超絶次元ゲイムネプテューヌ おーばーどらいぶ!   作:白宇宙

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どうも、白宇宙です!

仮面ライダー4号、DVDで見ました。
もう……なんというか……555が……たっくんが……カッコよすぎて……!
555を見ていただけに、もう泣かずにはいられませんでしたよ、ええ…。

まあ、そんなことより!

今回のお話から、プルルートが本格参加のお話が始まります!

お気に入りのキャラだけに、うまく物語と絡めていきたいところです!

それでは、お楽しみください!
どうぞ…。


女神じゃなくて女王様!? はじめまして、プルルート 編
stage,77 俺と別世界の女神様


 

 

日が沈み、怪しくも不思議な美しさを兼ね備えた夜空がゲイムギョウ界を包む頃、ここプラネテューヌ教会の一室では、ささやかなパーティーが開かれていた。

なぜいきなりパーティーなのか、それについては料理が並んだテーブルに新たに加わったもう一人の人物を見れば自然と納得が行くであろう。

 

このパーティーの主役である、淡い色合いをした髪を一本の三つ編みに編んだ少女が椅子からゆっくりと立ち上がった。

 

 

 

「あたし~、プルルート~、よろしくね~」

 

 

 

そう、このパーティーは彼女、“プルルート”を歓迎するためのパーティーだ。

 

経緯はどうあれ、とあるきっかけでプラネテューヌの女神と名乗った彼女との交流のため、ここプラネテューヌで彼女の歓迎会を催すこととなったのだ。

 

のんびりとした口調の自己紹介が終わり、教会にいた面々が細やかな拍手を送ったところで、本日もパーティー用料理に精を出して大貢献してくれた料理上手のコンパが飲み物の入ったグラスを手に持った。

 

「プラネテューヌの新しい女神さん、ぷるちゃんに乾杯するです!」

 

「ちょっと待ったぁ!!」

 

乾杯の音戸を取ろうとしたコンパに、ネプテューヌが慌てて待ったをかけた。

 

「ふえ? どうかしたです?」

 

「こんぱ、その言い方だと私がぷるるんに女神の座を奪われたみたいじゃない」

 

「でも、ぷるちゃんもプラネテューヌの女神さんです?」

 

「プラネテューヌはプラネテューヌでも、別のプラネテューヌだから! そこんとこよろしく!」

 

待ったをかけたネプテューヌの言葉を、いまいち理解できていないのかコンパは首を傾げる。

 

彼女がややこしく感じるのも無理はないだろう、今回新たにプラネテューヌに加わることとなった彼女、プルルートは紛れもないプラネテューヌの女神である。

しかし、プラネテューヌはプラネテューヌでも、こことは“違う次元の世界に存在するプラネテューヌの女神”、という意味なのだが。

 

「まあ、要するにプルルートは前にここにいたもう一人のネプギアと同じで、違う世界から来たってことだよ」

 

「普通ならさらっと別の次元とか言われても反応に困ると思いますけど、あの事件の後や、私と宗谷さんが以前にした経験も踏まえるとそうとしか言いようがありませんからね」

 

要領を得ていない様子のコンパに、同じく椅子に座っていた宗谷が出来るだけわかりやすく説明を加えた。

 

世界というのは無数に存在する。

同じ世界、同じ姿、同じ歴史を持っていても、いくつかの相違点があり全く別の経緯を辿る世界。

人はそれを“平行世界”や“パラレルワールド”と呼ぶ。

 

既に、先日起きた新・犯罪神の事件や、異世界から訪れたクエストハンターを名乗る宗谷の同士との出会い、そして新・犯罪神の事件の前に宗谷とイストワールの二人が訪れたこの世界と似て非なる世界にいた巨悪と、仮面の勇士たちとの出会い。

それらを経験した二人やネプテューヌ、ネプギア達からして見れば納得が行くものなのだがいかんせんまだコンパにはわかりにくい話だったようだ。

 

「いきなり空から振ってきたのは、さすがに驚いたけどな」

 

「あはは~…ごめんね~、二人とも~」

 

「いいえ、こっちも注意してなかったわけですし」

 

プルルートとの出会いを思い浮かべて、どこか懐かしんでいるようでありながら口元には苦笑いを浮かべる宗谷にプルルートが謝る。

まあ、出会いはどうであれ、新たな仲間が加わることは宗谷やネプテューヌ達にとっても大歓迎だった。

 

「そう言えば、プルルートさまは変身も出来るんですか?」

 

するとここで、女神である以上プルルートが変身できるのかどうかに興味を持ったアイエフがプルルートに問いかけた。

 

「できるよ~、でも、あんまり変身しないようにってみんなに言われてるんだ~」

 

「変身するなって……なんでだ? なんかまずい事でもあるのか?」

 

アイエフの問いかけに対して、そう返答したプルルート。

しかし、その内容に宗谷は疑問を感じて僅かに首を傾げた。

なぜ、まわりの人物から女神化を制限されているのか、何か理由があるのだろうか?

