転生ダイの大冒険 作:ジャガン大好き民
「それで話したいことって、なんだよ?」
「これから話す内容はとても重大なことだから
「各国のお偉いさんと一緒ってのは、ちょっと緊張しそうだけどな」
ということで俺達はパプニカ大礼拝堂へと移動した。
そこの最上階には各国の代表者達がいる。
どうやら彼らは避難していなかったようだ。
「まずは、各国の代表者の皆様。俺の我儘を聞いていただき、ありがとうございます!」
俺はそう言ってペコリと頭を下げた。
そして心眼で魔王軍のモンスターがいないかを探知する。
……どうやら、いないようだな。
つまり魔王軍に漏れる心配は無い。
「何か大切な話をしたいってことだけど……」
「その通りだよ、レオナ。これは絶対に魔王軍に知られちゃいけない話。もしも漏洩したら世界が滅ぶかも」
「ふむ……ダイや、そなたの話を聞かせてくれるかの?」
「はい」
ロモス王がそう言うと周囲が静まり返る。
少し怖いけど語るとしよう。
「俺には前世があります」
「「「前世!?」」」
「そして前世では有名な物語が存在しています……その物語のタイトルは『ダイの大冒険』って言います」
「ダイと同じ名前ね……まさか!」
「そのまさか、この世界は物語と余りにも酷似しています」
「ということはワシらは物語の住人じゃと?」
「いえ、あくまで酷似しているだけでしょう。そして物語とは違い、主人公である俺はゴメちゃんの奇跡により前世と物語の知識を得ました」
「ピピィ!」
そう言うと、この場にいた全員は複雑な表情を浮かべる。
おそらく情報を咀嚼しきれてないのだろうが、彼らの気持ちの整理を待つ時間すら惜しい。
伝えるべきことは山ほどあるからな。
「まさか地底魔城に魂の貝殻があると分かっていたのは……!」
「まさに、そのおかげだね」
ヒュンケルの兄者の問いかけに、そう答えた。
「信じるか信じないかは貴方次第ですが……実際に俺は未来の知識で魔王軍との戦いを乗り切ってきました」
「……ならよ、なんでアバン先生を見殺しにしたんだよ?」
ポップは涙を流しそうになりがなら静かに俺に問いかける。
「物語通りにしないと未来が予想できなくなるからだ。俺の知る物語では歯車が1つズレただけでも敗北してしまうのではないかというギリギリのものだった。だからアバン先生以外にも、オーザム、リンガイア、カール、パプニカの敗北に対して何もしなかった。だから全て俺のせいだな」
「じゃあブラスさんが死んだのも……」
「いや、爺ちゃんは本来なら生きているな。おそらく俺に前世があるせいで殺してしまった」
「……ダイも辛かったんだよな。お前は悪くないぜ」
ポップは諦観が混じった表情で俺を擁護する。
これは意外だ。
殴られるくらいは覚悟していたんだがな。
「それに物語通りならアバン先生は生きてるしな」
「「「え!?」」」
「カールの守りというアイテムのおかげで生きてて、今は力不足を感じて破邪の洞窟で修行しているはずさ」
それを聞いたアバンの使徒たちは涙を流している。
今まで黙っててごめんね。
「それとバウスン将軍、貴国を見殺しにしたのは俺の責任です。この場で謝罪いたします」
「いや、超竜軍団に負けた我らが悪いだけのこと」
「他にも罪状があります。超竜軍団長である竜騎将バランは俺の実の父です。父に代わって謝罪いたします」
「……親の罪を子に転嫁するのは良くない。だから責任を感じる必要は無い」
バウスン将軍、マジで良い人じゃん。
まあ更に厳しい要求をする予定なんだけどね。
「話を戻します。この世界は本来の物語とは所々、展開が異なっています。そして差異は時間が経てば経つほど大きくなっている。例えば本来なら鬼岩城襲撃にはハドラーとザボエラはいなかった」
「つまり今のダイでも未来は予想できないってことか」
「だけど相手側の手札や目的は分かる。今から、それを伝えましょう」
こうして俺は、
キルバーンの挑発に乗ったポップが死の大地に向かうこと。
そして死神の罠にかかったポップをダイが救うこと。
