗谷、女神達の面々が移動用のエレベーターに乗っていく中、ふと最後にノワールが宗谷の方を向いた。

 

 

 

「ねえ、宗谷……さっき言ってたことだけど、私、悪くないと思うわよ?」

 

「……ノワール?」

 

「あなたが保育士っていうのも、すごくいいと思う……あなたに何があったのか私は知らないけど、自信持ちなさい……あなたが誰よりもやさしいってことは知ってるから」

 

 

 

そう言い残すと、ノワールはネプテューヌたちの待つエレベーターへと向かっていった。

その後姿を見送った宗谷は、しばらくきょとん、した状態だったがすぐに微笑みを浮かべる。

 

「自信、とはちょっと違う気もするけどな……でも、ありがとな、ノワール」

 

エレベーターが動き出し、姿が見えなくなった彼女にお礼を返した宗谷。

その言葉が彼女に聞こえたのかどうかはわからないが、何処かその表情には明るさが戻っていた。

 

そんなやり取りの後、ノワールに任されピーシェたちの面倒を見ることになった宗谷とユニとネプギアの三人。

するとここで……

 

「あの、宗谷さん、ネプギア……ちょっといい?」

 

ユニが何やら悩ましげな表情を浮かべながら二人の方を向いてそう聞いてきたのだ。

 

「…どうかしたの、ユニちゃん?」

 

「何か悩み事か?」

 

「………うん、実は…ちょっと相談があるの………」

 

彼女の口から出された、相談。

これをきっかけに事態は予想外な方へと進んでいくこととなるのを、宗谷達はまだ知らない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、ラステイションの街では今日も人々が忙しく動き回っていた。

ある者は仕事に、ある者は学業に、ある者は個人的な用事で…。

それぞれの理由を持って動き回り、今日の一日を過ごすラステイションの国民達、真面目に物事に取り組む姿はやはりノワールが国を治めている影響もあっての事だろうか。

 

そんな街中で一人、小柄な体躯をした人影があたりをきょろきょろと見回しながら歩き回っていた。

 

 

 

「う~ん、ここにもいないなぁ…」

 

 

 

鮮やかなオレンジの長髪を耳元よりも下に結んだ、まるでおさげとツインテールを合わせた様な珍しいタイプのツインテールに纏め、瑞々しく息づいた植物の葉のように透き通ったグリーンの瞳を持つ、幼さの残るかわいさを秘めた顔立ちをした、まさに美少女と呼ぶのが相応しい姿をした人物。

 

身に着けているレモンイエローのパーカーと青のハーフパンツはボーイッシュな印象を与える服装だが、むしろその印象が少女の魅力を引き立てていると言っていいだろう。

 

 

そんな少女はしばらくあたりを見回した後、目的の物がなかったのか小さくため息をついた。

 

「……やっぱりいないなぁ……おかしいなぁ、確かにラステイションに来るって言ってたはずなのに……」

 

誰かを探している様子の少女は頭を掻きながら眉を潜める。

そしてふと目線を上げて上を見上げた時、少女は何かに気付いたのか、おっ、と声を上げた。

 

視線の先には、なにやら黒い影の様な物がラステイションの建物の上を次々に飛び越えながらこちらに近づいているのが見えた。

さながら風の如きスピードでこちらに向かってくるその影は建物の壁を蹴り、ジグザグに飛び回りながら少女の目の前でくるりと身を翻しながら少女の上を飛び越えると見事にその背後に着地して見せた。

 

 

「お待たせしたでござる、“ハル”殿」

 

「待ってたよ、“ステマックス”、それで? 何かいい情報はあった?」

 

 

少女の背後で膝をつき、素早い身のこなしでここまでやってきたその人物はまるで“忍者”、いやまさに“忍者”そのものと言った格好をしていた。

メタリックな装甲で包まれた体に、怪しく光る眼光、背中にある忍刀もまさしく雰囲気に合っている。

しかしながら、機械的な装甲に身を包んでいるせいか、どちらかというと“忍者ロボ”と呼んだ方があっているかもしれない。

 

