現代ファンタジーに勝利の女神を!   作:ぬくぬく布団

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※現代ファンタジーに勝利の女神:NIKKEのキャラが出ます。そういうのが苦手や嫌いという方はブラウザバックして下さい。それでも見る!という方はこのままスクロールして下さい。















という訳でぬくぬく布団が勝利の女神:NIKKE(ゲーム)にハマったので気分が乗って執筆しました。書き溜はしているものの毎日の頻度では更新できません。気長にお待ちください。










第1話

 

 

 

~オリ主side~

 

初めまして、俺の名前は(さかい) 遊星(ゆうせい)だ。

かぁ~~、せっかくチート貰って転生したってのにこんな死にかたってありかよ。今までは普通の弾丸なりレーザーやったやん?何でいきなり毒コーデイングされた弾丸が飛ぶん?しかも、仲間を庇って腕を貫通しただけの毒殺なんて酷くね?

今度は神様に謁見せずに転生したんだが……、現代社会かと思いきやダンジョンが幾つも点在する現代ファンタジーな世界だよ。何だよダンジョンって!前世は弾丸飛び交う戦場の世界のディストピアかと思いきや今世も戦いがあるんかよ!!しょ、しょうがねぇ。前世同様鍛えに鍛えまくってやるよ!!待っていやがれ現代ファンタジー世界!!

 

―――――十数年後

 

悲報、スキルが無い人間はダンジョンに入れない。俺スキル無い!詰んだ!!はあーーーー!やってられんわこんなクソ現実!!近所の幼馴染は俺がスキル無しと知ったら高圧的に出やがって!女じゃなかったら殴ってたね!!こんなだったら前世の方がもっともっと充実してたわ!

あ~あ、本当に糞な現実社会だよ。スキルが無いせいで職に就く事すら出来ない不条理、親の金で食う飯は罪悪感半端ねぇ…………。土木関係や足場工ですら拒否されるなんて辛い………。今は爺ちゃんや親父が持つ土地で野菜を育てて自給自足で食い繋げてるから良いんだ。問題は畑の土地を売ったら将来は餓死する事間違いなしって事なんだよ。人生クソハードなんてもんじゃねえだろ!!精神的苦痛で畑仕事してないと鬱になりそうだ……。

虐められたが、何とか高校までは卒業出来た事は奇跡だったな。小学校からず~っと虐めの対象にされてたから身内以外は人間不信だ。幸いな事は家族全員がスキル無しの俺を変わらず愛してくれていた事だ。だが、突然の不幸というのはやって来るものだ。買い物に出かけた俺以外の家族が交通事故で皆亡くなった。高校を無事卒業という事でお祝いの為にと外食をしようと家族が車に乗って高校に迎えに来ている最中、大型トラックの信号無視による側面からの追突で壁に挟まれてペシャンコになった。今世で初めて怒りに任せて相手を殴り殺そうかと思ったが、家族の皆が俺にも優しくしてくれていた事を思うとギリギリ残った理性で手を出さずに済んだ。

数年経過―――遂にお酒を飲める二十歳となった。俺は奮発して日本酒を購入しようとしたが、近所のお爺ちゃんお婆ちゃん達がお金を出し合ってお祝いにかなりお高い日本酒をプレゼントしてくれた。

今日は墓参りと仏壇の前で一日中自分語りでもするつもりだ。何せ二十歳になってから前世の事について報告しようと思ってたからなぁ。皆が亡くなるまでは正直言い難かったんだが、本当に亡くなってから後悔しまくったよ。早く言えばよかったと………。きっと前世の"あいつ等"もこんな感じだったんだろうな。更に後悔している……。殿務めて何とか生き残ったが死ぬ間際に仲間が傍にいたんだ。膝枕で眠くなっちまってそのまま死んだってのはトラウマになるだろうなぁ。……すまん。

 

「爺ちゃん、婆ちゃん、父さん、母さん。今日で俺は二十歳になったよ。何とか財産や慰謝料なりでこの家だけは売らずに済んでるが、もうそろそろ限界に近い。まさか、あの事故でトラックの大企業が証拠を色々とでっち上げてこっちを有責側にするなんて思ってもみなかったよ」