そして超魔生物と化したハドラーと戦い両者痛み分けとなったこと。
そしてハドラーはソレを大魔王バーンに評価され、オリハルコンで出来たチェスの駒を貰ったこと。
その駒に生命を与える禁呪法を使い最強の親衛騎団を手に入れたこと。
人間側はカールのサババで彼らと戦い引き分けにまで持ち込んだことを話した。
「つまり超魔生物と化したハドラーと親衛騎団が当面の敵なわけね」
「あくまで本来の歴史通りなら……」
まあキルバーンの口ぶり的に確定でオリハルコンの駒は貰っているだろうな。
「それに当たってポップにはマトリフさんにメドローアを習ってもらう。あの魔法ならオリハルコンにも通用するはずだ」
「おう! 任せろ!」
「そして、これから大魔王バーンの目的と正体について話しましょうか」
そう告げた瞬間、室内の空気が引き締まったのを感じた。
「大魔王の目的、それは太陽を手に入れることです」
「「「は!?」」」
「正確には黒の
魔界は地上よりも奥深くにある。
なので太陽を齎すには地上を全て吹き飛ばすしかない。
つまり『ダイの大冒険』のストーリーは究極の日照権争いなのだ。
「だからこそ諸国の協力が必要です」
「無論じゃよ!」
「ああ、なにをすればよい? ベンガーナは全面協力するぞ!」
「ワシも微力ながら強力しよう」
「もちろん私もです!」
諸国の代表達は連帯を表明した。
まあ彼らには色々とお願いするだろうな。
「とりあえずコレを配ります」
そう言うとバダックさんが袋に大量に入ったキメラの翼を持ってくる。
「キメラの翼がこれほどあるとは!?」
ベンガーナ王は目を見開いて驚く。
キメラの翼は貴重品だからな。
そして俺は雷撃呪文でキメラを殺すことで
暇を見つけてチマチマと量産していたのだ。
「各国にコレを配備します。そして黒の
外伝ではシュプレが使えたことに驚かれていたほどだ。
なので同じ能力を持つキメラの翼を各国に配備する。
「次に大魔王の正体について語りましょう」
「正体か……」
ヒュンケルの兄者が興味深そうに呟いた。
まあ兄者は声を聞いたことがあるからな。
「まずバーンは強大な魔力を持つ不老の魔族です。メラの時点でメラゾーマを超える魔法力と光魔の杖という強力な武器を持っています」
「メラゾーマを超えるメラだってぇ!?」
それを聞いたポップは恐怖で震えだす。
まあ、お前は大魔王の必殺技であるカイザーフェニックスを素手で分解するんですけどね。
「そして本当の恐ろしさはここから……バーンには本体がある」
「本体?」
「ヒュンケルの兄者はミストバーンの名前に何か感じませんか?」
「ああ、同じバーンの名を与えられているな。おそらく懐刀なのだろう」
秀吉が丹羽長秀と柴田勝家の名を取って羽柴と名乗ったように、名前には大きな意味を持つ。
「結論から言うと、大魔王バーンは自身の肉体を2つに分けた。魔力を残した老人の肉体と、若さをもった肉体に。そして普段稼働しているのは老人の肉体です」
「なんと……!?」
「そして若い肉体には凍れる時間の秘法という呪法を使いました。これによって大魔王は永遠の若さを保つことに成功しました」
「じゃあ若い肉体を襲えば……」
「それは無理だ」
俺はポップの言葉を否定する。
「凍れる時間の秘法は常時アストロンがかかっているようなもの。だから外部の影響を遮断する」
「でも封印することは出来るんじゃないか?」
「それも無理だ。なぜならミストバーン、正確には暗黒闘気で構成された
「……色々と合点がいった。ヤツが無口だったのはそういうことか」
ヒュンケルの兄者は息を吐き出しながらそう言う。
「だけどよ、物語ではどうやって攻略したんだ? 常にアストロン状態で動ける相手なんてどうしようもないぜ」
「メドローアはアストロンを貫通できる魔法……つまりポップ、お前が要だ! 大魔王が本気を出す前に肉体を破壊してくれ」
「マジかよ……!」
まあ
「ふぅ~……ようやく言えたぜ」
ちょっとスッキリした。
ここまで何とか乗り切って来たんだ。
