転生ダイの大冒険 作:ジャガン大好き民
「ここは城の屋上か。私達を分断したとて勝ち目はないぞ」
「学の無いバラン父ちゃんに説明すると、ここはデパートな……」
「そんなことはどうでもよいわぁッ!」
父ちゃんはガチギレしている。
まあ実の息子から騙し討ちを喰らったから仕方ないよね。
するとマァムが前に出てくる。
「これ以上、ダイには手を出せないわ! 確かに人間の一部は酷いことをするわ。でもソアラさんも、ダイも、全員が復讐に囚われるのを辞めて欲しいと願っているのよ! こんなこと辞めましょ!」
「黙らんかァ! 女とはいえ容赦せんぞ!」
「黙らないし、容赦しなくてもいいわ! そもそも貴方が滅びしたアルキードにもソアラさんのような人間は大勢いたはずよ! 人間もモンスターも良い存在もいれば悪い存在もいる。ただ、それだけなの! それに今の貴方はアルキード王みたいよ! 同じ愚行を繰り返すの!?」
「ウ……ウウッ!」
アバン流口殺法が炸裂しまくっている。
バラン父ちゃんがキレ過ぎると竜魔人になるから辞めて欲しいんだけどなぁ。
まあマイクパフォーマンスはこれまでにして戦いを始めるとしますか。
「くらいなさい!」
「くだら……うおおおおっ!」
マァムが魔弾ルーラをバラン父ちゃんに向けて放つ。
そしてソレが直撃した父ちゃんは遥か向こうに吹っ飛んでいった。
ぶっちゃけバグみたいな仕様である。
もちろん父ちゃんは
「私を愚弄するのもいい加減にしろッ!」
そう言う父ちゃんの全身は余すことなく濡れており少しだけ磯臭い。
なぜなら魔弾ルーラの移動先はベンガーナ近海だったからな。
つまり海水に濡れた状態なので雷撃呪文の威力がアップする。
水流呪文などの攻撃は
まさしく仕様の裏をついたわけだ。
「私の必殺剣で倒してくれるわッ! ギガデ……」
「ここよ!」
バラン父ちゃんが
「なにィッ!?」
あの魔弾の中身は
まあ並みの雷撃呪文よりも
魔弾銃だからこそ可能な芸当だ。
それはともかくとして、隙が出来たな。
攻撃するなら今だ。
「エビルデイン!」
「グアアアアッ!!」
今回は通常の水よりも不純物が多く電気を通しやすい海水が身体に付着していたので、純粋な威力はギガデインを超えてジゴデイン一歩手前だろう
「……小癪なァッ!」
父ちゃんは激昂しながら魔法剣を使わずに斬りかかって来た。
相手は真魔剛竜剣という強力な武器を持っているのに対して此方はパプニカのナイフのみ。
そして
つまり実質的に丸腰……と思うじゃん。
「ザバ……ヒャド……バギ!」
ナイフを基盤にし、水流呪文で不純物の無い水を生成、氷系呪文で凍らせて刃状に、真空呪文で研いで切れ味を上げる。
これにより氷製の剣が出来た。
念願のアイスソードを手に入れたぞ!
