転生ダイの大冒険 作:ジャガン大好き民
【side三人称】
「メラミ!」
レオナの掌から放たれた
彼女は竜の血によって強化されている。
なので妖魔士団や魔影軍団の雑魚モンスターでは相手にならない。
「おのれぇ! クソジジイ如きがぁ!」
「ワッハッハッ! これがキラーマシンの実力じゃあ!」
キラーマシンを操縦するバダックはザボエラと戦っていた。
魔法を得意とするザボエラにとって魔法に耐性を持つキラーマシンは天敵。
故に若干、バダックが優勢であった。
「……ならば、これはどうじゃ! ザラキ!」
「うわああっ! な、なんじゃ!? この不気味な声はぁっ!」
「それは冥土からお前を誘う死の言葉よ。その声に負けた時……お前の生命は尽きるのだ。ヒョエッヘッへッ!」
強力な魔法耐性を持つキラーマシンにも弱点がある。
それはオペレーターを直接攻撃されることだ。
ザラキは死の言葉……つまり音による攻撃なので堅牢な装甲は意味を成さない。
「バダックさんが危ないわ!」
「だけど、コイツをどうにかしないと」
「……」
三賢者の目の前にはミストバーンが立ちはだかる。
彼は全く本気を出していないが魔軍司令の顔を立てる為に必要最低限の仕事はしていた。
故に竜の血で強化された三賢者であっても突破することは叶わない。
「喰らいなさい!」
このままバダックが死ぬかに思われた時、爆弾の投擲がザボエラを襲う。
もちろんザボエラは
「貴様はパプニカの王女か! ええい、部下共は何をしておる!」
「既に倒したわよ! 残りは貴方達だけね!」
「何ィ!? 人間の分際で魔王軍のモンスターをこんなにも早く倒すじゃと!」
竜の血によって強化されたのはネームドだけではない。
一般パプニカ兵も当然、強化されている。
なので彼らがモンスターの集団を圧倒するのも道理であろう。
「今よ! 爆弾を投げつけなさい!」
レオナの指示によりパプニカ兵達は爆弾をザボエラ達に向けて投擲する。
これはアイテムなので魔法と違って技量はさほど求められない。
つまり誰が使っても一定の火力が出るのだ。
そして神殿地下にあった信号弾の火薬を転用しているので爆弾の在庫は膨大である。
「グッ! 小癪なァッ! じゃが炎魔塔だけは破壊させんぞ!」
(氷魔塔にいる敵を氷炎結界呪法を利用して分断するのが向こうの作戦。だからダイくん達が赤の信号弾で勝利したと連絡してくるまでは炎魔塔は壊さない……だけど氷魔塔が壊れたのは気がかりね)
レオナは内心でそんなことを考える。
そして彼女の懸念は的中してしまう。
「ザボエラ様! ミストバーン様! 今すぐ炎魔塔を破壊してください!」
するとクロコダインが派遣したガーゴイルCが戦場に到着する。
彼らは空を飛べるので地形に阻まれることなく目的地まで突っ切ることが可能だ。
「どういうことじゃ?」
「ハドラー様が氷炎結界呪法に囚われて戦力が分断されました! 戻るには結界を破壊する必要があります! コレはフレイザード様も了承しています!」
「了解じゃあ!」
「みんな! 炎魔塔を守るのよ!」
その報告を受けたザボエラは炎魔塔を破壊しようとし、パプニカ組は炎魔塔を守る為に動く。
「イオラ!」
ザボエラが
フレイザードが同時にメラゾーマを5発も撃てるのだから、それよりも魔法に習熟したザボエラが同時に8発の魔法を放てるのも道理だろう。
なお旧作劇場版の敵であるデスカールは両手で
「しまった! 炎魔塔が崩れるわ!」
「キィ~ッヒッヒ! 塔を巻き込まないよう魔法の威力をセーブしていたからのう。本気を出せばこんなもんじゃあ!」
流石に軍団長の本気を防げるほどパプニカ組は強くない。
なので炎魔塔はあっけなく倒壊した。
これにより氷炎結界呪法は解除され、ハドラーがキメラの翼で戦場に戻れるようになった。
そして恩恵があるのは彼だけではない。
「ミストバーン! 賢者どもはワシに任せろ! 貴様はキラーマシンの相手をするんじゃあ!」
「……」
今までは炎魔塔を守る必要があったので魔王軍側は動きが制限されていた。
しかしソレが無くなったおかげで自由に動けるようになった。
故にザボエラとミストバーンは戦う相手を変更する。
「「ヒャダイン!」」
「マホプラウス!」
エイミとマリンは
