転生ダイの大冒険   作:ジャガン大好き民

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即落ち2コマかな?


レベル39 鬼岩城崩壊

【side三人称】

 

 鬼岩城内で転生ダイと超魔ハドラーが雌雄を決していた時、仲間達もまた鎬を削っていた。

 

「ザバラ―ン!」

 

「うひゃあああっ!」

 

 ポップは水流呪文(ザバラ―ン)でザボエラを攻撃していた。

 本来、彼の得意魔法は火炎呪文なのだが、相手(ザボエラ)集束呪文(マホプラウス)により自らが覚えている魔法限定で吸収することが出来る。

 なので相手が覚えていないであろう異世界の魔法で攻撃を行っていたのだ。

 

「生意気な人間がァッ! メラゾーマ!」

 

「マホプラウス!」

 

「なぬぅ~ッ!?」

 

 ザボエラが放った火炎呪文(メラゾーマ)はポップの集束呪文(マホプラウス)によって吸収されてしまう。

 原作のポップはバーンのカイザーフェニックスを素手で分解していたり、フレイザードの五指(フィンガー・)爆炎弾(フレア・ボムズ)を話に聞いただけで再現していた。

 ならば集束呪文(マホプラウス)を使えない道理はない。

 

「ダイによるとメラゾーマ以上の火炎呪文はこう言うんだってな! メラガイアー!」

 

「ザバラ―ン!」

 

 ザボエラは掌から水流呪文(ザバラ―ン)を発射する。

 炎は水に弱い、故に極大火炎呪文(メラガイアー)級の火炎呪文(メラゾーマ)は消化されてしまった。

 

「お前も使えるのかよッ!」

 

「キィ~ッヒッヒッヒッ! 水流呪文自体は映像越しで見たことがあるからのう! 後は詠唱の言の葉を知れば再現するのは簡単じゃわい!」

 

 軍団長と聖闘士(セイント)に同じ技は二度も通じないのは常識だ。

 これにより互いに魔法を集束呪文(マホプラウス)で無効化できる状況が出来上がってしまった……とはならない。

 

「ベタドロン」

 

「ギョエエエッ!!」

 

 ザボエラは重圧呪文(ベタン)はバラン戦を観戦していたので知っているが大重圧呪文(ベタドロン)は初見なので集束することは不可能だ。

 しかも、この魔法は水流呪文と違って原理が複雑なのでラーニングも難しい。

 もっとも魔法の特性的に集束を行うのが難しそうだが。

 

「ル……ルーラ!」

 

 ザボエラは魔法を詠唱するが何も起こらない。

 これが重圧呪文(ベタン)なら逃げれたかもしれないが、大重圧呪文(ベタドロン)を振り切るほどの魔法出力はないようだ。

 

「ワシが……こんなッ……!」

 

 そしてマァムは魔王軍の前で閃華裂光拳を見せていないので超魔ゾンビは思いついてない。

 つまり詰みだ。

 こうしてザボエラは地面の染みと化す。

 

 ■□■□■□■□■□■□■

 

 時は少し遡り、ヒュンケルVSミストバーンに視点は移る。

 

「……行けっ! 我が魔影軍団最強の鎧兵士デッド・アーマー達よ!」

 

 3体のデッド・アーマーがミストバーンの指示の下、ヒュンケルに迫りくる。

 

「くだらんな、ブラッディ―スクライド!」

 

 魔影軍団最強の鎧であっても魔剣戦士の前では雑魚モンスターに過ぎない。

 故に必殺剣によって3体まとめて倒されてしまう。

 そしてヒュンケルはミストバーンに剣の切っ先を向けた。

 

「勝負だ、ミストバーン!」

 

「魔王軍を裏切った愚かな弟子を葬ってやろう……!」

 

 ミストバーンは魔王軍時代のヒュンケルに暗黒の闘法を教えていた男だ。

 つまりアバンを光の師とするならばミストバーンは闇の師そのもの。

 これは闇の師弟同士の戦い……ヒュンケルにとっては悪しき過去の清算である。

 

「随分と喋るようになったな。オレに戦い方を教える時ですら殆ど口を利かなかった癖に」

 

「……」

 

「そう気にする事もないさ。すぐに昔のおまえに戻してやる。……オレに倒されれば永久に無言のままだ!」

 

「無理だ……おまえの力量(レベル)では」

 

 ヒュンケルは斬りかかるが、ミストバーンは幽霊のような動きでソレを避ける。

 

「フッ……! ビュートデストリンガー!」

 

