暑さにやられて後半から書くペースが落ちてしまい申し訳ありません。
読者の皆さんも体調に気を付けて生活しましょう。
話は変わり、限定の水着シンデレラとペンギンマルチャーナは手に入れましたが、金チケ交換となりました。この後にコラボや周年と続くと思うと石の消費を気を付けつつ準備をしていくぞ!
追伸:ラプンツェルのキャラ崩壊?に注意が必要です。作者的にはこの位ブッ飛んでいると思っているのですが、負組さんのあれに引っ張られている自覚があるのでそこの所ご了承ください。
~ラプンツェルside~
初めてのダンジョン探索から数日置いて下準備諸々を済ませた三人は一層を小走りで駆け抜けて二層へと降りる。一層の魔物はかなり余裕を持って討伐が出来、食料の野菜と肉を確保する。
「食料ダンジョンは何故人気が無いのでしょうか?」
「考え方の違いですね」
「食べ物に事欠かないとはいえ、外で食べるなり買って食べる方が楽で安全という点が大きいな」
「個人で群れの魔物に勝てるなら大丈夫なのでしょうが、普通の人では無理でしょう」
:俺食料ダンジョンの魔物の群れにソロで挑みたくねぇ
:死ねる
:全方位から襲撃されたら死亡確定
:野菜は精霊馬の見た目とはいえ結構力強いからな
:かなり前の動画で前衛の一人が吹き飛ばされたのを見た事あるわ
:吹き飛ばされた先に鳥の魔物の群れが居てな…
:追撃の如く群がられて死んだんだよな……
:主達は個人で強いから出来るってだけなんよ
道中の鳥の魔物は蹴り飛ばしただけで倒す事が出来るが、他の低ランク探索者達はその様な事は出来ない。せいぜい少しだけ遠くに飛ばす事が出来るか傷を付ける程度である。
「しっかし、前回見た鹿の魔物は居ないな」
「周辺に気配すらありませんね」
「情報から考えると個体数が少ないと思われます」
「正直言うと旨味が無い肉だったよ」
:鹿肉ね……
:少々高いけどもう一度食べたいかと言われたら微妙と答える
:下処理の手際で変わるもんな
:食料ダンジョンの鹿肉って日持ちしなかったんだっけ?
二人が以前手に入れた鹿肉についてだが、冷凍した場合でも一週間以上も保たなかったのだ。一応形は大丈夫だったのだが、解凍する段階で腐ったり凍ったまま調理しても悪臭で凄まじかったりと何をどうしても駄目なのだ。一層で手に入れた肉類は少しだけ冷凍庫の臭いが移った程度だったので、どういう理屈で食べれなかったのかが不明だ。
「鹿肉はそのままだとドロップしてからニ日以内に食べる分には問題は無いだろうな。だが、それ以上となると冷凍しても五~六日までだ」
「これはあの鹿肉だけなのかが不明なのです」
:《ギルド長・本郷》検査や調査等に関しては問題なかったが食べる分には保存期間等が問題だった
:ギルドの方でも調べたとなれば全般的にそうなんだろうな
:渋いな…
:ドロップの中でもゴミと同等
:外れ枠のドロップだな
:魔石も時々欠けたのが偶に落ちるもんな
:売値が半分以下になるのはクソ
どうやら他のダンジョンでも外れ枠のドロップがあるらしい。どの様なドロップが外れ枠なのかはこれも不明だが、恐らく二択のドロップテーブルとしてあるのだろう。
「そして、私達はその外れ枠のドロップだったという事なのでしょうか?」
「これに関しては同じ魔物を倒して様子を見る以外の確認方法は無いんだよな……」
「そうですね……。―――前方の岩陰に恐らく五匹の群れです」
「遊星は攻撃しないで下さいね?」
「……はい」
ラプンツェルの光弾が放たれ着弾―――、爆発で吹き飛ぶ豚の魔物達にドロシーが発砲して確実に仕留めようとしたが、空中で塵になってドロップ品が落下する。
「……ラプンツェルの攻撃で即死となれば遊星の攻撃でも倒せそうではありますね」
「一応ドロシーの攻撃でも倒せるか確認しましょう。そして、倒せたら一つだけ残して遊星が倒す方向で行きましょう」
「…しばらくはドロップ品を拾う係だな」
:普通はそうなんだよ
:主が異常なだけで
:召喚師は戦闘に参加しないが普通です
:司令塔の役割なんだぞ?
