転生ダイの大冒険   作:ジャガン大好き民

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レベル42 星降る腕輪

「これが約束の品だ」

 

 ロンさんは机の上に4つの装備を置いた。

 (ダイ)の剣の鞘、ブラックロッド、魔甲拳、鎧の魔剣Ⅱ、全て完成している。

 覇者の剣を差し出した甲斐があったな。

 

「そして報酬のオリハルコンでコイツを鍛造した」

 

 するとロンさんは俺にブレスレットを手渡した。

 コイツはまさか……!

 

「星降る腕輪ですか!?」

 

「良く知っているな。装備者の素早さを2倍にする装飾だ。持っていけ」

 

「ありがとうございますッ!!」

 

 まさか覇者の剣が優秀なアクセサリーになって帰ってくるとはな。

 これはデカいぞ。

 というか報酬であるオリハルコンを使うとか太っ腹すぎるだろ。

 

 でも俺は既にアバンの印を装備しているんだよな。

 ……いや、ドラクエ11やHD2D版ドラクエ3では2つのアクセサリーを装備できたはずだ。

 ならば何も問題はないな。

 というわけで俺は早速、星降る腕輪を装備する。

 

「うおッ!?」

 

 装備した瞬間、体が途轍もなく軽くなった。

 これならば大魔王だって怖くないかもな。

 

「注意点としては加速呪文と同様に仮初の強化に体が慣れずにバランスが崩れてしまう危険性がある」

 

 まあメリットばかりではないよな。

 とはいえ素早さは正義だ。

 

「だが加速呪文と違って装備さえすれば効果は永続だ」

 

「つまり素早さに慣れればデメリットを踏み倒せると」

 

「そういうことだ」

 

 加速呪文は一時的な強化に過ぎないから素早さが上がった状態に慣れるのは難しい。

 その点、星降る腕輪は装備品だから違う。

 じゃあ装備した状態で修行をしますか。

 

「更には装備すると2倍の速度で寿命を消耗する」

 

 まあ2倍速で動けるから2倍速で年を取るのは当然だな。

 これは別にどうでもいい。

 なぜなら魔王軍との決戦が始まるまで1か月もないからだ。

 短期間なら寿命が2倍の速度で削れても構わないだろう。

 せめて絶対時間(エンペラータイム)のように1秒で1時間の寿命を消費するくらいじゃないとな。

 

「じゃあ慣れるまで練習相手になってください!」

 

「いいだろう。少し揉んでやるとしようか」

 

 こうして俺は素早さに慣れる訓練を行う。

 そして数日後、遂に彼らは現れた。

 

「まだ約束の1か月は過ぎてないけど……つまり賭けは俺の勝ちだね?」

 

「そうなるな」

 

 パプニカの神殿前にはバラン父ちゃんと竜騎衆の皆様がいる。

 やはり原作通り死神キルバーンが襲撃してきたか。

 俺達を倒してないのに父ちゃんに喧嘩を売るとか完全に藪蛇なんだよね。

 まあ冥竜王ヴェルザーの部下としては大魔王が負けた方が都合が良いのだろう。

 

「ちなみにキルバーンの胴体を切ったりした?」

 

「クロコダインとラーハルトが撃退した。私は戦っていない」

 

 つまり真魔剛竜剣は魔界のマグマによって切れ味が落ちていないと。

 良い感じにバタフライエフェクトが起こっているな。

 

「では大魔王の本拠地、死の大地に乗り込むぞ」

 

「オーケー、じゃあ行こう!」

 

 出来る事ならアバン先生が来るまで粘りたかったが、時間をかけすぎると魔王軍が反転攻勢を仕掛けて来るかもしれない。

 そして仲間達は世界各地に散らばっているので各個撃破されたら終わりだ。

 なので戦おうとする姿勢だけでも見せないとな。

 仮に戦いが起こっても先生抜きで勝利できるように作戦も組んでいる。

 つまり俺達の勝利は確実だ。

 

 ■□■□■□■□■□■□■

 

「ここがサババか……」

 

 先の大戦においてアバン先生と魔王ハドラーが戦った地でもある。

 ちなみに移動にはキメラの翼を使った。

 その方が気球船よりも速いからな。

 

「既にマァム達は先行しているんだよな」

 

「ああ、そのはずだ」

 

 ポップの呟きにヒュンケルが返答する。

 マァム、レオナ、メルル、エイミの4人は先のカールへと向かいフローラ女王と合流済みだ。

 そしてアジトの近くにある破邪の洞窟に潜り、原作よりも早く大破邪呪文(ミナカトール)を習得している手筈である。

 そして俺達は港区画へと向かう。

 

「みんな! それにバラン義父(とう)様も!」

 

 港に滞在していたレオナは嬉しそうに此方に駆け寄ってくる。

 ……サラッとバラン父ちゃんを義理の父扱いしてないか?