まあ特性的にはガラスの剣に近いんだけどね。
「くだらん……脆い氷如きが
「氷が脆くなるのは不純物が混ざるから。嘘か真か、氷の分子結合の強さは鉄の3倍だッ!」
氷の強度は舐めてはいけない。
実際、あずきバーは死ぬほど硬いしな。
他にも氷とパルプを混ぜて作ったパイクリートという複合材料はライフル弾を止めた実績がある。
「海波斬!」
「ムゥッ!」
もちろん相手の剣の材質はオリハルコンなので直ぐに砕けてしまうが、砕けたら新たに製造すればいい。
だけど純粋なスペック差もあり、徐々に追い詰められていく。
「ライデイン!」
「無駄よッ!」
「ライデイン!」
「しつこいわねッ!」
「ライデイン!」
「……ッゥ!」
「どうやら品切れのようだな」
バラン父ちゃんは真魔剛竜剣に
そして遂に来るぞ、
もちろん迎撃は出来ない。
なぜならアイスソードは氷製なので
「ギガブレイク!」
強烈な攻撃が身体に叩き込まれたことで、騎士の鎧は砕け散り覇者の冠は少しだけ凹む。
防具によって多少はダメージが軽減できたとはいえメチャクチャ痛い。
「工夫は見事なものだったが、私には及ばん」
「近づけさせないわ!」
マァムは魔弾ルーラを発射するが、バラン父ちゃんは軽く躱す。
「ライデイン!」
「キャアアアッ!」
「……お前ほどの実力ならば死ぬことも無いだろう」
マァムの身体に
父ちゃんも
流石に俺だけじゃ相手するのは厳しいんですけど。
というわけで……。
「逃げまぁす!」
「逃げれるとでも?」
防具が優秀だったのとギガブレイクの使用魔法がライデインだったおかげで動く
なので豪華絢爛なデパートに似つかわしくない小部屋に逃げ込む。
そして父ちゃんはゆっくりと近づいてくる。
「もう逃げ場はないぞ」
「パネルを押してくれ、ゴメちゃん」
「ピピィ!」
すると小部屋に待機していたゴメちゃんがパネルを踏む。
これにより部屋全体が下降していき、バラン父ちゃんから逃げることに成功する。
部屋の仕掛け、つまりはエレベーターのおかげで命拾いしたぜ。
……もしバラン父ちゃんにデパートの知識があったら阻止されていたな。
そして俺達は1階へと到着する。
「やっほー!」
「ピピィ!」
「ダイくん! ゴメちゃん!」
1階にはレオナとポップがいた。
どうやらガルダンディーには勝利したようだな。
そして俺達はエレベーターから退室する。
「レオナ、俺にベホマをかけてくれ」
「分かったわ! ベホマ!」
こうして先程のギガブレイクのダメージが少しだけ癒える。
まあ
「さ、バラン父ちゃんが来るぜ!」
そう言うとエレベーターをペシャンコにしてバラン父ちゃんが登場する。
「エレベーターの使い方とかご存じない?」
「そこの魔法使いは……ということはガルダンディーは死んだか」
バラン父ちゃんは悲しそうな表情をする。
これで確実に怒りのボルテージは上がったな。
「レオナ、全速力で屋上にいるマァムを回復させてくれ。ゴメちゃんは案内を頼んだ!」
「ええ!」
「ピピィ!」
とりあえずマァムがいないと話にならないのでレオナとゴメちゃんを屋上へと向かわせた。
そして俺とポップの2人で何とかして父ちゃんを足止めする必要がある。
「獣王痛恨撃!」
「ヌゥッ!?」
おっと……2人じゃなかったな。
「お前はクロコダイン!? つまりボラホーンも死んだか」
まあトドとトリが死んだところで精神的なダメージはそこまでだろう。
もしも息子当然のラーハルトが死んだりしたら竜魔人になっていたかもな。
「グランドクルス!」
デパートの近くからヒュンケルの兄者の叫び声が聞こえる。
……これはラーハルトも死にましたね。
「ラ……ラーハルト!」
どうやらバラン父ちゃんは心眼でラーハルトの死を悟ったようだ。
「まあ……その……本当に俺の父親を名乗るなら……まず人の心で接するべきだよね。それをソアラ母ちゃんは望んでいるよ。ラーハルトは……その犠牲になったっていうか……俺達のせいじゃなくてバラン父ちゃんのせい……だと思う」