 

仏壇の前に座って今までの事を苦手な酒の力で零してゆく。そうでもしないとやってられない理不尽だ。

 

「今まで報告出来なかった後悔なんだけどさ、俺って転生者なんだよ。あ、転生者っても分かんないよな。そういう小説とか読んでなさそうだし……。前々世は働き過ぎの過労で死んじゃってさ、神様に会ったんだよ。そしたら神様のうっかりでそうなる運命にされていたらしいの。それはかなりヤバイかったらしくてチート……何か凄い能力を持って生まれ変わらせようってなったんだ。正直そんな物は要らなかったけど、無難に頑丈な体と反応速度の上昇って事にしといたら神様の気紛れか罪悪感か知らねぇけど集中力を高めた時だけの物体の鈍足……超エリートなスポーツ選手みたいに動きがゆっくりと見える様に出来たんだ。今もそれ等はあるんだけどスキルもないしで色々と迷惑かけちまった。……ごめん」

 

前世では余り飲む暇もなかったし、戦いと鍛練で忙しかったからなぁ………。

 

「前世って機械の敵が相手でなぁ~、弾丸やビームが飛び交う中戦ってたんだ。仲間…ってより部隊なんだが、皆で戦って勝ち進んでいた。でも、ある時から敵の攻撃が苛烈になって大変だったんだ」

 

あの時はマジで四六時中戦いだったからな!

 

「激戦の中俺達部隊が強敵相手に戦ってた時、敵の大部隊が俺達のホームに殺到する危機が迫った。誰かが殿で死ぬのを前提で敵を食い止めないといけなかった。まぁ、俺が殿したんだけどな!」

 

あの時は皆苦虫を噛み潰した様な表情をしてたな。俺が同じ立場でもそんな表情になるだろうな。

 

「その決断した俺だけど、仲間…もう名前を言っても良いか。ドロシーっていうお嬢様が皆で倒しながらホームに戻ればって提案したんだけどさ、そうすれば敵の挟撃で被害が甚大になる可能性が大ってことで却下したんだよな。誰よりも仲間を大切に想っていたから心苦しかったよ」

 

めっちゃ悲痛な表情してたからな。比較的マシであろう男の俺でそれなんだ。他だともっとヤバイことになりそうだったし……。

 

「まぁ、普段の日常から部隊の皆をからかったりしてたからな。同性ならまだしも異性からのからかいなら好感度もある程度までは下がってるだろうし大丈夫かなって思ってね。リリーバイスに強制的に連れて行って貰うように頼んで他の仲間達もホームに向かわせた。その間俺は転生チートで貰った能力を活かして斬って斬って斬りまくって全部倒したんだよ。俺凄くね?」

 

空になったコップに酒を注ぎ、一口飲んで溜息を吐く。

 

「でもさ~、敵の増援が来る前に超長距離射撃の狙撃でドロシーを庇って腕に弾丸が命中したんだけど…毒弾だったんだよ!卑怯じゃね?今まで実弾やビームばっかりだったのに状態異常かつ人間だけに効く毒って普通思い付かないじゃん!殿してる最中に身体中激痛走りながらだったけどねぇ~。自分の身体は自分が良く知ってるって思ってはいたけど、集中し過ぎてアドレナリンドパドパ状態だったのが合わさって終わった時に気付いたよ。『あっ、これ死ぬわ』ってさ」

 

身体中に激痛が走ってもお構いなしに動きまくった影響か、毒の回りも早く頑丈な体も意味がねぇよ。

 

「体が軽くてフワフワして寝ている所に微かに声が聞こえたんだよ~。何言ってたか全然頭で理解出来なかったけど曖昧に頷いたり返事してたり……していたのか?まぁ、仲間が迎えに来てくれてホッとして緊張の糸が切れたが最後ってね。本当に最後に聞こえた声は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様―――です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………はぇ?」

 

後ろから聞こえる綺麗な声に振り返ると、大量の涙を流しながら前世でよくからかっていたドロシーの姿があった。

 

「……ど、ドロシー?」

 

「ふぅっ、ううっ―――バカぁああああああああーーーーーーーー!!」

 