ならば残りも突っ走るのみよ。
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俺が原作知識を語ってから一夜が明けた。
各国政府要人はもちろん、俺達も大忙しである。
「じゃあ、頼んだよ!」
「任せろ!」
パプニカ神殿の中庭でポップに語り掛ける。
ポップはマトリフさんの下で
そして俺とゴメちゃんはロンさん宅でダイの剣の成果を報告するのだ。
もちろん用件はそれだけじゃないが。
「ルーラ!」
こうして俺達とポップは別れる。
そしてロンさん宅前へと到着した。
「来たか、ダイ」
そして俺は家の中でロンさんに成果を報告した。
「……話は変わるんですが、仲間達に装備を作ってくれませんか?」
「お前の武器ならまだしも、他の人間の武器まで作る義理はないぞ」
「もちろんタダではありません」
「コイツは……」
そう言って俺は覇者の剣を差し出した。
コイツはオリハルコン製なので報酬としては十分だろうがダメ押しで袋を取り出す。
そこには先の戦いの戦利品であるデッド・アーマーの残骸が大量に入っている。
コイツらは鎧の魔剣と同じ金属で出来ているので割と貴重な素材だ。
ここまですれば好感度は爆上がりして仲間になってくれる可能性は上がるし、オリハルコンを素材に新たな星皇剣を作ればロンさんは更に強くなるだろう。
「……いいだろう。それで何を鍛造すればいい?」
「
「ならば5日だけ待っていろ」
「ありがとうございます!」
魔王軍は此方側から手を出さない限りは相手も動いてこないだろう。
そしてアバン先生との合流も考えて、決戦までの時間は長引いた方が良い。
なので、いくらでも待てる。
それにしても何故、5日なのだろう?
……まあバッファーか。
「それが終わったら剣術の指南もしてくれません? 剣に見合う使い手になりたいんです!」
「良い心がけだ。装備の鍛造が終わったら鍛えてやろう」
というわけで交渉は大成功で終わった。
「じゃあ、失礼します!」
というわけで俺は
そして神殿内にある一室へと向かった。
「やあ、メルル」
「ダイさん!」
そこにはメルルとナバラさんがいた。
ベンガーナ王とテラン王に協力により彼女達はパプニカに滞在することになったのだ。
「準備はどう?」
「ええ、既に出来てます」
そう言う彼女に近くには白い布で覆われたすりテーブルがあった。
「これは古代占布術といって探し物の場所を具体的な言葉で表す占いの方法です」
要するに
しかも探す相手は俺との繋がりもあるから精度も高いはずだ。
「さあ、これを持って台座の上で目的の物を思い浮かべてください。そして合図をしたらその炎を落としてください」
そして俺はメルルの言う通りに作業を行う。
すると彼女は目を瞑りながら何かを念じ始める。
「チュ……ゴ……ナ。その人はチュゴナという場所にいるかと」
「確かリンガイア西部に位置する村落だったな」
外伝でヒュンケルの兄者がアバン先生と共に訪れた事のある場所でもある。
ならば兄者にキメラの翼を使って貰えば俺も行くことが出来るな。
「じゃあ俺達はそこへ向かうよ」
「……ですが大丈夫でしょうか?」
「大丈夫、流石に命までは取られないさ」
こうして俺は兄者と共にチュゴナへと向かった。
「いや~、見事になんもないね」
「確かリンガイアはバランの担当だったはずだ」
もちろんチュゴナはリンガイア王国内なので壊滅している。
まあバウスン将軍は生きていたんだし、住民も逃げていることを祈ろう。
「それで、どうやってヤツと出会う気だ?」
「こうやる、エビルデイン!」
ヒュンケルの兄者は問いかけに対して俺は村落跡に
コイツを使えるのは世界広しと言えど俺だけなので、近くにいるであろう彼らは確実に反応する。
すると空の向こうからガルーダと共にクロコダインが現れた。
「やはり、お前だったか!」
「……チェンジで」
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