転生ダイの大冒険 作:ジャガン大好き民
とても嬉しいです。
皆様に感謝を。
「うおおおおっ!!」
翌日、つまりは
俺は腰に3つの岩を結びつけて長距離ダッシュを行っていた。
まずは体力を付ける為の基礎訓練というわけだ。
「ふぅ……!」
そして俺はゴール地点の浜辺までたどり着く。
普段から独学で鍛えているとはいえ中々にハードだった。
なので今は座って休憩している。
「よいしょ、よいしょ」
すると向こうから常人の数倍はあろうかという大岩が掛け声をあげながら近寄って来た。
この島には爆弾岩はいないはずだが?
……いや違う、アバン先生が大岩を持ちあげて持ってきているんだ。
細い見た目に似合わない凄まじいパワーだな。
そして先生が俺の前まで歩いてくると大岩を地面に下す。
その重量感により、一瞬地面が揺れた。
「ダイくん、これを剣で割れますか?」
「この大きさは怪しいですね」
「まあ、試してみてください。剣は貸してあげます。由緒正しき伝説の名剣ですよ」
そう言ってアバン先生は腰に差していた由緒正しき伝説の名剣(10ゴールド)を抜くと俺に渡してきた。
「それじゃあ行きますね。……でやあああっ!」
まずは大地斬を使い剣を振るうことにより大岩はあっさりと切断される。
少し緊張していたが何とか割ることが出来たな。
「ふむふむ、なるほど。では、これはどうでしょう。
ド・ラ・ゴ・ラ・ム!」
そう唱えるとアバン先生は大きな赤いドラゴンへと変貌する。
これこそは古より伝わる幻の呪文、
確かヨミカイン遺跡に所蔵されていた魔法で、ガンガディア→マトリフ→アバン先生というルートで魔導書が伝わったはず。
「今から私が炎ブレスを吐きます。それを切り裂いてみてください! アーユーレディ?」
「Yeah!」
「行きますよ……キシャアア!」
「海波斬!」
俺の体よりも遥かに巨大な炎ブレスに向けて
そして2つに分かれたソレはそのまま自然と消えていった。
それを最後まで見ていたアバン先生は満足そうに頷きながら人間の姿になる。
「ではダイくんが先程斬った大岩に向けて全力で斬撃を放ってみてください」
「分かりました!」
ナイフを逆手に持ち変えて大地斬のパワーと海波斬のスピードが完全に一体になった斬撃を放つ。
すると大岩は斬れるでも砕けるでもなく消滅したように見えた。
今回放ったのは不完全なアバンストラッシュだ。
まだ空裂斬を習得していないので光の闘気が斬撃に乗っていない。
そして、それを見たアバン先生は頷きながらこう言った。
「……ダイくん、やはり君は既にアバン流刀殺法の大地斬と海波斬を使うことができます」
「ええ、アバン先生が考案した理論を基に今まで修行していましたからね」
「細かな技術についてはまだまだ改善の余地がありますが、基本は問題なく合格です。今日の所はフォーム改善を行いましょう」
俺の剣術は完全なる独学なので粗も多い。
故に1日目は剣術の調整を行う。
アバン先生はカール騎士団に所属し達人の隠れ里ギュータで修行した過去がある。
つまりカール流とギュータ流とアバン流、3つの流派の基礎を同時に学べるという事だ。
「分かりました!」
「ですが、その前にドラゴラムの契約を行いましょうか」
確かにドラゴラム系統の魔法は未契約である。
だけど何でだ?
ぶっちゃけ剣術も使えなくなるし的が大きくなるだけだろう。
「それはですね……」
するとアバン先生は俺に耳打ちをしてくる。
……なるほど!!
確かに俺が
純粋に自らが強化されるだけでなく、仲間達も強化される。
こんなことを思いつくなんて先生は天才か?