振り返った遊星の顔を見たドロシーは表情を歪ませながら遊星の胸に顔を埋め嗚咽を鳴らしながら泣き続ける中、当事者はドロシーの頭を撫でつつも冷や汗をながしていた。

 

ヤベェってヤベェって!?何でドロシーが居るの!?タイムマシンなんてちゃちなもんじゃねぇ!世界間移動か!?だ、だがそれだとこの世界にはラプチャーが居ないのがおかしい!どどどどどどうしたらいいんだ!?前々世から今世まで童貞な俺にどうしろと!?頭を撫でる出正解なのか!?だ、誰かに見られたら世間体に死ぬ!!ままままままぁ、家の中だから大丈夫だけど仏壇前だから天国に居る家族は見てるだろうな~……あぁ、俺どうなるのやら……。

 

ドロシーが泣き止んで落ち着いたらを思うと毒舌吐きながらぶたれるか、殴られるかになりそうで戦々恐々である。只でさえ前世でからかって怒らせた時は死なない程度に力加減されたヘッドロックからの首絞めで意識をぶった切られたりしていたので後々が怖いのだ。

現在も転生特典の頑丈な体と反応速度の上昇があっても生身の人間とニケでは馬力勝負で負けてしまう。遊星は量産型のニケに対してなら色々して勝てるが、ゴッデス部隊の仲間達の中ではフィジカルでは一番弱い。

しかし、フィジカルではどうにも出来ない様な現地での判断力や実行能力は極めて高く、運が付き纏う戦場となると顕著に表れるのだ。そういった点でもゴッデス部隊に必要かつ人類最強と言わしめる男だ。しかし、ニケには勝てない。『女の子を殴る?どうしてもな場合以外は基本暴力は振るわないね!からかう方が素の反応を見れて面白いじゃん!』という理由があったりする。とてもいい反応を見せてくれたのはドロシーで、つい悪戯をしちゃう位面白いのだ。当たり前だが、当然反撃される事を前提でやっているのでどうしようもない馬鹿である。

 

本当にどうしてこうなった?いや、まぁ……ドロシーに会えたのは嬉しいけどどうすんのよ?ゴッデス部隊の一人が行方不明って冗談でもヤバすぎるって!!

 

当然だが遊星は死んだ後の事はどうなっているのかは知らず、今もなおゴッデス部隊がラプチャーを殲滅する為に戦っているor新たなニケが生まれてゴッデス部隊と共闘しているという事を想像していた。偶にラプチャーの殲滅に成功して平和に暮らしていると思っていたりもした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………泣き止む気配がない。………俺は無力だ…………。前々世から今まで童貞な俺にはある意味拷問に近しいぜ…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???side~

 

地上のラプチャー撃破は留まる事を知らない。ゴッデスの名を知らぬ者は居ない。しかし、その中でも特異な存在である人類最強と謳われていた者の死の訃報に誰しもが悲しんだ。彼はいつも笑っていたというより笑顔を絶やさなかった。勝利した時の取材ではこう言っていた。

 

『最前線で戦っている奴等は何時だって死線を超えてんだ。そんな俺等が黙々と敵を倒した時だけ喜ぶと人間味がねぇだろ?人間誰しも束の間の休息の間でも笑って周囲を明るくするんだ。それだけで心が少しでも晴れたら気持ちいいってもんよ!』

 

今一理解出来なかったのは大多数。でも、少人数でも理解する者は居た。そんな少数は護られるだけじゃなく後方でも良いから支援をした。自分自身が出来る事をして少しでも負担を軽減させる為に動いていた為、遊星の訃報を聞いても数日後には前よりも熱心に働いた。

少しでも―――そんな想いで動くが、とうとうラプチャー達の攻撃に押し敗ける現実を突き付けられた。だが、だからこそ人類を、ニケを、彼等を護る為にアークという地下都市を造る計画に賛成して全力を尽くした。勿論笑顔を絶やさずにだ。偶には遊んで作ったステルス装置を実践レベルまで昇華させた物を前線に送ったり、遊星が提案していた人工肉を生成する装置を造って拠点に送ったりもした。

全ては地上で戦う彼等の為にとそう想い全力を尽くして完成した。そして、意味も分からず拘束された。『何故だ!』そう声を上げれば、人類とニケの均衡を保つ為という長期的に見れば分からなくもない理由だ。しかし、それでは地上で戦っている彼女達を裏切る事と同義だと声を上げる。

 

パンッ!