気になった宗谷はさっそくプルルートに聞いてみることにしたが………。

 

「……う~ん……どうしてかな~?」

 

「………自分でもわからんのかい」

 

「えへへ~」

 

どうにもプルルートはどこか抜けているところがある様だ。

軽くコケながら返答する宗谷に、プルルートはまたのんびりとした笑顔を浮かべる。

 

(それにしても、ほんわか天然っぽいプルルートが女神化した姿か…)

 

その事がどうしても気になった宗谷は、ふと久々に自分の中の妄想でプルルートが女神化した姿を思い浮かべてみた。

 

 

 

 

 

『あなたのハートににっこり笑顔~♪ 笑顔を届ける女神、プルルートだよ~! あたしの魔法で~みーんな幸せにな~れ~♪ って、わわぁっ!?』

 

―――どてっ

 

『あうぅ~……痛い~……』

 

 

 

 

 

「………一昔前に放送されてそうだな」

 

「宗谷さん? どうかしたんですか?」

 

「いや、別に? まだまだ俺の妄想も捨てきれたもんじゃないなった思っただけだよネプギア、気にしないでくれ」

 

今と変わらない姿でふりふりひらひらの魔法少女のような衣服を身に纏い、キラキラ光るステッキを能天気に振り回し、躓いてそのまま前のめりに転んで可愛らしいパンツを丸出しにして涙目になる、宗谷の妄想の中のプルルートの姿はあまりにも違和感がなさ過ぎた。

 

一オタクとしてプルルートにはドジっ娘天然魔法少女系でいてほしい、なんていう願望を胸に秘める宗谷の誇らしげな表情にネプギアは首を傾げる。

 

 

「? ……あー! ちょっとぴー子!」

 

「ぴぃもおにくたべる!」

 

 

そんなやり取りをしている中、なにやらピーシェとネプテューヌの二人が騒ぎ出した。

どうやら、自分の皿の肉料理を食べきってしまったピーシェがネプテューヌの皿の肉にも手を出した様だ。

ネプテューヌが必死にピーシェを止めようとするが時すでに遅し、ネプテューヌの肉はピーシェの胃袋の中に納まってしまった。

食欲旺盛なのはいいことだが、欲張りなのも玉に瑕である。

 

「おいぴぃ、勝手に人の物取ったらダメだろ?」

 

「むー……じゃあ、ねぷてぬにはこっちあげる!」

 

宗谷に注意されたのもあってか、さすがに横取りしたままというのは悪いと感じたピーシェは気を利かせたつもりなのか皿の上にある付け合わせの野菜の中からある野菜を一つ、フォークで突き刺すとそれをネプテューヌに差し出した。

 

しかし、目前に出されたその野菜を見た瞬間、ネプテューヌの顔が一気に青ざめた。

 

「………いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!? 近づけないでぇぇぇ!! 私“ナス”嫌いなのぉ!!」

 

ネプテューヌが見た瞬間に顔を青ざめ、叫びをあげるほどに毛嫌いしたその野菜。

それは、紫の皮に包まれた野菜、ナスだった。

 

実はネプテューヌは大が5つほど続いた後に嫌いが付くほどのナス嫌いなのである。

 

「ここまでの拒絶反応があると、もはや筋金入りだな……」

 

「ねぷ子、たまには食べてみなさいよ、今日は我ながらおいしくできたのよ?」

 

「やだよナスなんて! あの匂いを嗅いだだけで力が出なくなっちゃうんだから!」

 

その事を既に知っている宗谷は嫌いな食べ物に対する反応が極端すぎる彼女にもはや関心すら覚え、料理を手伝ったらしいアイエフはそう言って拒絶反応を示すネプテューヌにナスを進めてみるが、ネプテューヌは頑としてそれを受け入れようとはしなかった。

 

「ナスってそんなに匂い強くないと思うけどな……でも、ネプテューヌ? ぴぃもいるんだからいい加減好き嫌い失くしといたほうがいいぜ?」

 