 ミストバーンは笑うと鋼鉄(はがね)の指先を超高速で伸ばして攻撃をする。

 もちろんヒュンケルは歴戦の戦士なので反射的に躱すことに成功した。

 

「おまえが達人と呼べたのは魔王軍で魔剣戦士と呼ばれていた時まで……今は半端に善悪の技術を齧っただけのノラ犬よ……!」

 

 ミストバーンの考えはこうだ。

 ヒュンケルはアバンへの憎しみと感謝という2つの心を源泉に、相反する光と闇の闘気を体内に滾らせていた。

 それこそが不死身の如き強さの秘密である。

 だが光の闘気ばかりに頼るようになったの今は力が半減しているはずだ。

 

「それはどうかな?」

 

「ならば体験するがいい! 闘魔滅砕陣!」

 

 ミストバーンは地面にクモの巣状の暗黒闘気を巡らせてヒュンケルの身体を拘束する。

 

「くだらんな、この程度でオレを留めておけるとでも?」

 

「なにッ!?」

 

 ヒュンケルは剣を構えて地面に突き刺す。

 これにより闘魔滅砕陣は破壊された。

 

「バ……バカなッ! い……今の一撃はまさかっ!」

 

「これこそがアバン流刀殺法の空の技、空裂斬だ!」

 

 本来のヒュンケルは槍使い(ランサー)に転向したことでアバン流槍殺法の修行をしていた。

 しかし、この世界の彼は剣士のままなので槍の修行にリソース割かず空裂斬の修得に専念した。

 なので原作よりも早く空の技を習得するに至る。

 

「さあ、くらえっ!」

 

 ヒュンケルは空裂斬で斬りかかりミストバーンの白い外套を少しだけ破損させた。

 そして傷口から暗黒闘気が流れ出し外套に人の顔が浮かび上がる。

 

「ミ……ミストバーンに人の顔がっ!?」

 

「……見たな!!」

 

 逆上したミストバーンは手で顔を隠しながら強烈な暗黒闘気を放出する。

 もちろんソレは空裂斬で切り裂かれてしまった。

 

「よくも……よくも……決して誰にも見せてはならぬ我が素顔を暴きよったな!」

 

 もはや影の男という設定すら忘れてミストバーンは激昂するが、彼に襲い掛かる悲劇はこれだけではない。

 なぜなら次の瞬間、鬼岩城が正中線から真っ二つになり瓦礫の山と化したからだ。

 

「ハ……ハドラーッ! 何をやっている!?」

 

 ■□■□■□■□■□■□■

【side転生ダイ】

 

「ハァ……ハァ……!」

 

「流石にタフだね」

 

 目の前にはボロボロになったハドラーがいた。

 つまり原作とは違い奥義の激突は此方の勝利である。

 これはハドラーが覇者の剣を持っていない、俺が竜の血を飲んで強化された、纏った魔法が雷撃呪文(ライデイン)より強力な黒い稲妻(エビルデイン)などの要因が重なったからだろう。

 まあ此方も、とある理由で手加減をしたりもしたんだけどね。

 

「魔族の体を捨てても尚、敵わんかッ!」

 

 ハドラーは悔しさを滲ませながら慟哭する。

 敵だけど少し同情してしまいそうだ。

 

「命まで取る気はない。だから撤退しなよ」

 

 ハドラーの体内には黒の核晶(コア)という大陸を吹き飛ばす威力を持つ超弩級の爆弾が埋め込まれている。

 つまり下手に魔法剣で殺すと起爆する危険性があるので撤退して欲しいというのが本音だ。

 もちろんソレを本人に伝えたら大魔王バーンが直ちに起爆してしまうだろう。

 俺は竜闘気(ドラゴニックオーラ)を全開にすれば何とか生き残れるけど、戦っている仲間達は確実に助からない。

 

「笑止! オレは逃げんッ! ベ・ギ・ラ・ゴ・ン!」

 

 じゃあジワジワと弱らせて倒すしかないな。

 だけど時間をかけたら鬼岩城によってパプニカが壊されてしまう。

 純粋な戦闘力では有利だが状況的に不利なのは俺のほうだ。

 そして城内に極大の閃熱(ベギラゴン)が迸った。

 

「エビルデイン……アバンストラッシュ!」

 

 俺は対抗して黒い稲妻(エビルデイン)を纏わせた魔法剣で閃熱を迎撃する。

 

「イオラッ!」

 

「海波斬ッ!」

 