 

「ミナカトールは習得出来たかい?」

 

「もちろんよ! それに死の大地に乗り込むための大型船の建造も完成しているわ!」

 

「いいね!」

 

 ロモスの聖水船とベンガーナの戦艦は鬼岩城に壊されている。

 なので大型船を建造しなければならないのだ。

 

「作戦としては獣王遊撃隊の飛行可能なモンスターが攪乱している隙に大型船で乗り込む……フリをするわ」

 

「フリだと?」

 

「うん、まだアバン先生が来てないからね」

 

「……確かハドラーが始末したはずでは?」

 

「なんやかんやあって生きてる」

 

 そういやバラン父ちゃんには原作知識について話してないな。

 というわけで俺はハドラーの身体に黒の核晶(コア)が埋め込まれていることなどを語った。

 もちろんサババ周辺にはレオナが破邪呪文(マホカトール)の聖なる結界を張っているので、情報漏洩の心配は無い。

 ちなみに破邪呪文(マホカトール)は破邪の洞窟で習得したらしい。

 まあ『大』破邪呪文を使えるのだから下位の破邪呪文を使えるのも道理だろう。

 

「問題は魔王軍から襲撃された場合だが……」

 

 バラン父ちゃんが意見を述べた瞬間、大地は鳴動し始める。

 噂をすれば何とやら、おそらくハドラー達が聖なる結界を突破したな。

 というわけで港へと向かった。

 

「来たか! アバンの使徒よ!」

 

 ハドラーはニヤリと笑う。

 もちろん彼の周りにはオリハルコンの駒製の親衛騎団もいる。

 原作と違って自らも襲撃に参加するか。

 おそらく準備に時間をかけすぎたせいで痺れを切らしたようだ。

 なぜならハドラーに残された時間は少ないからな。

 完全に計画通りである。

 

「相手は並みの相手じゃない! 腕に自信のある人以外は下がっていて!」

 

 そう言って俺とバラン父ちゃんはハドラーと向き合う。

 他の仲間達は親衛騎団の相手だ。

 ぶっちゃけアバンの使徒に加えてノヴァとクロコダインとラーハルトがいるから圧倒するのは簡単なはず。

 問題は黒の核晶への対処だな。

 

「まさかバランまでいたとはな……面白い!」

 

「余裕のつもりかハドラー!? 貴様ごときの容易く倒されるほど我々が弱いとでも思うのか?」

 

「フッ……まさか。(ドラゴン)の騎士こそ神が創った最強の生物。そいつが自分の部下だと知ってオレは怯えていたよ。いつ権力を上回ってくるのかと思ってな。そして更にダイが息子と知った時、更に恐怖した! お前達が力を合わせてオレを倒しに来る光景を思い浮かべてな! 今、その光景が現実になっている。それなのに今はこの戦いを望んでいるのだから……不思議なものよ」

 

「残念だけど、その望みは叶えられそうにないね」

 

「なにっ!?」

 

「俺とハドラーで一騎打ちをしようよ」

 

 バラン父ちゃんにはやってもらうべき仕事がある。

 なのでハドラーは俺だけで倒さなければならない。

 

「いいだろう。願ってもないことだ!」

 

「じゃあ、行くぞ!」

 

「「うおおおおッ!」」

 

 こうして戦いが始まった。

 純粋な馬力や魔力では此方が不利だが、星降る腕輪のおかげでスピードは圧倒出来る。

 なにせ2倍速だからな。

 これこそが寿命を削った力である。

 

「いつぞやの時よりも腕を上げたな!」

 

「それはどうもッ!」

 

「だが俺も強力なを手に入れたぞ!」

 

 そう言ったハドラーの腕からオリハルコン製の剣が出てくる。

 

「これはオリハルコンの駒を加工して作った剣だ!」

 

 どうやら原作と違って貰った駒は5つだけではないらしいな。

 一部の駒はハドラーの武器に加工されたと。

 

「なら此方も剣を抜こう」

 

 というわけで(ダイ)の剣を解放した。

 次の一撃で勝負が決まりそうだな。

 なので紋章の共鳴を利用した思念波で父ちゃんに語り掛ける。

 

『父ちゃん、その後は頼んだよ』

 

『……無論だ』

 

 これで心置きなく戦える。

 後は勝つだけだな。

 もちろんハドラーの体内にある黒の核晶(コア)に魔法が直撃したら起爆する。

 つまり魔法剣の類は使えないので純粋な剣術で圧倒するしかない。

 なので俺は剣を逆手に構えた。

 

「アバンストラッシュ……やはりソレを選んだか。一度は我が生命を奪い使い手を倒してもなお後継者に受け継がれてきた秘技。確かに相応しい技だ。しかし魔法剣を使わぬのはどういうつもりだ?」

 

「この技……新しいアバンストラッシュは魔法剣で使うことが出来ないんでね」

 

「面白いッ! 我が渾身の一撃で砕いてくれる!」

 

「いくぞっ! ハドラーッ!」

 

 この技なら確実に目的を遂行できる。

 

「アバンストラッシュA(アロー)!」

 

「なにがアローだ! 旧来通りではないか! こんなもの涼風同然ッ!」

 

「今だあッ!」

 

 俺は飛ぶ斬撃(アバンストラッシュ)を見据えてから剣を構え直した

 