「皆辛辣で辛い」
「とはいえ、遊星が魔物を倒さなければ経験値すら入らないという点はかなり厄介ですね」
「スキルのメリットとデメリットがあるのは分かりますが、遊星の場合は特にですね……」
「これが遊星だからこそどうにかできるだけなのです。もし一般人だと仮定するならば、戦力強化はかなり引き延ばしになります」
召喚師であるにも拘らず戦闘能力が高い遊星だからこそ、スキルの成長速度が速いのだ。その分メリットも明確に存在するので必ずしも外れと言う事は絶対にない。
:主だからメリットとデメリットの差が少ないだけでなぁ…
:ユニークスキルだからとはいえね
:一般人が手にした所で周囲の補助が必須だという
:色々と調べたけど主のステータスは異常なんだよ
:どんな特訓したらそうなんのよ……
「言われていますよ?」
「と言われてもなぁ……。沢山動いて沢山食べてよく寝るを繰り返していただけなんだよ」
「ええっと……学生時代に野生の猪を単独で追い詰めて仕留めたと言っていませんでしたか?」
:ファー!?
:単独で追い詰めるってどんだけ無茶してんだよ!?
:仕留めたって事は死体も回収して食ってるな
:どんなゴリマッチョ!?
:ゴリマッチョでも無理だって
「いやいやいや俺ゴリマッチョじゃないよ!?ほら見てみろよ!」
「何をしているのですか!?」
「ここで脱ぐ!?」
「服を捲るだけだよ!」
遊星が服を捲ると、引き締まった筋肉が良く見える。洗練された肉体という表現が正しいのだろうか……、マッチョとまではいかない位だ。
「そこまでゴリゴリでムッキムキな感じじゃないだろ?」
「……何故この身体であそこまでの力が出せるのでしょうか?」
「ちょっと触って―――あぁん!柔らかいです!!」
「くすぐったいから触るなよ……」
:俺Aランク探索者だけど主よりも筋肉ゴツイぞ?
:Aランク!?
:トップ層じゃねえか!
:食料ダンジョンの配信見ても意味ねぇだろ?
:戦い方の参考にしているんだ
:主達ってAランクから見ても強いん?
:俺達Aでも底辺のAだから鵜呑みにするなよ?正直主達は俺達が束になっても勝てん
:何人パーティー?
:八人だ
:やべぇーい
:主達やべぇーい
視聴者達が色々と反応しているが、当の三人はお構いなしである。それよりもドロシーとラプンツェルが遊星の腕の筋肉を触っていたりする。
「柔らかいですが……力が少しでも入ると物凄く硬いです」
「力が入っていると筋繊維一つ一つが鋼鉄のワイヤーみたいですが、リラックスな状態だとむっちりです」
「あの……本当に止めて?」
:ウッホいい筋肉ゥ!
:あの腕で抱いて欲しい
:ちょっと触ってみたいかも
:ボディビルしてみない?
:わい男だけどこの肉体美なら抱かれたい
:ホモォ!
:腐の者達が主のあられもない同人誌を出すかも?
:もう描いてるから気にしないで
:はやすんぎぃ!?
「止めてくれよ。只でさえ前世で親友に話のネタにされたんだから」
「指揮官が?」
「俺もはっちゃけて悪乗りしたのがいけなかったけどさぁ?サウナで肩組んでる所で触られて『何だこれ!?モッチモチなのに金属のように硬くなったぞ!?今日から親友は餅筋肉美だ!』って……。何言ってんだこいつと思ってたら、翌日から研究員達からも『餅筋肉ってどんな感じ?』って触られまくったんだよ」
「「あぁ……、そういう事もありましたね」」
研究の対象になり筋繊維の造りが一般人と比べて違っていたりしたので、ある意味では学者達もヒャッハーとノリノリでレントゲンやMRI等の精密機械で検査を何度も無駄に繰り返し行われていた。
「だから俺、健康診断大っ嫌いなんだよ。もうほぼ毎日三時間の検査拘束なんてされたくない」
:草ぁw
:三時間拘束は地味にキツイ
:ストレスで禿げなかった?