「なんて言われようが嫌いなものは嫌いなの! それを言うなら、ソウヤだってお化けとかすごい苦手じゃん! その年でお化け嫌いはさすがどうかと思うよ!」

 

「なっ!? お、お前! 今その話は関係ねぇだろ!! そ、それに、べ、べ、べ、別に俺はそんなん? 平気だしぃ?」

 

「宗谷さん、足が震えてますよ? でも、ネプテューヌさん、宗谷さんやアイエフさんの言う通り、ナスはおいしいんですよ?」

 

「え~! いーすんまでそっち派ー!? いーすんは味方だと思ってたのに~!」

 

好き嫌いの話から一気に発展したこの状況に、イストワールがはぁ、と悩まし気にため息をつくとネプテューヌを見つめながら、一度本格的に説教を使用とこほんと喉を馴らした。

 

 

 

「いいですかネプテューヌさん? 女神であるあなたが好き嫌いなんてしてたら、国民への示しや威厳が、あばばばばばばばばばばばばばばばば!?

 

 

 

早速始まった説教、しかしその途中でイストワールが突然その体を小刻みに震わせ始めた。

形態のバイブレーションよろしく、ぶるぶると座りながら振動するイストワールに何事かと一同の視線が集まる。

 

「イストワール様!?」

 

「ねぷ!? 祟り、ナスの祟りだよ!!」

 

「おい大丈夫かいーすん!? 落ち着け、とりあえず一回深呼きゅあばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!?」

 

「ギャーーー!? 止めようとしたソウヤまで巻き込まれたぁぁあ!?」

 

突然の事態にイストワールを助けようと彼女の両肩に宗谷が手を置いた瞬間、その振動が宗谷にまで伝わり、二人仲良く振動によって妙な声を上げながら震えはじめた。

以前のイストワールならそこまで強くなかったのだろうが、今は大人サイズになっているためその振動はより強力な様だ。

二人共振動したまま身動きすら取れない状態のまま、今状態は数十分続いたという…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……失礼しました」

 

それから数分後、やっとのことで謎の振動を納めることが出来たイストワールは場所を移し、今彼女はプラネテューヌのシェアクリスタルが保管されている部屋へと来ていた。

隣には彼女の振動に巻き込まれた宗谷も同席している。

 

「別次元から着信を受けるなんて、初めての経験だったもので……マニュアルを読んで対応するのに時間がかかってしまって」

 

「心なしか肩こりとかが直った気がするのは俺だけかな、全身がすっげー軽いんだけど」

 

「知りません」

 

どうでもいいことを呟く宗谷をイストワールがツッコミでばっさりと斬り捨てると、彼女は再度自分の目の前へと視線を移した。

そして、その視線の先には先程の振動の原因、“別次元からの着信”を行った張本人が立体映像としてイストワールの前にふよふよと浮かんでいた。

 

 

 

『こちらこそ、突然電話してすみませんm(__)m うちのプルルートさんがお世話になっています』

 

 

 

そこにいたのは、紛れもない、もう一人のイストワールだった。

 

だが、サイズがあまりにも違いすぎる。

宗谷の隣にいるイストワールが普通の人間サイズなのに対し、立体映像として映し出されている方のイストワールは以前の小さい時のイストワールよりもさらに小さく、下手をすれば手のひらサイズくらいの大きさで、しかも明らかにその容姿は幼い。

まさに“ちっちゃいいーすん”、略して“ちっちゃいーすん(宗谷命名)”だった。

 

「………なんだか、ちっちゃいですね? すごく」

 

『そっちのわたしが大きすぎるんです(-_-;) ……いったいどうしてそうなったんですか?』

 

「まあ、いろいろありまして……自分でもあまり分かっていないんですけど、こうなってしまいまして」

 

『………はあ、そうですか(´・ω・) ………それよりも』

 

互いのサイズ間のギャップに困惑する二人のイストワール、別次元の自分がここまで多きことに驚くちっちゃいーすんだったが、それよりも気になる物があったのか、ふと視線をイストワールの隣にいる宗谷へと向けた。

 

「………」

 

『あなたはさっきから、なんでわたしを見てるんですか? そんなに熱のこもった目で……(~_~;)』

 

宗谷はなぜか先程からちっちゃいーすんをじっと見つめたまま微動だにしていない。

そして、その瞳に籠った熱にちっちゃいーすん自身もさすがに気になったようだ。

 

「………かわいいな」

 

『えっ!? な、なんですか急に……そんな、かわいいだなんて……(/ω\)』

 