 魔法(イオラ)斬撃(海波斬)で切り捨ててから良い感じに距離を取る。

 徐々に相手の体力(HP)魔力(MP)を消耗させるんだ。

 

「どうしたッ!? なぜ、まともに戦わんッ!」

 

 ハドラーは俺のチキン戦法を見て激昂する。

 まともに戦わない理由、それは真竜の闘いを起こさない為だ。

 超越者同士の闘気と魔力がぶつかりあうことで闘いのフィールドは、立っているだけで生命力を奪われる超高熱の地獄と化す。

 そして闘いが終わった瞬間、フィールドのエネルギーは敗者へと襲い掛かる。

 つまり黒の核晶(コア)は確実に誘爆してしまう。

 

「ならば本気を出させるのみよッ! 地獄の鎖(ヘルズ・チェーン)!」

 

 左手から硬質化した鎖骨が射出された。

 そういえば、そんなのもありましたね。

 想定外のギミックにより俺の身体は拘束されてしまう。

 もちろんハドラーはその隙を見逃さない。

 

「イオラ! うらららららぁっ!」

 

 怒涛の連撃(イオラ)が俺に襲い掛かる。

 それ自体は竜闘気(ドラゴニックオーラ)で防御しているが爆炎のせいで視界が不明瞭だ。

 まあ、おかげで拘束は解けたんだけどね。

 なので海波斬で煙を切ってから剣を逆手に構える。

 これこそは地上を救った勇者の斬撃。

 

「アバンストラッシュ!」

 

「イオナズン!」

 

 ……流石に強いな。

 しかも起爆させないように戦わないといけないハンデがキツすぎる。

 こうなったら戦う場所を変えるか。

 原作では黒の核晶(コア)を上空に移動させて対応していたな。

 ならば同じようにするか?

 だけど、その前に鬼岩城を壊さないとな。

 

「大地斬!」

 

「おっと! 居城を壊すのを見逃すとでも?」

 

 斬撃(大地斬)はハドラーの肉体がクッションとなることで防がれる。

 まあ簡単に破壊できんわな……と思うじゃん。

 

「見逃してくれッ!」

 

 懐から魔弾銃を取り出して引き金を引くと、銃口から移動呪文(ルーラ)が充填された魔弾が放出された。

 原作とは展開が違うと分かった時点で、俺はマァムから魔弾銃を借りていたのだ。

 もちろんハドラーもキメラの翼くらいは所持しているので時間稼ぎくらいにしかならない。

 だけど時間さえ稼げれば良い!

 

「ぬわああああっ!」

 

 ハドラーは俺が魔弾銃を使ってくるとは思わなかったようで魔弾に着弾する。

 そして空の彼方へと吹き飛んでいった。

 つまり鬼岩城の破壊を邪魔する相手は誰もいないわけだ。

 

「大地斬!」

 

 (ダイ)の剣に竜闘気(ドラゴニックオーラ)を纏わせて全力の斬撃(大地斬)を放つ。

 すると鬼岩城は真っ二つになってから倒壊を始めた。

 

「やってくれたな……!」

 

 キメラの翼で戻って来たハドラーは瓦礫の山と化した鬼岩城を見ながらニヤリと笑った。

 

「ダイ―!」

 

 するとポップ、マァム、チウ、アキームさん達が此方に近づいてきた。

 そして近くではヒュンケルの兄者がミストバーンと対峙している。

 だが後者(ミストバーン)の様子はどこかおかしい。

 具体的にはスライムのようにプルプルと震えている。

 

「なんと……なんという失態を! バーン様の鬼岩城をあのような姿に……! これも私がダイの新しい剣の力を見抜けなかったせい……私の……私のせいだあああっ!!」

 

 そう言ってミストバーンは激昂している。

 ハドラーの責任にしないとか偉いな。

 

「もはやこれまで……我が闇の衣を脱ぎ払いダイとお前達をこの場で消す以外にない! ……その時、おまえたちは思うだろう。鬼岩城に踏み潰されていた方が幸せな死に様だった、となッ!」

 

「ミ……ミストバーン!」

 

 ハドラーを蚊帳の外にしながらミストバーンは外套を脱ごうとする。

 それにより鬼岩城を超える巨大な威圧感が周囲に充満した。

 

「今こそ見よッ!」

 

 だが彼の正体が明かされることはないだろう。

 なぜならば死神がソレを止めるからだ。

 

「はい、スト~ップ、そこまでにしておきたまえミスト……」

 

「キ……キル!」

 

 キルと呼ばれた死神は大鎌をミストバーンの首に向けている。

 

「お前は死神キルバーンだな」

 