この魔法は他者の攻撃呪文を受け止めて、自らの魔法に上乗せして放つというもの。
もちろん敵の魔法も吸収可能だ。
「さあ、お返しじゃ!」
「フバーハ!」
アポロは
しかし賢者1人で軍団長+賢者2人の魔法を防ぐのは難しい。
なので光幕は破られてしまい、三賢者達は吹き飛ばされてしまった。
「なんじゃあ! 勝手にキラーマシンが動いておる!」
「……」
一方のミストバーンもキラーマシンを闘魔傀儡掌で動かして戦いを有利に進める。
魔法が得意なパプニカ兵にとって魔法耐性が高いキラーマシンは最悪の相手だ。
(このままじゃマズいわね……)
レオナの脳裏に全滅の二文字がよぎる。
故に彼女が下した決断は……
「撤退するわよ! 既に炎魔塔は壊されているわ! もう魔王軍と戦う理由はないはずよ!」
「ですがバダックさんが搭乗しているキラーマシンが軍団長によって操られています!」
「ピイイィー!」
すると、それを聞いたゴメちゃんがミストバーンの顔面に向けて突撃する。
ミストバーンは突然の事に驚き闘魔傀儡掌を解除した。
そしてゴメちゃんは竜の血で原作よりも強化されているので、反撃を受ける前に離脱した。
「今よ!」
そう言うとレオナは地面に向けて爆弾を投擲する。
これにより土煙があがり全員の視界が制限された。
つまり逃げるには最適な状況だ。
こうしてパプニカ組はトンズラすることに成功した。
「小癪なぁッ! じゃがワシらの任務は炎魔塔の防衛、ソレが無くなったのならば撤退しても良いはず。ワシは帰るぞ!」
そう言い残してザボエラは
ここでクロコダイン達の援軍に向かえば魔王軍が勝利したかもしれないが、ザボエラはダニ野郎なので強い相手と積極的に戦うことはしない。
そもそも職務に真面目なら超魔生物になれるザムザを連れてきているはずだ。
「……」
ミストバーンは魔王軍は余興としか思ってない、故に彼も戦場から立ち去った。
これにて炎魔塔の戦いは両者痛み分けで終結した。
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【side転生ダイ】
「グワアアアッ!」
「ク、クロコダインッ!」
必殺の一撃によりクロコダインの身体と鮮血が宙に舞う。
今の天気は雨なので彼の身体は余すことなく濡れている。
つまり電気抵抗は限りなく下がっているので剣に纏わせた
総合的なダメージはギガブレイクに限りなく近くなっていると思う。
流石の
そして俺は油断することは無い。
ここで死んだとしても蘇生液で復活する可能性があるからな。
念には念を入れて懐からアレを取り出す。
「イルイル!」
魔法の筒に死にかけのクロコダインを封印する。
一定以上の猛者なら筒の封印に抵抗できるが、瀕死状態なら通用するはずだ。
それに、とある考えもある。
「これで3対1だな、フレイザード」
「グヌヌッ!」
そう言った瞬間、突如として炎魔塔が崩壊した。
おそらくガーゴイルが向こう側に到着したな。
まあパプニカ組で2人の軍団長を止めるのは難しいから仕方ないね。
そして2つの塔が壊れたという事はアイツが来る。
「よくもやってくれたな!」
魔軍司令ハドラーがキメラの翼で戦場に戻ってきた。
既にクロコダインは倒してあるので残りは2人。
ベストではないがベターな状況である。
「ハドラー様! 雨雲を晴らしてくれ! アレのせいでダイが強化されてやがる!」
「了解した! イオナズン!」
フレイザードの言葉を聞いたハドラーは
つまりエビルデインの威力が下がったということだ。
「死ねェッ! マヒャド!」
「無駄だっ!」
フレイザードは勢い付き俺達に向けて
だが、それはヒュンケルの兄者が仁王立ちすることによって防がれた。
「バ……バカな! フレイザードの攻撃が無効化されただと!?」
「忘れたか? この俺の鎧はいかなる魔法も受け付けんことを……!」
フレイザードの主な攻撃手段は魔法とブレス、なので氷炎爆花散を使わない限りはヒュンケルが有利だ。
とはいえハドラーの極大呪文を無効化できるのも
つまり兄者はタンク役になってもらい、俺達は後衛で援護を行えばいい。
「ザバラ!」
まずは弱い敵から集中して落とす。
というわけでフレイザードに向けて
これで炎部分が大ダメージを受けるはずだ。