やべぇ、アドリブで説得してみたら煽りみたいになってしまった。
それを聞いた父ちゃんはスライムのようにプルプル震えている。
「……例え息子とはいえ許さんぞォ!」
すると父ちゃんの赤い血が青い魔族の血に変化していく。
それだけではない、竜の紋章が巨大化して髪に同化し、全身が竜の鱗に覆われ、巨大な翼が背中に生え始める。
あれこそが『竜』であり『魔』であり『人』である
これは非常にマズいな。
「グウオオオオッ!」
バラン父ちゃんは唸り声をあげる。
実の息子に騙されて、アバン流口殺法を受けて、もう1人の息子が死んで、それを実の息子に煽られたんだもんな。
そりゃあブチ切れますわ。
しかも父ちゃんってば怒りに任せて無関係なアルキード国民を虐殺したヤバい人だしね。
「みんな! 外へ避難だァ!」
というわけで俺達はデパートを脱出しようとする。
「待てェ!」
「オレが足止めを……」
「邪魔だッ!」
「グワアアアッ!」
「ダイ、ポップ! そしてソイツはバランなのか!?」
デパート前にいたヒュンケルの兄者は驚愕する。
戦い終えて疲れているのに
さてと、外にも出たことだしアレが来てもおかしくないんだけどな。
「ダイー!」
すると屋上からマァムの声がする。
どうやらレオナの
そして言葉と共に魔弾が俺に命中した。
すると俺の肉体も変形する。
「なっ、何だその姿は!?」
「ドゴラムさ」
先程の魔弾の中身は
その効果は術者の頭部が竜と化し強力な炎ブレスを吐けるようになるというもの。
近くに鏡が無いから確認できないが、きっと俺の頭には竜の角が生えているのだろうな。
俺はマトリフさんにこの魔法を詰めてくれと依頼していたのだ。
だが、これだけで終わりじゃない。
「ドラ!」
その言の葉を唱えると俺の両腕が赤い鱗に覆われて丸太のように大きさに変化する。
まさしく、それは竜の腕だ。
つまり
コソ練していた甲斐があったぜ。
しかも俺は竜の因子を持っているのだから使えるのも当然だろう。
「竜魔人は竜族の肉体と魔族の魔力と人族の精神を持った究極の形態。だけど俺も竜族の肉体と人族の精神を持っているぞ。いわばニア・竜魔人だ!」
今のバラン父ちゃんは『人』の精神を捨てている。
つまり竜魔人の『竜』と『魔』の力しかない状態だ。
一方のニア・竜魔人である俺は『竜』と『人』の力を持つ。
条件的には互角のはずだ。
「くだらんッ! 所詮は贋作だ」
「偽物が本物に敵わない、なんて道理はない」
そう言ってアイスソードを構える。
「大地斬!」
「小癪なぁ!」
俺はバラン父ちゃんに斬りかかる。
紋章の力を拳という一点に集中させた今の俺の力は父ちゃんの力を上回る。
なので吹き飛ばすことに成功する。
「ヒャダルコ!」
バラン父ちゃんの周囲に細かな氷の粒を展開した
この粒には闘気が詰められている。
つまり相手の心眼を妨害することが出来る。
要するにチャフみたいなもんだ。
ちなみに
だが
現にガンガディアは竜化した状態で魔法を使っていたからな。
これが下位魔法の利点だ。
「下らん真似をッ!」
氷の粒は
だがそれで構わない。
俺が使った闘気よりもバラン父ちゃんが使った闘気の方が消費量はデカい。
つまり俺が少しだけ有利になった。
純粋な闘気の総量では父ちゃんの方が上だからな、こうやってチマチマと消費させる必要があるのだ。
「メラゾーマ!」
掌に巨大な火球を出現させる。
竜の紋章のおかげで今の俺は高度な魔法も使うことが出来る。
「くだらん! ただの魔法で私を傷つけられるとでも?」
「なら、これはどう?」
そう言って口から火炎ブレスを吐き火球を膨張させる。
外伝で登場した館長エビルマージは魔法をブレスで増幅していたのを真似してみた。
もはやコイツはメラゾーマの枠には収まらないだろう。
つまり、その名は……
「メラガイアー!」
「ウオオオッ!」
これならば竜闘気であっても完全に無効化するのは難しいだろう。