“ステマックス”、と呼ばれたその忍者だかロボだかわからない人物は、“ハル”と呼ばれた少女に言われると、ハッ、と答え顔を上げた。

 

「四方八方を駆け巡り、それらしき人物の姿を見た者はいないかと手あたり次第に聞いたのでござるが……残念ながら、見た者はいないと……」

 

「………そう、ありがとステマックス」

 

「して、ハル殿の方は?」

 

「ボクも似た感じだよ、情報ではラステイションに来るはずなんだけどね……」

 

服装に合った、ボク、という一人称の呼び方で答えたボーイッシュツインテールの少女、ハルは目の前のロボ忍者、ステマックスにそう返すとこれからどうしたものかとため息をついた。

 

「もう既にどこかに移動されたのではござらぬか?」

 

「いや、たぶんそれはない、あの人が一人で動いたとしてもそう簡単にはラステイションの外には出ないはず……これだけ探しても見つからないということは……まだこっち側には来てないのかな?」

 

予想を立てて眉を潜めるハル、これだとこのまま探し続けるのはめんどくさそうだなと感じ始めた彼女は、パーカーのポケットに手を突っ込み、そこから一本のチョコバーを取り出した。

袋を破り、チョコバーを出すとそれにかじりつき咀嚼する。

 

悩んだときには当分摂取がハルの癖でもあり、お気に入りの行為なのだ。

特にチョコバーはハルの好物でもある。

 

チョコバーをかじりながらこれからどうするかとハルが考えていると、ここで少女はステマックスの右手に何やら袋が握られていることに気付いた。

 

「……ステマックス、何それ?」

 

「え? ………あっ、しまった!? 拙者とした事が隠すのを忘れていたでござる!!」

 

さっきまでの雰囲気はどこへやら、酷く慌てた様子でその袋を背中に隠したステマックス。

ハルはそれを見逃さずにステマックスに近づくと、彼の顔を覗き込むようにじっと見つめた。

 

「ふ~ん……ボクに隠すようなものなんだ~」

 

「ち、違うでござる! お忘れかハル殿! 拙者はハル殿に忠誠を誓った身、たとえ何があろうとハル殿に隠し事などするはずが…」

 

「じゃあ、見せてくれるよね?」

 

「それとこれとは話が別でござる」

 

忠誠を誓ったにしては真面目にそれを全うしているのかそうでないのかわからない返答にハルはむっとした表情を浮かべる。

しかたないとハルはため息をつくと、ばっ、とステマックスの背後に視線を向けて大げさに指をさした。

 

「あーーー! あそこにすっごい美人の金髪巨乳のお姉さんがーーー!」

 

「なんですと!? どこ!? どこに!? どこに金髪巨乳の美少女がおられるのでござるか!?」

 

「はい、没収~」

 

「え? ………はっ!? ハル殿、謀ったでござるな!?」

 

ステマックスの好みの女性である、金髪巨乳の女性による子供だましな囮作戦にまんまと引っかかり背を向けた瞬間にステマックスが持っていた袋を没収したハル。

ハルはショックを受けるステマックスをよそにビニール袋の中にある何かを取り出す。

 

入っていたのは、厚さがかなり薄い、所謂薄い本とも呼ばれている同人誌だった。

内容も表紙から見るになかなかハードな物、どうやらこれを見られたくなかったようだ。

 

「あー、やっぱりねー、どうせこんな事だろうと思ってたけど…」

 

「あぁ……また、ハル殿に見られた……拙者の印象がどんどん悪くなっていくぅ……ハル殿に使える者としての威厳とかっこいい忍者キャラの印象がぁ……」

 

「いまさら何言ってるのさ……ボクとステマックス、どれくらい一緒にいると思ってるの? 今更こんなことで驚いたりしないし、何よりもう慣れてるって…」

 