ほのかに頬を染めてぼそっと呟いた宗谷の発言に、ちっちゃいーすんも僅かに頬を染めて照れるような仕草を見せた。

 

「いや………なんというか、小さい故か知らないけど………無性に撫でてみたい可愛さがあるというか、子犬とか子猫を見た時の様な……とにかく可愛がりたい!」

 

『そ、それって結局はわたしがちっちゃいからってバカにしてませんか!? ていうか、わたしの場合だと下手をしたら犯罪ですよ!? (; ・`д・´)』

 

「いやいやいや! そう言うんじゃなくて純粋に褒め言葉として言っただけだから!? 俺は決してロリコンとかじゃないから!」

 

小さいことを指摘されたちっちゃいーすんが宗谷に問いかけるが、宗谷は慌ててそれを否定する。

あくまで彼は見た目的な意味で褒めたに過ぎない、それ以外に他意はないのでそこの所は了承してもらいたい。

彼はどこぞの自称、紳士を名乗る以前に再び出くわした四天王のロリコンモンスターとは違う。

 

慌てて先程の言葉に対しての補足をした宗谷は、息を整えるとこほんと咳ばらいを一つする。

 

「それに……いーすんがすごいってことは良く知ってるよ、俺こっちのいーすんに何度も助けられたからな、いーすんはいざって時に頼りになるってよく知ってるつもりだ」

 

『……ま、まあ、それ程でもないですけど? (。-`ω-) そちらにプルルートさんを送ったのだってわたしですし』

 

「ほら、やっぱりすげーじゃん、次元を飛び越えるなんてうちのいーすんでもまだしたことないのに」

 

『い、いえ、そんな……(*^-^*) あ、そう言えば、お話を聞く限りですとあなたはそちらのわたしと仲がよろしいのですか?(´・ω・)』

 

「ああ、一応、教祖補佐ってことになってる……あ、そう言えばまだ自己紹介してなかったな、俺は天条 宗谷、よろしくなそっちのいーすん?」

 

『そうやさんですか、はじめましてプルルートさんの次元のイストワールです、よろしくお願いしますね(^_^)/』

 

互いに自己紹介を交わしたちっちゃいーすんと宗谷、微笑ましく会話を交わす二人の表情はどことなく楽しそうだ。

 

 

「………」

 

 

しかし、そんな宗谷とちっちゃいーすんのやり取りを見ていた宗谷の世界にいるイストワールはどこかむすっとした表情で宗谷に横目でじろりと冷たげな視線を向けた。

その視線に気づいた宗谷が首を傾げながら彼女に尋ねた。

 

「ん? どうかしたのか、いーすん?」

 

「………宗谷さんのロリコン」

 

「いや、だから違うって!? なんで怒ってんの!?」

 

『………(´・ω・)?』

 

宗谷にそう言い捨てるとぷいっと不機嫌そうにそっぽを向いてしまったイストワール。

なぜ彼女が不機嫌になっているのか理解できない宗谷は訳が分からず頭に疑問符を浮かべるしかできなかった。

 

「まったく………それで、そもそもどうしてそちらの私はプルルートさんをこちらの次元に?」

 

不機嫌そうにしながらも本来の目的を忘れてなかったイストワールは話を切り上げて、ちっちゃいーすんに早速本題を切り出した。

先の話にも合った通り、プルルートをこの次元に送ったのはプルルートがいる次元に存在するちっちゃいーすんなのだ。

理由もなしに彼女を別次元に送るなんてことは、まずしないはずである。

 

『あ、その事なんですけどね、こちらの次元からそちらの次元に大きなエネルギー転移が検知されたんです……w( ̄д ̄;)w』

 

「はぁ……次元転移反応ですか……」

 

「その反応が、どうかしたのか?」

 

『はい、その存在の持つエネルギーはあまりに大きく、こちらの次元にも大きな影響を及ぼすかもしれないんです(~_~;)』

 

別の世界にすら大きな影響を及ぼすかもしれないエネルギーの存在、それを聞かされた宗谷とイストワールは真剣な顔つきになると互いに顔を見合わせて、何かを考え込むような仕草を見せる。

 

『しかも、問題はそれだけではないんです(-_-;)』

 

「え? まだ何か?」

 

ちっちゃいーすんがさらに口にしたもう一つの問題、それが何なのかイストワールは彼女に問いかける。

 

 

 

『はい、こちらの方はそれほど大きなエネルギーを持ってはいないんですが……こちらの世界の存在がそちらの世界に渡ったのと入れ替わりで、そちらの世界からも何かが別の世界へと転移した反応があったんです(・_・;)』