いや、大魔王バーンが警戒するほどの天才だったわ。
先生に原作知識を共有したおかげで原作よりも楽になるかもしれない。
「では早速、魔法陣を用意しますね」
「はい!」
こうして俺はドラゴラムと下位呪文のドラとドゴラムの契約に成功した。
後でコソ練するとしよう。
そして夕方には再び剣術の猛特訓が始まる。
アバン先生の言った通り大地斬と海波斬のフォーム調整を行い、夕日が沈む頃にはほぼ完璧な技術を獲得する。
こうして1日目は終了した。
「それでは本日の早朝特訓を始めます」
まだ朝日も登りきらないうちから、アバン先生の元気な声がデルムリン島に響きわたる。
現在の天気は晴れ、なので絶好の修行日和ではない。
「今日から魔法の修行が始まります!」
原作と違って既に俺は大地斬と海波斬を習得している。
なので2日目と3日目がフリーになってしまった。
アバン流刀殺法を前倒しで習得するのも悪くないが魔法の鍛錬を優先することにした。
正直、空裂斬は習得できる自信がないんだよね。
俺には正義の心なんて無い。
「では行きますよ……天空に散らばるあまたの精霊たちよ、我が声に耳を傾けたまえ! ラナリオン!」
アバン先生が
するとデルムリン島全域に雨が降り出し始めた。
さあ、これで準備は万端だな。
俺は息を吸い込んで精神統一をする。
「ライデイン!」
その言の葉を唱えると、雨雲から稲光が迸った。
これは
原作ではポップが
いわば雨雲はライデインを使う為の踏み台のようなものだ。
そしてアバン先生は
というか原作でポップが契約に使ったラナ系の魔導書はアバン先生の所持品だろうしね。
「ですが命中率がネックですねぇ」
アバン先生の言う通り、先ほどのライデインは目標に命中していない。
流石に中級呪文ともなると難易度が高いな。
もっと簡単に魔法を制御したい。
その為には威力を犠牲にする必要がある。
……そういえばライデインには『デイン』という下位の呪文があったな。
確かダイ大世界の地上はFC版DQ3以前を基にした世界だから、モンスターズが初出の
まあ
そして俺は異世界の魂が混入しているので異世界の魔法が使えてもおかしくはない。
現に某有名二次創作に出てくるフレイザードの転生者は異世界の特技を再現していたしな。
それにライデインの出力を弱めればいいわけだし、ハッスルダンスよりも再現するのは簡単だろう。
「デイン!」
そう唱えると先程より小さい雷霆が的に命中する。
つまり魔法に成功した。
威力が小さい代わりに制御は簡単だ。
「デインですか……。初めて聞く魔法ですね」
「近い異世界の魔法です!」
「いやぁ、実に興味深いですねぇ。学者魂が刺激されますねぇ。大魔王との戦いが終わったら詳しく聞かせてくださいね」
こうして俺は何度もデインを唱えて体に雷撃呪文の感覚を体に刻み付ける。
そして夕方になる頃には……
「デイン!」
ちなみに上位の呪文であるライデインは使えない。
流石にレベルが足りなかったようだ。
まあ精進あるのみですね。
こうして
つまり魔軍司令ハドラーが襲撃してくるXデーだ。
そして今の俺達は海岸にいる。
「今日はヒャドの特訓を行います!」
アバン先生は説明を行う。
曰く、本来の氷系呪文は気体(水蒸気)を固体(氷)に変換する魔法だ。
しかし、それをいきなりやるのは難易度が高い。
なので、まずは液体(海水)を固体に変換してコツを掴ませるとのことだ。
流石はプロなだけあって効率的な習得法を知っていますね。
「では、ポップ。お手本を見せてください」
「はい、先生! ヒャダルコ!」
まずはポップが手本として迫りくる波を
それを見たアバン先生が凍った波をノックすると、そこから亀裂が入り水が流れ出てきた。
どうやら中身まで凍ってなかったようだ。
「いつもながら詰めが甘いですねぇ。魔法は集中力ですよ、集中力!」
集中力か、それなら自信アリだ。
前世の経験があるからな。
それにデルムリン島は南国だから常に蒸し暑い。
なのでヒャドは是非とも習得するべきだろう。
まあ明日には出ていく予定なんだけどね。
「……さあ、ダイくん。君の出番ですよ」
「分かりました!」
遂に自分の出番が来た。
目を瞑り精神を集中させながら波が襲来するのを待つ。
今までの修行を思い出せ、必ず出来るはずだ。
努力は自分を裏切らない。
「ヒャドォ!」
その言の葉を唱えると波はたちどころに凍てついた。
つまり
かなり嬉しいぜ。
これで俺の習得魔法はメラ、ヒャド、デインの3種になったわけだ。
だけど、まだまだ満足してない。
氷系呪文を習得したら再現してみたい魔法があったんだ。
確かヒャドは大気に存在する水を集めて凍らしている訳なんだから、その行程から凍らせるという行為を抜けば水を生み出す魔法が作れるのでは?