大げさに落ち込むステマックスにハルが持っていた同人誌を袋に戻して彼に返す、するとステマックスはちらりとハルを見る。

 

「しかし、拙者にはもうハル殿しかいないのでござる! ハル殿の姉上にハル殿を任された以上、拙者がハル殿に見限られたらもう社会的にも精神的にもあと、昔ボッチだった拙者自身としても、もう終わってしまうのでござる!」

 

「だったら生き残るために、まずは人見知りする性格直した方がいいんじゃない? 特に女の人と話すとき……今でも治ってないよね」

 

「うぐっ……せ、拙者にはハル殿とハル殿の姉上がいるし……」

 

「それじゃあ一生、ボクや姉さん以外とは話せない、社会不適合忍者のままだよ~」

 

ハルのとどめの一言に、ステマックスはうぐっと声を上げるとその場に両手をついてみるも明らかに落ち込み始めた。

その姿を後ろにハルは食べていたチョコバーをたいらげると、しかたない、とそんな彼の前に手を差し出した。

 

「ほら、落ちこんでないで早く行くよ?」

 

「ハル殿……」

 

「別にボクはステマックスを見限るつもりはないよ……今のボクには君の力が必要なんだから」

 

ハルがそう言うと、ステマックスは一瞬身を震わせて目元を腕で覆って何かを拭う動作を見せるとその手を握り、素早く立ち上がった。

小柄なハルよりも明らかに大きな体躯のステマックスは立ち上がると再びその場に跪く。

 

「ぐすっ……ありがたき幸せ、拙者、これからもずっとハル殿についていくでござる!」

 

「相変わらず大げさだなぁ……まあ、いいけど……それよりも、早く探すよ?」

 

ハルはそう言うと、まんざらでもなさそうな笑みを浮かべて、くるりとその場に身を翻し、パーカーのもう片方のポケットから一枚の写真を取り出した。

 

そこに写っていたのは、薄い紫の髪を三つ編みに纏め、やわらかさを感じさせる服装をした一人の少女だった。

 

 

 

「“女神 アイリスハート”………“プルルート”は必ず、この国に来るはずだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ノワールさんの様子がおかしい?」

 

ユニの相談を受けることになったネプギアと宗谷、そしてユニの口から明かされたその内容にネプギアは真っ先に反応した。

 

「うん、最近夜になったら執務室に籠って何かやってるみたいなの……」

 

「お仕事とかじゃないの?」

 

「仕事なら部屋に鍵を掛けたりしないわ、それに……たまに変な笑い声を上げたり……誰かと話してるような会話も聞こえてくるし……」

 

「誰かって?」

 

「そこまではわからないわよ……でも、なんだか心配で……お姉ちゃん、夜な夜な何をやってるのかな?」

 

真剣に悩んでる様子のユニに同調してかネプギアもどこか心配そうな表情を浮かべる。

確かに夜になるたびに部屋に鍵をかけて人知れず笑っていたり、誰かと話しているとなると心配にもなってくる。

何かあるとみて、間違いはないのだろうが……。

 

「うーん……どう思いますか、宗谷さん?」

 

「………」

 

「……宗谷さん?」

 

ここは第三者の意見も聞こうとネプギアが隣にいる宗谷に声を掛けた。

 

だが、なぜか宗谷は黙った状態でなにやら明後日の方向に目を向けたまま口を真一文字に結んでいる。

妙に感じたネプギアが彼の肩を叩いて、最後呼びかけると、そこで宗谷はやっと反応してネプギアの方に視線を向けた。

 

「えっ!? な、な、なんだ、ネプギア?」

 

「いえ、その、ユニちゃんの話ですけど……聞いてました?」

 

「え!? うん、聞いてたよ!? ばっちり聞いてた、すっげー聞いてた!」

 

「そ、そうですか……」

 

なにやら焦ったような返事を返す宗谷に違和感を感じつつも、ネプギアは再度宗谷にこの事態をどう思うかと問いかけてみる。

 