 

 

 

入れ替わるようなタイミングで移動した“もう一つの存在”。

別次元に渡ったということらしいその存在が何なのか、そして最初にちっちゃいーすんが言っていたもう一つのエネルギーの事も加え、一体二つの次元でなにが世界を越えたというのだろうか……。

 

「そっちからこっちに来た何かと、こっちからどこかへと跳んだなにかか……気になるな」

 

『二つ目の方はそれほど大きなエネルギーを感知しませんでしたが………前者の方は何が起こるかわからないため、プルルートさんにはその存在を元いた世界である、こちら側に連れてきてもらう必要があるんです(´・ω・`)』

 

「それで、その大きな存在というのは……?」

 

『それが、みっかかけて調べても何もわからなかったんですよ……(ノД`)・゜・。』

 

「えっ!? それじゃあ、それが何なのかわからない状態でその存在を調べろってことなのか…?」

 

情報がないというのは不利に感じたのか、宗谷は少し苦い顔をした。

それもそうだ、迷子の犬を探していると頼まれたのに情報は名前だけで見た目が分からないのと同義なのだから。

何かわからないという以上、探すのは苦労しそうである。

 

それに、後者のこちら側から出て行った何かというのも気になる所である。

影響は少ないと言われてはいるが、一体なにがあったのか……。

 

『申し訳ありませんが、現時点ではそちらの変化を早めに察知するくらいのことしかできなくて……何か大きな変化があれば、ちかくでその存在が見つかるはずです(;゚∀゚)=3』

 

「……わかりました、ではその旨みなさんに伝えておきます」

 

『よろしくお願いしますm(__)m』

 

多くの謎を残しつつも、こうして二つの次元のイストワールが対面した会合は終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次元を超えた二つの存在か……」

 

プルルートの世界のイストワールとの通信を終えた宗谷は、一度自分の部屋に戻ると、先程の話を思い浮かべていた。

同じ時期に起きた二つの次元転移、一体何が起きているのか、宗谷はそれを気にしていた。

 

「でも、今の時点じゃ情報が少なすぎるしな………さて、どうしたものか……」

 

自室のベッドの端に座り、考え込むように顎に手を当てる宗谷。

しかし、いくら考えていてもそれが何なのかがわからない以上、対策を講じようにも全く思い浮かばないままだ。

 

結局疑問は晴れないまま、宗谷が一つため息をつく……。

 

「………次元を超える、か」

 

だがここで、宗谷はそう呟くと顔を上げ、懐のポケットに入れていたV.phoneを取り出す。

そしてその画面の中に表示されている、あるアプリを凝視する。

そこには彼が持つ様々な主人公たちのスキルの中でも、特別なカテゴリとして分類されている“特別なスキルリンクアプリ”があった。

 

“スキルアームズ 仮面ライダーストーム”。

 

以前に異世界で出会った、自身もまったく知らない仮面ライダーであり、友である存在の力を宿したスキル。

これはまさに、異世界との繋がり、“世界を越えた友情”の証だった。

 

そしてさらに、宗谷は窓の外に目をやると、もう一人の異界の友の事も思い浮かべた。

 

 

「……メテオ、絵美ちゃん、カズマ……それに、ヒロム……あいつら、元気にしてるかな」

 

 

世界を越えた友たちの存在を、先の話からふと思い浮かべた宗谷は彼らの事を思い浮かべて、懐かしむようにそう呟いた。

またいつか彼らに会えるだろうか? そんなことを思い浮かべながら……。

 

 

 

―――トントン

 

 

 

そんな時、宗谷の部屋のドアをだれかがノックした。

 

「ん? 誰だろ……はーい、いるぞ~?」

 

『あたしだよ~、ちょっといいかな~?』

 

「プルルート? ああ、いいぞ……どうしたんだこんな時間に……?」

 

扉の奥から聞こえてきたのはプルルートの間の抜けたやわらかな声だった。

なぜ自分を訪ねて来たのか疑問に感じつつも、宗谷はベッドから立ち上がるとドアに向かって歩き、ドアノブに手を掛けた。

 

「どうかしたのか、プルルー………」

 

ドアノブを回し、宗谷が明けたドアの隙間から顔を覗かせて外にいるプルルートの姿を見つけた。

 

だが、その瞬間宗谷は無意識の内に息を飲み、言葉を失った。

 

 

 

「あはは~、ごめんね~、こんな格好で~…」

 

 

 