:ここで髪の話をするなぁ!!
:つい気になって
談笑しながら探索を進めていくと、丁度中間地点の安全地帯に到着した。魔物との遭遇が少なく、体力の減りも殆どない。ここで安全地帯の情報を収集してから昼食の休憩に入る事にした。
遊星の筋肉はあの様に柔らかかったのですね……。指揮官との絡みの絵を書いたらどうなのでしょう?帰ったら画材を購入して描きましょう!ふふふ、遊星と指揮官とブラザーの三人の汗を滴らせる絵を想像するだけでも興奮してしまいます!!
ラプンツェルは脳内で妄想しながら折り畳みの椅子やテーブルを広げて設置し、遊星とドロシーは調理する為に野菜をスキルで出した水で洗ったり鍋に溜めたりしてテキパキと食事の準備をしていく。
「少し戦闘をしてもこの調子なら三層に降りる事が出来るがどうするべきか……」
「一度降りてみて戦闘をして判断をする形でどうでしょう?」
「この二層ではあの岩場でラプンツェルが攻撃した以外は居なかったし」
「豚肉がドロップしましたがどうしましょう」
「食べるが、少量はそのままマジックバッグで保管出来る時間を把握する為に入れっぱなしにする予定だ。ドロップ肉が傷むまでの期間を把握しておきたい。今回は全部豚肉で大きさや形も同じだから外れドロップではないだろうと想定し、それぞれに紐を結んで確認をする」
:ドロップの食べ物が腐るっていうのは終わってる
:マジックバッグが必須なダンジョン
:草も生えねぇ
:本当にクソダンジョン
:深くまで潜ってもマジックバッグが無けりゃ換金する頃には腐ってるか
:そりゃ誰も行きたがらなくなりますわ
「薄く切って生姜焼きでも作るか」
:生姜焼きキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
:飯の準備だぁ!
:そういや一層でタマネギドロップしたな
:キャンプ飯じゃねぇ!
:ギルドからマジックバッグ貸し出しとか羨ましい
:↑ならお前も食料ダンジョン専門で攻略しろよ
:ギルドからも通達あっただろw
:ギルド『食料ダンジョンを専門に潜るなら貸し出しOK、他のダンジョンでは貸さないよ』だからな
:それよか主の手際が良いな
遊星があっという間に豚肉とタマネギを切ってタレに付け込んでいます。料理男子……専業主夫―――良いですね。男性が疲れて帰宅した時におかえりと出迎えつつお風呂か夕食のどちらかをお勧めして……いいえ、これは何も男性でなくとも私達女性でも良いのではありませんか!?
最後には『それとも俺をご所望かな?』と言いながら汗に蒸れた身体の臭いを気にせず、そのままベッドインからのくんずほぐれずの濃厚な匂いを撒き散らしながらのプレイ!!ほわぁ~、興奮した逸物を曝け出して―――
遊星の後姿を見ながら恍惚な表情で涎を零すラプンツェルだった。
~ドロシーside~
「はぁはぁはぁ!」
ラプンツェルのあの表情は見るに堪えません。本当にどうしてああなったのやら……。
:性女の表情が…
:恍惚かつ涎を垂らしてやがる
:腹ペコ聖女なら良かったんだが…
:如何せん奴は変態だ
:何を考えているか常人には分からぬ!
:主も可哀相に…
:妄想の餌食
スライスして薄力粉を塗した豚肉を焼く間に、生姜の擦り卸しを醤油・砂糖・料理酒のタレに混ぜる。千切りにした生姜を合わせて投入し、ある程度の肉に火が通ったらタマネギを投入してしんなりするまで炒める。その後、タレを投入して焼きからめてお皿に盛り付けて、パンに生姜焼きとインスタントのコンソメスープで昼食の完成だ。
「……野菜が少ないですね」
「それはすまん」
「前の世界では野菜は貴重でしたが、此方では広く普及しているので買わなかったのですか?」
「……ギルドの調査書ではキャベツやレタスの魔物が居ると書かれていたのに出会わなかったんだ」
油断というよりも楽観視していたのだ。一層ではそれなりの種類の魔物と出会った為に、二層でも同様に色んな種類の魔物を―――と思っていた。しかしながら、出会った魔物は豚の魔物だけである。
:驚異のエンカウント率
:二層から豚の魔物以外出会って無いのが異常
:普通は居ると思うのよ
:いやいやいや一層ではナスとかキュウリの魔物が居たよね?