「あの、宗谷さんはノワールさんのこの一連の行動、どう思いますか?」

 

「あぁ、まあ……ノワールにもいろいろあるとは思うし、あまり詮索しないのが一番だとは俺は思うけどな……でも、心配なのはわかるぜ? わかるけどもさ、人には聞かれたくない事とかも……」

 

「聞かれたくない事って、なんですか? まさかお姉ちゃんが聞かれちゃまずいようなことをしてるっていうんですか!?」

 

「いやそう言う意味じゃなくてね!?」

 

どこか煮え切らない宗谷の返答、彼らしからぬ答えにネプギアは違和感を感じつつも親友の悩みをこのまま捨て置くわけにはいかないとあることを考え付いた。

 

「……結局の所、ユニちゃんは夜にノワールさんが何をしてるのか知りたいんだよね?」

 

「ん……まあ、そういうことかな?」

 

「だったらいいものがあるよ! 丁度持ってたの!」

 

ユニの返答を待っていたと言わんばかりに、ネプギアはスカートのポケットに手を突っ込むとある物を取り出した。

ネプギアが取り出したそれが何なのか、気になった宗谷とユニは彼女の手元を覗き込む。

 

「………これって」

 

「映像を遠隔地に無線で送る、目立たない大きさの機械だよ!」

 

「………要するに隠しカメラじゃねぇか……さすがネプギア、機械オタクもここまで来るとある意味すげーぜ」

 

「こんなに小さいのにHD映像をリアルタイム圧縮するんですよ? すごいですよね! すごいよね、ユニちゃん!」

 

ネプギアの機械オタクぶりにむしろ感心する宗谷をよそに生き生きと取り出した隠しカメラの説明を始めるネプギア、この後彼女が何をしでかすのか何となく予想がついていたユニと宗谷の二人だったが、意気揚々とさらに詳しく説明を始めた彼女の勢いには逆らえず苦笑いを浮かべることしかできなかった。

 

そしてそのまま、二人が彼女に流されることとなったのは、言うまでもない……。

 

もちろん、何に流されたのかは隠しカメラと言う存在がある時点でお分かりだろう……。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ラステイション教会の別室では、ノワールを中心に集められた他国の女神達と一緒に呼び出されたイストワールが集まっていた。

だが、突然…。

 

「あっははははははははははははは!!」

 

ネプテューヌが腹部を抱えて大笑いを始めたのである。

 

「ね、ネプテューヌさん! 笑いすぎです、失礼ですよ!?」

 

その隣にいたイストワールが彼女に注意しようとするが、ネプテューヌは一向に収まらない笑い声を押し殺すのも必死なようだ。

ネプテューヌの笑い声に、ノワールもやはりといった具合に不機嫌そうである。

 

「だ、だってノワールが前に自慢してたじゃん! ラステイションのセキュリティーは世界一ぃぃぃぃ! って、自分で自信満々に言っといて破られちゃうとか、おっかしくて、あっははは!」

 

何とか笑いを押し殺しながらそう言ったネプテューヌ、実質そのことに対してぐうの音も出ないのかノワールは悔しそうな表情を浮かべながらも何も答えようとはしなかった。

しかし、この事態は忌々しき事態なのに変わりはない。

なにせ人工衛星にハッキングを掛けられたのだ、悪事に利用されでもしたらたまったものではない。

 

「起きてしまったこととはいえ、このままにはしておけませんね…」

 

「………大事なのは、再発防止……それに」

 

「こんなことをした不届き物を、締め上げて何が目的か白状させることよね」

 

この事態を放ってはおけないとイストワールとブランの言葉に続くようにノワールが結論を出した。

確かに何も理由がないままハッキングをしたということは考えにくい、犯人を捕まえたうえで何が目的なのかを知らない事には解決には至らないのである。

 

「おぉ、ノワールが本気とかいてマジだ…」

 

「いえ、当然と言えば当然と思いますけど……」

 

「とにかく、今は犯人を突き止めないといけませんわね、実はこういうこともあろうかとある方をお呼びになりましたの」

 