というか気体から固体を作るより気体から液体を作った方が必要エネルギーも少なく済むはずだ。
そしてモンスターズには水の魔法、いわば水流呪文があったはずだ。
その名は……
「ザバ!」
そう唱えると掌から高圧水流が出て来た。
炎や氷と違って操るのが水なので、他の攻撃魔法と比べて攻撃力は劣る。
だが生活での利便性は高いはずだ
それに俺の場合はアレと組み合わせれば戦闘にも使えるしね。
「水を出す魔法ですか……。興味深いですね」
アバン先生は感心した様子でソレを見る。
まあ
つまりダイ大世界には存在しない。
この魔法は魔王軍を打倒して情勢が落ち着いたら世に公表して、生活魔法として広く浸透してもらえたらと思っている。
理論上はヒャドを使える術者なら誰でも使えるはずだし。
「ええ、ヒャドを改良してみました」
「なるほど、氷系呪文から凍らせるという過程を省略ですか。この発想は盲点ですね」
まあ
ぶっちゃけ反則技のようなものだ。
「便利そうだな! 俺にも教えてくれよ!」
「いいぜ、ポップ」
ということで
この調子で他の異世界魔法を教えてやるからな。
そして早朝特訓も終わり、午前中の通常特訓の時間のこと。
海岸でポップと共に魔法の練習をしていると、不意にデルムリン島が揺れた。
初めに感じたのは僅かな揺れだったが、次第に巨大な揺れへと変貌し、島全体に襲い掛かる。
しかも普通の振動ではない、空気が張り裂けるようなビリビリとした違和感を感じる。
「地震だぁッ!」
「ピピィ!」
「なんじゃっ!? 火山の爆発かっ!?」
「いやっ! 違います……この振動は何者かが島の魔法陣を破ろうとしているのです」
マホカトールの聖なる魔法陣は邪悪な者を拒む。
それに抵抗されるということはモンスター、つまりは魔王軍ということだ。
しかも島全体に影響を及ぼせるクラスの大物でもある。
……遂に来たか。
「うううっ……! この強烈なエネルギーには覚えがある!」
近くで修行を見学していたブラス爺ちゃんは頭を抱えてうずくまる。
更には、いつの間にか底冷えするような空気が漂い始める。
物凄い邪悪なエネルギーだ。
コイツはタダ者じゃないと本能が警告している。
「どうやら不安が的中してしまったようです」
そう言ってアバン先生は剣を抜き闘気を全身に滾らせる。
完全に戦闘モードだ。
俺も呼応してパプニカのナイフを抜いた。
「クックックッ……! 貴様の魔法陣にはなかなか骨を折らされたぞ」
すると低く威厳のある男の声が辺りに響き渡る。
そして上空から1つの人影が俺達の近くへと降り立つ。
人影は漆黒のマントを纏っているので体型は良く分からない。
だが立ち姿からして全く隙が無い、これだけで歴戦の猛者だとわかる。
「やはり、復活していたか……魔王ハドラー!」
遂にハドラーがデルムリン島を襲撃する。
さてと、何とか原作通りに動かないとな。
※ザバの必要エネルギーがヒャドより少ない設定
DQM3ではヒャドの消費MPが3、ザバの消費MPが2。
実質、公式設定。
※下位呪文の方が制御が簡単だという描写
アバン外伝でレイラが上位魔法のピオリムを意識的に発動できなかったが、下位魔法のピオラは意識的に使用できるという描写を参考にした。
※転生ダイのステータス
・魔法
メラ、ヒャド、デイン、ザバ
・技能
大地斬、海波斬、アバンストラッシュ
いきなり3つも魔法を覚えた。
まあアバン先生の教育力が凄いんでしょう。
原作によるとヒャドは終盤にならないと覚えないそうですが、新アニメ版ではヒュンケル戦後時点で覚えていると言及されてました。