「すまん、ナスとキュウリは浅漬けのタレに漬け込んでいるんだ」
実は一層でドロップしたナスとキュウリは移動しながら袋で漬物を作っていたのだった。
:こwいwつw
:移動しながら漬け込んだんかw
:何気に出来る男なのにそれが裏目に出たw
:漬物はすぐには出来ないからな
:半日は漬け込みたい
遊星から『移動中に漬物を作る!』と言われて二層でドロップするであろうキャベツやレタス等の葉物野菜の魔物が一体も出会わなかったのは運が悪いと言わざる終えないのでしょうね……。
「と、とにかく食べよう!今回は裏目に出たというだけだから次から気を付ける!!」
「そうですね。この後の探索に集中しましょう」
「それにしても生姜焼きサンドがおいしいですぅ~!」
「生姜のさっぱりとした風味が良いですね」
「調味料や薬味を多めにマジックバッグに入れて持って来ているから飽きない様にするさ」
:マジックバッグはこういう長期探索だと便利だな
:素材も入るし携帯食料も入るし味変の調味料が入れれるのデカい
:時間経過減衰効果が無くても日持ちするの沢山あるしな
:そういやダンファームで買った携帯食料持って来てるの?
:食料ダンジョンで携帯食料持って入るって微妙じゃね?
あぁ、あの携帯食料ですか。私も不要では?と思いましたが念には念をという理由でしたね。
「ダンファームの携帯食料ってレトルト系ばっかりだったけど念には念を入れてな…。不測の事態で駄目な時に使って、消費期限までには料理に混ぜたりしてアレンジしたりしても良いからな。こういう携帯食料って味付けが濃いのが多いからお手軽に味を決めれるのが利点の一つだな」
「……そういう事だったのですね」
「一人当たりの個数が多いと感じましたが料理にも使うという理由があったのですね」
缶詰やレトルトの携帯食料を使って作れる料理は沢山あり、それこそ調理時間を大幅に短縮させたりと人によって様々な使われ方である。
「加熱調理済みの物だったら、携帯食料の乾パンに付けながら食べると美味しいからな?カレーとかビーフシチューなら乾パンで口の中の水分が持って行かれるのを多少は抑える事が出来るから……ってかこれって普通の考えじゃないのか?」
:そもそも味を気にしないのが多いのよ
:言われてみれば確かにぃ
:俺探索者…主の真似しよ
:俺も真似する
:乾パン調べたけどダンジョンで常食している携帯食料よりもやっすいな!
:企業がお勧めする携帯食料一つで千円超えるもんな
:レトルトパウチと乾パン……あまり嵩張らんぞ!?