手がかりもない状況でどう犯人を捜すのか、そんな事象を解決すべくベールは地震を感じさせる笑みを浮かべるとドアの方に向き直った。

 

「お入りになって」

 

その声の後、部屋の自動ドアが開き、そこから一人の人物が部屋の中に入った来た。

黒縁の眼鏡に灰色のスーツ、ボブカットの黒髪には四色の四角形があしらわれたひし形の髪飾りがついている。

 

「リーンボックスが誇る超天才プログラマー、“ツイーゲ”ちゃんですわ」

 

“ツイーゲ”と呼ばれたその人物に一同は視線を向ける。

 

「ツイーゲちゃん………だれ……?」

 

「オリジナルキャラキターーーーーー!!」

 

首を傾げるブラン、謎の叫びをあげるネプテューヌ。

あまり印象深いとは言えないような見た目の彼女の登場に、彼女たちはそれぞれの反応を示す。

 

「はじめまして、ツイーゲですビル、よろしくお願いしますビル」

 

「び、ビル……?」

 

「今どきありえない語尾でキャラづけ!? このキャラ絶対失敗する!!」

 

さらには妙な語尾も付く始末でこのままでは彼女の未来(というかキャラとしての存在が)危うい気がしてならない。

恐らく彼女たちもそれを揶揄しての反応を示しているのだろう…。

 

しかし…。

 

 

「あら、あなたは……」

 

「おや、奇遇ですねビル」

 

「ええ、その節はどうもお世話になりましたツイーゲさん」

 

「いえいえ、こちらこそ、あの時はこちらも有意義な時間を過ごしましたのでお気になさらずにビル」

 

 

イストワールだけ、ネプテューヌやブランと違って彼女の事を知っているような会話を始めたのである。

しかも、ツイーゲ自身もイストワールの事を知っているようだ。

 

まさかのキャラの関係性にネプテューヌもどうしたことかと言いたげな複雑な表情を浮かべる。

 

 

 

「あ、あの、いーすん? もしかしてお知り合い?」

 

「ええ、実は彼女とは以前にお会いしたことがありまして、宗谷さんのブイホにあるアプリ、“いつでもいーすん”があるでしょう? 実はあれのプログラミングを手伝ってくれたのはツイーゲさんなんです」

 

「え……えぇぇぇぇぇぇぇぇええええええ!? ただの使い捨てキャラだと思っていたのに、まさか設定に関わっていた重要キャラだったなんて!? なにこのある意味の超展開!?」

 

 

 

使用頻度は少ない気もするが、いざという時に大活躍を果たしたあのアプリ、“いつでもいーすん”のプログラミングをしたというツイーゲの知られざる活躍にネプテューヌは驚きを隠せなかった。

 

 

「ミスター宗谷にはなかなか面白いお仕事をいただけて感謝していますビル、また今度彼にもよろしくお伝えくださいビル」

 

「ええ、お伝えしておきます、また何かあったらよろしくお願いしますね」

 

「……あれ? これってもしかして、今後も出てくるパターン?」

 

「その辺はご心配なく、今回限りの使い捨てキャラなのは間違いないですビル」

 

「自分から今後の出番のフラグを断ち切ったぁぁぁぁぁあああ!? もはや忠実と言うか、潔すぎて涙が出てくるよぉぉぉぉぉ!?」

 

 

重大な関係性をあっさりと斬り捨てた彼女の意志が潔すぎてもはや泣けてくるレベルである。

ネプテューヌの叫びに動じることもなく、ツイーゲはきりっとした態度を貫いている。

その姿はもはや悟りを開いてると見ても過言ではないだろう…。

 

これが使い捨てキャラが持った意志の表れだとでもいうのか……。

 

「それで……あなたなら犯人を突き止められるの?」

 

「お任せ下さいビル」

 

そんなことはどうでもいいと、鬼進行でツイーゲに問いかけたノワール。

彼女に言われ、ツイーゲは持っていたノートパソコンを開くと、そのキーボードに素早く指を走らせ始めた。

 