 

一人が殺された。誰かが通信している姿が見える―――、そのスピーカーからは何時かの取材で聞いた遊星の仲間でゴッデスの一人だと理解した。ふざけるな!!

 

パンッ!

 

声を上げた者は殺された。スピーカーから聞こえる声は慌てふためいている様な声色だ。だからこそ、他も彼等に目を配せて一斉に声を上げた。

 

『ニケは人間だ!』

 

パンッ!

 

一斉に銃声が鳴り皆が倒れる。嗚呼、彼女達が死んでも来世では彼の様な笑顔を向けてくれる優しい人の元に生まれ変わって下さい。そう願いを込めて意識は無くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長く眠ったと自覚し、目覚めると真っ白な空間に幾つもの映像が映し出されていた。一方はラプチャーと戦っているニケと指揮官と思しき人間が映っている。もう一方は真っ暗だ。何をするでもなくただ見せられるだけの時間―――。だが、変化が訪れた。真っ暗な映像はラプチャーが存在しない平和な世界が映し出された。ここに居るだけで羨む事しか出来なかったが、平和な世界で鏡に反射して映し出された男はまるっきり遊星の姿だ。

歓喜し、気分が最高潮に達した時に何もなかった筈の自分の手足が作られた。それは周りも同じで、彼等はあそこで亡くなった同志だと理解した。身体を得てから、この空間では想像した事を生み出して色々する事が出来る。例えば、彼の世界で映る食べ物を食べたいと想像すると目の前に同じ物が出る。味もあるし重みもある。こんな美味しい物を食べても良いのかと思った事があった。しかし、それは劇物の如く我々をダメにした。

まるで鑑賞会をしていたが、平和な世界ではどんどんと様子が変わっていったのだ。ダンジョンというファンタジーな物がある社会。スキルという特殊能力が人に備わっている。皆が彼が勝ち組だと言ったが、それがフラグだったのかスキルが無い無能な人間というレッテルを貼られ、虐めや職にありつく事が出来ない最悪の事態だ。

出来る事をしているのは野菜を栽培して準自給自足な生活をしている。しかし、まだ彼に追い打ちをかけるかの様に家族の死、被害のでっち上げによる不正行為による搾取。彼が何をした?何もしていないどころか必死に生きて行こうと足搔いているのにそれをぶち壊す社会―――まるで社会がラプチャーの様だ。我々は決意した。この場所に来てから今まで彼を眺めているだけで何もしていなかった己を悔やみ、もう片方に映る映像を見る。そこにはラプチャーを殲滅して平和になった地上と傷だらけで今にも死にそうなゴッデスの面々。仲間の袂を別ち、別々に行動していた筈の彼女達は最後の最後で合流し、己の全てを賭けて次代へと託して逝く寸前だ。彼も家族との別れの後に前世で死因を語ったり彼女達の事について零している。ならば、我々が望む事はただ一つ。

彼女達を労わり、少しでも笑顔がある日々を送って頂きたい。だからこそ、今出来るありったけの想いを込めて彼と彼女達への縁の繋がりを創り、復元しながら移動させる。ずっと自堕落になっていた我々の罪滅ぼしだ。最初は彼女―――ドロシー様を送る。裏切られ、我々の死を正面から叩きつけられ、心優しいながらも復讐で精神を擦り減らし続けた彼女を癒さなければならない。丁重に、壊れやすい陶器を運ぶかの様にゆっくりと移動しながらニケのスペックを落とさずに人と限りなく同じ体へと変えてゆく。この程度の改造ならば茶目っ気で許してくれるだろう。

ドロシー様……いえ、ゴッデスの皆様は報われなければなりません。だからこそ御許し下さい。比較的平和とはいえ、ダンジョンという戦いがある世界へと送る我々を恨んで下さい。また貴女方を戦いに送り出す事となりますが、彼を癒して下さい。彼は今世の家族の絆も大切にしており、失わせたくありません。どうかお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ドロシーside~