:あ、乾パンがトレンド入ったw
:うっそだろ
今現在どの様な社会現象を巻き起こしているか知りもしない三人は昼食を食べ終え、装備の点検をしてから三階層に向けて探索を続ける。
これで三階層に到着するまでに魔物との交戦数が多ければ、その様子を見つつ次へ進む予定である。
「ギルドが調べてた情報でも三層も水源が無いとの情報だが……ドロシーの水魔法とマジックバッグに水を溜めてるからそこまでの心配はしなくても大丈夫なのが救いだな」
「食料で吸収出来る水分量もそれなりにはあるかもしれませんが、それでも多少です」
「そうそう、多少の発汗だろうと時間が経てばそれなりの量になるからな。そうこう言いながらキャベツの魔物発見、ラプンツェルの攻撃を先に試そう」
「いきます!」
光弾が飛び、キャベツの魔物に直撃して爆発。一発も耐えきれずに粉砕され、光の粒子となりスーパーで見る様な一玉がドロップした。
「取りに行こうかと思ったが、おかわりがやって来た。あれは……レタスか」
ドロップキャベツの奥の茂みから転がる様にして突進してくるレタスだったが、これもラプンツェルの光弾で粉砕された。
「……キャベツやレタスに限らず野菜は打たれ弱いんだな」
「直撃して粉砕なので打たれ弱いのは確実です。しかし、道中に居た豚の魔物も一撃だった事を鑑みて私達の攻撃は十分通用するダンジョンという位置付けで良いでしょう」
「私達以外の探索者達は大怪我をする人が多いとありましたので油断は大敵です」
「今度は俺が斬ってみるか」
そこに丁度良く豚の魔物が三匹現れたので、一瞬で距離を詰めて頭を切り落とした。抵抗は殆どなく、あっけないものだった。
「……あっという間でしたね」
「…ええ、抵抗も出来ずにやられましたね」
「刀が良いというのもあるが、魔物自体が弱いのか?」
三者共に二層の魔物の手応えの無さに疑問を抱えつつも、情報通りに進みながら三層の階段へと向かう。道中に鹿の魔物が一体だけ現れたが、大きさは普通だったのでこれも遊星の一刀両断でお肉となった。
これに関しては魔物が弱いという訳ではない。三人のステータスはA~Sランクに分類され、もっと深い階層まで攻略をする事が出来るというだけだ。中級者帯に超上級者帯の上澄みが殴り込みしているという簡単なものだ。
:そりゃあ主達のステータスは超上澄みですぜ?
:歯応えが無いのはただ単にステータスがバグなだけ
:主達は地力の暴力で殴ってるだけ
:魔石ダンジョンに来なくてよかった
:下層より深い所で活動している探索者達が上層で暴れるとかヤバイ
:本郷よくやった
:ナイス本郷
:流石ギルマス
:《ギルド長・本郷》お前らなぁ…
魔石を主に収入源としている探索者達がホッとする中、三人はどんどんと奥へ進んでいき魔物を薙ぎ倒していく。刀を使っていた遊星は、野菜の魔物には拳や蹴りで対応し始め全てを粉砕していたりする。それなりに硬いであろうニンジンの魔物が投げ槍の如く飛来してきたが素手でキャッチして握り潰し、ジャガイモの魔物は硬くなって突撃したがラプンツェルの杖で砕かれ、セロリの魔物は飛び掛かった瞬間にドロシーの手刀で上半身を薙ぎ払われて千切れた。
:ニンジンーーーーー!!
:ジャガイモーーーーー!!
:セロリーーーーー!!
:何なんだ絵面は
:野菜の魔物でもそれなりの硬さがあるってギルドから聞いたんだがなぁ
:性女の杖で殴られて砕かれたジャガイモぉ
:セロリは頑張ったよ
:それよか結構な速さで飛来したニンジンを掴むって
:動体視力も反射神経も鬼だな
:主に音ゲーやらせてみたい
ドロップした野菜は数多く、夕食にふんだんに使っても余る位の量だ。尚、初心者帯の装備だとニンジンの飛来を盾で防いでも貫通するので危険だ。奥に進むにつれて魔物の遭遇率が上がるが、そのどれもが野菜の魔物―――、極端な偏りで良し悪しある現状だ。
「三層への入り口に近付くにつれて獣の魔物が全く出ずに、野菜の魔物ばっかりだな」
「手前が獣、奥が野菜といった分布図なのでしょうか?」
一応情報としてメモを取り、再び奥へと進んで行く。しかし、新種や初めて遭遇する様な魔物は居らず、三人は順調に進んで地上が夕方になる前に三層へと降りる階段の前まで到着した。
「…あっけないと言うかなんと言うか」
「順調なのですが……想定より早く着きましたね」
「道中の魔物もそれ程強いという印象はありませんでした」
「えっと……どうする?ギルドの情報通りだと、このまま降りて少しした所で安全地帯だが…。俺は降りて魔物と戦闘による感覚で維持か戻るかを選択したいんだが」
「確かに三層の魔物の強さを知る為には必要ですね」
油断はしておりませんが何かしらのイレギュラーが発生したと仮定したとしても、私達三人なら対処が出来る筈です。しかし、これは三階層の魔物の強さが想定を超えていなければです。
周囲の警戒をしつつも、遊星がギルドからの情報を纏めたメモを取り出して判断する事にした。
「出る魔物は確認されているだけで……豚と鶏が変わらず出るのか。しかし、一層と二層に居る野菜の魔物は出ずって事と、出会う確率が低くはあるが果実系が出現すると…。糖分摂取という意味では持ち込み分を含めると丁度いい間隔と判断しても良さそうだな」
「他に注意する様な野菜の魔物は出ないのですか?」
「これと言ってはなさそうだが、強いて言えばパセリの魔物か?体当たり等の力は弱いが、全体的に硬い為に盾に傷を付ける厄介者―――だそうだ」
「それは危ない魔物では?」
「防がなければ良いだけだ。ハンマーとか斧みたいな重量武器による叩き付けで叩き切ったり潰したり出来るとの事だ。因みに、この刀は100キロ位あるから大丈夫だろ」
:ふぁ!?