その面持はまさに真剣そのもの、というか無言だがこれでもかというやる気を感じさせ、一世一代、最後の晴れ舞台になったかのような雰囲気を漂わせていた。

 

 

「………私、ツイーゲちゃんが犯人突き留めてくれたら、それを無駄にしないように頑張ろう」

 

「ネプテューヌさん、さっきから何を言っているのですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わあ! ちゃんと映った!」

 

「……映ってるなぁ、くっきりはっきりばっちりと……」

 

「こんなにはっきり見えちゃうんだ…」

 

「最新鋭の技術のたまものです! これなら夜にノワールさんが何をしてるのかもわかるよ、ユニちゃん!」

 

嬉々として自分が用意した隠しカメラの性能にご満悦な様子のネプギアに、どこかまずそうな表情を浮かべるユニと宗谷。

彼らの視線はネプギアの持っているタブレットに注がれていた。

 

ノワールが毎晩この部屋で行っているという何かを探るためとはいえ、隠しカメラを用意したのだ。

だが、それに対してユニも宗谷もあまり気乗りしないような感じに見えた。

宗谷には別の意志が宿っている様にも見えるが…。

 

(まずいなぁ……このままだと俺とノワールの“あれ”がバレることに……)

 

明後日の方向を見て気まずそうな表情を浮かべる宗谷、するとその隣にいたユニがどこか不安げな表情を浮かべていたことにネプギアが気づいた。

 

「あれ? ユニちゃん、どうしたの?」

 

「………なんだかすごい悪いことしてる気分になってきちゃった」

 

「ま、まあ、やってることがやってることだしな…」

 

ユニはどうやら姉の部屋に無断で隠しカメラを仕掛けることに罪悪感を感じてならなかったようだ。

何をしているのか気になるとはいえ、盗撮まがいの行為をするのはいいアイデアかもしれないが気分がいい物ではない。

 

「ねえ、やっぱりこれ外してくれないかしら?」

 

「うーん…そ、そうだね、さすがにそう言われると……」

 

「そ、そうそう! 盗撮ダメゼッタイ! 不健全ダメゼッタイ!」

 

ユニの説得にネプギアも同意したのか、宗谷もここぞとばかりに後押しする。

少しばかり強引なような気もするが、このままではまずい状況になると彼も必死なのだ。

 

(よかった……結果オーライ、なんとか秘密は守られた……ん?)

 

心の内で安堵する宗谷、だがふと彼がネプギアの持っていたタブレットに目を向けた時、何か違和感に気付いた。

 

「おい、ネプギア……これ、おかしくないか?」

 

「え? ……あれ、これって」

 

ネプギアが宗谷に言われてタブレットに視線を戻すと、隠しカメラを仕掛けた映像から送られてくるはずの画面にノイズが走り、様々な角度から部屋を映し出した映像が次々に流れてきていたのである。

無邪気に遊ぶピーシェ、ロム、ラムの三人と飛び跳ねるクラたんの映像を見つめ、宗谷とネプギアはただならぬ事態に眉を潜めた。

 

「確か、ネプギアが仕掛けたカメラって一つだけだったよな?」

 

「はい……でも、これって明らかに混戦してる……ってことは」

 

その言葉に、宗谷とネプギアは視線を合わせると互いにこくりと頷いてユニの方に向き直った。

 

 

 

「ユニ、あの部屋、どうやら本物の盗撮犯に見られてるらしいぜ?」

 

「え………えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 

 

予想外の事件に繋がり、驚くユニの叫びがラステイション教会に響き渡る…。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

ここで予想外の登場をした、新キャラとあの人見知り忍者、さらにツイーゲちゃんの予想外な関係性、最後のネプギアの隠しカメラが導き出した予想外な事件。
まさに、予想外だらけだった今回。

次回は遂にあのオカマが…。

それでは次回もお楽しみに!
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