「おのれぇ、小癪ながガキがっ!」
そこには細かい火傷を負った父ちゃんがいた。
やはり良い感じに効いているな。
「ならばコレで吹き飛ばしてやるわぁ!」
そう言って父ちゃんは距離を取り、突き出した両手の掌底を合わせ指先を揃えてから上下に開き、両手の中で
手の甲に竜の顔のような意匠を持つ竜魔人がこの構えを取ったことで、両手が竜の口のように見える。
まさしく竜がブレスを吐くかの如くだ。
アレは
竜魔人になって凶暴性が上がっているからかマジで息子相手でも容赦しないな。
まさに殺戮の魔獣だ。
「トベルーラ!」
「待たんか!」
流石に仲間が巻き込まれるのはマズいので空中へと向かう。
もちろんバラン父ちゃんも俺を追跡する為に翼を使って飛翔する。
此方には翼が無いので空中戦は不利だ。
「さあ、ドルオーラで葬ってやろう!」
「ならコッチも対抗してやる!」
俺はバラン父ちゃんと同じ構えを取る。
なので竜の肉体を持つ竜魔人の時しか使えない。
そして俺は竜の肉体を持つニア・竜魔人なので使うことができる。
原作ダイは双竜紋状態の時に竜魔人にならずとも使えてたしな。
「ドルオーラッ!」
「なにっ!? 私よりもチャージが早いだとッ!」
バラン父ちゃんは
なので
一方の俺は紋章が手にある。
なので手→放出と2工程で済む。
つまり通常の
「うおおおおっ!」
バラン父ちゃんは不完全なドルオーラを放って相殺してみようとするが、失敗し攻撃に被弾する。
万全のドルオーラ同士を撃ち合えば闘気の量と練度的に俺が負けていただろう。
そして大爆発と共にキノコ雲が発生する。
「ハァ……ハァ……舐めるなよ、ガキがッ!」
煙が晴れるとそこには血だらけの父ちゃんがいた。
これでも倒れないってマジかよ。
一応、竜魔人になる前にもダメージを与えたりしてるんだけどなぁ。
本当にタフな親父だ。
「ドルオーラを私より早く放てるのなら、撃たせないよう近接で仕留めるだけだぁッ!」
そう言ってバラン父ちゃんは真魔剛竜剣を構えて突撃してくる。
「ライデイン!」
バラン父ちゃんの言の葉に反応して空には巨大な雷雲が発生し周囲は徐々に薄闇に包まれていく。
そして上空の雷雲より巨大な雷霆が放たれ、上段に構えた真魔剛竜剣に纏わりつく。
つまりギガブレイクを放つ気だ。
相殺するにはエビルデインを充填したアバンストラッシュが必要だが、アイスソードに雷霆を纏わせると電熱で氷が解けてしまう。
つまり打つ手がない。
「ダイー! これを使え!」
すると飛翔呪文で近づいてきたポップが兄者の魔剣を渡した。
コイツはロン・ベルク製の武器だから1度だけなら全力に耐えきれるはず。
「エビルデイン!」
俺は対抗して
これが最後の激突になるだろう。
正直、MP的にも限界である。
だからバラン父ちゃんが生み出した雷雲を使ってMPを節約させてもらった。
ちょっとしたライフハックである。
「この形態でギガブレイクを使った時の破壊力は私自身にも想像がつかん! 覚悟して受けるがいい!」
「どんと来い!」
父ちゃんが真魔剛竜剣
一方の俺は魔剣に
これがギガデインなら負けていたが、ライデインなら勝つことが出来る。
なにせ暗黒闘気が上乗せされているからな。
「いくぞ、父ちゃん!」
俺は剣を逆手に構えた。
「アバンストラッシュ!」
「ギガブレイクッ!」
地上の悪を倒した
魔弾銃が有能過ぎる。
そりゃ壊しますわな。
※転生ダイのステータス
・魔法
火炎呪文(メラ、メラミ、メラゾーマ)、氷系呪文(ヒャド、ヒャダルコ、ヒャダイン)
真空呪文(バギ、バギマ、バギクロス)、爆裂呪文(イオ、イオラ)
閃熱呪文(ギラ、ベギラマ)、雷撃呪文(デイン、ライデイン、エビルデイン)
水流呪文(ザバ、ザバラ、ザバラ―ン)
移動呪文(ルーラ)、飛翔呪文(トベルーラ)、竜化呪文(ドラ)
・特殊技能
アバン流刀殺法(大地斬、海波斬、アバンストラッシュ)
魔法剣、