:聞き間違いか?
:刀で100キロとか欠陥武器じゃね?
:刀は叩き切る武器じゃねぇんだわ
:主本当に人間か?
:流石に盛過ぎでしょ
武器の中でも人が扱う武器でこれ程までに重いと誰にも扱えませんよね。
:……もしかしておやっさんが造った刀か?
:……あれか
:普通に鈍器なんですがそれは
:確かに似てるけど
:何人か知ってる人居るじゃん
:どんなん?
:ロマン武器
:趣味全開武器
:ゲテモノ武器
酷い事ばかり言われていますが、作った張本人がゲテモノと呼んでいましたからそれだけに関しては妥当でしょう。しかし、他の貸し出し武器の手入れ等についてとなれば話は別です。それぞれに合った武器を体格で選びつつ、話で当人の情報を読み取り種類を用意する―――簡単ではないその見聞は驚嘆に値します。
外見には何も出ない様にしつつも、内心では銀上の事を褒めるドロシー。
「という訳で、三層に降りるけど大丈夫か?」
「魔物の強さが想定以上なら即時撤退、想定内もしくは想定以上に弱い場合は攻略という形ですね」
「了解しました。何時でも防御魔法を掛けれる様に注意します」
計画は決まり、三人は三層へと降りた。そして、これもギルドの情報通り一~二層と同じ環境だった。
「う~ん、ここまで周囲の環境の変化の無さは良い意味ではあるんだが」
「環境が変化すれば調査をしてからの撤退をしなければいけません。しかし、ギルドが調査したのはこの三層までです」
「何処からが環境の変化なのか不明ならば、それまでの道中に要する日数等も計算すると深くまで探索するのは厳しいですね」
:主達の強さだから短時間でここまで来れたからな
:《ギルド長・本郷》ギルドでは調査に半年だったからな
:《ギルド長・宮本》普通は何かしらの旨味があるのだけど…ね
:《ギルド長・村上》毎日赤字数十万だったからそれを考えてよ
:本音言っちゃうんだ
:赤字の桁ヤバ
:まぁ知ってた
:《ギルド長・本郷》これでも国からの要望で調査を続けた方だ
:《ギルド長・村上》二層で切り上げようと提案したけど断られたよね
:《ギルド長・宮本》ベテラン探索者なら知っている情報なのよね
「あーあーあーあー、そんな闇は聞きたくない!もしも国やらギルドが我々も連れて潜れなんて言い出したら食料ダンジョンの攻略なんて辞めるわ」
「護衛をするにしても人数が圧倒的に不足していますし、物資も足りませんね」
「例え増えたとしても行動に制限を設ける事になりますので危険度は上がってしまいます」
:ドロシー様達に群がる虫は排除するっぴ!
:偉い奴には肉体言語で解らせる
:どうやって?
:肉体言語w
:暴力はいけないと思います!