「その魔法は対策済みだァ! ザバラ!」
するとフレイザードも氷の右腕で
これにより俺の魔法を完全に相殺されてしまう。
原理自体は単純とはいえ、まさか数回見ただけで再現するとはな。
流石は軍団長といったところか。
水流呪文は火炎呪文や閃熱呪文に弱点を突けて氷系呪文よりも燃費で勝る。
対策するには同系統の魔法で相殺するのが有効だ。
「くたばれッ!」
「オオオオオッ!」
ヒュンケルの兄者はハドラーに近接戦を仕掛けている
極大呪文は俺やマァムでは防げないから助かるぜ。
「援護するわッ!」
マァムが魔弾銃で俺達の援護を行う。
彼女の役割はバランサーだ。
そして相手は魔弾ルーラで痛い目を見たので警戒せざるを得ないだろう。
なので確実に行動が制限される。
氷炎結界呪法は消えたとはいえキメラの翼が尽きてしまえばそれまでだからな。
「水流大地斬!」
「グアアッ」
此方には魔法剣があるので、ソレを駆使して弱点となる魔法を直接叩きこんでやればいい。
だけど相手はまだ切り札を持っている。
出来る事なら使わせずに倒したいが、流石に無理だろうな。
「仕方ねぇな……こっちも切り札を使うぜ!」
そう言ってフレイザードは暴魔のメダルを地面に捨てた。
確かアレは大魔王への忠誠の証にして栄光の象徴なんだよな。
「もう過去の栄光はいらねぇ……新たな勝利を掴む為に俺は命をかけるのだあッ!」
こうしてフレイザードは大爆発を起こす。
もちろん、ただの自爆ではない。
自らを構成する岩石を全て散らして嵐の如く攻撃を加え続ける切り札だ。
「これが俺の最終闘法……」
「弾岩爆花散だな」
「先に言うんじゃねぇよッ!」
怒られてしまった。
まあ敵だし別に反省しなくていいか。
そして岩石は俺達に襲い掛かって来た。
「グアアアッ!」
「この状態なら厄介なバシルーラも効かねぇ! つまり、俺の勝ちってワケだァ!」
「ダイ、奴の身体をいくら砕いても無駄だ……
ヒュンケルの兄者は戦いの合間を縫ってアドバイスをする。
……ブラス爺ちゃんを殺した俺には出来ないよ。
「エビルデイン!」
「効くかよォ!」
フレイザードの弾岩に
電撃とは心臓や神経へ大きな影響を与えるからこそ強力なのだ。
だが奴は禁呪生命体なので
故にダメージは最低限だ。
しかも邪悪な命なので暗黒闘気による回復阻害も無効と。
「ク~ックックックッ! ボロ雑巾になりやがれッ!」
「アバン流刀殺法……空裂斬!」
俺は弾岩の嵐に向けて剣を振るう。
だが光の闘気を纏ってないので失敗してしまう。
それに心眼も習得していないんだよな。
「マァム、俺にマヌーサの魔弾をかけてくれ」
「ええっ!?」
「空裂斬は心眼で悪のエネルギーを感じ滅する技。だから視覚を強制的に制限する」
「分かったわ!」
俺が頼むとマァムは俺に魔弾を当てた。
これにより視界は幻に包まれる。
もう退路は無くなったぞ。
後は光の闘気さえ出来れば勝ちだ。
「馬鹿がッ! そんな夢みたいな技で俺の最終闘法が破れるもんかよォッ!」
心の眼で全員の生命エネルギーを感じるんだ。
……近くには4つの反応がある。
そして巨大な悪のエネルギーの1つが殺気を撒き散らしながらこっちに向かってくる。
「コイツが……空裂斬だァッ!」
「へッ! どうやら不発だっ……ウオオオッ!」
実体化したフレイザードの左手が崩れる。
どうやら先程の一撃が
だけど俺は光の闘気なんて使ってないぞ。
ぶっちゃけ、さっきのは技名を叫んだだけである。
……もしかして暗黒闘気でもフレイザードを攻略できたりする?
光の闘気は邪悪なエネルギーに特効ダメージを与えるのが役割であって、
確か『勇者アバンと獄炎の魔王』でアバン先生が重視していたのも心眼の方だし。
「やっぱ空裂斬は辞めだ」
「じゃあ、大人しく殺されなッ!」
大量の弾岩が襲い掛かってくる。
俺とアバン先生は同じではないので真似をするのは下策だ。
故に俺なりのアレンジをする。
これこそは邪悪なる空裂斬、その名も……
「暗黒斬!」
※ザボエラがイオラを8連発していた描写
原作25巻でそれっぽいことをしていた。
※暗黒斬
ドラクエ11に出てくるアバン流刀殺法の類似品ですね。
これか心眼一閃にするか迷ったのですが、空裂斬の派性技なら○○斬の方がそれっぽいかなって。