「アバンストラッシュB(ブレイク)!」

 

「な……何ッ!?」

 

 Aタイプを放つと同時に構えなおし、すかさず振り下ろす形のBタイプで追撃をかける。

 これにより2発のストラッシュが交差した。

 

「アバンストラッシュX(クロス)!」

 

 十字の斬撃がハドラーの胸を切り裂く。

 星降る腕輪による素早さ上昇もあり原作よりも少し早く習得できた。

 そしてハドラーの胸は切り裂かれて黒の核晶(コア)が露出する。

 さあ、後は頼んだぜ。

 

「ウオオオオッ!!」

 

 竜魔人と化したバラン父ちゃんが黒の核晶(コア)を掴んだ。

 そしてソレを竜闘気(ドラゴニックオーラ)で覆うことによりバーンの魔力を一時的に遮断する。

 起爆するにはバーン本人かミストバーンが真近にいないといけないが、戦場は破邪呪文(マホカトール)が展開されているので悪魔の目玉は侵入不可能。

 なので彼らは戦いの経過を知らない。

 

「こ……これはなんだぁっ!」

 

「魔族のお前なら名前ぐらい聞いたことがあるだろう。コイツが黒の核晶(コア)だ」

 

「そ……そんなバカなッ! 誰がこんな恐ろしい事を!」

 

「知れた事よ、お前の主……そして地上を与えると言った非常の男だ」

 

「バーン様が……そうかっ! ダイが1対1を申し出たのはコレのせいか! オレはっ……自らの肉体を捨ててまで、この闘いに賭けていたのにっ! うおおおおおーッ!」

 

 ハドラーは目に涙を浮かべた。

 まあ同情はするよ。

 

「マァム、父ちゃん。頼んだよ」

 

「ええ!」

 

「ルーラ!」

 

 まずはマァムの魔弾ルーラがバラン父ちゃんに直撃し、次にバラン父ちゃんがルーラを唱える。

 どちらも目的地は遥か上空なので純粋なスピードは2倍だ。

 そして目的地に到達したら父ちゃんが黒の核晶を起爆させる。

 もちろん(ドラゴン)の騎士はその程度では死なないので、結果的に誰も犠牲者を出さずに爆弾を処理できる。

 

「これでヨシ!」

 

 数十秒後、上空から巨大な爆発音が聞こえてくる。

 そしてバラン父ちゃんが血を流しながら墜落した。

 

「……流石に傷を負ってしまったか」

 

「まあ必要な犠牲だよ。レオナ、父ちゃんを癒してあげて」

 

「ええ!」

 

 レオナはバラン父ちゃんに回復呪文(ベホマ)をかける。

 そして俺はハドラーへと歩み寄った。

 

「アンタの忠義を裏切った大魔王バーンを倒さない?」

 

「……オレはアバンを殺したのだぞ?」

 

「実は生きているから大丈夫」

 

「なんだとッ!?」

 

「これはバーンを倒す為の一時的な同盟だ」

 

「……断る! オレは魔王ハドラーだ! 人間と組むわけが無いだろう!」

 

 交渉は決裂か。

 出来る事なら一緒に大魔宮を奇襲したかったんだけどね。

 まあ仕方ないな。

 

「だが……オレの後に付いてくるのは勝手だ。親衛騎団よ、征くぞ!」

 

 そう言ってハドラー達は大魔宮へと向かう。

 ちなみに仲間達には時間稼ぎするよう指示してあるので親衛騎団は無傷に近い。

 

「俺達もこの勢いで雪崩れ込むぞ!」

 

 そして俺達はハドラーの後を追うべく大型船へと乗り込み、死の大地を目指す。

 

「ダイの知識によれば魔宮の門は海の中にあるんだったな」

 

「必然的に少数精鋭で乗り込むことになる」

 

 俺とバラン父ちゃんはもちろん、ポップ、マァム、ヒュンケルの兄者、レオナ、ラーハルト、クロコダインで向かうつもりだ。

 だけど、その前にやることがある。

 

「ミナカトールを発動するぞ、みんなアバンの印は光るな?」

 

「ええ!」

「もちろん!」

「問題はない!」

 

 原作通りレオナとマァムと兄者の印は光るようだ。

 そして問題は……

 

「光らねぇ」

 

「俺もだ」

 

 えー、俺とポップの印は光りませんね。

 まあ成長イベントなど色々とスキップしてるから光るわけが無かった。

 残念でもなく当然である。

 

「まあミナカトール抜きでも何とかなるはず! じゃあ行こう!」

 

 少し計画が狂いつつも大魔宮バーンパレスへと向かうことにした。




※転生ダイの装備
メイン武器:ダイの剣
サブ武器:パプニカのナイフ
防具:魔法の闘衣
メイン装飾:アバンの印
サブ装飾:星降る腕輪

 最近のナンバリング作品では装飾は2つ装備することが可能な設定を適用しました。
 また星降る腕輪はドラクエ8と11ではオリハルコンを素材に自作できます。
 同じくオリハルコンで自作できる賢者の石と悩んだんですが、主人公を強化した方が良いかなって。
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