「おや? 勇者くんはボクの名前を知っているんだね」

 

「ああ、内通者がいるからな。ちなみに魔王軍に本拠地が死の大地にあることも知っているぞ」

 

「……それは、とても興味深い情報だね」

 

 ここで俺は内通者カードを切る。

 そうすることにより俺達が自然に死の大地へ向かえることが出来るわけだ。

 別に不自然に死の大地に向かってもいいんだが『なぜかダイ達が死の大地を嗅ぎつけた。もしかして何かあるのでは?』と勘繰られれたくないからな。

 原作知識とゴメちゃんの情報だけは絶対にバレてはいけない。

 

「い~けないんだ、いけないんだ~っ! バーン様におこられるぅ~っ!」

 

「そうだとも、キミの本当の姿はいついかなる場合においてもバーン様の御許しがなくては見せちゃいけないじゃなかったっけ? それを破ったら……いくら親友のキミでもただじゃ済ませられない」

 

「……そうであった」

 

 キルバーンの忠告によってミストバーンは闇の衣を脱ぐのを辞める。

 

「ハドラーくん、ザボエラくんと鬼岩城が失ったのは残念だけど分が悪いのは此方だ。だから撤退しないかい?」

 

「な……なんだとっ!? そんなことバーン様が許すわけがない!」

 

 ハドラーはキルバーンに反論を行う。

 サラッとザボエラが死んでる件。

 それはともかくとして死神は不敵に口角を上げた。

 

「そのバーン様の命令だとしたら?」

 

「なにィッ!?」

 

「今のハドラーくんは肉体も精神も完成されているけど武器と部下が足りない。だから情け深い事にソレらを下賜してくださるとのことさ」

 

 部下……おそらくオリハルコンの駒の事だな。

 正直、処理するのが面倒だから生み出される前にハドラーを殺したかったぜ。

 そして武器に関してはは全く分からないぞ。

 原作に無いオリハルコン製の何かを出されるかもしれない。

 

「……了解した」

 

「じゃあ皆さん、そういうことでボク達はお先に失敬させてもらうよ! 鬼岩城を撃破するとはキミ達も中々大したもんだ。では……シー・ユー・アゲイン!」

 

「あっ! 待て~ッ!」

 

 そしてキルバーンはウインクをすると移動呪文(ルーラ)で南へと飛び去った。

 

「おっ……お先に失敬させてもらうだとぉ!? この国をこんなにメチャクチャにしておいて……あんなに人を傷つけてといて……」

 

「待て、ポップ!」

 

 俺はポップがキルバーン達を追跡しないように彼の腕を掴む。

 これ以上、アイツらと戦うのはリスクしかないからな。

 

「ダイ、なんでだよ!?」

 

「ルーラはトベルーラよりも速い。だから追跡は無駄だ。そして俺達は死の大地に行った事が無い」

 

「だけど、あのスピードなら……!」

 

「逆に怪しいだろ。おそらく俺達を分断して撃破する気だ」

 

「……分かったぜ」

 

 どうにかしてポップは納得したようだ。

 これで一安心である。

 じゃあ話を次に進めるとしよう。

 

「みんな、話したいことがあるんだ」

 

「話したいことって、なんだよ?」

 

「これから話す内容はとても重大なことだから世界会議(サミット)に参加していた人達も交えて話をしたい」

 

「各国のお偉いさんと一緒ってのは、ちょっと緊張しそうだけどな」

 

 さあ、ここからが本番だ。

 気合いを入れろ。




 最も強化されているキャラはポップな気がします。
 転生ダイは空裂斬を使えないなど完全な上位互換じゃありませんが、ポップはザバラ―ン・マータ系・マホプラウス・ベタドロンを使えますからね。

※ザボエラについて
 プロット段階ではここで殺す気はありませんでしたが、このままだと持て余すと考えたので殺しました。
 リリルーラで逃げろよと思いますが、アバンがバーンパレス心臓部で使わなかったり、フェンブレンは真魔剛竜剣が頭部から抜けてから瞬間移動していたように、拘束されていたら使えない説があるから使えないかなって。

※死の大地はパプニカの北にあるからキルバーンが南に逃げるのはおかしいのでは?
 ドラクエ世界は南端を超えると北端に、西端を超えると東端に出るので、むしろ南に逃げるのが最短距離。
 原作でもポップが東に逃げたらパプニカへの方角と違う(世界地図上では東側にパプニカがある)とハドラーが言及していたので、おそらくダイ大世界もそうだと思われる。
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