そこには、体にタオル一枚“だけ”を巻いた姿のプルルートがいた。

さっきまで結わえられていた三つ編みがほどかれた彼女の髪はまだ濡れており、ほのかに香ってくる清潔感のある爽やか且つふんわりとした花のようなこの香りはネプテューヌも御用達のシャンプーの香りだった。

 

そんな、風呂上りだと主張しまくりな姿のプルルートを前にして宗谷は驚くと同時に多少の幸運を感じずにはいられなかった。

 

「い、いやラッキーとかそんなんじゃなくて…! お前どうしてそんな格好で!?」

 

「うん~、実はあたしまだここに来たばかりで、着替え持ってなくて……そーくんに助けてもらおうかな~って」

 

「なんでよりによって俺なんだよ!?」

 

天然だというのはうすうす感じてはいたが…。

プルルートの行動に頭を悩ませる宗谷、すると、彼はあることに気付いた。

 

「やべっ、誰か来る!」

 

まだ近くではないが確実に誰かがここへと近づいている、かすかな足音がそれを宗谷に知らせたのだ。

こんな状況を見られたら、何を言われたかわかったものではない。

厄介ごとになる前に……宗谷は意を決して彼女の腕を掴むと、自分の部屋へと引き入れた。

 

「と、とりあえず入って!」

 

「ほえ? ……わぁっ!」

 

プルルートを中に入れた宗谷はそっとドアを閉めて聞き耳を立てて部屋に近づく誰かが遠ざかるのを待つ。

 

「うぅ~……痛いぃ、転んじゃった~……」

 

さて、ここからどうしたものか…。

今の状態のプルルートをどうにかしないことには、彼の身の安全は確保されない。

外にいる誰かにこの状況を知られる前に何とか対策を打たねば。

 

「………一か八か、いーすんに事情を説明して預かってもらうかな、ちゃんと説明すれば本の角は喰らわないはず」

 

考えた末、ここは頼れる相棒であるイストワールの協力を扇ごうと考えた宗谷。

彼女は時折制裁を加えてくるが、ちゃんと訳を話せば理解してくれるはず、宗谷はイストワールに全信頼を込めると彼女と連絡を取るためにV.phoneを取り出し、“いつでもいーすん”を通話モードにして起動しようとする。

 

「へっくち!」

 

すると、部屋の中に入れたプルルートが可愛らしいくしゃみをした。

 

 

「ん? あぁ、そんな格好してるから……とりあえず、風邪ひかないうちにぃ!?」

 

「ふぇ? そーくんどうしたの?」

 

 

彼女を気遣った宗谷が不意にプルルートに視線を向けた、だがそれは状況をさらに悪化させたということを確認することに他ならない行為でもあった。

 

部屋に入れた時に転んだのか、床に座り込んだ状態で驚く宗谷を見上げるプルルート。

その僅かに濡れた裸体を隠していた唯一の布、タオルが外れていたのだ。

彼女の足元に落ちる、白い布。

それにより露わになった、彼女の素肌は病弱なまでに白く、スレンダーながらもやわらかそうな肉付きをした体は少女特有の色気を感じざるを得なかった。

 

「ぷ、プルルート! タオル! タオル!!」

 

「ほえ? ……あ、さっき転んだから外れちゃったんだね~」

 

「そうじゃなくて! お前に恥じらいはないのか!?」

 

「え? なんで~?」

 

特に恥ずかしがる様子もなく、いつもの姿勢を崩さないプルルート。

目の前に異性である宗谷がいるのに、この態度、ある意味大物である。

実際に宗谷の言葉に対しても、彼女は首を傾げるだけで隠そうともしない…。

 

「まったく……ある意味最高のキャラだけど、リアルだとどうしても対応に困っちまうな……ん?」

 

彼女のこの姿勢に宗谷が頭を悩ませていると、彼はあることに気付いた。

自分の足元に、何かが落ちていたのである。

気になった宗谷はそれを拾ってみると、どうやらペンダントのようだった、中央には写真をはめ込むロケットが繋がっている。

 

「………これ、プルルートのか?」

 

今の状態の彼女に目をやらないように注意しつつ、宗谷がペンダントをプルルートに見せる。

 

「あ、うん~、それあたしの~、落としてたんだね」

 

どうやら彼女の物で合っていたらしい、プルルートは立ち上がると宗谷の手からペンダントを受け取り、それを慣れた手つきで首につけた。

 

「ありがとう、そーくん」

 

「あ、ああ……別にいいって」

 