:装備だけ良い物使ってソロで食料ダンジョンに放り込む
:ダンジョンに放り込め
:放り込むだけで十分だ
:鬼畜の所業w
:無茶振りされるの嫌ですしお寿司
:国の偉い人は所詮数字だけしか見てねぇのよ
:変な制度が出来たら全探索者が首根っこ掴みに行きそう
成程…。もし、私達だけを標的とした制度が出来たら周囲を巻き込めばいいのですね。ふふふ―――。
ドロシーが心の中で黒い笑みを浮かべている事は二人共気付いているが、これに関しては咎める事はしない。
「んじゃまぁ、三層の安全地帯まで一直線で行くか」
「了解しました。それでは、最初はドロップの回収作業をお願いしますね?」
「分かってたよチクショウ!!」
「私達の攻撃で倒せる事を確認するだけですので落ち着きましょうね」
「……ラプンツェルが長い間冷静な状態なのは違和感を感じている俺は変なのかな?」
:草
:www
:性女だからね
:確かに昼食後からは冷静だ
:珍しい
:いや…つい最近がお披露目だったろ?
:そういやそうだった!?
:登場のあれが衝撃的過ぎたのが良くなかった
:俺達視聴者の記憶を捏造する程ヤバイ性女
:いたいけな少年の性癖が捻じ曲がるぅ!
「そんな事はあり得ません!少年の青春はもっと健やかで、体を動かす事を中心として同年代の少女と恋に……恋をするのです!奥ゆかしくも甘い蜜を含む雌蕊が雄蕊を誘う様に…………誘い受kいたたたたた!?痛いです!?」
遊星がラプンツェルに問答無用でアイアンクローをして宙にぶら下げて左右に揺らす。これで多少は反省してお淑やかになればと思ったのだが、逆の意味で大変な事になる。
:主揺らすのは止めろ!?
:うっ…これ以上は……
:むっちむっちぼいんぼいん
:たわわなメロンが揺れてるぜ
:吊るされたむっちりお肉
:ふとももおっきぃ
:うぅ……
:こんなのみたことないよ
:叡智だ
遊星はラプンツェルを降ろして悩まし気になる。
「お仕置きも駄目となると暴走特級猥談聖女じゃねぇか。……何でこんなになったんだよ。もうちょっと慎ましくも儚い位の賢者になるもんじゃないのか?」
「賢者というと
:おいとんでもねぇな
:これが吹っ切れている性女か
:喋っていると下が落ち着く
:分かるわ~
:冷静になれるからな
:こんなので抜くのは無作法である
「こ、こんなの!?わ、私はそこまで軽くはありません!み、身内なら多少見せても構いませんが……」
「あ、魔物発見―――あれは羊だな」
「羊毛の量が多過ぎませんか?食料ダンジョンという点を考慮しなければドロップは羊毛と判断するでしょうね」
「羊肉……ジンギスカン……癖のある肉だが大丈夫だろう。焼き肉のタレも持って来てるから味見しながらソースなりドレッシングなり決めればいいだろう」
「ですね。……命中―――頭に一撃です」
「周囲を警戒しつつ拾いに行くか」
「今の所周囲に魔物の気配はありません。さっさと行きましょう」
ラプンツェルを残して先に進もうとする二人、完全にスルーしている。
「ほ、放置プレイだなんて……。もっと開放的に自由になっても良いという事ですね!!」
「「違う(います)!!」」
鋭く、少しだけ怒りが含まれるツッコミにラプンツェルが少し引き攣り、大人しく着いていく事で怒りは収まっていく。
:うわぁ~
:ドロシー様も主も怒ると怖い
:ダンジョンは危険なんだよ
:誰だって怒るわ
:自重しろよ性女
:そうだぞ性女
:せめて口を塞ぐだけでも…いや駄目だな
:塞いだら塞いだでトリップするだろ
ある意味で不安だが、襲い来る魔物を一撃で倒していくのは凄まじい。大根、カブ、ゴボウ等の野菜の魔物は等しく粉砕されていき、安全地帯までに夕食用の野菜をそこそこ入手出来たのは嬉しい。
「この大根逞しいです。あぁ、ゴボウもこんなに長くて太いなんて……」
ドロップした野菜を何に使うかを不安にさせる言葉を残すラプンツェルは、後程ドロシーの拳骨が降り落とされる。
夏の暑さに負けずに頑張っていくぞぉ~。
小まめな水分補給マジでだいじ。