 

復讐を計画するも悉く失敗に終わるドロシーは平和になる地上を見てとある場所に来ていた。それはたった一人でラプチャーを足止めして次代へと託した彼と姉と慕っていたの二人の墓だ。

 

「復讐なんてやはり無理だったようです。貴方ならどうしていたのでしょうか?笑っていたのでしょうか?泣いていたのでしょうか?もう、知る事は出来ません。ですが、ゴッデスで過ごした皆との記憶は今も鮮明に覚えています。きっと私は地獄に堕ちるでしょう」

 

墓石に背を預けると身体にエラーが発生して手足が動かなくなり、次第に意識が飛び始める。もう自分は死ぬと分かった。

 

「ごめ…………さ……い」

 

遂に視界はブラックアウトし、ドロシーは死を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、大勢の誰かに導かれる様に体が軽くなりながら再び瞼を開けると知らない部屋の中だった。

 

「……え?……な、何が……おきて?」

 

混乱する頭だが、直ぐに意識を切り替え銃を呼び出す。誰かが己を拾って研究しているのか、はたまた直しただけなのか理解出来ない。

 

生活痕はある―――誰かが住んでいるという証拠です。木造住宅なんて豪華な造りですね。しかし、足音には気を付けなければいけませんね。靴は脱いで隠れながら様子を確認しましょう。

 

音を立てずに戸を開けて警戒しながら進む。すると、声が聞こえた。

 

「…………シー…………」

 

この家の家主?にしては若い声。一瞬しか聞こえませんでしたが、20代付近の男性―――。やはり男ですか。しかし、何故私はあの声を一瞬だけでも聞いて動揺しているのでしょう?新手のブラフ?分からない。自分の事なのに分からない。何故なの?

 

「…………リリーバイスに強制的…………」

 

リリーバイス!?何故その名を知っているのですか!貴方は一体誰なのですか!!くっ、声を一瞬聞き流してしまった。落ち着いていない証拠です。背が見えた、推測通り20代男性ですね。

 

すり足で足音を立てずにゆっくりと近付き、体全体を視界に収めた瞬間に取り押さえようとしたドロシーはつい動きを止めてしまう

 

「でもさ~、敵の増援が来る前に超長距離射撃の狙撃でドロシーを庇って腕に弾丸が命中したんだけど……毒弾だったんだよ!卑怯じゃね?今まで実弾やビームばっかりだったのに状態異常かつ人間だけに効く毒って普通思い付かないじゃん!殿してる最中に身体中激痛走りながらだったけどねぇ~。自分の身体は自分が良く知ってるって思ってはいたけど、集中し過ぎてアドレナリンドパドパ状態だったのが合わさって終わった時に気付いたよ。『あっ、これ死ぬわ』ってさ」

 

……ありえない。だって……貴方は死んだの。私の膝枕で眠る様に息を引き取って――――。

 

――――銃口がブレる。――――視界が歪む。

 

「体軽くてフワフワしてる所に微かに声が聞こえたんだよ~。何言ってたか全然頭で理解出来なかったけどてきとうに頷いたり返事してたり……していたのか?まぁ、仲間が迎えに来てくれてホッとして緊張の糸が切れたが最後ってね」

 

貴方なのですね。……知っています。だって、私が貴方の傍にいたのですから――――。

 

「本当に最後に聞こえた声は―――「お疲れ様―――です」…………はぇ?」

 

涙を沢山流しながらでもちゃんと言えた。最後に私が送った言葉―――。覚えていた!聞いていた!振り向いた男性は私達が見覚えのある顔でありながら呆けている表情。感情が抑えきれない。言いたかった!死んだ先で言いたかった言葉!

 

「ふぅっ、ううっ―――バカぁああああああああーーーーーーーー!!」

 

彼の抱き着きながら嗚咽を鳴らしながら涙で服を濡らす事を気にせずただただ泣く。私は今まで我慢していた蓋が取れて感情の何もかもが溢れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 











書いたら出る教を信じて本日投稿します。水着ドロシー欲しいもん!








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