裸のまま宗谷に笑顔を向けてお礼を言うプルルート、目のやり場に困るその姿に宗谷はたじろぎつつも返答を返す。

 

「……それ、いつもつけてるのか?」

 

「……うん、いつもつけてるの……大事な、宝物だから」

 

宗谷はこの時、僅かにプルルートの言葉に何かの意志が込められているのを感じ取った。

首から下を見ないように気に掛けつつ、彼女の顔を見る。

すると、今のプルルートの表情は笑顔を浮かべていたがその目はどこか寂し気な色を帯びていた。

 

「………宝物、か」

 

彼女の宝物である、ペンダント。

持っているのには、何か理由があるのだろうか……。

 

 

『あの、宗谷さん? さっきドアを急に閉めたみたいですが、どうかなさいましたか?』

 

「い、いーすん!? よりによって外にいるのいーすんだったかよ…!」

 

 

 

そんな宗谷の思考を吹き飛ばしたのは、ドア越しに聞こえたイストワールの声だった。

どうやら、外にいた気配はイストワールだったようだ、しかもドアを閉める瞬間の様子も見られていたらしい…。

さきほど協力を扇ごうとしていたのに、タイミングが悪すぎるにもほどがある。

 

これは非常にまずい、こんな姿のプルルートが部屋にいるこの状況を彼女に見られたら、あらぬ誤解を受けて本の角という最終兵器を喰らうことになる…。

 

ここは何とかして取り繕わねば、宗谷は必死に思考を巡らせる。

 

『あの、宗谷さん? 大丈夫ですか?』

 

「え!? あ、ああ、大丈夫だぞ!? 別になんもないから!」

 

『そ、そうですか………本当に?』

 

「本当、本当本当!! 俺、何も、嘘、ついてない!」

 

混乱して妙に言葉を区切って話す宗谷、これで事が収まってくれればよかったのだが…。

 

『………やっぱり、何か隠してませんか?』

 

イストワールの勘は鋭かった。

どうやらさっきの宗谷の言葉が余計に彼女の不信感を煽ったらしい。

 

『すいません宗谷さん、ちょっと中に入ってもいいですか?』

 

「あ、いや、その、今はちょっと遠慮してほしいかな~…みたいな…」

 

「うん、いいよ~、いらっしゃ~い」

 

「ちょっと待ってプルルートなんでお前が開けようとしてるのかなぁ!?」

 

万事休すなこの状況でなんとかその場をやりすごそうとする宗谷、そんな彼の頑張りなんて気に留めていないかの如く、事の重大さを理解していないプルルートが部屋の扉に手を伸ばした。

 

「ほえ? だって、いーすん入りたがってるし……ダメなの?」

 

『宗谷さん、何を騒いでるんですか? ………というか、今プルルートさんの声がしましたが、そちらにいるんですか?』

 

「気のせい! いーすんそれはきっと空耳だから……」

 

「うん、いるよ~♪」

 

「ちょっとプルルート待っ…!」

 

そんな宗谷の奮闘も虚しく、この事態のまずさを一切理解していなかった天然プルルートは非常にも部屋のドアノブを、回してしまった。

 

開け放たれるドア、そして、姿を現す史書……。

 

「え、プルルートさ………」

 

そしてついに、史書は見てしまった。

 

一糸まとわぬ姿で自分を出迎えたプルルートと、その隣で顔を青ざめさせている宗谷の姿を…。

 

「………宗谷さん、これはどういうことですか?」

 

「違う! いーすん、これは違う! ラノベでよくある誤解だ! 俺は無実だから!! 潔白だから!!」

 

静かな声に秘められた、静かな威圧感。

僅かにイストワールから溢れ出ているように見えるオーラの様な物が明らかに危険だと判断した宗谷は必死に彼女を説得しようとするが……。

 

 

 

「宗谷さんの………変態!!」

 

「やっぱり、こうなるのかよぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!」

 

 

 

当然、宗谷の言い訳を聞き入れてくれるはずもなく……。

 

もはやお約束すぎる展開に、宗谷は嘆きながら眉間に本の角を喰らうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プラネテューヌ郊外。

夜の闇に紛れ、二つの影が静かに足音を鳴らしながらある場所を目指していた。

上半身をローブで包んだその人物は僅かに見える口元に笑みを浮かべている。

 

「ククク……いい情報を得たものだ……今こそ、奴らに復讐する時だ……!」

 

強い恨みを込め、笑いを溢すその人物。

だが、その後ろにいるもう一人の影がちょいちょいと身に着けているローブを引っ張った。

 

「その計画で女神を倒せるかどうかは別として、あの男と教祖はどうするっちゅか? 一番めんどくさい存在っちゅよ?」

 

「………言われなくてもわかっておるわ……だが、どうしたものか」

 

何やら考え込む仕草を見せるローブの人物、するとそこへ…。

 

 

 

「奴らに復讐したいのか?」

 

 

 

どこからか聞こえた声に、二人は動揺し辺りを見回す。

だが、夜の闇に紛れていてはその声の持ち主がどこにいるのか見つけるのは多少の困難を要する。

 

「……何者だ」

 

「この世界の女神達を邪魔だと感じているもの、とだけ言っておこうか…」

 

「………要するに、目的は同じということか?」

 

「一応は、そう言うことになるか……」

 

姿は見えないが、目的は同じだと語る人物にローブの人物は警戒しつつも、口元に笑みを浮かべる。

 

「……ふん、おもしろい……それで、私たちに接触して何をするつもりだ? 共に奴らを倒すとでも?」

 

「………あの男、天条 宗谷を相手取るならこいつを使え」

 

何者かはそう言うと、どこからかローブの人物の足元に何かを放ってきた。

足元に何かが転がる、複数の音…。

ローブの人物が下を見ると、そこには3つの“錠前”が落ちていた。

ローブの人物は銀色に色鮮やかな果実のエンブレムが組み込まれているその錠前を拾うとまじまじと見定め始める。

 

「……なんだこれは?」

 

「それは、“ロックシード”………開錠すればお前の意のままに動く怪物を召喚することが出来る」

 

「………ほう」

 

そう言われ、試しにとローブの人物は手に取った三つの錠前の内の一つ、キウイのエンブレムが施された錠前を開錠した。

 

すると、目の前に突然、ファスナーが開くような音と共に時空に亀裂が生まれ、そこから凶暴な唸り声を上げてその声の言う通り、怪物が飛び出してきた。

獅子を思わせる赤い体に、両手の鋭い爪、凶暴な唸り声を上げているが、こちらに襲い掛かってくる様子はない。

 

「その怪物の名は“インべス”、ロックシードを持っている限り、その怪物はお前の意のままだ…」

 

「……どうやらその様だな……それで、こいつであいつを倒せと、お前はそう言いたいのか?」

 

「………好きなように解釈するといい」

 

謎の声がそう言うと、ローブの人物はロックシードを閉じた。

それに合わせて、出てきたインベスト言う怪物も時空の裂け目へと戻って行った。

 

「………いいだろう、ここは貴様に乗ってやる……手が足りないと思っていたところだ、丁度良かったしな………」

 

「引き受けてくれたなら、それでいい……後は好きにしろ」

 

「言われなくても、そうさせて貰うさ……」

 

ローブの人物はそう言うと、徐に頭に被っていたフードを外し、月明かりの下でその素顔をさらした。

ローブを被っていたその人物の正体、それは……。

 

 

 

「遠慮なく使わせてもらうぞ? このマジェコンヌの………復讐にな!」

 

 

 

以前、リーンボックスにて女神達を捕縛し、激闘の末、女神候補生とイストワールの手によって倒された、強敵、マジェコンヌだった。

 

その瞳に強い怒りの炎をたぎらせるマジェコンヌ。

彼女は復讐のために、戻ってきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ふん」

 

復讐に燃えるマジェコンヌから少し離れた物陰では、一人の人物が身を隠しながらその様子を見ていた。

黒のロングコートに身を包んだ、燃える炎の様な赤髪の男。

男は目的の物は渡したと確認し、その場を離れると、近くの壁に凭れていたもう一人の人物に視線を向ける。

 

「………目的は果たした」

 

「ああ、上出来だ♪」

 

そう言って笑みを浮かべるのは、クロワールだった。

 

「わざわざ別の世界に跳んで、本物を持ってきた甲斐があったってもんだぜ」

 

無邪気な笑みを浮かべるクロワール…。

その手には、マジェコンヌに手渡したものと同じ数個のロックシードが握られていた…。

そう、彼女はここに来る前に自身の持つ能力を使って世界を越えたのだ。

彼女が持つこのロックシードはその証明である…。

 

 

 

「さあ、面白くなってきたぞ……♪」

 




いかがでしたか?

次回はみなさんもご存じ、マジェさんの復讐(笑)のお話です!
しかし、マジェさんもただでは転ばない……?
ロックシードを手に入れたマジェさんに、宗谷はどうなるのか!

次回でお会いしましょう、それでは!
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